T-800(守護者)になった俺の前線生活   作:automata

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言い忘れていましたが、レナとカールの使う銃はターミネーターシリーズとシュワ映画で登場した銃器を中心に使っていきます。


あなたの背後に這いよるプレデター

「模擬戦ですか?」

 

「そっ」

 

 

グリフィンに就職して、早1週間。

最初の任務もこなし、曰く付きの404小隊の汚れ仕事の片棒を担がれかけられている今日この頃。

任務も無く、筋トレをして暇を潰していると突然レナからお呼びがかかった。

執務室に入るとAR小隊も404小隊も集められていた。

 

また新しい任務かと思ったが意外にも模擬戦だった。

話を聞くとAR小隊と404小隊…特に隊長格であるM4とUMP45の指揮能力向上が目的だと。

 

「ふーん、それで誰が相手をするの?AR小隊はまだしも私達404小隊は存在しない部隊よ?」

 

「あっ、私が相手するから」

 

 

45の問いにレナは食い気味に答えた。

その言葉に俺以外の人形はポカーンとした顔になる。

 

 

「指揮官、確かにアンタは前の任務で出張ったが、相手したのは統制も訓練もされてないゴロツキだったんだぞ。そいつらと訓練された戦術人形じゃあ、訳が違う」

 

 

M16はレナに苦言を呈する。確かに実戦経験無しのグリフィンの指揮官が実戦経験豊富な戦術人形部隊を真正面から戦うと間違いなく勝つのは後者だ。

だが、今彼女達の前に座る指揮官はただの人間じゃない。それを知るのは俺だけだが。

すると、レナはフッと笑みを浮かべてこう言った。

 

 

「心配は無用よ。私は強いから」

 

そして、椅子から立ち上がるとみんなを模擬戦の舞台である野外演習場に連れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一対四の対戦形式。レナは404小隊とAR小隊を相手取らなければならない。

カリーナと一緒にパソコンで模擬戦の様子を見る。

野外演習場は森で生い茂っており、各地に配置されたドローンと人形の目、レナの胸に装着した目線カメラから送られて来る映像で模擬戦の様子を見ることができる。この映像も模擬戦後に貴重な資料になる。

 

 

ドローンの映像からレナが映っていたものに切り替える。装備は前と同じHK416とMK23。今回はパワーアシストスーツは着ていない。

その向かい側には404小隊がいて、落ち着いた様子だ。

模擬戦で使うのは実弾ではなくペイント弾だ。人を殺す程の威力は無いが実弾に限りなく近い弾道で飛ぶように作られており、当たると結構痛い。

 

 

ビー!と音が鳴り、模擬戦が始まる合図だ。

 

 

45のハンドサインで404小隊は散会した。G11は自身で選んだ狙撃ポジションに陣取り、45と9はツーマンセルで前衛、416はその後ろに立ち、遊撃のポジションを取る。

生い茂った木々を掻き分けながら、45と9は音を立てずに歩く。416はその後ろをついて来る。

 

〈いい?いつも通りに行くわよ〉

 

〈分かったよ、45姉〉

 

〈ふん、言われなくても分かってるわよ〉

 

 

 

9の視覚に映った草むらが動いた。音も鳴り、3人はしゃがんだ。

 

 

〈見てきて、ナイン〉

 

 

おっ、フラグかな?(組合員感)。45の言う通りに9は草むらに近づく。

うーん、反応は良いが地面の足跡は気づいているのだろうか?レナにしてははっきりと見えるくらいの足跡を残しているからこいつは何か裏があります。

 

 

〈うーん、何もないよ。……わぁ!〉

 

〈っ!ナイン!〉

 

 

すると、9が上空へと引っ張られた。

ツルで作られた縄が9の右足首にくくられていた。やっぱり罠を張っていたか。

 

 

「指揮官さまって、凄い器用なんですね」

 

「ああ、あいつは自然遊びが好きでな。子供の頃は川で釣りしたり、貝拾って来たり、蝶捕まえたりしてたからな。学生の頃は罠を使った狩りも始めたしな」

 

「逞しいですね」

 

 

俺が営んでいたカーテン屋は森の中に建っていた。だから、レナは自然に触れる機会が多かった。

まぁ、初めての狩りで素手で熊を2頭仕留めて帰ってきたんですけどね、初見(カリーナ)さん。

 

 

〈急いでナインを降ろすわよ!……きゃ!〉

 

 

突然45が転ぶ。ああ、紐で作った簡単な罠に足を取られて転んだな。

 

 

〈ちょっと!こんな時に転んで…痛っ!〉

 

おっ、初被弾は416か。うへぇ、お尻に当たってる。

しかも、撃った先には銃を構えて棒立ちのレナがいた。フッ、と鼻で笑うと森の奥へと逃げた。

完全に遊ばれているな。

 

 

〈っ!いたぞぉぉ!いたぞぉぉぉぉぉ!〉

 

 

小馬鹿にされたと思ったのか416は激情に駆られ、ライフルを腰だめで乱射しながら、レナを追いかけた。レナの目線カメラに切り替えると、まるで鬼ごっこをしている子供のような声で笑いながら木から木へと飛び移っていた。あの子、こんなこともできたのか。これもうサルっていうかプレデターだな。

 

 

〈誘っているのよ416!戻ってきなさい!〉

 

 

45の声も届かず、416は森の奥へ奥へと誘い込まれた。

道中、罠を踏んでペイントがついた枝がペチペチと叩き、ペイント塗れになるが今の彼女を気づいていない。

ライフルの弾が空になると、被っていたベレー帽を脱ぎ捨て、スタンドアローンモデルのM203を取り出し、四方八方に撃ちまくる。

 

 

〈出てきなさい、クソッタレーー!〉

 

 

なお、レナは木から木に飛び移って射線から離れているので416の怒りの銃撃は実際無意味。

やがて、グレネード弾が切れる頃には45と9、G11が416の後を追ってきた。

 

 

〈眠いし疲れたしうるさいし…〉

 

〈ハァ…ハァ…やっと追いついたよ45姉…〉

 

〈そうね…きゃ!〉

 

〈またー!?〉

 

4人が揃うと地面の落ち葉の中からくくり罠が出現し、彼女達の片手、片足を縛った。

そして、草むらからレナが現れ、容赦なく撃った。

 

 

森に悲鳴がこだました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

模擬戦が終わり、森の前で待っているとレナにコテンパンにやられた404小隊がトボトボと出てきた。

彼女達の服はピンク一色に染まり、しこたま撃たれたことがよく分かる。

 

 

「うっひゃー見事にペイント塗れですね」

 

 

カリーナは少し顔を引きつって、言った。

なお、この元凶であるレナは一発も被弾しておらず、ちょっと土で汚れているだけだった。

「やりすぎだ」と注意してレナの頭に軽く(普通の人が喰らったら結構痛い)チョップする。

 

 

「はぁ…とりあえず、俺は彼女達をシャワー室に送ってくる。レナ、今度は自重しろよ」

 

「おかのした」

 

 

全く信用ならん返事が返ってきて、俺は次に犠牲になるだろうAR小隊に合掌した。

 

 

 

数十分後、また森のほうから悲鳴が聞こえた。

後にこの野外演習場はキリング・フォレスト(恐怖の森)と呼ばれるようになったりならなかったり。

 

 

 

 




はい、ということでまたレナ無双回でした。
これからAR小隊と404小隊は徐々にレナに染まり、脱人形への階段を上ってくれるでしょう。

脱人形ってなんだよ(哲学)
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