T-800(守護者)になった俺の前線生活   作:automata

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また忙しくなってきて、書く暇がねぇ…。


筋肉式の方が能率的だ

「クソクソクソがぁ!何でこんな時に殺し屋が来るんだ!俺はまだ死ね……」

 

「抹殺完了」

 

 

BANG!

真夜中の廃墟のビルの中で銃声が響いた。大型のレーザーサイト付きのハードボーラーが放った弾は逃げ惑っていた男の頭に命中し、死んだ。T1のT-800に倣って、マガジン一つ分、薬室込みで計8発の45ACP弾を脳、心臓などの急所に叩き込んだ。

ハードボーラーから空のマガジンを引き抜いて、真新しいマガジンに交換し終わると俺は殺した男から携帯を奪い、飛び散った空薬莢を回収するとその場から立ち去る。

 

 

〈こちらカール、目標の抹殺が完了した。これより帰投する〉

 

〈こちら45。了解した。ヘリを送るから待っててね〉

 

 

あの武器商人を殺す任務を皮切りにポンポンと椀子そばのように汚れ仕事が舞い込んできた。大手PMCとなれば、色んな方面から恨みを買われることはよくあるのだろうが、それにしても数が多すぎる。

麻薬の売人、武器商人、テロリスト、カルト教団、要注意団体、PMC、ets ets。そんな奴らのアジトに潜入して情報を盗むなり、殺すなりしている。

これは個人的な意見だが、別に面倒くさい方法をとらずとも、堂々と戦争をふっかけた方が手間もかからないのでないのかと思ってたりする。まぁ、T-800もサラ・コナーの暗殺が目標だったし、潜入と暗殺は一番ターミネーターらしい仕事なのかもしれない。

 

 

 

そうやって仕事をこなしていくと一体誰が言い始めたのか裏社会では“抹殺屋”なんて異名をつけられるようになった。

曰くどんな相手も必ず殺す傭兵、曰くその正体もクライアントも不明、曰く暗殺に使う銃は必ず45口径などなど話すときりがないが裏社会ではそういった話が実しやかに囁かれている。

 

 

そうこうしているとようやくヘリがきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅぅ…つっ疲れた……」

 

「ペイント弾だけどナイフで弾いて、しかも汚れないって意味分かんないわよ」

 

「また罠に引っかかったよ〜」

 

「あぁぁ、酒が飲みたい…」

 

 

 

 

ある日の正午、食堂には相変わらずレナにボロ負けして、テーブルに伏しているAR小隊と404小隊の姿があった。

みんなレナに一矢報おうと役割を決め、あの手この手で作戦を立て、自主練に励んでいるがだからどうしたと言わんばかりに作戦を破られ、返り討ちに遭う。何なら作戦に乗ったフリをして彼女達を手玉に取ったりしている。

 

 

前にレナが「私を鍛えたのはおじさん」と言ったせいで「どうしたら、あんなに強くなるんだ?」と質問責めにあったが、アメリカ軍の新兵育成プログラムに書かれたことをまんま教えただけと答えるとこの世の終わりのような表情をしていた。合掌。

 

 

「みんなーいるー?」

 

愚痴っているとこの時間には珍しくレナが食堂に入ってきた。この時間帯だと罠を設置してい(遊んでい)る筈だが。

 

 

「よかった。みんないるね。早速だけど任務が来たわよ」

 

そう言うとレナは茶封筒から何枚かの紙を取り出して、テーブルの上に広げた。マーカーだらけの地図、車や人物を撮った写真、字がぎっしり詰まった書類などなど。

 

 

「任務はここ最近活動しているコカインの売人達の逮捕よ。この前おじさんが回収した携帯から得た情報でようやく拠点が見つかったの」

 

あー、あの時のやつか。あの日は5件くらい仕事してたから忘れてたな。

 

 

「で、元締めはこいつ。ビクトル・ロスタビタ。表向きは酒場を経営してるらしいわ」

 

 

見せたのは小汚い格好をした中年の男。うん、顔つきはまんまレッドブルのビクトルだ。

 

 

「作戦はグリフィンの制服を着たおじさんが正面玄関から入って、連中が逃げるように促す。そして警察とあらかじめ作った包囲網で全員をお縄につけるっていう感じよ」

 

 

作戦の概要を説明するとM16が手を上げた。

 

 

「連中が発砲してきたら、どうすればいい?逮捕が目的なんだろ?」

 

「相手がどんな火器で武装してるか分からないから撃ってきたら撃滅してもいいわ。他に質問は?」

 

 

それからは1人も手を上げなかった。

 

 

「よし、じゃあ準備開始!あっ、おじさんは制服を渡すからこっちに来て」

 

 

レナの一声で基地は騒がしくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

制服に着替えて準備を終えた俺達は現場に着いた。パトカーがあちらこちらに止まっていて、警官も慌ただしく動いている。

 

 

「ちょっとネクタイがズレてるよ…よし。これでオッケー」

 

 

 

レナにネクタイを直してもらう。近くの窓ガラスに自分の姿が映っている。うーん、上着に袖を通さずに羽織ったらクルーガー社長と被るな。

最後に自分の持ち物を確認する。身分証ヨシ!防弾チョッキヨシ!護身用に持ってきた44マグナムヨシ!今日も1日ご安全に!

持ち物確認が終わると俺は酒場へとカチコミしに行った。

 

 

(え〜っと、地図によるとここかな?)

 

貰った地図に沿って歩いていると寂れた建物の前にたどり着いた。外装はボロボロ、中からアルコールの匂いが漂ってきて、ここが酒場であると主張している。だが、扉はcloseと書かれたプレートが吊り下げられていて、鍵もかかっている。

 

 

 

ドン!ドン!ドン!

 

Griffin! Open up!(開けろ!グリフィンだ!)

 

 

応答なし。俺は仕方なくドアを強引にこじ開けて入る。

中にはたくさんの“お客”がいて、誰一人何も喋らず、ジッとこっちを見ている。

 

 

「なんです、旦那?何も出ませんよ」

 

この酒場のマスターがそう言ってきた。何も出ない割にはコカインは出るんだなぁと思いながら、彼を無視して、ビクトルを探す。

 

 

(あっ、いた)

 

 

店の中心で女を侍らせて、酒を飲んでたビクトルがいた。

俺はビクトルの前に立って、偽の身分証を見せる。

 

「グリフィンだ、全員出ろ」

 

「どうしてお前らPMCは俺達見てぇな貧乏人を目の敵にしやがるんだ。俺達ゃ戦争で追われた田舎モンで都会の暮らし方ぁ知らねぇ。だから、いつもカモにしていたぶりやがる。犬野郎が」

 

 

ビクトルは小声で喋り出した。それに他の客はそうだそうだと便乗する。

 

 

「そうだ!これじゃあ戦時中に逆戻りだ!俺達ゃナンモしてねぇ!とっとと帰りやがれ!」

 

「俺達をパクる理由は何だ?」

 

 

俺はその問いに答える為に義足の男の胸ぐらを掴んで腹パンする。

 

「モアイ……」

 

 

変な断末魔を上げて、蹲るとそいつをぶん投げる。そして、そいつの義足を引き抜く。周りは悲鳴を上げるが無視だ。

義足のパイプにはコルク栓が付いていて、PON!と開ける。義足をひっくり返すと白い小麦粉のような粉がドバドバと出てきた。

 

 

「コカインだ」

 

 

空になった義足を投げ捨て、周りの客を見回す。全員義手や義足をつけている。つまりこいつら全員運び屋だ。

 

 

「……ずらかれ!」

 

 

誰かがそう叫んだ。お客は逃げ出すか、俺に銃を向けてきた。マグナムをホルスターから抜いて、銃を向けてくるお客に向けて発砲する。

 

 

BANG!BANG!カチッ!

 

 

マグナムの弾が切れた。それを好機と見たビクトル達は俺を囲い込んだ。

 

 

「ふん!」

 

俺は拳で応戦する。バカめぇ!こっちの方が速くて強いわ!

ナイフで襲いかかってくるやつもいたが、難なく交わして、代わりに近くにあった酒瓶を持って、殴りつける。

 

 

「相手は1人だぞ!何やってるんだ!」

 

 

敵1人を拘束して盾代わりにして、片手でマグナムをリロードする。

マグナムが当たっても死にはしない箇所を慎重に選んで撃つ。すると、カランカランと音がした。その刹那、白い煙幕が噴き出した。

 

 

(スモークか!)

 

 

盾にしていた男はもう用済みなのでカウンターの角に叩きつけて気絶させる。

煙幕で周りが見えない中、辺りを警戒していると後ろの方から僅かに風を感じた。その風を辿ると微妙に色の違う床板があって、それをめくると下水道へと通じていた。

 

 

(これは…地下通路か!)

 

 

恐らくこういった事態を想定して作った非常用の脱出口だろう。

ビクトルは煙幕に紛れて、地下へと逃げたのだ。俺も下水道へと飛び込み、センサーの出力を最大にして、ビクトルを追う。

まだ逃げ出して、そこまで時間は経っていない。それに明かりが一つもない下水道…まだ近くにいる筈だ。

 

 

迷路のように複雑に入り組んでいる下水道。俺は焦りを感じ、必死に探す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああああ!」

 

 

「なんだウグっ!」

 

突然、男の悲鳴が聞こえた。それと同時に何か大きなものが前から飛んできた。

俺は咄嗟に構えたおかげで下水に入らずに済んだ。

 

 

「っ!ビクトル!」

 

 

飛んできたのは探していたビクトルだった。しかも白目を剥いて気絶している。下水の方を見ると彼と一緒に逃げていた男数人がドザエモン状態になって流れていた。ヒデェや。

 

 

「カールさん、大丈夫ですか?」

 

 

ビクトルが飛んできた先からM4がパタパタと駆け寄ってきた。

 

「ああ、何とか。これは一体?」

 

「指揮官からの命令で下水道の所を見てこいと。それで回っていたら、この人達が突然ナイフで襲いかかってきて…」

 

「そうか…」

 

「すみません、いつも指揮官と戦っていたのでちょっと力の入れ方を間違えてしまいました」

 

 

力の入れ方を間違えたって、君たち何時も大人を気絶させて、尚且つ吹き飛ばすくらいの力でレナと戦ってるのか。何それ怖っ。

 

 

 

「SOPキーック!」

 

「うわああぁぁぁ!」

 

「私の後ろに…立つな!」

 

「ヒデブゥ!」

 

 

 

 

話しているとまた奥からザブーンザブーンと何かが水に落ちる音が聞こえてきた。声からしてSOPとAR15が落としたのか。

 

「とりあえず、こいつらを回収して地上に出よう。俺がやる」

 

「…はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談というか今回のオチ。

あの後、俺は下水に入って、浮かんでた男達を引き上げて、地上に戻ると既に逃げたお客は全員お縄についていた。

下水道に入ったビクトル達は匂いが強烈過ぎて、警官達は鼻を摘みながら、彼らを連行した。可哀想にありゃ、いくらシャワーを浴びても当分は取れないだろうなぁ。

 

 

 

後、俺もあいつらを引き上げる時に下水に入っちゃったので1週間経っても匂いが取れず、ずっとシャワーを浴びた。服も洗濯しても匂いと汚れが取れなかったので仕方なく全部燃やした。お気に入りだったのに……それもこれも全部ビクトルってやつが悪いんだ。(草加感)




AR小隊
レベルが135まで上がり、天元突破。何をどうしたらそんなに上がるんだ…。


カール
カリーナから絶対匂いと汚れが落ちる洗剤と石鹸を勧められて買ったが効果なし。資本主義者めぇ。


ビクトル一味
頭から下水に突っ込んで全身クソまみれ。お気の毒。
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