T-800(守護者)になった俺の前線生活   作:automata

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気が付いたら月が変わってた件について。


映画みたい、85年の

「くぁー眠い」

 

眠気を噛みしめながら、俺は真夜中の廊下を歩く。

明日の料理の仕込みが予想以上に掛かってしまい、もう午前3時だ。

やっぱ、ラーメンなんて作らければよかったと軽く後悔する。

 

「ハァーイ、カール♪」

 

 

扉を閉めた。おっかしーな、今部屋に45がいたぞ。

人形って寝不足になると幻覚を見るのか?

そうだ、そうに違いない。一時的なバグだ。全く、これからは早く寝よう。

そう確信して、扉をもう一回開ける。

 

 

「あら、閉めるなんていけずね」

 

「マジかよ」

 

 

やっぱり45がいた。ああ…絶対404絡みだぁ…。

 

 

「さぁ、これからブリーフィングよ。みんな揃ってるから上がりなさい」

 

45の後ろを覗くと9は冷蔵庫に入っていたプリンを食べ、416は本棚の本を全部出してビルのように積み上げて読書、G11はビーズクッションの上で爆睡。あの…ここ俺の部屋なんですけど…。

言いそうになったが抑えて、部屋に上がる。

 

 

 

「さて、ブリーフィングを始めるわよ。今日の任務は人形を違法売買するギャングの一掃、そしてリーダー格のこいつを取っ捕まえてここまで運ぶこと。んで、これが連中の店の見取り図」

 

テーブルに店の見取り図と今回のターゲットの写真を広げる。

彫りの深い顔つきにスキンヘッド、伸ばした髭が特徴の如何にも犯罪組織のボスっぽい男。

 

 

「それなりの資金があるから建物は要塞化されてるわ。窓は防弾ガラスと鉄格子、壁とドアは防弾鋼板で補強、死角がないように張り巡らせて尚且つ小銃をつけた監視カメラにセキュリティシステムも完備よ。そこで私に良い考えがあるわ」

 

見取り図から45に視線を移す。なぁんか爆発しそうだなぁ。(コンボイ感)

 

 

「まず私がサーバーに侵入、ドン。動体感知器と生体認証センサーを切る、ブチッ。そして監視カメラを乗っ取れば、ババーンと乗り込める。そして最後は乗っ取ったセキュリティシステムで逃げ道を失った敵を手当たり次第に撃ち殺す。簡単でしょ?」

 

「それだけか?」

 

「それだけだよ」

 

「それだけよ」

 

「マジで…それだけ」

 

凄く……エクスペンダブルズです…。

あれ?404小隊ってもっとこう搦め手とかそういう手の込んだ作戦とかするイメージが強いんだけど。……ああ、あれかレナリズム(脳筋思考)が彼女達にも伝染したのか。

 

 

「ちょっと前の私達ならもっと搦め手とか使ってたんだけど、指揮官と戦ってね。分かったのよ」

 

 

45が若干濁った目でこっちを見つめて、はっきり言った。

 

 

「下手な小細工なんて必要ない!」

 

 

あっ、もう手遅れっすね。(白目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あークソねみぃ~)

 

俺はあくびを噛みしめながら、防弾改造されたバンを運転する。そりゃそうさ、ブリーフィングが終わった後、すぐに出発したんだから。

幸い場所はそこまで遠くはなく、車で一時間で着く距離だ。

助手席には持ってきたM249が立て掛けられている。そして、右足のレッグホルスターにはこの前の武器商人からもらった(パクった)M500。

我ながら火力全振りの構成だな。

 

 

 

ーー目的地に到着しました。

 

 

気が付くともう目的地に着いた。

誰もが眠り、店なんてやってない真夜中にネオンを爛々と輝かせる一軒の建物。

卑猥な言葉で書かれたネオンの看板がチカチカと光っていて明らかに普通の店ではない。

 

 

「着いたわね。さて、任務開始ね」

 

後ろで45がノートパソコンのキーボードをカタカタと叩く。

それと同時にナイン、416、G11がバンから降りる。俺もそれに続く。

裏口に進み、ドアを見るとオートロック式だった。

 

〈聞こえる?サーバーに侵入したわ。今からロックを解除するわね〉

 

 

するとピピッと電子音が鳴り、開いた。

 

 

「レディファーストだ」

 

「だったら、あなたじゃない?」

 

「早く行けよ」

 

 

俺が冗談で言うと416が軽口で返す。

ナインが先行し、次に416とG11、最後尾は俺だった。

奥へ進んでいくとAKを持った見回りが2人いた。

 

 

〈サーバーは完全に掌握したわ。今から店中の照明を全部落とすわね〉

 

 

次の瞬間、電気が消えて、真っ暗になった。

 

 

「おい!どうなってる!」

 

「誰だー!電気消したのはー!」

 

従業員達は突然の停電で慌てふためいている。

 

 

「よぉし派手にいこう」

 

 

 

俺達は物陰から飛び出し、M249をフルオートで撃ち、見回り2人を蜂の巣にした。

全ての扉にロックがかかり、従業員は扉を開けようと叩き、手持ちの銃で壊そうとする。しかし、防弾鋼板で無駄に補強したのが仇となり、この建物は自分達を守る要塞から自分達を閉じ込める監獄へと変わった。

そして、45に支配された小銃を取り付けたガンカメラが火を噴く。

 

 

〈次の角を左、そのあとは突き当たりまで行って右よ〉

 

 

45が上手くやってくれたおかげでほとんど敵と会うことなくスイスイと行けた。

突き当たりを右に曲がるとその奥にはエレベーターの扉があった。

 

〈そのエレベーターの中にターゲットがいるわ。合図を出したら開けるわ〉

 

「いや、その必要はない。俺がこじ開ける」

 

〈あっそ、了解〉

 

うーむ、この程度でもうろたえないとは…もうこの子達も85年辺りのアクション映画脳になってるな。

ナイン達は何も言わず、俺の後ろに一列に並んで隠れた。これが阿吽の呼吸…。

 

M249を地面に置き、エレベーターの扉をこじ開ける。金属の軋み、擦れる異音が鳴る。

 

 

「オープンセサミ」

 

「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」

 

扉を開けた瞬間、叫び声と銃弾の雨が襲ってきた。だが、そんな銃で俺を倒せるわけもなく、銃弾の雨はすぐに止んだ。

 

「ギャング諸君…」

 

「ふぁ~えぇーっと任務ご苦労?」

 

「さようなら」

 

 

後ろに隠れていたナイン達が出てきて、ターゲット以外の護衛を撃ち殺した。

G11の左手には紙切れが握られており、後ろに隠れている間にセリフを考えてたのだろう。余裕あるね君たち。

 

「ターゲットはこいつだな。連れていくぞ」

 

「あっちょっと待って」

 

腰の抜けたターゲットを連れていこうとするとナインが止めた。

なぜだろうと思ったら、パーカーの裏から太いロープを取り出し、一瞬でターゲットをグルグル巻きにして、引きずって運んでいった。ええ…。(困惑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソぉ!この俺をモノみてぇに縛りやがって!グリフィンのクソ共がぁ!殺してやる!殺してやるぞ!」

 

 

運転しているバンの後ろでナインに縛られたターゲットは喚く。声質が大塚○忠さんみたいで内心ビクッとする。その声だけで食っていけそうだな。

 

 

「ちょっと黙ってて」

 

バックミラーを覗くと横でパソコンを使っていた45が銃のストックでターゲットの頭を殴った。ゴリッと明らかにヤバイ音が聞こえ、倒れた。

 

 

「死んだんじゃない?」

「生きてるよ」

 

 

ナインはターゲットの安否を心配したが、45は食い気味に否定した。

416とG11は何も反応していないから、まぁ何時ものことだろう。

ふとドアミラーを見ると後ろから車のライトが見えた。それも複数。こんな時間に怪しいなと思っていると2両のバイクがやってきて、バンの左右を挟んだ。乗っていたライダーの片手にはサブマシンガンが握られていた。

俺は咄嗟にアクセルを踏んで、スピードアップする。

 

 

「きゃあ!? カール、どうしたの?」

 

「敵だ! まだ生き残りがいたんだ! 狙いはターゲットだろう」

 

45達も銃を持ち、車から身を乗り出して応戦する。

ハンドルを片手にM500を握る。すると、またライダー達が近づいてきた。

右の窓に銃口を向けて射線に出てきた瞬間、引き金を引いた。相変わらず大砲のような轟音を鳴らす。だが、弾は明後日の方向に飛んで行った。

バンよりも少し前にライダーは進み、サブマシンガンを握っている左腕を後ろに向けて弾をばら撒く。何発も被弾するがその程度では俺は怯まない。

M500のグリップを握り直して、ヒビが入っているフロントガラス越しにもう一度撃つ。今度はライダーのヘルメットに命中し、バランスを崩したライダーは派手に転倒した。

 

 

 

ドアミラーで後ろを確認すると空からライトの光が降ってきた。

バリバリとバンのエンジン音を搔き消す音、まさか…ヘリか!そう結論を出した瞬間、ヘリの機銃攻撃が来た。

しかも、相手は相当なやり手でバンの後ろにぴったりくっついて、フロントウィンド越しからサブマシンガンを撃ってきた。T-1000みたいなことしてるぞ。まだ弾の残ってるM500のシリンダーから弾を抜き、太ももの間に銃身を挟んで固定させる。そしてポケットからスピードローダーを取り出して、リロードする。

 

 

「おい、掴まってろよ!」

 

〈えっ!?ちょ、きゃあ!?〉

 

 

俺はハンドルを切って、バンを180°回転させる。すかさずバックに切り替えて、運転している俺とヘリが向かい合う形にする。

深呼吸をして気持ちを落ち着かせるとM500をヘリのコクピットに向ける。

 

 

BANG!

1発目、パイロットの隣でサブマシンガンを乱射していたやつに撃つ。弾は銃に当たり、銃はひしゃげる。その時の跳弾がたまたまだが頭に吸い込まれていった。

 

 

BANG!

2発目、パイロットに向けて撃つ。フロントウィンドにヒビが入る。

 

BANG!BANG!

3発目、4発目。2発目の当たった箇所に命中。ヒビが大きくなり、フロントウィンドを貫通して、大きな穴が開いた。

 

BANG!

最後の5発目。放たれた銃弾はフロントウィンドの穴を通り、パイロットの脳天に命中した。

 

制御を失ったヘリは不規則に揺れ動きながら、落ちた。

ヘリを撃ち落とされたことで怖気付いたのか残ってた敵は撤退していった。

 

(ヘリで追うんだったら、T-1000かRev-9でも持ってこいや)

 

俺はそう心の中で捨て台詞を吐いた。でも、本当に持って来られるのはやめてください、何でもしますから。

 

 

 

 

 

 

 

「いってえ!クソブリキ人形共、こっちは怪我人なんだぞ!」

 

 

ターゲットを運んだ所は誰もいない廃墟の街だった。

ナインがターゲットを引きずってバンに下ろすが、さっきのカーチェイスで流れ弾が当たったようで彼をぐるぐる巻きにしたロープの隙間から血が溢れていた。

 

 

「あぁ〜、もう女みたいに喚くな!」

 

「何だとこっ「ただのかすり傷じゃない!」よく言うぜぇ…」

 

喚くターゲットに416が怒鳴る。かすり傷って…人間は拳銃弾でも致命傷になるですがそれは。(タルコフ脳)

 

「こっちはなぁ!流れ弾で骨も折れてんだよ!」

 

「人間には215本も骨があるのよ。1本くらい何よ」

 

 

ターゲットの訴えを416は筋肉論破で完封した。

そして、ターゲットは廃墟の建物の中へと連れて行かれた。

 

 

「お疲れ様、カール。後は私達に任せてあなたは帰って仮眠でもとってなさい」

 

「んで? あいつはどうなるんだ?」

 

「ちょっと軽くお話するだけよ。それが終わったら、体中の骨をへし折って、警察に送り届けるわ」

 

 

45は廃墟の中へと消えていった。

すぐにターゲットの悲鳴が聞こえ、俺は静かに十字を切り、バンに乗ってその場を後にした。




404小隊
80年代のアクション映画みたいな思考回路になってきた。だが、それでいい!


ターゲット
作者の怠慢で名前すら与えられず、最後は体中の骨をテキパキボキバキと折られて警察に突き出された悲しき男。中々良い声の持ち主で若かりし頃は声優を目指していた時期があったのかもしれません。
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