…フータロー君はさ…どんな女の子が好きなの?
それは唐突な質問だった…こいつともそこそこ長い付き合いになるが相変わらずこの悪戯が大好きなこいつには頭を悩まされてばかりだ…
上杉「俺に好きな女子などいない…!強いて言うなら、らいはだな!」
…「もぉ〜そうやってすぐたぶらかして…フータロー君は悪い男の子だね…」
彼女の声が俺の心の中にある何かに響く…そう今、俺は嘘をついた…確かに好きな女子などいないが俺も男だ…気になっている奴くらいいる…
一花「じゃあ、今日は何処にいく?勿論…行くところはフータロー君が決めてね?…さぁ〜お姉さんをエスコートしてくれたまえ!」
上杉「そう言うのは自分で言うな…まぁ今日は何も言うまい…」
一花「わぁ〜い!やったぁ〜!お姉さん嬉しいなぁ〜」
これは彼女が女優を目指しているからなのか?それとも俺がおかしいのか?俺は彼女から目を離すことができない…
一花「…今日は…僕だけのフータロー君になってね」ボソ
上杉「え…?今なんて言ったんだ?」
一花「さぁ〜ね?忘れちゃった!」
そう言った彼女はまるで天使の微笑みの様な笑顔を浮かべた
俺はその笑顔に数秒間見惚れてしまった…
一花「まさか二人で水族館に来れると思ってなかったよ!」
上杉「あぁ!いつもは五人だからな…二人はなかなかないな」ハハ
一花「そ…そうだね!」
いまいち反応の悪い返しだな?何か違う理由だったのか…?
一花「わぁ〜クラゲかぁ〜…クラゲって何を考えてるんだろうね?」
上杉「実際にはクラゲに脳はないから何も考えてないぞ…」
一花「ふ〜う〜た〜ろ〜う〜君!!」
上杉「悪かった悪かった少し意地悪しすぎたよ」ハハハ
上杉「まぁ…もし俺たちをクラゲで例えるとして死を共に寄り添いたい者に会うためにアテもなく彷徨っているんじゃないか?」
一花「フータロー君…」
しばらく沈黙が続いた…ただ居心地が悪いとかそんな感情も沸かない
むしろこの沈黙が心地よくも感じた…
一花「本当のことを言うとね…」
ふと…彼女は少しうつむきながらけれど真剣な目をして言った
一花「本当はね。今日みんな誘ってないんだ…」
思っても見なかった言葉が彼女の口から発せられた。
一花「ごめんね…僕、独り占めしたかったんだ…今日は本当に楽しい今この時間でさえも楽しくて今にも心が躍りだしそう…でもやっぱりフータロー君に嘘をついたままじゃ僕は今までの僕と変わらないと思ったんだ…だから今…言ったの…」
上杉「一花…」
一花「僕はね君といるといつもの僕じゃいられなくなっちゃうんだ!君には分からないかもなぁ〜」
俺は数秒間考えて口に出した
上杉「わかるさ…俺も今そうだからな…」
その瞬間胸がドロドロの溶岩のように熱くなったのを感じた…