ここに来て1週間がたった。その間に妖夢にはこの世界の基本、霊力の使い方を教えてもらった。
「まず、霊力には二種類あります。一つは自然から生成するもの。そしてもう一つは自分の体内で生成するもの。そしてその体内の霊力を保存する器官の事を器と言います。この器に霊力を貯蔵していることになりますね」
紙に絵を描きながら妖夢は説明をしていく。
眼鏡をかけている妖夢は…なんだか先生感がすごい。とゆうか、この世界に眼鏡があったのか……
「……聞いてますか?」
「………聞いてる」
「聞いてませんね」
「いや聞いてるって!」
俺が必死に講義をすると妖夢は鼻を鳴らし
「ならいいんです」。と言って話を続けた
「なお、器から溢れている霊力を使うと強い倦怠感がやってくるので注意が必要です」
なるほどね、あればいいってわけじゃないのか……。
「なら妖夢はどうなんだ?その、半人半霊って」
「私は元々ハーフなので私の方にちゃんと器があります。器の大きさもハーフだからと言って小さい訳では無いですよ?」
「その……器が壊れたら……どうなるんだ?」
「………幽々子様が言うには、器が壊れてしまったらもう
二度と霊力を扱えなくなるそうです。それに常に霊力垂れ流しなので倦怠感に侵され。数日で死に至ると」
妖夢の言葉に俺は身震いをした
「ま、まぁ余程酷使しなければ大丈夫ですよ」
妖夢はパンッと手を叩き説明を再開した。
「体内の霊力は主にこのスペルカードのために使います。
これはあらかじめ技の名前と、その技名を契約書形式に記した契約書のことを指します。」
妖夢は懐から長方形の紙を数枚取り出した。
「これは夜音君の想像力で威力や特性が変化します」
「表現力か………難しいな」
想像力はあまり良い方では無いため少し不安だ。
「ですがスペルカードありとなしでは相当戦いの幅が違ってきます」
「……わかった。考えておくよ」
「それで自然の霊力の使い道は弾幕を生成することです」
「なるほどな……」
「試しに生成してみて下さい。大切なのは想像力です。空気中にある霊力を一点に集めるイメージで」
試しに手に弾幕をイメージする。空気中にある霊力を一点に………。すると奇妙な音と共に赤色の球体が三つ、手の上に現れた。
「最初はその程度で十分です。属性には日月火水木金の属性があり弾幕やスペルカードに付与することがあります」
「属性かぁ……」
本格的にファンタジーになってきた……。しかもまたややこしいのが来たぞ…。
「まあここら辺はあまり重視しなくてもいいですよ。
はい、霊力についてはこれで終わりです。あとは日々精進あるのみです!」
「そうとなれば早速修行だ!」
「はい!……と言いたいところですが、先に武器庫へ行きましょう」
「あっ、そういやそうだったな」
恥ずかしい……思わず先走ってしまった。妖夢も頬を赤くしている。俺は妖夢の後を追い武器庫へ入った。中には剣、銃、弓まであった。
「ほんとに色々あるなぁ」
中には見たことの無い武器まであった。時代的は明治時代
辺りなのか?色んな武器を探っていき日本刀を手に取る。
「これにするよ」
何気に時代劇とかで憧れていた時もあったからちょうどいいな。使ったことは無いが……これから慣れていけばいい。
「刀ですか……でしたら私からこれを」
そう言って妖夢はさらに奥の方に進み何やら古そうな木箱を持ってきた。
「はい。どうぞ」
「これなんなんだ?」
「これは私の祖父が馴染みの鍛冶屋に作ってもらったものだそうで……名を『
木箱を妖夢から受け取り箱を開けるとギラりと刀身が光った。よく見ると刀身は銀ではなく真紅に染まっていた。
中々厨二心を刺激される代物だ。俺は景正を手に取る。
景正をとった時妖夢の表情が少し暗くなった気がした。
「この刀は、その軽さとは反対に鉄の板をも素人でも斬ることが出来ます」
「へぇ、そんな優れものなのか……」
こんなものを貰って申し訳ないな……。そんなにすごいなら妖夢が使えばいいのに……
「そんな物をなんで俺に?妖夢も使えるんじゃないのか」
「それは、私はその刀を持つことが出来ないのです」
「………えっ?」
持てない?……どうゆう事だ?
「はい。その刀は別名「
「それじゃあ……なんで俺はもててるんだ?」
今俺は両手で景正の塚をしっかりも握っている。妖夢の祖父とゆうことは妖夢よりも強いはずだ。そんな妖夢が持てなくてどうして素人同然の俺がこの刀を握れているんだ……
「先程を言ったように祖父の思いが刀にも反映されます。なので、祖父がいなくても刀は自我持っているかのように人を選ぶのです………正直、夜音君が持てるとは思っていませんでした」
妖夢は赤い刀身を見て言った。妖夢も扱いたかったのだろう。それほどすごい代物、生粋の剣士が興味を惹かれないわけが無い。それに、祖父の思いが籠った刀を妖夢は触れることすら出来ない……それはもう、祖父に認めてもらえていないと言っているようなものだ。
「ありがとう妖夢。しっかりと使いこなすように頑張るよ」
何はともあれ妖夢のじぃさんは俺を選んだ。なら、それに答える他ない。
「はい!頑張ってください!」
妖夢は満点の笑顔で笑った。そんな顔……俺には出来ないな……。景正を腰に差し妖夢のように口角を上げた。
上手く……笑えているだろうか……
「それ一本でもいいですが。私のように短刀を一つ持ってはどうですか?」
妖夢は壁に立てかけてあった刀をもう1つ手に取った
「これなんてどうでしょう?」
「ありがとう」
刀を後ろに付ける。こっちはしっかり重い。
「武器選びは決まりましたね……もう昼過ぎなので修行は明日からしましょうか」
「わかった」
武器庫を出る時、ふと近くに落ちていたリボルバーを拾い武器庫を出た。
次の日から、俺と妖夢は特訓を始めた。初めは上手く刀を振るうことが出来ず、竹1本しか斬ることが出来ず手首を痛めてしまった。
「まさか初日から怪我をするとは……」
「まぁ、最初は仕方ないです。むしろこの短期間で1本斬れたことはすごいことです」
「そうなのか?」
妖夢は俺に包帯を巻きながら頷いた
「はい。普通の人はまず刀をまっすぐ振るうことが難しいのです。」
「まぁ、そこは大丈夫だけど……威力が足りないんだ」
「それは経験を積むしかありません。一週間休んで
鍛錬を再開しましょう。アドバイスするとするなら……
体の重心をしっかり意識することが大事ですよ」
「りょーかい、わかった………。あっ……そういえば」
「どうしました?」
「幽々子のことでさ、着物が左前なんだが。やっぱりわざとなのか?」
本来着物は右前が基本だ。右利きが多く、懐へものを入れたり、その逆の取り出しがしやすいよう。
ただただ左が下か右が下かの違いだ。間違える人もいる。
でもこんなに立派なところに住んでいて間違えるなんてことがあるのだろうか……
「はい。幽々子様は亡霊で、死んでしまっているので」
「そ、そうなのか……」
そんなにはっきり言われると思っていなかったため少し困惑した………。そりゃあ、冥界だしそうゆうこともあるのか…
それから1ヶ月。
おかげで能力を前よりも自由自在に使えるようになった。
努力をするのは久しぶりだったが、あの時のように成果がない訳では無い。妖夢の動きについていける事が俺が努力をする原動力になっていた。
そして俺の能力の引力は手以外からも感触を掴むことが出来るようだ。そしてこの引力は、
どうやら物体のないところでも重力を発生させることが出来る。だから上下の重力を一定に保つと普通に飛ぶよりも少ない霊力で宙に浮くことが出来た。更に引力の長さ、広さで発生する重力の長さも変わっていく。
刀も今は竹5本くらいなら余裕で切れるようになった。
妖夢から教わった重心を刀に集中させることが重要だった。
「夜音。だいぶ刀の動きが良くなりましたね」
「そんなことないよ。まだまだ型にはまってない…でも、
妖夢の教え方が上手いから直ぐに出来そうだ」
そう言うと妖夢は両手を横に振った。
「いえいえ、私はまだ半人前なので」
「そう謙遜することないのにな……」
ほんとに妖夢の剣の腕は凄まじいものだった。
キレのある無駄のない動き。少しでも気を抜けば殺されそうになる。
「それにしても……夜音君は本当に努力家ですね。感心しますよ……」
今まで……俺の努力なんて見てくれなかった人ばかりだったあの世界とは違って、妖夢はちゃんと俺を見てくれている。
それだけで泣きそうになる……。
俺がバレないように涙をこらえていると
「やっほぉ。妖夢、夜音」
階段方面から霊夢がやってきた。
「霊夢。どうしたんですか?」
「夜音の調子を見に来たのよ。どう夜音、修行進んでる?」
「まぁぼちぼちかな。まだ対人はしんどいかな」
「それでも夜音君もう竹5本も斬れるんですよ?」
「そうなの?すごいじゃない」
「しかも、霊力量もだいぶ上がったんですよ。すごいですよね?」
まるで自分の事のように話す妖夢に霊夢はニヤニヤしながら
こちらを見ていた。
「夜音って刀使ったことあるの?」
「いや全くこれっぽっちも。最近初めて触れた」
「それなのにもう5本なんて……しかも霊力もだいぶ増えたわね……やっぱり紫の目は恐ろしいわね……あら?その刀」
霊夢は景正を指した
「それ。選定刀よね?夜音扱えるの?」
「あぁ、どうやら妖夢のじぃさんに認められたみたいだ」
「ほんとですよ。さっ、夜音君。修行の続きを始めますよ」
「りょーかいです師匠」
「えへへ……」
師匠と言った途端妖夢の顔が緩む。そんなに嬉しいのか?
師匠として弟子の前ではしっかりするべきでは?…
そう思ったが、あまり気にとめなかった
「私は幽々子のとこ行ってるわね」
「わかりました。幽々子様は居間にいますよ」
「わかったわ」
そう言って霊夢は白玉楼の中に入った
……………………………………………………………………
「はぁい霊夢。なんの用?」
笑顔で手を振る白玉楼の主と挨拶を交し幽々子の正面に座る
「ちょっと夜音の様子を見に来たのよ。紫のやつ、自分が呼んだのに白玉楼に全部任せて……」
「私たちは助かってるわよ、妖夢も楽しそうだし料理は美味しいし、もう完璧と言ってもいいわ………ただ…」
「ただ?」
「夜音の霊力。変だと思わない?なんとゆうか……混じってる」
幽々子は縁側で妖夢と休憩している夜音を見て言った。
た確かに夜音の霊力は二つの似た霊気を持っていた。
「そうね……もしかしたらあっちの世界で少なからず見えてたとか……」
「私もそれは考えたわ。でもね霊夢、思い出して。あの形、似てないかしら?あの連中の中にいた奴に」
その時、幽々子の顔が険しくなる。こんな顔を見るのは
随分と久しぶりだ
「えっ?……何言って……」
恐る恐る縁側に座っている彼の方を見る。そして、私は気づいた。
ほんの数ヶ月前に戦った。その人物の禍々しい霊力を
たしかに夜音から感じた。
「ど、どうして!何であいつの霊力が!」
私が声を荒らげると妖夢と夜音は慌てて振り返る
「ど、どうしたんだ!霊夢!」
「急に声を荒らげて。どうしました?」
二人は同時に刀を構えた。さすがは師と弟子。息ぴったり。
なんて言っている場合ではない……
「い、いや。なんでもないわ」
「大丈夫よ二人共、こっちの話。ほら妖夢、夜音。早く修行してきなさい」
「そうですか……そう言うことなら」
「あんまり驚かさないでくれよ」
「ご、ごめんごめん」
幽々子にそう言われ、夜音と妖夢は刀を持ち縁側から出ていった
「落ち着きなさい霊夢。まだやつと決まったわけじゃないわ。あの男……『
「……わかったわ。何かあったらまた来るわ」
「えぇ、またね。紫は私から言っておくから……」
少し不安が残る。でも、まだ決まったわけじゃない………
でも、もし彼がやつと何かしらの関係があれば……私は……彼を殺さなければいけないかもしれない。それが……この世界を守る巫女としての役目なのだから。
はい。とゆうことで2話、いかがだったでしょうか?
次回から軽い戦闘描写が入ってきます。彼と同じで表現力のない私ですが
何とか頑張っていこうと思います。