「………あれ?」
朝、今へ行くと妖夢の姿がなかった。時刻は7時……
普段なら起きているはず。起こしに行こうか…そう思ったがいつも修行に付き合ってくれているのに無理やり起こすのも気が引ける………
(なんか俺に出来ることないかぁ………な)
そう思いながら居間を見渡す。すると、ふと台所が目に写った。
そういえば俺が毎朝起きた時にはもう妖夢が朝食を用意してくれいるのを思い出した。
(和食か、ちょっと不安だ……)
一人暮らし歴は長いが、和食を作ったことなんてない。
それゆえ、長年食べてきたであろう幽々子や妖夢の口に合うか分からない……
「う〜ん」
顎に手を当て、別の事でなにか出来ないかと頭の中で試行錯誤していると
「ふぁあ。おはよぉ妖夢……って夜音じゃないの。おはよぉ」
欠伸を開けながらやってきた幽々子は俺を見て驚いた。
「あぁ、おはよう幽々子。妖夢はまだ寝てるよ。多分疲れたんだろうな。だから今日は俺が作ろうと思ってるんだけど」
「和食が作れないのかしら?」
あっさり見破らた……。何故か幽々子には考えていることがすぐバレる。顔に出てるのかな…
「まぁ、そう言うことだ。だから別のことで何かできないかぁって思ってたところだ」
「そう?作ってみればいいじゃない。和食」
「いや、でも………」
「日頃妖夢の手伝いしてるじゃない、大丈夫よ」
「そ、そうか?………わかった。やってみるよ……味は期待するなよ?」
「うっふふ、わかったわ」
幽々子に後押しされ俺は腕をまくり上げて調理に取り掛かった。
……………………………………………………………………
「……んぅ……ぅぁ……ん?…………はぁ!!!」
目を覚ました瞬間、私は飛び起きた。日が昇っていたのだ。
「と、ととと、とりあえず。急がないと」
急いで着替えてダッシュで居間へ向かう。
「も、申し訳ございません!幽々子様!……私…って、
えっ?」
襖を開けた瞬間頭を下げ、恐る恐る顔を上げる。……しかし
そこには美味しそうに朝食食べている幽々子様の姿があった。
「あぁらおはよぉう、妖夢。よく眠れたかしら?」
相変わらず山盛りのご飯を美味しそうに頬張る幽々子様。
「は、はい……そ、それよりその朝食は?ま、まさかご自分で!?」
すると幽々子様は手を振り
「違うわよ、彼が作ってくれたの」
「彼?」
そう言って幽々子様が見ている方を向くと、二人分の料理をお盆に乗せて出てくる夜音君がいた。
「おぅ、おはよう妖夢。今できたところだけど、食べられるか?」
「だ、大丈夫です。ありがとうございます」
「そうか、座ってくれ」
言われた通り座ると、夜音君がお盆から一人分の料理を私の前に置いた。そして自分の分を机置いて手を合わせた
「じゃあ、いただきます」
「い、いただきます」
私も彼に続いて手を合わせる。そして箸を持ち焼き魚を口に運ぶ。味がしっかり付いていて、どこか私の味に似ていた。
「ど、どうだ?あんまり和食は自信ないんだが……」
心配そうな表情で私の食べる姿を見る夜音の方を向いて私は答えた。
「すっごく美味しいです!!」
「本当か?……良かった」
ほっと胸を撫で下ろし笑顔になる彼に私は少し違和感を感じた。
「夜音?……無理してないですか?」
気になった私は彼に聞いてみた。彼はキョトンとした表情をして首を傾げた。
「いや?別に無理なんかしてないぞ?」
そう言う彼だが、私にはどうしてもどこか無理しているように見えた。……だから私は……
「あまり無理しないでくださいよ?」
彼の頭に手を置いて優しく撫でた。
「……大丈夫。何にも無理なんかしてない」
すると彼は私の頭を撫で返してきた。
「あぅ、もう。あんまりからかわないでくださいよ」
「あはは、ごめんごめん。」
朝食を終えたあと私は彼のとの修行の為、外へ出た。そこにはリボルバーに玉を込めている夜音君の姿があった。
「夜音君。今日はある程度教えたので試しに手合わせでもしましょうか」
「おっ、いいねぇ、師匠との初勝負か……」
「先に言っておきますが、手加減はしませんよ?」
「はっ!望むところだ!」
夜音は景正を構えて、
私も、構えを取って呼吸を整える。
「それでは、始めますよ……3………2………1……GO!!」
合図の瞬間、私は地を思い切り踏みしめる。彼は少し動揺し、一瞬足がすくんだ。その隙を私は見逃さなかった。
「はぁっっ!!」
楼観剣を下から振り上げ、彼の刀を弾こうとした。……しかし
キンッ!!
彼は刀の持ち手を変えて上手く受け止めた。
「ふぅ……」
そして彼は呼吸を整え、腰に付けた短刀を勢いよく抜いた。
「ッ!……」
私は間一髪で避けその場を後退する。そして着地した瞬間
目の前に彼の刀が迫っていた
「ッ!!……ぐっ!…」
咄嗟に受け流し今度こそ刀をはじこうとしたが、
突然、両手が地面に打ち付けられた。
「重っ………くっ……」
あまりに重すぎて体を持ち上げることが出来ない。
「忘れていました。あなたの能力に……」
彼はニヤリと笑い、後退する。そして……
「さぁ師匠、見てくれよな。スペルカード発動……」
彼はスペルカードを発動した。
「引力『蜘蛛の巣』」
……………………………………………………………………
この数日でやっと作れた一枚のスペルカード。
「引力『
俺がスペルカードを発動し手を広げると更に妖夢の周りに引力を発生させる。そしてその引力にそって弾幕を展開する。
俺は広げた手を握りしめる。すると引力は妖夢に向かって発生して、弾幕が猛スピードで妖夢を襲う
「くっっ……はぁあっ!!」
妖夢は白楼剣を抜き、弾幕を全て弾いた
「まだまだ!」
俺はさらに弾幕を展開して引力に乗せて発射する。
弾幕にあたる寸前妖夢は白楼剣を一度鞘に収めた。
…何してんだ?なんで鞘に……そう思った瞬間
「居合抜刀『
その刹那………空間がズレたように感じた。気がつくと弾幕は全て消され景正は弾かれていた。
「くっ……ッ!がはっ!」
諦めて肉弾戦に切り替えようと構えるが、妖夢はすかさず
回し蹴りを繰り出してきた。それをしっかり腕で受け止めるがその華奢な身体からは想像もできないような力で、俺は
吹き飛ばされ生垣に激突した。
これじゃあ……まだまだ妖夢には勝てないな………。
「だ、大丈夫ですか!?」
急いで景正をもって駆け寄ってくる妖夢。先程の殺気が嘘のように消えオドオドとしている。
「す、すいません。つい熱が入ってしまって」
「ゲホッゲホッ、大丈夫だ。やっぱりまだまだ師匠には勝てないな」
「ふふん、まだまだですね。でも動きは素晴らしかったですね。特にあの刀を持ち変えるところはよかったです。しかし、ちょっと霊力を使いすぎすね。最後の方ガス欠状態だったので、そのところは改善すべきですね」
「そうだな。わかった。」
妖夢伸ばした手を取り立ち上がる
「それでは、私は買い出しに行ってきますね」
「わかった。行ってらっしゃい。」
そう言って妖夢は白玉楼から人界へ出た。その時俺はふと思った。
(あれ?そういえば昨日も行ったよな……また幽々子が盗み食いしたのか?)
「さすがの私でもそんな事しないわよ」
「なんでサラッと心読んでくれてんだよ」
扇子を仰いでいた幽々子は縁側で呆れた声で呟いた。
「あぁそう。言い忘れてたけど今日、あなたの歓迎会があるの」
「歓迎会?」
「えぇ、この世界からしたら貴方は救世主みたいなものなの。ってゆう建前で、本当は宴会する口実ができたからよ。
それで、今日は白玉楼から宴会料理を作る番なの」
「………………」
まさかの口実扱いだった。
「まぁいいや、ってか宴会料理って結構な量だろ……
言ってくれたら手伝ったのに……」
「ダメよ。口実とはいえ、貴女を歓迎する会ってのはホントなんだから」
「ふぅん。分かったよ」
「私は行かないけど。楽しんでね」
「うん。わかった」
俺は軽く手を振り自室に戻りベットに沈んだ
何か助けになるようなことをしようとして止められたのは初めてだ。いつもなら逆にしなかったら殴られていたのに
(でもまだだ。まだ俺はこの世界で何も出来てない。何も……認められてない)
俺の目的はこの幻想郷を救うことじゃない……
『認められるため』……。自分がここにいるとゆうことを
証明したい。誰かに俺の存在を覚えて欲しい。
そのために俺は刀を握っている。他のことなんでどうでもよかった。でも今は、そんなことを思っている自分がとても嫌になる。
こんな自己顕示欲の塊のような考えを持っているのに、
妖夢は必死に指南してくれいるのに………
「……………ん?」
そんなことを思っていると、ふと周りに違和感を感じた。
黒い煙のようなものが漂っている。
(なんだ?………これ……)
その煙はだんだん俺の中に入り、俺の器を包み込んでいく。
そして煙が完全に器包み込んだ瞬間……
俺は、意識を失った………
……………………………………………………………………
「ただいま戻りまし………ッッ!!!」
宴会の買い出しを終えて、白玉楼の玄関を開けた瞬間…、
どす黒い霊気が辺に充満していた。
「ど、どうして……!、夜音君!」
私は急いで彼の部屋の襖を開けた。そこには黒い霊気に包み込まれようといている彼の姿があった。
「夜音君!」
急いで彼を抱き抱えようとした時
カチッ……カチッ……カチッ……カチッ
時計の針が動く音がしたと思った瞬間、私は玄関の前にいた。……なんで……まさか襲撃!?…そう思ったがそれらしい気配はない
(まだ……消えてない……)
私は再び彼は部屋の襖を開ける。そしてすかさず彼を抱きしめる。
「夜音君!飲まれちゃダメ!」
何故彼が………私のせい?……そう思っていると夜音君の体から黒い霊気が一気に吹き出て、消滅した。
「ぅぅん……んぅぁ」
そして彼はゆっくりと瞼を持ち上げた。
「良かったぁ……」
私が安堵の声を漏らすと
「……妖夢?……なんで…」
「なんでもないです。ただ、あなたが少しうなされていたので」
彼にはこの現象については話していない…
『
「そうか……ごめんな、迷惑かけて」
「いえ、大丈夫です。玄関で紫様がお待ちなので少し待っててください。私は宴会料理を作りますので」
「わかった」
彼の返事を聞き、私は玄関の荷物をもって台所へ向かった
……………………………………………………………………
記憶が曖昧だ、確か……黒い煙みたいのが器を包み込んだ辺りから記憶が無い……なんだっんだ?…
「あら?どうしたのかしら?そんなに悩んでる顔して」
玄関の扉を開けるとちょうどスキマから紫がやってきたところだった。
「紫か…スペルカードを作ろうとしてたんだが、上手く出来ないんだよ。」
「スペルカードはねぇ……、完全に本人の想像力だから、
なんとも言えないわね」
「そうか……妖夢からもうすぐ来ると思う。」
しばらく待つと大量の料理を持って妖夢がやってきた。
「お待たせしましたー」
「妖夢…少し持とうか?」
あまりの多すぎるため、落ちそうでヒヤヒヤする。
「いえ大丈夫です。今日の宴会の主役はあなたなんですからね」
「そういうことよ。言葉に甘えなさい」
紫はそう言いながらスキマを出現させた。
そして、俺たちはスキマの中に足を踏み入れた。
はいしゅーえんです。
とゆうことで初戦闘描写です。いかがだったでしょうか。
個人的にはまだまだ素人なのでもっと表現力をつけていこうと努力中です。
次回もぜひお楽しみください!!