ドヴァーキンのヒーローアカデミア   作:Ghetto

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本作のどばきんは中衛です。
書いててこれもうこれホー●アイじゃんってなりましたが、ショールの血(以下略

現代版ドヴァーキンの誕生です。
防具のイメージはトレーラー準拠で、鉄の兜・鋲付きの鎧・鉄の篭手・鉄のブーツのような見た目でしょうか。え?防御力なさそう?当たらなければどうという事は無いのだ。

ちなみに瀬奈さんのコスチュームは、デフォルトの吸血鬼装備にフードつきローブでございます。不審者かわいい!


14話:ドヴァーキン、入学する。

 響香の家で合格祝いという名のちょっとしたパーティーに参加した数日後、俺は瀬奈と二人でサポート会社を訪問して、コスチュームや武器に関する打ち合わせを行った。

 事前に一通りの事とデザイン案をサポート会社には伝えており、今日はその報告を聞く日という訳だ。俺の応対をしてくれた方(米良(べいら)さんと言う名前らしい)曰く、やはり武器類に関しては認可が降りないだろうとの事だった。通常の法律で縛られている銃や刀剣類はプロヒーローであっても一定の制限がかかっており、ヒーローの卵たる学生には個性との相当の因果関係が無いとまず認可はされないとの事。そういう事なら仕方ない、魔力の剣にはまだまだ役に立ってもらうとしよう。

 

「なるほど、よく分かりました。そうしましたらもう一つの方のデザインについては、いかがでしょうか。」

 どちらかと言えばこちらが本命。刀剣類が難しいとなれば次善の策は……飛び道具だ。

「あぁ、こっちの方は問題ない。似たような事例だと、スリングショット──パチンコを作ったことが有るからな。丁度プロトタイプの図面が出来上がっているけど、見るかい。」

「是非お願いします。」

 俺がそういうと、米良さんが脇に置いて有った紙を広げ、こちらに向けてくれた。テーブルに据え付けてあるディスプレイにも同じ情報が映し出されている。

 

「まず武器についてだけど、こいつは滑車を使用した弓──巷ではコンパウンドボウなんて言われているものだ。この機構をベースにして、より近距離での取り回しを容易にするために、寸法比率はショートボウと言われるものに近づけた。材質はアルミニウム合金をベースにカーボン繊維等を使用。君のリクエストした木製の複合素材より重量は軽く、剛性も良好だ。」

 ディスプレイの画面が切り替わり、3Dモデルが投影された。すごい。とりあえずなんかすごい。スカイリムの鍛冶屋が見たらひっくり返るんじゃないだろうか。

「弦の部分は特殊な素材を使わせてもらった。こいつの材料は企業秘密。だが普通の弓よりもメンテナンスは低頻度で大丈夫だし、耐久性も問題ない。使い方にもよるけど数年はもつ筈だ。」

 数年使っても交換しなくていい弦って凄いな。というかこんな事をやってくれる会社を抱えてる雄英って凄い高校だなと、今更ながらに感じた。

「それと君のリクエストにあった、鏃の部分のアタッチメント化だけど。これは矢の説明を一緒にさせてもらう。少し長くなるが……いいかな?」

 いかん、感動して無言だった。

「はい、お願いします。あの……すみません、素晴らしすぎて言葉が出ませんでした。あの図面からここまでして頂けるなんて、なんとお礼を言えばいいのか。」

 そう俺が言うと、米良さんが笑いながらこう返してきた。

「そう言ってもらえると嬉しいな。僕も頑張った甲斐があるってもんだ。お礼は、そうだな──卒業してプロヒーローになっても、是非ウチの製品を使ってくれ。」

「わかりました。その時はよろしくお願いします。」

「よろしく頼むぜ、未来のヒーローさん。……さて、話を戻そう。鏃の部分についてだが、君のリクエストを基に少し工夫させて貰った。こいつを見てくれ。」

 

 米良さんはそう言うと、ディスプレイの端の方を何度かタップした。画面が切り替わり、矢の全体図が表示される。これは……?

「鏃の部分をそのまま使おうとすると、刀剣類と同じ問題が発生するからな。最初は吸着材を使おうかと思ったが、君の個性は薬品を創る事もできるんだろう?なら、矢をシリンジとして使うのはどうかと思ってね。針の根元──シャフトのちょっとした膨らみは薬液庫──アンプルみたいなもんだな。そこから先は取り外しが可能だから、事前に複数種類の薬品を入れておけば、使用する薬品の種類を戦場でチョイスする事ができる。ちなみにこいつは異形型の人間の治療に使用される特殊な針と同じ材質、同じ機構をしているから、硬化する個性でも無ければまず貫通すると考えて良い。服の上からでも、だ。しかも意図的に折ろうとしない限りは安全で、痛みもほとんどない。薬品は着弾と同時に反動とガス圧で注入されるだけだから、注入した後はそのまま引っこ抜くのもカンタン、と。」

 なるほど。これなら敵に毒薬を使う以外にも、常に動き回っている味方に回復薬を投与する事ができるのか。味方の尻に回復薬……酔いどれハンツマンのマスターが泣いて喜びそうだな。

「とは言え、これだけだと相手が盾や装甲、もしくはそれに準ずる個性を持っていた場合に太刀打ち出来ないだろう。そこで、だ。」

 米良さんは更にディスプレイをスライドさせる。まだ他に仕掛けがあるのか。

「針が刺さらない敵に対抗するためのアタッチメントとして、初期案の吸着材を採用した。薬液庫の芯には少量の爆薬が仕込まれていて、通常は着弾と同時に薬剤が炸裂するようになっている。」

「通常は……?」

 俺がおうむ返しをすると、米良さんはよくぞ突っ込んでくれたと言わんばかりのしたり顔になった。そのままディスプレイを2回タップして拡大。シリンダーが拡大表示された。

 

「矢羽側の先端にボタンがあるだろ。こいつを押して矢を放つと、本体のグリップについているボタンを押せば強制的に炸裂するようになっている。命中しなかった場合の手段としても、着弾と炸裂のタイミングを意図的にずらしたい時にも使用可能だ。万が一標的が急に接近してきた時の暴発対策として、弓についているダイアルで安全距離を調整する事ができる。但しこいつはあくまでも使用者保護の保険的ギミックだ。薬剤が炸裂した場合の安全が確保できる距離を計算して、事前に設定しておいてくれ。……後は各種アタッチメントを取り付けたまま収納可能な矢筒。薬品類を入れる専用のポーチは、君のリクエスト通りだ。ただ収納ツールに関しては君の使用感による所が大きいだろうから、実際に使って貰った上で都度フィードバックが欲しいところだな。……さて、以上で説明はお終いだが、何か聞きたい事や追加して欲しい機能はあるかな?」

「いえ、今は特に思いつきません。米良さんの言う通り、実際に使ってみれば思いつくかもしれませんが……現状でも十分満足しています。」

 これは本心。説明を聞いている限りこれ以上の機能をつけたとして、俺が使いこなせるのかと言う問題もある。後は使用しながらの微調整で問題無いだろう。

「よし、それじゃあお披露目会はお終いだ。君のおかげで面白い仕事ができた。……僕は元々飛び道具を作るのが好きでこの会社に入ったんだけどね、武器を使うヒーローに対する世論もさる事ながら、最近のヒーローは個性がそのまま武器になる奴らばかりで正直な所ちょっと飽きていたんだ。だから、こっちからも礼を言わせてもらおう。」

 さらっととんでもない事カミングアウトしたぞ、この人。でもフランクな人の方がこちらも気が楽だ。米良さんとなら将来的にも馬が合いそうな気がする。そんな想像をしていた時──。

 

「米良君、またあなたお客様に持論を披露してるの?」

 いつの間にか開いていたドアの前に、一人の女性社員と瀬奈が立っていた。どうやらコスチュームの打ち合わせは、あちらも終わった所らしい。

「げっ、田利絵主任。……土羽君、ちょっと良いかな。彼女、恐らく君の防具──コスチュームについてあれこれ口を出して来るだろうけど、無視してくれて構わないから。」

 こっちもこっちで癖の強そうな人なのだろうか。そう思っていたら、田利絵さんが俺の資料にさっと目を通して話しかけてきた。

「土羽勤君、この弓はまだ良いとして、あなたこの格好でヴィラン退治をするつもり?これはいただけないわ。まず鎧とブーツの色のバランスがナンセンスね。それから──。」

「……な?始まったろ?主任は新米ヒーローに対してのファッションチェックが趣味なんだ。ただ悔しい事に女性用の装身具に関して腕は一流なんだよな。だから、妹さんのコスチュームは期待して良いと思うぜ。」

 横で米良さんが耳打ちして来る。

 

 その後、田利絵主任のありがたいファッションレビューを20分程聞かされる羽目になった。

 この会社には一癖ある人しか居ないんだろうか。……それはともかく、納品は入学式には間に合わせてくれるとの事。今から楽しみだ。

 

 

 ==========

 

 

 そして迎えた入学初日。

 俺と響香は雄英の制服を着て、校門の前に立っていた。瀬奈はちょっと寄り道したいところがあると、駅で一旦別れている。まぁあいつの事だ。遅刻はしないだろう。

「ウチら、ホントに来ちゃったね。」

 響香が感無量、と言った感じで呟いた。全国で一番のヒーローになるための高校。しかもヒーロー科だ。

「そうだね、でもここに来れた事がゴールじゃ無いでしょ?ここからがスタートラインだ。」

「はぁ……勤。アンタってホントに落ち着いてるというかなんというか。……まぁそういう奴だってのはわかってるけど。」

 やや呆れ顔の顔をしている。何故だ、かなり良い事言ったつもりだったんだが。

 そう思っていたら、後ろから声をかけられた。

「あの、すみません。ひょっとして実技試験の時の……。」

 振り向くとそこには癖っ毛が特徴のチャレンジャー君がいるではないか。無事受かったのか、よかったよかった。

「君は……あの時のチャレンジャー君か!良かった、君が合格しているかはちょっと気になってたんだ。」

「チャ……チャレンジャー君?それって僕の事?」

「あぁ、ごめんごめん。あの時は名前が分からなかったからね。勝手にチャレンジャー君なんて呼ばせてもらってたよ。えぇっと……俺は土羽勤、よろしくね。それでこっちは幼馴染の──。」

「耳郎響香。よろしく。」

 チャレンジャー君はブツブツ何かを言いながらあたふたしている。あの時の勇猛果敢な彼とどっちがホンモノなのだろうか。

「──いや待て落ち着いて考えるんだ出久こっちの女子は土羽君の幼馴染って言ってたじゃないかだから僕がこの場で話しかけたのは二人の間に割って入るとかいうデリカシーに欠けるものではなくむしろ同級生として自然な成り行きと言うものでちょっと待って耳郎さんだっけなんか目が怖いんですけどもしかして話しかけたらまずかったのかなでも口調はそんなに怒っていないような──あぁぁ……その……み……緑谷!緑谷──出久……です。よ、よろしく。」

 

 俺の高校生ライフにおける友人第一号は、勇猛果敢な挙動不審者になった。




???「後書きのネタがほしい……輸入物のやつを……もう一度だけでいいから……。」


―   ⇒   ◎  《発見された》

???「後書きを書くか、ソブンガルデかだ!」
???「小ネタで人気取りか。死にな!」


【今日の小ネタ】

・米良さん
サポート会社の社員。土羽勤のコスチューム、武器の制作を担当した人。
元ネタはソリチュードの鍛冶屋の主人、ベイランド。内戦クエストで帝国側につくと防具を作ってくれる。

・田利絵さん
サポート会社の社員。土羽瀬奈のコスチュームの制作を担当した人。
元ネタはソリチュードにあるレディアント装具店の女店主ターリエ。道行くどばきんに唐突に絡んできて、「そんなダサい格好で王宮に行くのか。」と煽ってくる人。短気などばきんの手により葬られることも……あったかもしれない。

・酔いどれハンツマン
ホワイトランで24時間営業している食堂……食堂?狩猟用の武器も扱っている。
店名の由来は、兄弟で狩りをしていた時、弟の放った矢が尻に刺さってしまったというエピソードから取られている。
ちなみにこの弟、よからぬ嫌疑をかけられていて……?
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