鬼滅の刃RTA 上弦の弐単独討伐   作:一億年間ソロプレイ

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EX2:無惨戦 part15 / 一蓮托生を願う

 

 鎹鴉を通じて見た光景は、まるで夢のようだった。

 上弦の鬼たちの頸が次々と刈り取られていく――、勝利へと着実に近付いているという光景。

 

「上弦の壱を行冥・実弥・文寿郎が撃破した! 残る上弦は肆、そして無惨のみ!」

 

 状況を分析した産屋敷輝利哉が声を上げると、彼らの無限城内の地図の書き起こしを手伝う隠たちは歓声を上げた。

 

「柱スゲェ!」

「文寿郎様先程まで瀕死じゃなかった!?」

「無惨討伐、行けるんじゃないか……!?」

 

 沸き上がる隠たちに「まだ戦は終わっていない」と気を引き締めさせ、輝利哉はこの先の手を考える。

 文寿郎からの報告では『無惨の場所を見つけた』らしい。それから、『透き通る世界』と『赫刀』のことを柱全員に情報を共有して欲しいとも。

 現在、柱に近い箇所にいる鎹鴉にこれらの情報の共有を頼み、次の手を考える。

 

(父上は僕に二つの作戦を授けた。一つは『文寿郎が死亡した場合』。もう一つは――『文寿郎が宿願を果たした時でも生きていた場合』)

 

 先代当主・産屋敷耀哉が存命だった頃、次期当主たる輝利哉に作戦を言い渡した。

 

「文寿郎のことは存じております。しかし、行冥ではなく、何故彼を主軸とした作戦になるのでしょうか」

「ふふ……。彼はね、一つの鍵だ。文寿郎は色んな呼吸が使える。それはこれまでの鬼殺隊にもいなかった逸材で――、これはある種の天意だとは思わないかい」

 

 確かに仏塚文寿郎を知る中で特異とも言える点はそこだった。

 鬼殺隊の記録を見返したとて、二つの呼吸を切り替える隊士はいれど、風やら水やら、更には派生させた独自の呼吸やら……。

 多くの呼吸を其れ一本で戦ってきた隊士と同等か、それ以上の精度で繰り出すのは、確かに異質だ。

 

「そして、彼は果たすべき使命を持っている。それは我々にとっての短命の呪いの様に、()()()()()()()()()()()()()()、ただ一つの役目」

「え……」

「確信は無いけれどね。きっと文寿郎は上弦の弐の首を必ず斬る。そして、その後に死ぬだろう」

 

 それは産屋敷家にある『先見の明』。予知にも等しい力で耀哉は――そうは言っていたけれど、確信に満ちた目をしていた。

 

「でもね、私は、文寿郎にはもっと生きていて欲しいんだ。彼は人生をその役目に特化し過ぎているから。勿論、我が子たち全員に鬼のいない世界で、健やかに、生きていて欲しい。こんな呪いは私で終わりにしたいし、お前たちも健やかに生きて欲しい」

「父上……」

 

 作戦を伝えられたその時が、輝利哉が父と話した最期の時だった。

 次期当主となるのだからその教育は厳しく、だが優しく見守って、育ててくれた愛する父や父と死を共にした家族の為にも。

 “我が子”たちの、これからの未来の為にも。

 輝利哉は手を止めない、思考を止めない。

 

(文寿郎のいる場所に、医学に精通したしのぶを送る。彼女が蘇生出来たのならいた時の作戦を、……出来なかったのならいない時の作戦を)

 

 その賭けにも等しい手は――成功した。

 みるみるうちに文寿郎は上弦の壱と戦い、その頸を斬った。上弦の戦力は最早、この無限城を操作している肆と――無惨のみ。

 

「この戦い、負けはしない」

 

 これからが正念場だと、年若い当主は気合いを入れた。

 

 

§

 

 

 小石を積み上げる。やってきた獄卒に崩される。また小石を積み上げる。それもまた崩される。

 延々と繰り返す。時折、河原に映る片割れを見やる。少し見てから、また小石を積み上げる。

 

「お前、何も言わずに積み上げて、つまんなくねーの?」

 

 声のする方を振り向く。新しくこの河原にやってきた子供の一人。

 何か言いたげな目で見てくるので、何だろうとは思った。

 

「俺ゆいまってんだ。よろしく」

 

 女児であるのに男勝りな口調のゆいまはその体からにじみ出る勝気な雰囲気通り、小石を崩される度に獄卒に突っかかっていった。

 泣きながら「お母さん」「お父さん」と小石を積み上げるしかない子供をまとめ上げて、小石を積み上げて巨大な立体物を作ったこともある。

 何より彼女はよく怒った、笑った、泣いた、そして楽しんでいた。

 罪を償う場であるにも拘わらず皆と喋ってはころころと表情を変えた。

 

「おーい、()()()()。また無愛想なツラしてよ~、ちょっとは笑え~?」

「笑うも何も無いけど。なにその、……単語?」

「『もんもん』のことか? これ、お前の名前。だって名前聞いたって無いっつうからよぉ、仕方なくこのゆいま様が付けてやった。感謝しろよ」

「はぁ……」

 

 生まれてすらいないんだから名前なんて無いのが当然と言った。片割れにだって名前は無い。

 でもゆいまは勝手に名前を付けて区別してきた。面白くもないのによく笑った。

 

「お、もんもんの弟は今日も……うわ、よくやってんなぁ。おかしいだろ」

「そういうもの?」

 

 河原の向こうでは片割れはいつもの様に大人の長い話を聞いて涙を流しながらうんうんと頷いていた。それに感銘した様子の大人がみっともなく縋りついている。

 

「だって五歳ぐらいつったら俺、ずっと遊んでばっかいたぜ? 近所の悪ガキ共募ってわっるーい大人の所でクソしたり石投げたり」

「汚いなぁ……」

「五歳ってのはそーゆーもんだろ。好き勝手に動き回ってかーちゃんたちを目一杯怒らせたりどつかせたり……」

「碌でもないなぁ……」

「あんなクソどーでもいい話聞いて合わせるとか正気じゃねーよ。俺だったら話し始めた途端すぐに寝るね」

「自慢することでもないなぁ……」

 

 えっへんと胸を張るゆいまが片割れを見る時の眼差しはなんだか違う色をしていた。

 それを聞けば、「自分の弟を思い出すのだ」と話し始めた。

 

「俺の弟、まことはなぁ、俺と違って頭も良くて、……父親も違うから品も良くて自慢の弟なんだ」

「君の品の無さに両親は関係ないと思うけど……」

「うっさい! とにかく、俺は弟が大好きだ。だからよ、家が火事になった時、俺が弟の背を押して家から出せたことは苦じゃねぇし、弟を逃がして死んじまったことだって何なら誇らしく思ってる。こんなしみったれた所で小石積むなんて真っ平ごめんだね!」

「へえ、じゃあ、その感情はなんて名前なの?」

 

 そう問えば、ゆいまはいつもは五月蠅く動かす口を閉じて。

 ただただ、黙って、微笑んだ。

 

 

 

 

 

 ところで。

 

 どうしてこんな、かなり古い記憶を思い出すのだろうか。

 

(あ、そうか。死にかけてるからか。走馬灯二回目だなんて、俺ってば凄い体験してるなぁ)

 

 目の前に迫る口のついた触腕。仏塚さん、と鬼気迫る声を張り上げる声が聞こえた。こちらに向かう何人かが見たことのない、必死な顔で技を繰り出そうとしている。

 手には、折れた刀。全部折れたので、今持っているのが最後。そして回避は間に合わない。

 

「――死ね」

 

 うねる腕が的外れにも心臓を狙った一突きを繰り出していた。

 

 思い返せば、もう俺は死んでもいいのではないだろうか。

 俺の清算というのはもう終わった(弟を殺した)し。上弦の壱だって倒したから「上弦一体くらいで死にやがって」という暴言も最早言えやしないだろう。

 

 このまま止めてしまっても良かったというのに。

 

 拭い切れない不快感。

 今でも弟の頸を斬った感触が残っている。自覚すればそれは、余計に不快をいやましにする。

 ああでも、思考を止めてはならないのでずっと考え続けた。止めればまた切っ掛けを失ってしまうから。

 

「貴様によく似た鬼と同じく、無意味に」

 

 よく似た鬼。弟のことだ。

 この男は弟からの願いだとしても、こうして、今の俺みたいに膝をついた……弟の頭に手を入れてその血を与えていた。

 

 鬼になる血。その時から時を止めて、人を食べて、理を乱す生物と化す血。

 別に鬼と人は違うとか高説を垂れる気は無いけど、ただ、何かが引っ掛かっている。

 

 人を食べる点はまぁ、善くは無いけど、引っ掛かる訳じゃない。

 理を乱す……も、ま、いいんじゃない? 新しい生態の人類誕生!みたいでさ。地獄の人は大変みたいだけど、俺には関係無い。

 

 だから残る点は。

 

 

 

 ――ああ、そういうことか。

 

 

 

§

 

 

 皆さんこんばんは、そしておはようございます。初めましての方は初めまして。

 鬼さんチームの半分を屠った実況、始まります。

 前回は生き恥侍に終止符を打ち、ついでとばかりに猗窩座が同時にフィニッシュいたしました。やはり炭治郎を強化すると早く終わって良いですね。

 

 現状を整理しましょう。

 人間チームは柱側の死者ゼロ人。無傷なのがしのぶ姉貴。軽傷が悲鳴嶼女神とさねみん。片腕欠損で離脱者が無一郎クゥン。度合いは分かりませんが同時フィニッシュということは炭治郎と冨岡兄貴も本編より比較的軽傷。

 おばみつは恐らくロックンローラー鳴女に到達した辺りでしょうか、こくしぼー殿の元へ辿り着く際に何も妨害されなかったのでお二人に構っていたかもしれません。

 

 対する鬼さんチームは上弦の壱・弐・参を撃破。あとそれからさっき鎹鴉くんが「上弦の陸撃破ァ!」といったので高音を出すタンポポも仕事をしました。

 つまり、残る鬼は上弦の肆こと鳴女、そして頭領たる鬼舞辻無惨となります。やったぜ。

 

 ここで鎹鴉くんに話しかけると次期お館様である輝利哉たそと情報共有し、作戦を立案することが出来ます。

 ちなみに鬼殺隊としての貢献度が高く無ければこの選択肢は出ません。だから、多くの隊士を生き残らせて自身の評価を高くする必要があったんですね。

 でなければ「ホモ、貴方に一任するわ」といった風に任せてもくれません。

 

 ではここで班を分けまーす。

 しのぶ姉貴・無一郎クゥン・GENYA・不死川兄貴を愈史郎っちの元へ案内するよう彼らと鎹鴉に指示を出します。

 残った悲鳴嶼女神とホモくんは突撃!無惨くんのおうち!をします。

 

「ふむ。そういうことならば分かった。皆、ここは従おう」

 

 流石悲鳴嶼女神。ホモくんの意図を察してか代わりに指示出しをしてくれました。

 こうして他の柱が指示を出してくれるとホモくんの言う事を聞きづらいしのぶ姉貴・GENYA・不死川兄貴の三名は確実に聞いてくれます。

 無一郎クゥンとの好感度は高めなので問題ないんですが、しのぶ姉貴には確実に愈史郎の所へ行って欲しいんですよね。

 

 あとここで悲鳴嶼女神に話しかけます。すると~、『出来るだけ痣を発現させないで欲しい』という選択肢が出ます。

 

 ここは賭けッ……! 悲鳴嶼女神との好感度はやや高めとはいえ、この選択肢はいつだって断られること多いんで……!

 どうか悲鳴嶼女神ッ……!

 

「…………そうか。何か、考えがあるのだな?」

 

 しのぶ姉貴に蘇生されたらやりたいことが出来ちゃったんで……。

 

「分かった。しかし、他の皆の命が危機に晒された場合、私は容赦なく使う。我らの覚悟を侮ること勿れ」

 

 な、なんとか了承してもらえました! やっっっったァァァ!!!!!

 

 こ、これで悲鳴嶼女神の生存フラグキタコレ!

 痣発現→無惨戦後に死亡ルートの確率が減りました! 快挙よ快挙!

 うおおおおん、良かったァァァ! あとは無惨をジューシーに焼くだけです。

 

 おっとその前に……、ここでステータス強化のお時間です。

 

 仏塚 文寿郎 性別:男 特徴:『冷気』・『次代』 階級:柱

 

 ステータス

 体力(76/100) 根気(100/100) 筋力(100/100) 防御(50/100) 速度(100/100)

 

 技能

 風の呼吸(100/100) 喧嘩殺法(25/100) 水の呼吸・凪(100/100)

 霜の呼吸(100/100) 全集中・常中(100/100) 炎の呼吸(50/100)

 花の呼吸(36/100) 雷の呼吸(50/100) 霞の呼吸(50/100)

 岩の呼吸(50/100) 獣の呼吸(12/100) 透き通る世界(100/100)

 扇術(100/100) 月の呼吸(100/100)

 

 なんと……、蟹上サシ戦を経ると物凄く成長点が入ります。二百近くは入りますかね。

 月の呼吸はMAX、炎・霞の呼吸を50に上げて、扇術も折角なのでMAXにしときます。

 

 あれれ~? 特徴の欄に見覚えのないものが増えていますね?

 

 ここで説明いたしましょう。

 『次代』という特徴というのは五大呼吸法(炎・水・風・雷・岩)を全て(50/100)の状態で習得することによって得られるものです。

 これはステータス作成時点では手に入らず、ゲームプレイ中によって習得できる特殊な特徴に分類されます。

 

 

 特徴:次代

 …五大呼吸全てを修めた者。始まりの呼吸でなくとも、技は洗練され、受け継がれてゆくもの。

 志半ばで倒れた者たちの悲願を果たせ。幾年になろうとも、必ず。

 ※呼吸法で使用する根気半減・威力と速度アップ

 

 

 いわゆる呼吸法をよりたくさん使えるように、そして威力とそのスピードアップを痣人(あざんちゅ)でなくてももたらしてくれる特徴です。

 月の呼吸の根気消費が激しすぎるんでね。広範囲かつ高威力とかいう夢の性能なのでゲッツいたしました。

 ちなみにこつこつと他の呼吸法に成長点を入れていたのもこのためです。

 無限城編で詰む場合は複数の呼吸+『次代』を取ってみるのも手でござい~。

 

 さて、無惨戦の備えも出来たことなので……。

 突然行って、ビックリさせたる!(無惨くんのおうち)

 

 悲鳴嶼女神と共に無惨くんが籠っている肉繭へお邪魔します。案内はホモくんが最短ルートでお送りいたします。

 ロックンローラー鳴女も流石に妨害してきますが我々は鬼殺隊最強の二人……、舐めるなよ……(無敵)

 そうそう、旧・お館様が「無惨が五日以内に来るンゴねぇ」と話す際に悲鳴嶼女神と共に招集されていると、鬼殺隊最強格に数えられているという判定になります。うちのホモ、感情は無いけど鬼殺隊にはかなり貢献してますし、ステータスはゴリラなんで……。

 

 雑魚鬼を屠ったり、ムキムキと成長した鬼殺隊隊士たちに任せたりしてようやっと来ました。サイコロステーキ先輩にも会えましたオッハー!

 

 

 おい引き篭もり!

 

 

 初手で霜陸『月落霜天・烏啼』で落下攻撃を仕掛けつつ、珠世さんと無惨くんを繋ぐ肉を断絶します。

 ベリベリと斬って……、はい分断終了。珠世さんを肉から剝がしつつ悲鳴嶼女神に投げます。

 これで珠世さんレスキュー完了です……。怪我していても鬼なので放置していいです。実に楽!

 

 残るは繭こもり無惨のみ。一旦悲鳴嶼女神の元に戻り、お館様経由で周辺にいるモブ隊士たちの避難を行います。あんぱんモグリシャス。

 人が避けてから悲鳴嶼女神にはモーニングスターをぶつけてもらいます。ホモくんは遠距離で攻撃出来る風弐『爪々・科戸風』で風の爪を射出しておきます。

 当然ながら血が噴き出すので掛からない様に回避しつつ、ピンポンダッシュならぬモーニングスターダッシュをしていると中から激怒りの無惨様がPONと射出されます。

 

 ここで生温いピンポンダッシュをしているといつまで経っても引き篭もりますからね。自分の頭を潰した武器でおうちをすり潰さねばまだ薬を分解しきっていない無惨様は出てこないという訳です。筋金入りの引き篭もりさんめ。殺すぞ。

 入ったムービーを即スキップ。動画では別撮りしたものを流しましょう。

 

「貴様……、よくも上弦の鬼を二体も潰してくれたな……!」

 

 どうもおはようございます無惨様。お前の魂いただくよ!

 

「柱二人だけで私の足止めが出来るとでも?」

 

 白髪(しらが)に体中に口が付いた気色悪……かなり独特なスタイルの無惨様です。別名無惨おじいちゃん。

 今宵、彼奴の頭を捩り斬り、地べたに擦りつけさせ、命乞いをさせながら日光で焼き尽くしてやりましょう。

 

 初手は腕ブンブン攻撃。水拾壱『凪』で悲鳴嶼女神たちを庇いつつ、炎壱『不知火』で接敵します。すると突然、彼奴の背中から数本の触手がニョキニョキと生えて細かい触手によるブンブン攻撃が来るので……、風参『晴嵐風樹』で激しく斬りつけて防御&攻撃をします。

 いやぁ、根気消費が……楽! 困ったら取っておけ!です!(特徴:次代)

 

「ふん、小賢しい真似を……。一体いつまで続くか見物だな」

 

 悲鳴嶼女神も参戦して触手攻撃を避けております。見取り稽古のお陰で本編より『透き通る世界』の習得度合が高い状態です。

 この段階でちょくちょく霜の呼吸を使って、冷気ゲージを溜めておきましょう。冷気ゲージも一ブレイクで済みますが、流石にラスボスらしく冷気ゲージが他の鬼に比べてダンチに長いです。しかもこれまでの鬼と違って()()してくるので冷気攻撃を絶やさずに行わねばなりません。

 

 女神へ攻撃がいかない様にサポートの水拾壱『凪』やら風弐『爪々・科戸風』で触手を吹き飛ばしながら粘ります。キッチィ~。

 

 ここでちょい無惨戦の解説をば。

 

 

 なんと、奴はまったくガードをしません!

 

 

 傷を負わせてもすぐ回復するといった最大の特徴故、奴にはガードするという視点は……無しッ!

 圧倒的脳筋戦法ッ! そこに痺れるッ! 憧れるッ!

 ということなので喧嘩殺法くんには点を振り分けませんでした。お疲れ様です、喧嘩殺法くんはゆっくりお休み……。

 

 けほんけほん。閑話休題。

 無惨戦は鬼の頭領らしくこれまでの鬼と比べても遥かに高い体力・触手ブンブン激ヤバスピード・一撃当たれば無惨毒状態になる。

 なんともまぁ、クソみたいな条件が揃ったボス戦となります。

 

 この無惨毒は毒・猛毒と違います。スリップダメージ量もですが何よりはお店で買える解毒薬で解毒出来ない厄介さ。

 珠代さん・愈史郎っち・しのぶさんたちがいてようやく作ってくれる無惨毒血清が無ければ解毒不可能となります。そしてこの無惨毒で減った体力は回復できない為、食らったら終わりと考えておきましょう。

 

 無惨毒を食らうのは無惨から一撃を食らう場合と、()()()()()()()()()()()()()()()()があります。

 はー、敵を斬った時に出る血って単なる表現(エフェクト)じゃなかったんかクソがよ(キレ)

 

 なんで血飛沫が舞ったら回避&各呼吸にある技を駆使して浴びない様にするのが大切です。

 オススメは炎肆『盛炎のうねり』とか霞参『霞散の飛沫』です。呼吸法が(20~30)の辺りで覚えられる位置にいます。ま、一番は血も触手も全部巻き込んで薙ぎ倒す風の呼吸っすケド(兄弟子自慢)

 

 さてと、ここいらで出してみますか……、月の呼吸

 

「月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映え」

 

 ズバンと地を走る五つの斬撃とそれに付随する変則する大小の斬撃が無惨の大きい腕触手も小さな触手も抉り取ります。いやー、爽快爽快。

 赫刀じゃないと無惨の再生スピードは変わらないのですが、範囲攻撃で周囲への攻撃の手を一瞬緩めつつ、接近! 霜壱『秋霜烈日』!

 

「黒死牟の技……ッ!? 貴様、節操というものを知らぬのか、この虫けらがァ……!」

 

 ちなみに月の呼吸を元主君たる無惨に向けるとこんなボイスが出てきます。m9(^Д^)プギャー

 帰り際に月弐『珠華ノ弄月』で置き土産を残して中ぐらいの距離を取ります。

 

 さて、無惨の攻撃は触手も厄介ですが、その触手に付いている口からの吸息攻撃もまた厄介です。

 悲鳴嶼さんレベルの巨体+重量ある武器なら動きはしないのですが、それ以外の柱の重量となると簡単に体を引き寄せてしまいます。

 特に小柄な方の無一郎クゥンや伊黒ことイグッティはカー〇ィに吸い込まれる敵が如く簡単に吸い寄せられてバリムシャァとされてしまいます(トラウマ)

 

 無惨対策に必要なのは赫刀←の効果を促進する日の呼吸常識外の範囲攻撃技重量ということです。

 岩の呼吸を修めているとパッシブとして重量がアップされるので……、やっぱ上弦戦に必要だったのは岩の呼吸やったんやなって……。悲鳴嶼さんは大女神やったんやなって……。

 

 無惨戦を女性キャラで攻略する際に壁となるのがこの重量。

 何かと装備の説明に『重量』とか書いてはありましたが「重量ってなんだよwww」と今までスルーしていた概念から横殴りにされたプレイヤーも多いことでしょう。

 まぁ重量があるからと言ってどっすんローリングになったりしないので上げといて損は無いです(悟り)

 

 お、そうだ。ここで煽っておきましょう。

 

 選りすぐりの上弦の鬼を柱一体も削れずに殺されて……、悔しいでしょうねぇ。

 

「貴様ァァァァァ!!」

 

 こうして煽ることによってヘイトを自身に向ける。本編さながらのレスバ戦法がこのゲームでも出来ることを証明したかった。

 童磨戦では結局やらなかったんでね。無惨様の煽り耐性は低いです。何しようがブチギレますし、この時点ではホモくんが上弦二体を葬っているので簡単に乗ります。乗るな無惨様!と諫めてくれるビジパももうおりません(蟹侍)

 

 対する憎き宿敵はかなり煽り耐性があります。感情が無いとか言っても怒るフリだけします。

 一応その()()でヘイトが集中するのでやって損は無いものの、より脅威になるものが現れればすぐ興味がそちらに移る程度のもんです。はー、あほくさ。

 

 月の呼吸ばっか連発してるとすーぐ根気が無くなるのでジャスガしつつ根気を回復していきましょう。

 ジャスガが難しいなら事前に根気消費を一定時間ゼロにしてくれる魔法のうどん『山かけうどん』をたくさん買っておきましょう。

 

 ちなみにこの効果のある『山かけうどん』は皆さんご存知、浅草のうどん屋の豊さんの元でしか買えません。しかも一日に購買できる量は限られております。

 他にも薬学(100/100)にしていると一定時間根気消費ゼロにしてくれる強壮剤や根気回復薬が自前で作れるようになりますが……、見た目的にも美味しいので『山かけうどん』がオススメです(じゅるり)

 

「……ふん、どうやら貴様ら以外の柱は全員、私の配下が殺したようだぞ。やはり貴様ら二人が主力だったようだな」

 

 フェイクニュースには気を付けましょう、無惨様。それ、誤報っすよ。

 ベベンと琵琶の音が鳴りました。おおっと、やっと来ましたね。

 

 

 無限城解体のお時間です。

 

 

 鳴女の頭に指ぶっこんで愈史郎っちが彼女を操作しています。鎹鴉が「崩落ニ注意セヨ!」と鳴き出しました。

 

「……何をしている、鳴女? 鳴女!」

 

 鴉が鳴いたら気を付けましょや~、ということですぐに崩落します。一旦無惨様の前から離脱し、あんぱん咥えつつ岩柱と珠代さんたち両名を守ることを心掛けて崩落する無限城を脱出……!

 

「夜明ケマデ三時間半! 三時間半!」

 

 

 

 三時間半!? ウッソだろwww

 

 

 

 ということではい。この後我々は三時間もの間無惨戦を戦わねばなりません。こう言うと絶望感を感じる方もいますが、結構楽な方ではあります。

 

 無惨の攻撃が即死ゲーなのは変わりませんが、今のあ奴は本編程珠代さんらのおくすりを完全に解薬出来てはおりません。

 それ故、おくすりコンボ中の「老化」の効き目は薄いものの、かなり弱体化が効いているバランスとなっております。

 

 本編で完璧に解薬した無惨の状態を100%とするなら、今現在の無惨は70%。そして「老化」はじわじわと効いてくるので徐々にこのパーセンテージが下がってきます。

 んで、無惨戦においてはこのパーセンテージこそが短縮の要たるギミックにございます。

 「老化」でじわらせるのもいいんですが、体力を赫刀等の手段を用いてゼロにすると10%減ります。弱った所に「細胞破壊」の効果が効いちゃうって感じらしいですよ。

 

 参考までに攻略Wikiを参照してみまっしょい。

 

 

 

 本編同様「鬼を人間に戻す薬」を完全分解した無惨の状態を100%とします。

 時間経過(三十分)による弱体化率は-30%。

 

 本編より早く無限城解体した場合、「鬼を人間に戻す薬」を分解途中の無惨と戦闘になります。

 本編無惨よりも弱体化した状態での戦闘となりますが、時間経過(三十分)による弱体化率は-10%です。

 ※どの状態の無惨であっても体力をゼロにすると確実に-10%になります。

 

 

 

 無惨戦での勝利というのは時間経過による日の出待ちや、n%無惨を0%無惨にしてエンディング直行の二つということです。

 無論、タイムを考えれば後者の0%無惨エンドの方が早いのでこちらを狙います。

 三時間(ゲーム内時間)もクソボス相手に粘れるかこの野郎!

 

 まぁ、こんなおくすりだらけの戦にもう一発ぶち込める薬が……あるんだなぁ、これが。

 これに関してはもう少し後にお話しましょう。

 

 瓦礫の中から無惨様が出てきて無惨・市街地戦が始まりました。

 岩参『岩軀の膚』で自分の元にやってきた触手を斬り落としつつ、雷壱『霹靂一閃』で接近し、雷参『聚蚊成雷』で色んな触手を斬り落とし、花伍『徒の芍薬』で九連撃をかまして霜参『露霜払い』で距離を取ります。

 

 無惨様ってさ、基本攻撃を触手で終わらしてその場から動かないから……、かなりガードしたり呼吸出してきたりするこくしぼー殿に比べると戦いやすゲフンゲフン。童磨の冷気とも違って血液の方が避けやすいギミックだし……。

 

 さてそろそろでしょうか。

 

「がはッ……!? なんだ、これは、毒……?」

 

 急に無惨様の心臓が毒でビキビキになりました。

 それもその筈、さっきしのぶ姉貴が無惨の胸を貫いてましたもんね。

 

 ここでキャラクターが生存していると出来るギミックその①透明毒チクチク

 

 しのぶ姉貴が生存かつ愈史郎の元へ送ると確実に愈史郎っちの血鬼術を書いた紙を渡され、自身を透明化して無惨様に毒をぶち込むことが出来ます。

 なお無限城編において彼女がここで初戦闘――、つまり無惨サーバーにしのぶ姉貴製毒の情報が無いとより効果的に働きます。

 だから班別けした際に不死川兄貴を置いていった訳です。彼女の代わりに鬼を殲滅させる為の護衛です。

 ちなみに透明化した人間は透き通る世界を所持していれば見えます。今不死川兄貴が暴走特急化して無惨様に突っ込んでいきました。イキイキしてやがる……(ニコニコ)

 

 さて、貴様が上弦の鬼を集めた時に「妓夫太郎が毒を食らわせた後引いていれば……」と言及した害悪戦法をやられる気分はどうだ?

 感想を述べよ!(毒チクチク)

 

「お、の゛れェ゛ェェ゛ェ゛エ゛!」

 

 ここで透明化に気付いてより触手ブンブンしてきますが無問題。月拾陸『月虹・片割れ月』で無惨だけを狙い撃ちにして無/惨にしておきます。

 次の毒調合の為に逃げるしのぶ姉貴と透明化して攻撃をしている不死川兄貴・タンポポ・いもすけ・カナヲらに向けられた攻撃を水拾壱『凪』で受け止めます。

 

「皆、戦っているのだな……。負けてはおれぬ。ヌゥン!」

「遅れた。今から参戦させてもらおう」

「鬼舞辻無惨……ッ! ここで必ずお前を地獄へ送る!」

 

 ここで痣を発現させた悲鳴嶼女神、そして鱗滝一門が合流しました。防衛力に関してズバ抜けた性能持ちの冨岡兄貴と無惨特攻持ちの炭治郎。

 彼ら二人と最強タンク役の悲鳴嶼女神、ホモくんの四人で表向きは応戦し、透明化した不死川兄貴・しのぶ姉貴・善逸・いもすけ・カナヲたちで奇襲攻撃を仕掛けていきます。

 日の呼吸の使い手が現れたことでトラウマビキビキさせる無惨様ですが……、おやぁ? 動きが遅いですね。

 

「夜明ケマデ三時間! 三時間!」

 

 恐らく70%無惨の動きでしたが、時間経過によって60%無惨となりました。

 ここで痣者たちの刀を見てみましょう。

 

 

 赤いね。お肉をジューシーに焼けそうなぐらいにアチアチだ。

 

 

 そうだね、皆悲鳴嶼女神の鎖やら鉄球に刀ぶつけてるので赫刀になるんだね。

 悲鳴嶼女神が女神たる所以――、それは彼の日輪刀(?)が広範囲に赫刀発現用砥石となるからです。

 女神の攻撃範囲は実にお広い! ですので皆さん立ち食い蕎麦屋に来るぐらいの気安さで赫刀に……なれちゃいます!

 

 お前たちさぁ、ひどいよ。

 なんで俺が出来ない赫刀でダメージ与えちゃうの?

 悲しいじゃん(溜めた冷気ゲージおじゃんの図)

 

 ということで痣も赫刀も出来ないホモは大人しく……、赫刀組の援護に回り、その赫刀組のサポートをする透明化組のサポートを行います(文章力の敗北)

 無惨の触手を伐採すると隙を見つけた赫刀組が呼吸ぶっこんでくれるので立ち回りを意識しながら~、記念すべき無惨戦初☆体力切れです!

 

「貴様らが幾ら足掻こうがこの私には届かない……」

 

 50%無惨が何か言ってますね(鼻ホジ)

 しかし油断は禁物。50%は最初に比べればスピードも落ちたものですが、十分脅威です。

 さてさて、そろそろお次が出てもいい頃合いです。赤い月夜が綺麗……。

 

 

 

 弟は出ているか?

 

 は? 月じゃなくて、弟?

 

 

 

 

 ――弟は出ているかと、聞いている!

 

 

 

 

「射撃でなら……俺だって!」

「玄弥、僕の言った場所に撃つこと、出来る?」

「ああ、やってやらァ!」

 

 キャラクターが生存していると出来るギミックその②、弟キャノン

 GENYAが後方にいる無一郎クゥンが片腕欠損して離脱していると、サテライトキャノンならぬ、弟キャノンが発動します。

 透き通る世界持ちの無一郎クゥンが逐一GENYAに常に動く無惨の脳と心臓の位置を指示します。抜群のエイム力を持つGENYAは百発百中でそれらをぶち抜きます。

 流石に重要な臓器ともなると再生に時間がかかるらしく、かなりの時間を稼いでくれます。

 

 つまりは、戦えぬ弟たちの鎮魂歌(レクイエム)……。受け取れェ!

 

 パァンッと無惨の脳味噌がある上体部分が吹っ飛びました。Foo~!

 ちなみにこの時打ち込まれる弾は猩々緋鉄鉱のクズ石+内部に藤の毒入りの特殊弾です。

 当たると無惨の体内で日光を含んだ鉄と毒が弾け、体力の三分の一を抉り取りました。かなり痛そう(素人感)

 

 一発撃ったら位置を瞬時に探って無惨が触手を向けてきますので、それを斬り落としつつ彼らを一回撤退させます。

 また時間経ったら別の場所で弟キャノンを撃ってくれます。この弟キャノンで大分無惨がひーこらしてくるので有難いことです。

 

「……やるじゃねェか」

「ちゃんと本人に言ってあげてください。彼が毒入りの弾薬は出来ないかと相談してきたんですから」

「そうかい。じゃあこれを終わらせたら言ってやらァ!」

 

「夜明ケマデ二時間半! 二時間半!」

 

 時間経過によって40%無惨に。

 50%も切ったことですし、そろそろ使いそう……。ということで今一番重要なギミックを担うしのぶ姉貴を掴んで上に放り投げます。

 「ちょっと!」と聞こえますが聞こえないフリ。今は貴女の命が大事。あんぱんモグモグ。

 

 

 

「アアアアアアアァアアア!!!!」

 

 

 

 無慈悲! ノーモーション衝撃波!

 

 現状、戦力的に重要なのは日の呼吸の使い手たる炭治郎・タンク力最強の悲鳴嶼女神のお二人。炭治郎は冨岡兄貴が近くにいて常に()ってくれるので大丈夫。ホモくんは赫刀マッチ係の悲鳴嶼女神を守ります。

 水拾壱『凪』の切り替えが間に合わんのでジャスガしますが、……うお、危ない。

 透明化組へのサポートが間に合わなかったので大分吹っ飛ばされてしまいました。一応40%無惨なので本編よりかは威力が弱まっているのですが……、当たり所が悪くないことを祈りましょう。

 

「グオォ、アア゛ァ゛ア゛!!!!」

 

 しのぶ姉貴、怒りの複眼六角。衝撃波攻撃の後に生じる硬直の隙を突いて六連撃……、十発は叩き込んでいないか?

 女ってのはこえーなー……。このどくどく攻撃で体力ブレイクしましたよ(恐怖)

 

 怒濤の勢いで30%無惨へ。

 衝撃波攻撃でほとんどの透明化組が離脱してしまったので……、現状は冨岡兄貴・悲鳴嶼女神・炭治郎・しのぶ姉貴とホモを含めた五人での戦いになります。

 やる事は味方のフォロー&無惨の足止めなのでそう変わらんのですが、刀折れました。

 

 まぁよくやった方ですね。ではもう一本を使います。

 

 はい。

 

 

 

 二本目もすぐ折れましたね。

 

 

 

 ここでクズ運発揮とかあるゥゥゥゥ!?!?!?

 

 

 

「――死ね」

「貴様によく似た鬼と同じく、無意味に」

 

 

 あ、殺す際にそっくりアバター時限定の言葉が出るんですね。ふーん。

 

 

 

 よろしい、ならば戦争だ。

 

 

 

 ここで、装備欄を開きましょう。最早痣も出せない軟弱千万たるホモに日輪刀は必要ありません。

 他の柱たちが赫刀出してくれますし、無惨戦で赫刀も出せないホモの日輪刀は最早お役御免。お疲れ、(しばらくの間)寝てろ!

 そして、ホモの元に残った武器は――鋭い対の扇(KNE姉貴感)

 

 

 いざやったる、エセ童磨戦法!

 

 

 扇装備&霜弐『大霜の雨』!

 刀では突き技ですが、扇に突きなんてあったもんじゃないので上下同時に切り払うモーションとなります!

 (無惨の触手を斬り刻む程度なら日輪刀なんて)必要ねーんだよ!

 

「な、あッ!?」

 

 武器が『扇型』になったのでこれまでの――『打刀型』のモーションから変更されます。このように武器を変えると型の動きが変わることがあります。

 というかですね、元々霜の呼吸なんて『冷気』必須の呼吸は()()()みたいなもんです。皆大好き氷柱童磨ifやる為の呼吸です。

 

 そりゃ刀より扇の方が冷気ゲージ溜まりますよ。

 童磨戦で皆さん痛いぐらいに知ってるデショ?(急に上がる冷気ゲージ、壊れる肺)

 

 これまで皆さんにお見せしていたのは劣化版霜の呼吸という訳です。

 ――お魅せましょう、本当の霜の呼吸というものを。

 

 

 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!(霜陸・霜壱・霜肆・霜参)

 

 オラァ!(冷気ゲージブレイク)

 

 

 体力がゼロになった時にアイテム欄を開きます。

 そして、『鬼を人間に戻す薬(青)』を使用します。病弱なお前へのおくすり飲ませるねだ、たんと飲みやがれ!

 

「う、ぐお、ああ、ああ……! なんだ、これは……!」

 

 通常、無惨に『鬼を人間に戻す薬』を処方しても分解されるだけなのですが、ここに『(青)』と付くと違います。

 なんとこれ、青い彼岸花を使用して作製された薬となります。

 

 医者系NPCを雇い、珠世's共同研究に参加していれば手に入りますが、確率は五分五分です。

 手に入ることもあれば手に入らぬこともある。初心者救済仕様です。

 

 恐らく医者NPCの中にあの平安時代の善良な医者くんが転生した姿の人がいるんでしょう。特定の医者NPCを雇えば確実に手に入るという訳ではありません。

 女医だったり男だったりします。転生後の姿ってのは分からんもんですな。

 

 さて、これを投与することでイベントフラグを立てて20%無惨へ。

 これまで鬼となって肉体改造してきた成果がボロボロになっていく様はどうだ?

 感想を述べよ!(青い彼岸花薬投与)

 

「夜明ケマデ二時間! 二時間!」

 

 

 あ、10%むざんになりました~☆彡

 

 

「逃げるなァ! 無惨ンンン!!!」

 

 

 無惨おじいちゃんが灼熱の赫刀ホームから脱走しました(呆れ)

 

 

 10%まで行くと傷の再生も出来なくなってくるのでヤケクソ触手攻撃から逃亡ばかりしまくるようになります。生き恥め。

 それから先程の青いおくすりで首の弱点が()()()()()()とフラグをビンビンにしているので逃げまくります。

 

 今や弱点だらけとなり、秒殺目前となった奴に矜持や誇りなんてものはありません。生存に特化した思考の生命体なので不利と見るやすぐに逃げ出します。

 ここからは無惨とのチェイス戦になります。チェイス戦を終わらせるには無惨を挟む必要があるので、当然ホモは追いかけます。

 待て待て~(死の足音)

 

「逃げるな無惨!! お前がッ、奪ってきた命の前からッ! 逃げるなァ!!!」

 

 無惨の背後から投擲柱タンジェロ・カマドの投げたモブ隊士の日輪刀が頭にズッポリ♂刺さりました。今だ、隙の糸……!(あんぱん)

 あんぱん咥えたホモが無惨の前に躍り出て、そして背後を炭治郎でサンド出来ました。

 

 

 逃 が さ ん

 

 

「日の呼吸 参ノ型 烈日紅鏡」

「月の呼吸 参ノ型 厭忌月・銷り」

 

 ヤケクソ感のある触手ブンブン攻撃も最早フォロー要らずの速度ではありますが無惨毒はまだ有効なので気を付けましょう。

 ほな、月の呼吸で斬っていきます。(´・ω・`)触手は伐採よ~

 

 そうそう、炭治郎がヒノカミ神楽を舞っている場面で月の呼吸を使うと後々嬉しいことがあるんで積極的に使います。後、個人的にも継国ツインズの技が共闘しているのを見れて嬉しい……、嬉しくない?

 

 Q.扇でも他の呼吸は使えるのかって?

 A.使えます。ただし一部の呼吸の型(居合術の霹靂一閃など)は使えなくなります。そして、モーション変更による攻撃範囲の変化には気を付けましょう。

 

 ちなみに今は童磨の扇を使用していますが、担当の刀鍛冶に言えば日輪刀(扇ver)を作成してもらえます。作成条件は霜の呼吸など、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であること。

 

 冷気ゲージも早く溜められるのに何故童磨戦で扇を使わなかったかというと……、扇vs扇の相乗効果でバトルフィールド内の息継ぎ出来る場所が消し飛ぶからです(切実)

 他の理由として刀より作成に時間が掛かるというのもありますが……。良い子の皆は……気を付けようね!(8敗)

 

 しのぶ姉貴の毒チクチクと共に水柱と岩柱が到着。

 するとまた逃げます(呆れ)

 ラスボス格の癖に情けない恰好、恥ずかしくないの?

 

 この中じゃホモくんが最速ですのでまた即座に追いかけます。逃がさねぇかんな~(扇ブンブン)

 50%無惨と走っても距離は縮まりませんが、10%無惨となった今ではステータスが大幅に弱体化してるので頑張れば追いつきます。

 

 

 

 ラスボスが逃走なんぞ、してんじゃねェェェェ!(月捌『月龍輪尾』)

 

 

 

「さっきから逃げてばっかじゃねェかよォ! 風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ!」

「蛇の呼吸 弐ノ型 狭頭の毒牙! ――ここが貴様の墓場だッ!」

「皆の遺体を踏んづけて……絶対に許さないんだから! 恋の呼吸 弐ノ型 懊悩巡る恋っ!」

 

 透明化したおばみつも参戦いたしました。あのリボンみたいにぐねぐねになる刀が……ワァ真っ赤! 絶対痛いヤツ!

 碌に避けることも出来ずに直撃!

 そして柱の皆さんが離れた途端――弟キャノンが無惨の下半身を吹っ飛ばす!

 もうやめて! とっくに無惨のライフはゼロよ!(蜂牙ノ舞 真靡き)

 

 こうして繋がれた命たちの働きにより0%無惨となりましたので……。

 

 

 

 エンディングです。

 『鬼を人間に戻す薬(青)』を使用した場合、ちょっぴり変わります。

 

 

 

 皆で無惨を足止めして首ポーンフィニッシュエンドとなります。それに伴いベイビー無惨戦も消せるのでタイム短縮です。

 

 いやぁ、なんて感動的なんだ……、ウッウッ。

 ようやく勝てた……。長かった……。

 タイムは05:14:09。自走のタイム余裕で更新してんじゃ~ん!

 

 さあ無惨討伐エンディングの次は好感度エンディング。一番高い人物とのエンディングが見られます。

 現在最大なのが童磨・さねみん・冨岡兄貴・サイコロステーキ先輩。どうやら戦いの最中で兄弟子と仲が修復出来た……んですがァ……。

 

 好感度イベントを最後まで進めてないと見られません(無常)

 

 そしてホモはタイムの都合上、サラっと会話で終われるサイコロステーキ先輩以外と最後まで進めておりません(人間の屑)

 

 んあー……。これは……、童磨エンディングじゃな?(迷探偵)

 

 サイコロステーキ先輩エンディング見たかったな……。彼奴の扱う派生呼吸、『博の呼吸』を更に極める為、全国各地の賭場を巡るというほんわかエンドなのですが……。

 なんとなーく、童磨な気がしてならない。これが……悪寒……!?

 何度か童磨エンディングは見たものの、そっくりアバターでのエンディングがどうなるかはまったく知らない。初見です(素人)

 

 ほお、あ、死んだ。ええ……(困惑)

 

 何兄弟子に看取られながら死んでるんですかねぇ。

 なに? 童磨斬った時点で寿命来てたって? ほなそれなら仕方ないか……(童磨フィニッシュ時の状態を思い出しながら)

 最後はホモくんも大概な感情を吐露してその弟と一緒に……地獄へ行きましたね。

 

 

 (  ´・ω・`)ポカーン

 

 ( ´・ω・` )兄弟愛ってのはすごいね

 

 

 この作品、兄弟(姉妹)になるとかなり愛が深くなるみたいですね。

 

 まま、ほらほら幾星霜を煌めく命のターンで……ほら! これが見たかったの!

 

 継国ツインズの呼吸が舞という形で神社に奉納されてます! 堪んねぇ~~!

 これこれ! 是が見たくて某蟹上サシ戦をしたで候~! 佳き~!

 

 ――と言う所で終いです。

 

 四年前に失踪していた動画の続きを上げるという暴挙に付いてきてくれた視聴者の皆さん、本当にありがとうございました。

 レギュ通りのタイマーストップも、無惨討伐でのタイマーストップも出来たのは偏に見てくれた方々がいたからです。何故か途中でランキングに載る事態が起きてましたが……(恐怖)

 これで私もようやく、「わしの記憶か……?」の回想をやらずに鬼滅の映画をゆっくり見れそゲフンゲフン。

 

 元はものすんげーかっこいい童磨のMMD動画(ア〇ヘル)から書き始めたチャートが、酒が入って藤の毒を縛り(カス)、更には意図せず同じ氷属性対決になって(クズ)、と七転八倒な出来上がりでしたが、楽しんでいただけたなら何よりです。

 そろそろ、お後もよろしいようで。

 

 ――お前も、童磨そっくりアバター上弦の弐ソロ討伐RTAを走らないか?

 同じ苦痛を共にしよう、視聴者たちよ!

 

 内なる猗窩座に喋らせたところで、さようなら。

 本当に、本当に、ありがとうございました。

 

 

§

 

 

 その子供が欠落しているというのは、初対面の時から知っていた。

 いつもの様に自身を切りつけて鬼を誘き寄せた。無抵抗にやって来た鬼を捕まえて、括りつけた頃に子供がやってきた。

 雪を頭から被った様な白髪の部分がある、特徴的な黒髪をしていた。

 

「あ、()()()が括られてる。ねぇねぇ、俺を追っかけてたのにどうして急に違う場所へ走ったんだい」

「あ゛あ゛あ゛あ゛!? 離せ、このガキ共が!」

「あー、鬼になると分からなくなっちゃうんだ。なるほどね」

 

 理解が出来なかった。自身の父親が鬼となったことを知りながら、『ああそうなんだね』と気楽そうに、何でもないように話しかける姿は異常だった。

 その子供がくるりとこちらを向いた。何の色も無い瞳と、何も思っていないと分かるぐらいに薄っぺらな笑い。

 自分の親を括ったガキに対しても何ら負の感情を抱くこともなく、そのガキは気安く話しかけてきた。

 

「あれ、君がいたからかな? なんかお酒の匂いがするとか言ってたけど」

「……知るかよ。鬼は殺すだけだ」

「へぇ、鬼は殺すだけか。だが俺は知っているよ。普通の刃物じゃあ鬼は殺せない。日が出るまでここに括りつけておく算段なんだろう? 俺もここにいていい?」

「……ガキはさっさと帰りやがれ。町はあっちだ」

「そう言わずに! 俺、君にも興味が出てきたなぁ」

「ふざけたこと言ってんじゃねぇ。何も出来ねぇガキの癖に」

「出来ない、出来ないかぁ。こういったことならちょっとばかり出来るよ」

 

 すると子供は鬼の手を握ると――その触れている箇所から肌が霜づいていくのが見えた。

 目を疑った。今は大して寒くもない皐月の頃合いだというのに、そのガキが触れた場所だけが冬になって、凍りついていった。

 

「どう? どうかな?」

「……」

 

 信じられないが、触ってみれば鬼の手は冷たい。鬼の呻き声を聞けば、手の感覚さえも無くなっているようだ。

 気味の悪いガキだ。

 何度も話しかけるソイツを見ないフリをしながらやり過ごしていれば、ようやく日が昇る。

 木々の影から日が差して鬼の体を焼いていく。

 

「ごめ、んなぁ、文寿郎。ごめん、なぁ……」

 

 その鬼は、焼かれる前に隣にいるガキを見て涙を流しながら死んでいった。

 それまでうざったいぐらいに話しかけてきた文寿郎というガキは消えていく父親の体の元に、ふらりと寄って、消えていった体の欠片を掴もうとしたのか手を伸ばした。

 その手は、空を掴むだけに終わる。

 

「あ、れ。――あは、なんだろう。何か、あったんだけど。死んじゃったから分かんなくなっちゃった!」

 

 あは。あはは。

 

 空虚な笑い声だった。聞いてるこちらが恐ろしくなる程の笑い声だった。それしか感情を出す術を知らない様に、ガキは泣きもせずに笑った。

 

 だが、きっと。――この子供は知らないのだと。

 この時から、普通の子供の様に喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだりすることが出来ないのだと――悟った。

 

「……お前を町に連れて行くからなァ」

「ええ、どうしたの急に。でも連れてってくれるなんて優しいねぇ」

「テメェ、他に家族はいないのか?」

「えーっと、家族と呼べる血縁は父さんと母さんの二人だけでー。母さんはさっき父さんに食われちゃったから、いないや!」

 

 聞かなきゃ良かった。他にも兄弟かいるならと思ったが、とんだ藪蛇だった。

 

「……あぁ、でも。最早血縁ではないけれど、俺には殺さなきゃならない弟がいるんだ」

「――あ゛?」

「弟は鬼になってたくさんの人を殺してるから、罪を償えって! あははー、生き延びた先で人がどうするかだなんてその人物の勝手だとは思うんだけどね? でも俺にとっても予想外の事態になっちゃっているから首を斬らないとって思ってさぁ」

 

 気でも狂ったのか、時折文寿郎はそういった――いない弟の事を言った。さっき奴は一人っ子と言ったじゃないか。

 

 だが、「弟の首を斬らねばならないのだ」と。「それが己の償いなのだ」と。

 

 あるかも分からない空想の死後の世界の事を細かく話すガキ。

 つい先ほど、父親を殺されて孤児になったガキ。

 

 とち狂った一端が自分にあるのかもしれない。ならば、せめて町へ連れて行ってやる程度の面倒は見なければとは、思った。

 立ち寄った町の先でまた鬼がいて、そこで兄弟子となる粂野匡近と出会い、縁が続くことになるとは思わなかったが。

 

 文寿郎はよく一人で鍛錬をしていた。無論そんな奴を匡近が見逃す筈もなく、俺をも巻き込んで町の美食食べ歩きとか、ガキらしい遊びとかもやったりした。

 

 匡近も文寿郎の欠けた部分を知っていた。文寿郎の「それはどうして?」「なんでそう思うの?」攻撃にも怯まず、弟に教えるみたいに一から教えていた。

 その成果が『好物』だった。何を食べても取り繕うだけの「美味しいです」としか言わない奴が、唯一違う反応を見せたのがあんぱんだった。

 

 奴が初めてあんぱんを食べた時、訝しげに首を傾げたりしながら注意深くあんぱんを見つめたり、といったことを繰り返すので「どうした」と聞いた。

 

「別に、あんこもパンも食べたことあるのに。なんであんこをパンに包んだだけで……ええっと、なんか、すごくほわほわした気持ちになる……ような」

「文寿郎、それはきっと、お前の好物を見つけたってことだな。うんうん、俺も鰻を食べた時はこんな美味いものがあるのか! と衝撃を受けてほわほわした気持ちになった! 実弥にとってのおはぎだな!」

「テンメェ、匡近。なにしれっと言いやがる」

「好物……。これが、食べて美味しいと思える気持ち?」

 

 文寿郎がその時見せた、拍子抜けした顔からの、小さく小さく、――ソイツの心の声みたいに小さな笑み。

 

 俺たちと接することで少しずつ知っていけるだろうと、匡近とだって約束していたのに。

 俺は、文寿郎の心の声が小さいということが分かっていたのに。

 

 墓場で嘘泣きをするアイツを責めた。だが、同時にやってきたのは――己への失望だった。

 父親の前で何かを掴みかけて、「何だろう、分からなかった」と笑い飛ばす奴が、普通の人間の様に泣けるか?

 掴みかけた其れを何と言うかも分からない奴が、人の死に触れて哀しむことが出来るか?

 

 俺は知っていた。匡近よりもアイツの空虚さを知っていた。

 それなのに身勝手に、匡近の死に泣いてくれるだろうと無意識に思った、俺の傲慢さに――吐き気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(怒ってんのか、お前が)

 

 立て続けにアイツの持っていた日輪刀が折れた。無惨は無力化した文寿郎を狙ってその触手を叩きつけようとした。

 ――間に合わない。誰も庇えない。

 竈門は無惨の背後にいる、冨岡もそいつの近くにいるから無理だ。悲鳴嶼さんも俺の赫刀を出す為に動いていたから無理だ。

 

「貴様によく似た鬼と同じく、無意味に」

 

 感じたのは、激しい冷気と皮膚が震える程の()()

 その発生源は無惨が見下ろす男から。――仏塚文寿郎から。

 

「ようやく、理解できた」

 

 無惨の腕は切り落とされていた。その断面は血が出ない程に凍てついていた。

 文寿郎が使ったのは、鋭い対の扇。蓮の模様が描かれた金の鉄扇が――日輪刀でなくとも鬼の体を容易く切断していた。

 

「よくも弟を鬼にしたな」

 

 血管が浮き出てる程に文寿郎が、取り繕うことを止めたアイツが、その全身から怒りを露わにしている。凍てついた冷気が足運びを鈍らせる。

 ……いや、驚いて固まっているだけだ。俺は、あんなに怒りを見せる文寿郎を見たことが無い。

 

「例え、環境が最悪だろうと、人形が自ら鬼への変貌を望もうと」

 

 日輪刀ではない扇だというのに、その呼吸の型は――まるで扇こそが本当の得物だと言わんばかりに、違和感なく、その威力を発揮していた。

 

 左右の鉄扇を横払いにして冷気を撒き散らし、激しい連撃で無惨の体を刻みつけ、真下から切り上げ、反撃の触手を躱しながら十字に斬りつける。

 

 舞としての流麗な動きでありながら相手を傷付ける。

 それは文寿郎が加減をしなければ味方諸共に凍りつかせる冷気の様に冷たい本質と、――アイツが今見せている怒りの様な苛烈さが見えた。

 

「弟の先が、その未来が良いものだろうという望みが細い糸のように、何も見えなくなる程に小さなものだとしても」

 

 ――アイツの弟は、本当にいたのか。気が狂った末の虚言でもなかったのか。

 鬼になった、弟がいたのか。

 今までそんな思いを抱えていたのか。抱えていたとしても、自分では気付けなかったのか。

 お前は、それなのに、弟を斬った後だというのに……、他人の弟を気にかけたのか?

 

「お前は弟の時間を止めた。命の時間を止めた。()()()()()()()()()()

 

 ――もう、文寿郎は人形でも、欠けてもいない。

 冷気に負けてやるものかと、刀を握り直した。体温を上げて痣を出す。シィィと呼吸の音が出る。

 

 

「返せ、弟の時間を。人としての未来を」

 

 

 お前は感情を知った。そして、持った。

 

 鬼舞辻無惨を必ずここで殺すという意志を。

 

 

§

 

 

(一体なんだというのだ)

 

 無惨は重たい体を引き摺り、衝撃波を起こして殺した隊士たちの遺体を踏みつけながら柱たちの猛攻から逃げていた。

 

(あの男に薬を投与されてから、異様に体が重い。傷の治りも遅い、術も出せない。あの化物にやられた体の傷も出てきている)

 

 走れば走る程に息切れがする。体の内に犇めく薬の効能が、己の体を悉く破壊している。化物に及びもしない赤い刀の熱が傷口をじわりじわりと焼いている。

 

(姿は見えないがあの毒使いの毒も厄介だ。確実にこちらの体力を削っている)

 

 耳飾りの少年から投げられた刀を抜いて、無惨はひたすらに逃げる。

 

(本当に何だというのだ、あの童磨に似た男は! 黒死牟の技を使い、童磨の様に扇と冷気を使い、なにより呼吸とやらを複数使ってくる。加えて、まったく動きが読めない。素早いし、力もある。吸息で吸い込まれもしない体幹もある。血も被らない)

 

 姿の見えない奴等を仕留めようとすれば的確にその男は攻撃の手を切ってくる。遠くから撃つ煩わしい狙撃手共へ向かえば、その前に立ちはだかる。

 誰より前線に立つがその癖、無惨の劇毒にも等しい血を一滴も浴びず、また触れようとした者を庇う。

 あの男がいることによって、この戦いが鬼狩り側へとかなり有利に運ばれてしまっている。

 

()()()……!)

 

 あんな人間がいて良い筈が無い。冷気を出すなんて、鬼でもないのにそんなものを出せる人間がいていい筈が無い。

 まるで、あの化物のようではないか。未だに己が体を焼く斬撃を放った化物。

 あんなものが再び生まれてきたというのか。

 そんな、そんな事が有って良いのか……!?

 

 逃亡する無惨の背に、鋭い冷気が突き刺さる。――あの男の気配だ。

 

 

「そろそろ追いかけっこばかりも飽きてきちゃったね」

 

 月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾

 

 扇と共に振るわれる斬撃、それにまた不可視の斬撃が生じており、無惨の体を容易く両断した。同時に、移動させていた心臓の一つがあえなく切り刻まれた。

 

「さっきから逃げてばっかじゃねェかよォ!」

 

 風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ

 

 風が伸ばした細い触手を細切れにする。

 

「――ここが貴様の墓場だッ!」

 

 蛇の呼吸 弐ノ型 狭頭の毒牙

 

 死角から現れた男が右肩を切り裂く。

 

「皆の遺体を踏んづけて……絶対に許さないんだから!」

 

 恋の呼吸 弐ノ型 懊悩巡る恋

 

 最早刀とは言えない薄くも柔い刀が体中を刻む。

 

「逃げてんじゃねェこのクソ野郎がァァァァ!」

「さっきから臓器の位置ばっか動かして気持ち悪いんだよッ!」

 

 毒と、日の光を浴びた鉄鉱石が体の内で破裂し、下半身が潰れる。

 

「貴方に逃げ場はありません。ここで死ね」

 

 蟲の呼吸 蜂牙ノ舞 真靡き

 

 突然現れた女が独特の形状の刀を以って胴体を貫き、多量の毒を打ち込む。

 

「我らは必ず、貴様を殺す。必ずだ……!」

 

 岩の呼吸 壱ノ型 蛇紋岩・双極

 

 錐もみ回転した鉄球が再生しようとした無惨の下半身を再度打ち砕く。

 

「死ね」

 

 水の呼吸 参ノ型 流流舞い

 

 残った左肩での攻撃を流れる水を纏う刀が切り裂く。

 

(死ぬのか?)

 

 碌に手足が動かない。体は最早再生すら出来ない。己の背後に張り付く――死の影が、その手を無惨へと伸ばしている。

 

「もうたくさん生きたからいいんじゃない?」

 

 霜の呼吸 伍ノ型 堅氷至り

 

 鋭く冷たい扇の刃が傷口を凍らせながら斜め下から斬り上げる。

 

 

 

「日の呼吸 炎舞!」

 

 

 

 竈門炭治郎が、かつての化物と同じ呼吸を使って無惨の頸を斬ろうとした。無惨は無意識的に首の皮膚組織へ全ての力を集めた。

 

 首の弱点は克服した筈だが、()()()()()()()()()()()()()のだと、直感した。

 

「ここがお前の、死に場所だ! 地獄へ堕ちろ! そして、奪ってきた全ての命に謝れ! 全てにだ!」

「そんなもの知るものか。私は生きる、必ず生きる!」

 

 渾身の力を込めた首に対し、その刃は浅く入っただけだ。これなら押し返せると思ったが――。

 

 

 

 ガン、と。

 

 

 

 新たな刀がその刀の背を押した。

 

 ガタついた刃が、雷の刃が、花の刃が、毒の刃が、彼の刀を押している。

 斧の刃は反対側から入り、荒々しい刃が、静かな刃が、しなる刃が、うねる刃が、冷たい扇が背を押している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ア゛ア゛ァ゛ア゛ア゛ァ゛ア゛ア゛ァ゛ア゛ア゛ァ゛!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その場にいる全員が空気を震わせるほどの怒声を出した。

 

「負けるな! 俺たちも無惨を固定しろ!」

「おおおおおおおおおおお!!!」

 

 衝撃波で倒れていた鬼殺隊士たちが柱の雄姿に心を震わせ、全身の力を込めて各々の日輪刀を持って無惨の体を串刺しにした。

 古くから繋がれてきた鬼狩りという組織の意志が、鬼の頭領たる鬼舞辻無惨を殺せと叫ぶ。

 奪われてきた者の声を今、この男に刮目させよと隊士たちは体を奮い立たせる。

 

 

(――なんということだ)

 

 

 ズ、ズズと刃は進む。無惨の体は昆虫標本の様に固定され、体を自由に動かすことも、新たに触手を生やすことさえ出来ない。

 最後に残った意地で首を斬られまいと硬くするが。

 

 

 

 その時、無惨の目に入ったのは地平線から昇る――太陽の光

 

 

 

 そして、刈り取られて宙を舞う、己の頸。

 

 陽に灼ける。……眩しい。

 永い時、直視する事は無かった光。それらは無惨の体の全てを焼き尽くす、暴力的な光。

 

(産屋敷よ、認めよう。――人の想いこそが不変であり、不滅であると)

 

 切り離された体との繋がりもぷつりと切れた。ここから訪れるのは足掻く事も出来ぬ、本当の死。

 其れを、自身よりも明らかに下等で、寿命にも限りがあり、体を変形することさえ出来ない人間がやってみせた。

 

 

(……ああ、健康な体で、陽の下を歩いてみたかった)

 

 

 無惨は目を閉じる。

 

 訪れた陽の光。焦がれたものに灼かれる感覚に、身を任せた。

 

 

§

 

 

 歓声がその場にどうっと轟いた。

 首を斬られた無惨が再生することなく、陽の光で焼かれて死んだ。それは、鬼殺隊の本懐を遂げたことを意味する。

 

 奪われた命は決して少なくはない。だが、戦闘に参加した殆どの柱や貢献した隊士たちが傷を負いながらも死に至ることはなく、その場に居合わせられたことは――果てしない喜びを齎したのだろう。

 

 隊士たちも、市街地へと出て住民を避難させていた隠たちも同じ。共に闘った鎹鴉たちも涙を流しながら勝利の喜びに打ち震えた。

 

「良かった、無惨が死んだ!」

「父さん、母さん、姉さん……! 仇は討ったよ……!」

「ああああ良かったぁあああああ! 良かったよぉおおお!」

「神様、仏様、ありがとうございます。ありがとうございます……!」

 

 その歓声がぼうっと遠くに聞こえてくる。時間は少ないと悟った。

 言いたいことはさっさと言ってしまおうと足を動かした。黒と白の縞模様の羽織を着ている男の元だ。

 

「伊黒殿、元気?」

「これが元気に見えるのかお前は……。だが、……お前の善戦のおかげで助かった」

「そう。なら良かった。ところで甘露寺殿との祝言はいつになるんだい」

「!?!?!?!?」

「え、ちょ、仏塚さん!? ななななな何言って!」

 

 伊黒殿は固まり、隣にいた甘露寺殿が頬を染めながら動揺している。

 

「だって、君たち二人思い合ってるんだろう? 俺と甘露寺殿が稽古をしたら次の日伊黒殿から長文の手紙が送られてきたし、また甘露寺殿からの手紙は伊黒殿と食事した時のことがよく書かれているし……。違うのかい?」

「え、あの、いや……」

ギャー!? そ、そうだったの? 私そんなに伊黒さんのことばっかり書いてた!?」

 

 うんうんと頷いていれば二人の動揺は落ち着いたのか、途端にしおらしくなってお互いの顔見てはそっぽ向いてを繰り返した。

 

「だが、俺には君と結婚する程……」

「何があったかは知らないけど、人生は一度きり。また来世なんて言うもんじゃないよ。今生きていて、その幸せを共にしてくれる人がいるなら、その人をちゃんと見てあげなきゃ」

「……!」

 

 何か考える様に黙り込む伊黒殿とゆで蛸の様に赤くなった甘露寺殿を置いて、あれなら大丈夫だろうと、次の人へと足を動かす。

 

「悲鳴嶼殿、……は、元気ではなさそうだ」

「ああ。痣の代償というものだろうな……」

 

 悲鳴嶼殿の負った傷は軽傷ではあるが、途中で痣を発現させたせいか、その生気がうっすらと消え始めている。

 

「……お前は、胡蝶に蘇生された時にやりたいことが生まれた、と言ったな。それは何だ?」

「えーっとね……。今の光景……かな? 鬼舞辻無惨を倒して、鬼のいない世界で笑う皆を見たいなって」

 

 適当に言った言葉だったけど、でも半分は……無自覚にそう思ってたかもしれない。

 それを聞くと悲鳴嶼殿はとても穏やかに笑った。

 

「そうか。それはとても……、素敵な願いだ」

「その中には無論、悲鳴嶼殿もいるんだけど……。何やら貴殿の近くにいる七人の子供にも『先生を生かして欲しい』と言われてしまってはね」

「な、に……?」

 

 今も「死んじゃイヤイヤ」と泣いているしなぁ……。

 そう言えば目を見開かせながら、悲鳴嶼殿は小さく震えていた。

 それが何故なのか、昔の俺には分からないが、今の俺には薄っすらと分かる気がする。

 

「望まれたのなら、辛かろうと生きるのもまた生者の特権だと、俺は思うよ」

「…………あぁ、あぁ。そうだな」

 

 いつだって涙を流しているようだが、その涙が“いつも”とは違うのだろうということは分かる。

 次の人の元へ向かうことにした。

 

 大親友の元に!

 

「さ・い・か・わ・ど・の~」

「うおっ、文寿郎!? なんだよ、どうした急に」

「俺聞いたよ。賽河殿が……、柱稽古中に抜け出して博打ばっかやるから俺の呼吸法訓練に来てくれなかったって」

「うぐ」

 

 悲しいな~、悲しいな~、と言えば、案外人の良い彼は困った様な顔をしている。

 なんだかんだ言って、金の為とは言いつつも外道の如く完全に人を見捨てることは出来ないその性格が好ましかった。

 

「わーった。悪かった。この後、新しく通える賭場を探す旅に出るから、そん時には付き合えよ」

「んー……。そうだね。その誘いは受けたいところだけど、どうやら時間切れみたいだ。本当にごめんね? 俺も一緒に行きたかったなぁ」

「……は?」

 

 次の人はあの半々羽織りの義勇殿。最初に共同任務で会った時から目立ったなぁ、あの羽織り。おかげで他の人間より早く覚えられた。

 

「義勇殿~、怪我の程は如何(いかが)?」

「特に目立った外傷は無い。これもお前が殆ど無惨の注目を集めていたからだろう。本当によくやったな」

「でしょ~。もっと褒めてくれていいよ?」

 

 そう言うと呆気に取られて、義勇殿はあまり見せたことのない柔らかな笑顔をした。

 そんな顔で笑えるんだ、鮭大根以外で。

 

「そうだな。頑張ったな、文寿郎」

「義勇殿もよく頑張りました」

 

 きゅむきゅむと謎の擬音が出る頭を優しく叩いていると、「あの!」と隣から声を掛けられた。

 竈門炭治郎くん。彼はボロボロに泣きながら、いつの間にか人間に戻ったらしい妹と抱き合っていた。

 

「仏塚さん、ありがとうございました! 貴方との稽古と、そして無惨を引き付けてくれたおかげで日の呼吸を安定して出せることが出来ました!」

「よく分からないけど、兄がお世話になったみたいで、ありがとうございました!」

「いいよいいよ。君は妹さん? 人に戻れたみたいで良かったねぇ」

「はい!」

 

 ……残った余力を考える。ふむ、これくらいなら出来るかな。

 

「突然だけど君、呼吸の型を見て覚えられる?」

「ええ!?」

「出来なくてもいい。でも、()()()()()()()()

「……! はい!」

「義勇殿ー。日輪刀借りていい?」

「あ、ああ」

 

 隠の治療を受けている義勇殿に断りを入れて、そして少し人を掃けてもらって刀を振るえる場所を確保した。

 なんだなんだと範囲内に入ろうと近寄る隠や隊士たちに「危ないから離れてね。本当に」と言ってから、俺は月の呼吸を披露した。

 

 壱から拾陸の型まで。あの悲しい目をした侍が後世へと希望を託したと満足したのなら、せめてその遺志を尊重くらいはしてあげたいよね。

 振るえば振るう程、限界は近付くけれど、不思議とそれは怖くない。

 

「……どう、覚えた?」

「…………はい、はい。覚えました! でも、()()()()()()()です!」

「おや、俺の技も見てくれるのかい?」

「刀と扇の二種類、お願いします!」

 

 どうやら鼻が利くというから、こうして呼吸の型を見せる意図が分かってしまったのかな。最初からぐずぐずに泣いていたのに、より一層、顔をぐしゃぐしゃにして、それでも必死に瞼だけは閉じない様に見てくれる。

 その熱意に応じて刀と扇の二種類で披露した。……あはは、ちょっと限界近くなっちゃったかも。

 

 次は、と。

 日陰に隠れている二人と一匹の気配を探す。

 

「ありがとう! 君たちの薬のおかげで無惨を倒せたよ!」

「……こちらこそ、ありがとうございます。貴方が来てくれて、助かりました」

「俺からも礼を言う。珠世様を救ってくださったことを。……本当に、ありがとう」

「ナ~オ(お前、中々良い仕事してたぜ。今度一杯やろう)」

 

 日陰から離れて次を探すと、実弥殿の弟くんと片腕を欠損して離脱した筈の時透殿がいた。

 

「やあ二人とも。正確な援護射撃、助かったよ!」

「仏塚さん……。俺たちでも、役に立てたでしょ? 後方でだって――腕が無くたって戦えるってこと、分かった?」

「うん、よく理解できた。俺は君たちの思いの深さを見誤っていた。謝るよ」

「あ、謝るなんてそんな……!」

「ふふん。じゃあ今度、俺のリハビリに付き合ってください。片腕だってビシバシ動いてやります!」

「考えておくよ。後、片腕で困った事が有れば俺の屋敷にいる医者を頼るといい。彼なら義手とかの造詣にも深いから」

「分かりました。いよっし、玄弥! お兄さん探そ!」

「お、おう。あの、仏塚さん……。兄の側にいてくれて、本当にありがとうございます。少しでも素を出せる人がいて、きっと兄ちゃん……、助かったと思うから」

「そう? 実弥殿に素を出せる人間と思われてたら良かった!」

 

 じゃあね、と立ち去る二人に手を振ると、イノシシ頭の子が「猪突猛進!」と叫びながら俺の前に躍り出た。

 決して軽くはない傷を負ってはいるが、その生命力は一体どこから出てくるのだろう。

 

「……おい、まさか、お前、死ぬのか?」

「君は……イノシシくんかぁ。どうしたの急に」

「俺、お前が……父親ってやつじゃねーのかって、思ったのに」

えっ

「だって俺の母ちゃんの記憶の隣に、なんかお前みたいなツラした男がいんだよ! 母ちゃんの隣にいる男って()()()()じゃねーのかよ!」

 

 わあわあと泣き叫ぶイノシシくんの衝撃の告白。これは……弟だね、万世極楽教関係だね?

 恐らく弟の寺院を頼ってやって来た母親の連れ子がイノシシくんだったみたいな展開だと信じるからね?

 

「ごめんね、俺は君の父親じゃないよ。年齢的にも生殖は無理な範疇だ」

「うっせー! それでも父ちゃんって呼んでやる!」

「君の本当のお父さんに申し訳ないなぁ……。そうだな、自分の母親について知りたいなら“万世極楽教”を訪ねてみれば……何か分かるんじゃないかな」

「ばんせーごくらくきょー……? なんだそのうっさんくせぇ宗教」

「一瞬で本質を見抜くとは流石イノシシくん、ついでにこの手紙を送り届けてくれると助かるよ」

 

 サササと今手持ちの紙と筆で書いた――万世極楽教の教祖が信者に宛てたとする手紙。内容は『俺先に極楽行くからごめんねー』程度のもの。

 ま、極楽になんて行ける筈も無いだろうし、この手紙を渡した所で崩壊しかない組織だろうが、せめて分かりやすい“終わり”ぐらいは与えてやらないとね。

 

「……わがっ゛だ。ごの゛手゛紙゛、届゛げり゛ゃ゛い゛い゛ん゛だな゛」

「うんうん、そうしてくれると助かる」

「ぜっ゛でー゛届゛げでや゛る゛がら。……父゛ぢゃ゛ん゛じゃ゛な゛ぐでも゛、生゛ぎろ゛よ゛! お゛前゛死゛ん゛だら゛め゛っ゛ぢゃ゛哀゛じむ゛ヤ゛ヅ多゛い゛だろ゛!」

「そうかなー」

 

 曖昧に笑うと、隣のタンポポ……じゃなかった、雷の呼吸の壱ノ型しか使えない我妻くんが顔をくしゃくしゃにしていた。

 

「なんだよアンタ、普通に笑えるんじゃん。いつもみたいに、何の音もしない笑顔じゃなくて」

「お、我妻くん。霹靂一閃じゃない、知らない型で無惨の腕を斬ってたのすごい恰好良かったねぇ」

「そりゃカッコイイだろ。アンタの霹靂一閃の速度を参考にしたんだから」

「そうなの? 嬉しいなぁ、稽古の成果があって良かった」

「……俺はもういいから、他の人んとこ行けよ。もう少ないんだから」

 

 彼は泣きながらシッシッと威嚇しながら俺をあっちへ――、こちらを見ているしのぶちゃんの方へ体を向けさせた。

 

「……なんです、仏塚さん。急に皆さんとお喋りなんかして」

「俺、もっといっぱい喋っとくべきだったなぁって、今更思ってさ」

「もしかして、何処か負傷でもしてるんですか。無惨の毒だったら血清は作ってありますし、珠世さんだっているなら……」

「ああ、そういうのじゃない。もう手遅れなんだ」

「は……?」

 

 ビキリ、と目の前の彼女が激しい怒りを見せた。今思えば、あの蝶々って君だったんだろうねぇ。

 

「なんですか、一体何なんですか。まるでこれから死ぬみたいな、身辺整理なんかして……!」

「当たり。もうすぐ俺は死ぬ。それはもう覆せない事態だ」

「ッ……! 心臓の病か何かですか、何か病気なら、死ぬ気で今生きて、すぐ医療機関に……!」

「この原理を正確に説明……は難しいなぁ。まずは落ち着いて、質問もせず聞いてね?」

 

 一言入れると、彼女は涙を目に溜めながら「早く話せ」と言わんばかりに睨みつけた。

 凄い激情だ。俺もきっと、彼女が怒って、あの黄泉路を戻してくれなきゃ“人でなし”のままだったな。

 だから、感謝してるし、彼女の意に沿えないことも心苦しく思う。

 

「普通に生まれた人間は、自分の命こそがこの世に留まれる楔なんだ。だから、普通、人は死ねばその楔が取り払われて黄泉の国へ行く」

「ただ俺は……普通に生まれた訳ではない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それは本来許されないけれど、“鬼”なんて現象が蔓延っていた現世ではまぁ通せる無理の範囲だった」

「それで、今の俺はその楔が消えた状態。つまり、死んでいるのと同じ状態」

 

 とんとん、と――心臓のある右側を(つつ)く。そういや弟は殺す気で狙ったとか言ってたけど、俺の心臓は全然反対の右側にあるんだよね。

 鬼舞辻無惨も左側を狙ってきたけど、あはは、残念不正解!

 どうやら正確に狙ってこれたのは黒死牟殿だけらしい! 面白いね!

 

「嘘です。だって、貴方、生きてるじゃないですか。命が、あるじゃないですか。心臓が、動いたじゃないですかッ……!」

「これも難しい話でね。俺は自分の命の楔を、自分で切り取ったんだ。こうして今ここにいるのも、俺が結構な無理をして心臓を動かしているから。で、その無理というのは続かない。楔の無い、死んでいる体に熱量は生まれない、心臓は動かない。あんぱんばっかり食べていたのは心臓を動かす熱量が欲しかったからさ」

「嘘、嘘です……。貴方は生きるんです……。こんなの、こんなのって……。嫌だぁ……!」

「嘘でも嫌でも、人の死は受け入れなきゃね。――俺、君には本当に感謝してる。どうか、その知識を正しい方向に使ってね」

 

 蝶の飾りのついた頭を軽く叩くと更に泣き出してしまった。それから、俺の話が伝わって周囲の子たちまで泣き始めてしまった。

 「まだ心臓動かしていて」とか「医療機関に行くまで頑張って」とか言われるけど、あはは、無茶な事ばっかり言って……。

 

 どうしよ、目が霞んできた。

 心臓、まだ動いててよ。話を出来てない人がいるから。

 

 カラン、と刀の落ちる音が聞こえた。そちらに振り向くと、白い髪の……兄弟子がいた。

 良かった、近くにいてくれた。重くなってきた体をそちらに向けて、近付く。

 

「おい、その話は、本当なのか」

「うん、本当」

「死ぬ、のか?」

「死ぬよー」

「……お前、は、ようやく、感情ってモンを、知ったってのにか?」

「うん」

 

 どうやら実弥殿は知っていたらしい。俺の欠落も、その欠落がようやく埋まってくれたことも。

 いいや、昔から――俺の周りは、俺に感情を教えてくれる優しい人たちばかりだった。

 ゆいまに、俺の今世での両親に、匡近殿に、実弥殿、そして金井戸殿も気にかけてくれてた。

 彼らは俺が、人として欠けていても、俺の言葉で傷付いたとしても想ってくれた。……本当に優しい人たち。最期にその優しさに気付けて、良かった。

 

「そんなのって、無ェだろうが。お前はこれから、これからだろうがァ!」

「えへへ、これからかぁ。あったら、良かったね。俺が普通の命だったら、良かったのにねぇ……」

 

 ぐい、と腕を引っ張られる感覚。鈍く感じるけど、かなり力が入っているだろうことは分かる。

 

「俺は許さねェぞ。おら、心臓を動かせ、お前が動かしている間に胡蝶たちがお前でも生きられる方法を見つける。だから、動かせ、あんぱんも好きなだけ食え!」

 

「最後にあんぱんたくさん食べれて嬉しかったな……。ね、実弥殿、俺の話、聞いてくれる?」

 

「聞かねェ! 明日聞いてやるから今は休め! 休めよォ!」

 

「俺さぁ……、人の感情とか、全然、よく分からなくてさ。でもその度に、父さんや母さんが優しく教えてくれたんだ。両親だけじゃなくってね、ゆいまや匡近殿に浦賀殿、実弥殿も根気強く教えてくれた。だから、俺、分からないなりに、人を助けることは出来たかな?」

 

「ああとっくの昔に出来てンだよ! いいから喋るな。その余力を心臓動かす分に回せェ!」

 

「ううん、喋る。それでね、俺随分長いこと、なんで人が墓を作って弔うとか、祈るとか、そういったことも分からなかったけど、今になって分かったよ」

 

 体の力が抜けていく、ずり落ちそうな体を、なんとか実弥殿の肩を掴んで、踏ん張る。

 さっきから声が震えている、痛いぐらいに彼の悲しみが伝わってくる。

 

 ああ、死ぬのって、こんなに嫌な事なんだね。大切な人を残して死ぬって、こういう気持ちなんだね。

 すごく苦しい。でも、だからこそ、大切な人には生きていて欲しいと反面に願えるものなのか。

 

「誰かにお墓を作ってもらって、毎年祈ってもらえたりするのって、嬉しいね。その人は死んだ人のことを忘れずに今を生きてくれているって証だ。俺も、誰かに供養されてお墓作ってくれたらきっと嬉しい。それであんぱんとか供えてくれたらすごく嬉しい」

 

「墓も作らねェしあんぱんも供えねェ! テメェは生きるんだよ、死ぬんじゃない! お前も失った命を想って生きろ! 文寿郎ォ!

 

「皆が喜んでる中死ぬのって嫌だなぁって思うし、悲しむと俺も悲しい気持ちになっちゃう。俺も生きたかったなぁ、普通の命として」

 

「馬鹿言わないでください、生きるんですよ。皆で、生きられたのに。だから、心臓を……動かして、くださいよぉ……」

 

 もう皆が泣きついてきてくれるから、ずり落ちるとかそういう話じゃなくなっちゃった。

 

 ……ああ、俺、そんなに悲しまれる程に人間が作れていた?

 皆の思う、優しい人になれていた?

 そんなに命を惜しんでくれる、人間になれた?

 

「命というのはとても尊いものだ。鬼を退治してからも生が続く皆には、きっと鬼以外の凶事が待ち受けていると思う。でもね、そんな事が起きても……、皆には、笑って生きていて欲しいな。温かい場所で生きていて欲しいな。それで、時折俺の事思い出して欲しいな。誰にも供養されないし祈られないって、とても悲しいことだって識ったから」

 

 殆ど体の力も入らない。声も聞こえない。でも、まだ視界だけは生きている。

 透き通った世界――、その上からでも見えた、眩しい景色。

 ちかちかとする。ああ、真っ白で、なんて透き通った朝焼け。

 

 陽が昇る。優しい光、温かな光、時折残酷な――でも、それでもこの世には必要な光。

 死者には決して訪れない、生者だけの朝。

 

「ああ、朝日って。こんなに、綺麗だった、んだ……」

 

 最初は何も知らずに真っ暗闇で死んだ俺だけど。

 

 こんな穏やかに、美しい朝日を浴びて死ねる俺は、きっと世界中で一番の幸せ者だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね、そう思わない? 弟」

「……はえ? なんで兄さんこっちにいるの?」

「死んじゃったから~。約束通り、迎えに来たよ」

「いやいや、いやいやいやいや……。あの流れって、生きてる皆の中に兄さんもいて、俺の事忘れて大往生した所で俺が顔を出して嫌な顔させる算段だったんだけど?」

「その愚劣な作戦は企画段階でおじゃんだよ。当初の予定通り、俺が君を迎えに来た」

 

 なにやらしゃがみ込んでいた弟はぽかんと口を開けてこちらを見上げていた。

 俺はずっと弟に謝らなければならないことがあった。それもあって、ずっと無惨への怒りが溜まっていたのだろう。

 

「ごめんね。俺の欠落を、お前に背負わせてしまった」

「はい?」

「だってお前の体って、元は俺の体だからさ。感情が無いとか病弱体質とかそういうの。元は俺が背負うべきものを、命を譲ったとはいえお前に背負わせてしまった」

 

 元々そういう欠落があるって分かってたら、譲りはしなかったのに。

 そんな理不尽を背負わせたりは、しなかったのに。……あぁ、でも、そうと分かっていても譲ったかもなぁ。

 生きているのと死んでいるのでは、まったく違うから。

 

「感情が分からないのに、感情を当たり前に使う人間の輪に入れられて困惑しなかった? なんでと思わなかった時は? どうして己は感情が無いのだと自問自答しなかった時は? ――あっただろう? 俺にはあったよ」

 

 口を開けた弟が、静かに口を閉じる。その目は難しい色合いを宿していた。

 本当に申し訳ない。もっと普通の体として弟に譲ることは出来なかったのか。そればかりは神仏に苦情を入れたいところだ。

 

 普通の人間の様に、最初から感情を理解すれば苦しむことも無かった。

 弟にそんな枷を背負わせたのは、本当に情けない話だ。

 

 だから、せめてもの一縷の希望をかけて、弟には人という命の形で生きて欲しかった。

 そうすれば、お前の欠けた部分を知った人間が、――それでもいいと、教えてあげると。そんな、優しい人に会えたかもしれないのに。

 その一欠けらの希望を奪った無惨が許せなかったんだ。

 

「確かに思ったよ。でもさ、そういうのは良くない。良くないって、俺思うよ」

「良くない?」

「感情が無いのが欠落? でも、感情が薄かったから、あの頭の悪い両親に何とも思わず話を合わせて、神の子として価値を見出させたから、命が繋がったんだ」

「あー、なるほどね」

 

 当時では弟の髪色や目の色は不吉な証だ。まともな親であれば捨てられでもして、其処で命を終わらせていたのかもしれない。

 ある意味、あの両親の元だからこそ命が繋がったと言われたら納得はいった。教祖の仕草はその辺りの事情を悟った弟の生存戦略だったという訳か。

 

「……兄さんの欠落は、確かに人として欠けていたかもしれない。でも、でもね」

「うん」

 

 俯いた弟は静かに頭を横に振っている。

 

「そうやって悪い事みたいに、言わないで欲しいよ。欠けていたって、兄さんなんだから」

 

 ……いつの間にか、弟の背丈は縮んでいた。黄泉路を初めて来たときの様に幼い子供の頃の姿だ。

 

「兄さんがずっと守ってくれたんだって、今なら分かるから。そうやって自分を責めないで」

「人の為に泣けるのかい。優しい子だねぇ」

「これは……、嘘泣きだから」

「嘘泣きなの? 悲しい……」

「ああああ、嘘じゃない! 嘘じゃない!」

 

 訳も分からず泣きじゃくる弟を、俺は抱き上げた。おずおずと弟は俺に視線を合わせて、ぎゅっと体を寄せた。

 

「さ、しばらくの間待たせた。地獄へ往こうか」

「うん。……あ、ねぇ兄さん」

「なんだい弟よ」

「人の生には“次”があるんだろう? だったらさ……、今度は一緒に生まれてきてよ。俺を一人にしないで、隣にいてよ」

 

 しゃくり上げる弟の言葉に、自分でも柔らかい笑顔が浮かぶのが分かった。

 

「ああ、今度は一緒に生まれよう」

「……約束ね。約束」

「やーくそくしましょ。ゆーびきりげんまん……って? 歌いながら歩こうか」

 

 温もりを抱いて地獄へと歩く。

 弟のこれからを思えば気楽な気分ではいられないが、その約束があれば何も辛くはない。

 

 

 

 

 

 約束しましょう。指切りげんまん。今度はちゃんと、一緒に生まれましょう。

 

 約束しましょう。指切りげんまん。今度はちゃんと、普通の命として生まれましょう。

 

 

 約束しましょう。

 

  指切りげんまん……。

 

 

 

    約束しましょう。

 

 

        指切りげんまん……。

 

 

 

 

     約束しましょう……。

 

 

 指切りげんまん……。

 

 

 

 

 

           やくそくしましょう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今まで閲覧していただき、ありがとうございました。
誤字報告も本当にありがとう。いくら探しても湧いてくる奴等(誤字脱字)を潰してくれて、アリガト……。
もう一話、上げる予定ですが読まなくても大丈夫です。そろそろおふざけしないと死ぬぜ!な要素たっぷりなんで。

あと悲鳴嶼女神の名前を間違えていたので切腹します(ブシュ)
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