皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。
再走はしないRTA、始まります。
前回はイベントをダイジェストに流し、上弦の弐とやっと遭遇し、そこでホモくんが同じ童磨アバターだったことが発覚しました。
はい、説明だけはさせてください。
このゲーム、容姿の完成度は高くも、自由度は高くありません。鼻の位置を調整……などは出来ますが、基本作られたアバターパーツを組み合わせるものとなっております。
この前のver.1.01bへのバージョンアップの際、アバターパーツも色々と増えました。中でも敵キャラクターと同じアバターが追加されたのが特徴的ですね。無惨兄貴のようなワカメヘアーのロング/ショートとか、黒死牟兄貴のようなポニーテール、魘夢くんのような髪型に、ホモくんが引き当てた童磨ヘアー……。
髪型のみならず顔の形や目、背格好までもキャラクターと同じに出来ます。
それによって起こるのがそっくりさんイベント。強制的にそのそっくり元のキャラと何らかの因縁と関係性が作られます。例えば伊黒兄貴とそっくりの場合、あの家系に生まれ落ちた男児の兄弟とかになります。
黒死牟兄貴(縁壱兄貴)のそっくりさんの場合、マンツーマンでよく試合が起きるとかの報告を聞きます。その報告主によると、苗字は時透と違う物でプレイしていても、継国の分家の末裔のうんぬんかんぬんと黒死牟兄貴が言っていたらしいです(呆れ)
総合すると、何か色々と起きるらしいです(白目)
関係性の自由度が高すぎて私も把握しきれていないというかなんというか……。
あっそうだ(唐突)
この動画を編集時にスキップしたホモくんの過去映像を見返したのですが、家族殺されても顔色変わってなかったです。童磨のそっくりとはいえ、そこまで忠実にしなくても良くない……良くない……?
とはいえ、まだまだホモくんとそっくり元との関係性もいまいちハッキリしていません。
あぁ~^もう、溢れるガバの予感で震えが止まらねぇぜ(ガクブルガクブル)
ホモくんはキャラメイク時のランダムでたまたま童磨パーツが揃った……という感じでしょうかね。
おい、これって……再走案件じゃないか? そう思われる視聴者の兄貴姉貴の方々もいますでしょう。
再走はしません(鋼鉄の意思)
チャートにはキャラメイク時のアバターを確認することを書き加え、ホモくんこと仏塚文寿郎はこのまま宿敵の頸を狙いに行きます(宣誓)
という所で本編開始です。まずは日輪刀が折れちゃったんで新しい物を二本作ってもらいましょう。二刀流なんてカッチョイイものではなく単なる予備です。
初回の日輪刀だと二本目作って貰えませんので、このタイミングで折れたのは逆に良かったのかもしれません。
次に、上弦の鬼と遭遇し生きて帰った場合に起きるお館様召集イベントです。これは刀鍛冶の里に滞在中に起きるでしょうからその時に解説します。
はい、鎹鴉に伝えて刀鍛冶の里へゴー!
着きました。まだまだ鉄井戸さんは御存命です。刀を作って欲しいと鎹烏に伝えた状態で刀鍛冶の里に行くと、自分の担当についている鍛冶師の元へ案内されます。
「お前さん、刀折れたんだってな」
ウッス。でも上弦の弐と対面したから、ま、多少はね?
「そうか。……で、二本作って欲しいんだな」
そうですそうです。また刀が折れた時用の予備として持ち歩きたいねんな。
「分かった。時間はかかるがな」
二本作って貰えることになりました~^
担当する鍛冶師によって二本作って貰えるかはランダムですが、鉄井戸さんは快く承認してくれました。
どこぞの三十七歳児と違ってロスも無くていい感じです。
そのまま屋敷ですやぁ……する訳ないだろ! いい加減にしろ!
じゃけん、屋敷中の壺という壺を見に行きましょうね~。玉壺産の壺があったらホモくんの剛腕がうなり声を上げながら壺を破砕します。何度もやると腕が負傷します。
それか勇者方式でポイ捨てパリーンです。非力な子はこっちでやりましょう。もちろん不要な負傷はしないのでホモくんもこの方式でやります。
ホラホラホラホラ、もっと壺出してホラ。ぬ、違うな、それもこれも違う……。
あー、良かった。刀鍛冶の里にある壺ポイントを全て見て回りましたが、まだ買ってはいないようですね。安心安心。
「オ館様ノ元ニ招集命令! 招集命令! 直チニ向カエ!」
OK牧場。早く連れて行ってくれよな~(操作不可能苛々タイム)
お館様の屋敷の位置は分かりますが、ここは通常通り隠によって連行されるルートで行きます。
ま、まぁ……一般隊士がお館様の屋敷の位置を知ってたら不味いということで移築してしまうんですよね。
クレイジー鳴女姉貴がいればそんなの関係ありませんが、お館様の手を煩わせないのは鬼殺隊としてのマナーです。いつも大量の給金と鬼関係の情報もみ消しお疲れ様ーっす(ヘコヘコ)
はい、着きました。今回のお館様イベントは何を隠そう、上弦の弐についての情報交換です。
上弦に会って生還するのが難しいというこの状況。どんな情報でも欲しいというのが彼らの内情です。
ここで操作キャラクターが知っていれば、万世極楽教の活動場所や玉壺の位置を知らせ、柱総動員で上弦を潰すことができます。
が、しません。
(遊郭編で上弦キルが初めて成されてないとストーリー沿いチャートが)死んでしまいます。
別にですね、現状で一番最強の悲鳴嶼兄貴がいるので上弦の鬼を狩ることは出来ます。ですが、無惨兄貴がキレて特攻かましてくるので鬼殺隊が滅亡します。まだ炭治郎が日の呼吸も覚えてない状態で無惨突撃とか死にゲーですわ。
縁壱兄貴レベルのキャラがいないと全員死んじゃう……死んじゃう……!(良心)
一応味方側というか鬼殺隊側が勝って欲しい欲はあるんで、遊郭編で上弦キルしてもらってお館様が喜びに飛び上がるのを待ちましょう。
並んでいる柱の所にカナエ姉貴がいることを確認。よし!(生存確認)
なんか怯えてる感じですね。それもそうっすねー、自分の肺を壊した奴と同じ顔の奴が隣にいますもんね。おぉ、怖い怖い。
「「お館様のおなりです」」
やっと来たか~。もう待ちくたびれちゃったよ。ビール、ビール!(七本目)
「お早う皆。顔ぶれが変わることなく、今日を迎えられたことを嬉しく思うよ」
「はっ! お館様につきましてもご壮健そうで何よりでございます」
「ありがとう義勇。それで、今回柱合会議ではないのに集まってもらったのはほかでもない、カナエと文寿郎が上弦の弐と接触したからだよ」
ここで僅かに目を見開く不死川兄貴いいっすね~。あ、挨拶権もぎ取った冨岡兄貴もじゃん。
悲鳴嶼兄貴は……ずっと目開いてるようなもんなので分かりませんね。宇随兄貴? ヒュ~って口笛やってますね。
しっかしまだ柱の数が少ないですねぇ……。ホモくんもいずれは柱にならなければならないんですが、なるとしても無限列車編で煉獄兄貴が退場してからですかね。じゃないと強者を求める猗……ホモ鬼が来ますからね、しょうがないね♂(27敗)
しかもここでは意図せず彼の憎い奴とおんなじ顔してますからね、どう反応が来るか分かりません。
「カナエ、上弦の弐について話せるかな」
「はい、上弦の弐の血鬼術は冷気です。その冷気を吸うと肺が壊死し、呼吸が扱えなくなります。これは鬼殺隊の取る戦術において深刻な問題です」
「うん。カナエはそのせいで呼吸を使えなくなってしまった。そうだね」
「……はい」
ヨシ! 呼吸が出来ない=鬼殺隊士として活動することは無理になりました。利き腕を隠れて吹っ飛ばす必要もなくてうれしみ。
これでカナエさんは鬼殺の現場から退き、以降は蝶屋敷で勤務する形になります。ヨカッタヨカッタ……(安堵)
「そこで提案があるんだ。カナエには後進の育成に力を入れて欲しいんだ。君には今まで鬼殺で培ってきた技術と医療技術がある。このまま君が鬼殺から退いてしまうのは実に惜しい」
「……はい! 精一杯やらせていただきます……!」
ちなみに、カナエ姉貴が生存するとこの通り、後進の育成もといモブ隊士たちの練度が上がり、蝶屋敷での治療期間が短くなります。流石カナエ姉貴、生かしておいても得しかありませんね。
「それで文寿郎、上弦の弐について分かったことはあるかな」
ここは迷わず「はい」を押して順々に説明していきましょう。
武器は一対の扇でぇ、滅茶苦茶速いし力強かったっすよ。冷気避けながら戦うのは難しいっすね。
舐めプした状態であの強さなんでぇ、二人生き残れたことって……勲章ですよ?(自画自賛)
「ありがとう。それで、君から見て今の面々で上弦の弐に勝てるとは思うかい?」
んまぁ……、無理じゃないっすかねということで「いいえ」を選択。ちょっとぉ……流石に搦め手が少なすぎるというか、上弦の壱戦などに行った方が良い面子が多いですからね。
やっぱ呼吸をまともに扱えなくするデバフ持ちとかほんとクソ。誰だよ単独討伐チャート組もうって言ったの(憤怒)
まま、このチャートの無限城編では、上弦の弐はホモくんが倒すんで……。他の皆さんで上弦の壱や無惨様をキルして、どうぞ。
「あの鬼は俺が滅しますので、他の者の手はいりません」
「……そうかい」
上弦の参は炭治郎セラピーで対処可能なのと、炭治郎を守ってくれる柱一人いれば事足りますから楽勝っすね(骨は何本かイく計算)
半天狗と玉壺と鳴女ちゃんは弐や参に比べるとまだ勝算はあります。玉壺は無一郎クゥンがいれば倒せるので、一旦里救助してから半天狗戦をしている甘露寺ちゃんに加勢して終了ですかね。鳴女ちゃんも原作通り愈史郎に対処してもらいましょう。
別に刀鍛冶の里編で覚醒禰豆子を見せなくても鳴女ちゃんがグーグルアースへと進化を遂げれば自然と目に入り、無惨様に目を付けられます。こっちの方が少しだけでも柱主催の鍛錬時間が伸びるのでお得です。
って、待ってくれ。お前今なんて……? いやここで他の柱を挑発するとか、不死川兄貴とか冨岡兄貴などの好感度が高いメンバーならまだしも、完全初対面な音柱とかの好感度が……アバババババ!!!
「皆、また顔ぶれが減ることなく会える事を願うよ」
「はっ!」
あ、お館様軽くスルーしてくれましたね……。ありがてぇ。
ということで差し支えなく童磨への注目を逸らせました(多分)
でもアイツはホモくんがやるんで、ホンット援軍とかいらないんで(59敗)
「おい」
なんじゃい不死川兄貴。っとぉ……? これはもしや、あれですな。一緒に墓参りイベントですね。
「……匡近の墓参り、お前も来い。今ん所来てねぇのはテメェだけだ」
フヒヒサーセン。キリもいいので今回はここまで。
次回もまたお会いしましょう。
ほな……また。
§
上弦の弐との戦闘で日輪刀が折れ、担当の鉄井戸に打ち直し兼新たに一本作らせている間、文寿郎はすることも無いので刀鍛冶の里にある壺という壺を見て回っていた。
半信半疑ではあるが、人の生活に紛れている――陶芸家や新興宗教の主として活動している鬼がいることを知ってしまった限り無警戒ではいられない。特に前者の鬼に関しては制作物を介して何かしら血鬼術を掛けられる可能性はゼロではない。
しかも刀鍛冶の里は鬼殺隊にとって重要な施設の一つである。襲撃を受ければあの鬼の頸を断ち切るまでの道が長くなってしまう。
それは非常に非効率的だ。――俺は早くあの首を斬らなければならない。
複雑に考える内面に反して、顔はにこにこと笑っている。だからだろうか、通りがかった刀鍛冶らしく火吹き男の面を被った鍛冶師が声を掛けた。
壺を持ってじっと見つめる文寿郎に。
「あの~、仏塚さん何やってんすか……?」
「ん? ああ、良い壺だね~と思って。誰が作ったとか分かるかな?」
「それは壺の久田衛門という有名な方が作った壺です。いや~、仏塚さんはお目が高いですね!」
「へー……、じゃあこの壺は?」
文寿郎は持った壺を元の位置に戻し、またそこから近くに置かれた壺を天井に掲げるように持った。
「それは無名の陶芸家から買ったものですね」
「じゃあいいや」
「じゃあ……ってなんですか?」
「魚とかが作風になってる壺は割ろうかと」
「はいっ!?」
一体魚の壺に何の恨みがあるっていうんだ。そんな言葉は飲み込み、刀鍛冶の男はだらだらと汗をかいた。
さり気なく割ると言った男は壺を元の位置に戻していた。
「じゃあねー」
ぶんぶんと陽気に手を振って文寿郎は刀鍛冶の男と別れた。里中の壺を見て回るつもりだ。
「……なんだったんだあの人」
もし自分の担当になるくらいなら止めて欲しい。そう思った刀鍛冶の男の耳に、里の各地で文寿郎が壺を見て回っていた噂が耳に入るのは数時間後のことだった。
§
里中の壺という壺を見聞し終えた文寿郎は鎹鴉から招集を受け、現在鬼殺隊を統べる産屋敷邸にいた。
ずらりと白い玉砂利が敷き詰められた庭に柱が五人並んで立っていた。その中で実弥と義勇が文寿郎に視線を向けた。カナエは少しだけ目を見開かせた後、そっと目を閉じた。
実弥はずずいと文寿郎に詰め寄る。
(会う度に傷が増えているなぁ。それでは匡近殿に叱られてしまうだろうに)
笑顔は崩さず文寿郎はいつも通りの顔を向けた。
「おいおい、何故ここに柱でもない奴が来てるんだァ?」
「何って俺もこの場に呼ばれたからだぜ実弥殿」
「……まさか」
実弥の脳内に柱という単語が浮かんだ。苦々しくも、一生忘れない出来事が実弥には起きていた。
「ああちなみに、柱に関係する話ではないと思うぜ。俺の階級は乙だからな」
「じゃあなんだってんだ。普通の隊士はここに連れてこられない筈だ」
「それは――」
文寿郎ではなくカナエが口を開こうとした瞬間、彼らの前にある屋敷の襖が開かれた。
その時、既に柱たちは姿勢を整えていた。先程まで話していた実弥やカナエも同じく並んでおり、一拍遅れて文寿郎がカナエの隣に並んだ。
「「お館様のおなりです」」
白髪の子どもが声を揃え、襖を引いた。
姿が現れる。艶やかな黒髪に顔にある紫色の爛れが右目にまで広がろうとしていた。
――産屋敷輝哉、産屋敷家の現当主であり、鬼殺隊をまとめ上げる人物。
「おはよう皆。顔ぶれが変わることなく、今日を迎えられたことを嬉しく思うよ」
「お館様につきましてもご壮健そうで何よりでございます」
この場は、厳密に言えば柱合会議ではない。例えそうであってもお館様への挨拶権の争奪戦が起きる。今回は義勇の口出しが早かった。実弥は面白く無さそうに伏せた顔を顰めた。
「ありがとう義勇」と前置きし、輝哉は微笑を湛えた。
「今回柱合会議ではないのに集まってもらったのはほかでもない、カナエと文寿郎が上弦の弐と接触したからだよ」
ざわりとどよめきと口笛が混ざった音が響く。
話題となった二人は対照的だった。顔を俯かせるカナエと危機感があったと感じさせないような笑顔をしている文寿郎。
この場に集まっている柱は上弦の鬼と遭遇したことはなかった。鬼殺隊で最も強い戦闘力を誇る柱であっても、遭遇すれば死は免れない。
そんな上弦の鬼と出会い、二人は生還したという。
誰かがその鬼の特徴を訊ねる前に輝哉が口を開いた。
「カナエ、上弦の弐について話せるかな」
「はい、上弦の弐は白橡色の髪をして頭から血を被ったように赤い、奇妙な髪をしていました。目が虹のように複雑な色をしていたので一目見れば分かるかと」
カナエはまず上弦の弐の身体的特徴を述べた。白橡色の髪に虹のような複数の色を持った目。これだけでも十分人目を引くだろう、……そしてこの鬼殺隊にいて彼と親しい者ならすぐ気が付くだろう。
分かっていてもはっきりと口には出せなかった。その事実を認めたくなかったのかもしれない。
震える唇を無理矢理奮い立たせ、次は血鬼術について述べていく。
「鬼の扱う血鬼術は冷気です。その冷気を吸うと肺が壊死し、呼吸が使うことが出来なくなり、その冷気を使って多様な氷の形にして攻撃もしてきます。この冷気がこそが、鬼殺隊の取る戦術において深刻な問題です」
「うん。カナエはそのせいで呼吸を使えなくなってしまった。そうだね」
「……はい」
その言葉にカナエと文寿郎以外の柱の人員が目を向けた。驚きとその血鬼術の厄介さに眉を顰める。
そして、事実上カナエは柱を続けることも、鬼殺隊士として活動することも無理だということが考えなくても分かる。
――カナエの、冷気によってボロボロとなった肺は無事に治りはした。以前の様に激しく運動することが出来なくなったということを除けば。
鬼殺隊士として活動が出来ないということは、カナエの淡い夢の崩壊を知らせた。鬼と人が共存できる、その考えもあの上弦の弐と会ったことで揺らいだ。
――あんな、感情の分からないような鬼と分かり合えるのだろうか?
鬼であっても少なからず感情はあった。怒りや喜び、そのどれもが人の死に関係していることには胸が痛くなる。
だが、人や鬼でも見たことが無い、感情の籠らない笑みをカナエは初めて見た。
どこまでも血の通わない顔色と、何も感じない声色と表情。その場で動いている人形の様な――人。
その人形に近い人物をカナエは知っていた。今も隣で、同じような笑顔をしている。
自身の肺の状況とこれから、上弦の弐と――隣の隊士との関係性。そのどれもがカナエの表情を暗くさせた。
いつも花のような笑みで場を和ませているだけあって、その表情の特異性を一層引きたてる。
――そんなカナエを人に安らぎを覚えさせる声が救い上げた。
「そこで提案があるんだ。カナエには是非とも後進の育成に力を入れて欲しいんだ。君には今まで鬼殺で培ってきた技術と医療技術がある。このまま君が鬼殺から退いてしまうのは実に惜しい」
鬼殺隊の現状として、柱以外の隊士の練度が下がってきているのが挙げられる。今はまだ命令を無視して独断専行する隊士は少ないが、これが後になると多くなるかもしれない。
そんな懸念が出始めた頃にカナエの引退。体は正常に動くことに加えて、医療知識や柱を務めたこととカナエの人格もあって、人を動かしやすく、隊士も言うことを聞きやすい。
言ってしまえば、呼吸を実演出来ないが影響力のある育手。隊士を鍛え直すのにこれ以上のない適性を持った人材だった。
「……はい! 精一杯やらせていただきます!」
カナエは深く頭を下げて、産屋敷輝哉の言葉を受け取った。穏やかな声色が思考の渦に飲まれるカナエを引き上げ、新しく道を照らした。
彼女の様子に一つ頷き、輝哉はその隣に目を向ける。
「それで文寿郎、上弦の弐について分かったことはあるかな」
「はい、あの鬼が使う得物は黄金の一対の扇です。そして冷気を絶え間なく放出するので、扇と冷気を避けながら戦うのは難しいものがありましたねぇ。
何度か死ぬかと思いましたが、それでもあの鬼は本気を出していない様子でした」
心なしか、ウキウキとした様子で文寿郎が告げた。その真偽は如何に、どう捉えるべきか柱たちは考えていた。
鎹烏からの報告で戦闘の状況を聞いていた輝哉は「ありがとう」と言い、
「それで、君から見て今の面々で上弦の弐に勝てると思うかい?」
そう質問を投げかけた。
実物と対峙した人物からでしか見えないことがある、ただ第三者の目から見ても分からないことがそこにはある。
文寿郎の色の無い目を見つめながら無言で問いただす。
「いいえ、あの鬼は俺が滅しますので、他の者の手はいりません」
「……そうかい」
彼が笑顔で断言したのは、質問の答えにならない決意だった。
その発言に気を悪くする者や驚きに目を見開かせる者など、――一番反応が顕著だったのは風柱だった。
「これで会議は終わりにしよう。皆、また顔ぶれが減ることなく会える事を願うよ」
輝哉は踏み込むことなく、会議を終わらせた。
彼が何故その鬼を滅するとまで言ったのは何故か。
その話題はまたの機会に聞くことにしようと決めた。
驚きを残しつつ終わった会議の後、実弥は文寿郎に近付いた。
「おい」
「何かな実弥殿」
「……匡近の墓参り、お前も来い。今ん所来てねぇのはテメェだけだ」
「匡近殿の墓……?」
僅かに笑顔を曇らせて、上弦の弐と同じ顔の男が聞き返した。
やっとこさ鬼滅の刃の「鬼滅」の単語を出せたので満足です