監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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どうも。ちょっと投稿時間遅くしてみました。

お気に入り登録 ルビィちゃん推し 様 ありがとうございます。

今回は2話でちょこっとだけ出てきたキャラが登場します。

それでは早速本編へどうぞ。



09.俺はコミュ障じゃない

 いっつも思うんだが………

 

 数学でやったことっていつ使うん???

 

 いや、四則計算とかその辺は分かるよ?

 

 でもさぁ、グラフとか図形とかそういうのって日常で使う機会無くない???

 

 数学の公式覚えるぐらいなら、一つでも漢字覚えたりしたほうがよっぽど効率的に時間を使えるというものだ。

 

真言「──と思うんだが君はどうかね有咲くん」

有咲「うるせぇ。さっさと手動かせ」カリカリ

真言「はい」

 

 今俺がいるのは市ヶ谷邸の蔵、"邸"という言葉は本来大きくて立派な家のことを指すので、普通の家を"邸"と呼ぶのはおかしいかもしれないが、まず普通の家には蔵はない。よって俺の表現は正しい。ほら!今国語の知識使った!!

 

有咲「いい加減にしろ数学教えてやんねぇぞ」

真言「ごめん」

 

 要するに俺が今何をしているのかというと、有咲の家の蔵で勉強を、主に俺の大ッッッ嫌いな数学を教えてもらっている。

 

有咲「それにしても、珍しいな」

真言「何が?」

有咲「お前が勉強教えてほしいなんて、雪でも降るんじゃないか?」

真言「失敬な」

 

 いくらなんでも言い過ぎだろ。

 

有咲「それで?一体どういう風の吹き回しなんだ?」

真言「あ?何が」

有咲「まさか自分から勉強するようないい子ちゃんになったわけじゃないだろ?」

真言「………まぁな」

 

 俺だって別に好きでこんなことやってるわけじゃない。

 

 もし好きで勉強をやっているやつがいるならそいつは天才か変態のどっちかだ。

 

 もちろん俺はそのどちらでも無い。

 

真言「俺も燐子先輩たちのおかげであの高校に通えてるからな、それなのに留年とか、先輩たちに顔向けできねぇだろ」

有咲「マコ……お前…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「本音は?」

真言「紗夜先輩が怖いです………!」

 

 いやホントに怖いんだって!あの目!完全に人殺してる目だって!!

 

真言「今度テストであんな点取ったら………」

 

紗夜『次はありませんよ?いいですね?』グシャァ

 

真言「冗談抜きで……死ぬ」ガタガタガタガタガタ

有咲「いや、怖がり過ぎだって…」

真言「有咲は怒られたことないからわからないんだよ!!」

 

 紗夜先輩キレるとマジやべぇんだから!!あなたにはわからないでしょうけどねぇ!!

 

有咲「……いい傾向だと思うけどな私は」

真言「え?」

有咲「どんな理由であれマコが花咲川に残る努力をしてくれるっていうのは…………友達として私もなんというか…う、うれしい、みたいな……」

真言「有咲………」ズイ

有咲「うぇっ!!??///(ち、近い///)」

 

真言「お前…頭打ったか?それともツッコミに疲れてもう頭が……」

有咲「どっちもちげぇよ」

真言「あ、そう」

有咲「フンッ!!」

真言「ゴホァ!!」

 

 腹パン!!普通に痛え!!!

 

真言「何すんだよ有咲!!」

有咲「うるせぇ!お前なんてまたテストで散々な点数取って紗夜先輩にグチャグチャにされちまえばいいんだ!!」

真言「おねがいだからそんな不吉なこと言わないで!?」

 

 マジであり得るからそれ!

 

 ドンドンドン

 

真言「ん?」

 

 ドンドンドン

 

 蔵の扉を叩く音が聞こえる。……だれか来た?

有咲のばあちゃん?

 

真言「おい、誰か来たみたいだぞ有咲」

 

「有咲ー?いるー?」ドンドンドン

 

 ………有咲のばあちゃんじゃない。

 

 誰だ?扉の外にいるのは?

 

 声は女…俺の……数少ない知り合いのものじゃない。

 

 じゃあ有咲の知り合い?いや、友達?

 

 

 

 こいつは………安全なやつか?

 

 

 

真言「……………」ピリ

有咲「ヤベ!」タッタッタッ

 

「有咲ー?」ガラガラ

真言「……………」

有咲「ちょちょちょっと待て!!!」バッ

「え、ど、どうしたの?」

有咲「いや、今ちょっと面倒くさいのが来てて……」

真言「面倒くさいってなんだ」

有咲「あー!そういうことじゃなくて!いや、あながち間違ってもないけど!」

 

 おいこら。

 

有咲「とにかく!良いやつなんだけど初対面の人になると過度に緊張するやつが来てるから!また後でな!!」

真言「いいよ有咲、俺もう帰るからさ」

有咲「いや、ならもうちょっと他の人と仲良くなる努力をしろよ!!」

 

 でもきっと目つき悪いから怖がられるだろうし……俺初対面には警戒心丸出しになってるらしいし………

 

「ってあれ、もしかして神代くん?」

 

 ……………………?

 

真言「なんで…俺の名前知ってんだ?」ピリ

有咲「(ヤバい!マコの警戒心が一気にマックスまで上がった!こいつ他人の事警戒しすぎだろ!!)」

 

 

 

「なんでって…有咲からいつも聞いてるし…それに同じクラスじゃん」

真言「?」

「覚えてない?」

 

 同じクラスの………?そういやこいつどっかで…………

 

 あ、

 

『あはは…なんか、ごめんね?』

 

真言「おどおどしてる黒髪ショートのやつと一緒にいたポニーテール女子!」

有咲「言い方ァ!!!」バシィ!!!

真言「痛ってぇ!!!」

「あはは……」

有咲「クラスメイトの名前くらい覚えとけよ!!」

真言「知るか!普段関わりないやつの名前なんて一々覚えてねぇよ!!」

 

 

 

 

 

有咲「はい、じゃあ沙綾はもう知ってると思うけど、こいつ神代 真言」

真言「どうも」

有咲「ほんでマコ、こっち山吹 沙綾(やまぶき さあや)さん、私と同じPoppin'Partyのメンバー」

沙綾「よろしくね!いやー、話で聞いてた通り有咲と仲いいんだね」

真言「まあ……」

 

沙綾「……もしかして私、警戒されてる?」ボソボソ

有咲「さっきも言ったけど、あいつ色々あって心開いてる人以外には基本的に警戒心強めなんだ」ボソボソ

 

真言「山吹さんは」

沙綾「ん?」

真言「山吹さんはバンドでは何を担当してるんですか?」

沙綾「私?私はドラム担当だよ」

真言「ドラムですか…カッコいいですね」

沙綾「ふふっ…ありがとう」

 

有咲「(あのマコが……自分から初対面の人との会話を続けようとしてる………!!!ヤバい、ちょっと泣きそう……)」ジ~ン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「あ"ーーーつ"か"れ"た"ーーーー」

有咲「ひっでぇ声だな」

真言「だって、あんだけ頑張って話し続けたんだぜ?そりゃあ疲れるわ」

有咲「………コミュ障」

真言「何だとコラァ!!」

有咲「にしても初めは警戒心マックスだったのに、よく会話が続いたな」

 

 あの後、有咲を交えて3人で当たり障りのない雑談を30分くらい繰り広げていた。

 

 話を聞くところによると山吹さんは有咲の忘れ物を届けに来ただけらしい。

 

真言「どうやら、俺はドラマーの人とは気が合うみたいだ」

有咲「?あぁ、あこちゃんか」

真言「そういうこと」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

沙綾「それでねー」

 

真言「(この人は師匠と同じこの人は師匠と同じこの人は師匠と同じこの人は師匠と同じこの人は師匠と同じこの人は──)」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

真言「こんな感じに思ってたら意外となんとかなった」

有咲「いや、怖っ!!」

真言「名付けて、[ドラマーにカッコイイと言えば喜ばれる作戦]!」

有咲「それ本来あこちゃん以外には通用しない作戦だと思うぞ……」

真言「それに有咲の友達なんだろ?信頼はできなくても信用くらいはできるさ」

有咲「ふーん、変わった……いや変わろうとしてるんだな、マコ」

真言「"変わろうとしてる"か……」

 

 変わったではなく、変わろうとしてる……確かにそうかもしれないな。まだまだ俺は変われていない。

 

 変わりたい……変われる……のか?俺は……俺は……

 

真言「なぁ、有咲……」

有咲「なんだ?」

 

真言「俺…ちゃんとお前の友達になれてるよな……?」

有咲「……なにバカなこと言ってんだよ。また怒られてぇのか?」

真言「……ごめん」

有咲「そうやってすぐに謝るのは変わってねぇのな」フフ

真言「……ああ、まったくだな」

 

 人間はそう簡単に変われない。

 

 焦らずゆっくり変わっていくとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「ほんじゃ気をつけて帰れよ……って言ってもすぐ近所か」

真言「今日は勉強教えてくれてありがとな」

有咲「じゃあまた明日」

真言「おう、また明日」

 

 

 

真言「…有咲!」

有咲「?」

真言「ありがとな!!!」

有咲「?……お、おう?」

 

 なにポカンとしてんだあいつ………ははっ!

 

『間違ってねぇんだろ!?お前は!!じゃあ!いつまでもウジウジ悩んでるんじゃねぇ!!』

 

『心配しなくても!ちゃんと私はお前の友達だ!!!!』

 

 こんな俺でもあいつの"友達"になれているというのなら…それはこの上なく

 

 幸せなことだ。




またまた新キャラですね。タグが増えます。

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