人生初の二次創作小説ということでお見苦しい点も多々あるかと思いますが、日々精進していきます。
温かい目で見守っていただけるとありがたいです。
それではどうぞ。
01."監視対象"神代 真言
「ねぇ……一つ約束して……?」
雨の降る中、傘もささずに俺とその人は冷たい地べたに座りこんでいる。
全身ずぶ濡れで、顔なんてもう雨と涙でグシャグシャだ。
俺の正面で座りこんでいる彼女も同じくらいビショビショで、睨んでみるがそれでも彼女は動じることなくこちらをジッと見つめ返してくる。
「もう、誰も傷つけないで……?」ポロポロ
そう言う彼女は、泣いていた。
ああ、やっぱりわかんねぇ。
なんで?なんで泣けるんだよ?こんな俺なんかのために…
「………わかった」
俺は彼女の目の前に小指を立てる。
「約束するよ。俺はもう、誰も傷つけない」
俺がそう答えると、彼女は安心したように微笑み、差し出した小指と自分の小指とを絡め合わせた。
「それともう一つ」
「?」
「ありがとう。あんたから受けたこの恩は絶対に忘れない」
「一生、なんて不確定なことは言わねえ。だけど、せめてあんたがこの高校を卒業するまでの間……」
「俺があんたを守る。あんたに恩を返させてくれ──
──ピピピ ピピピ ピピピ
「……………あ……」
夢…………
懐かしい夢を見た。とても昔の事のようで、けれどそこまで昔の事ではないような……
ピンポーン
「ん?」
誰だよ?こんな朝早くに…
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピ──
「うるせぇー!!!何時だと思ってやがんだ!!!」
キレ気味、というかブチ切れで、二階の寝室からインターホンのモニターのある一階のリビングまで走る。
──ピッ
「あっ」
モニターに映っているのは俺の通っている高校、花咲川学園の制服だった、しかも女子生徒。
え、もしかして…
ダッダッダッダッ
さっきよりも速く玄関にダッシュする、全力で。
「燐子せんぱ…!」ガチャ
「悪かったな、燐子先輩じゃなくて」
「なんだ…有咲か…」
「なんだって失礼だな。ったく、こんな朝早くから元気すぎんじゃねぇのマコ」
「そっくりそのままお前に返すわ」
何回チャイム押してんだよ!
神代 真言(かみしろ まこと)高校2年生。
神の代わりに真実を言うと書いて神代真言。
大層な名前をしてやがるが、名前ほど立派人間じゃない。完全に名前負けしている。
まあ、俺について俺が語れるのはこんくらいだ。
真言「とりあえず上がってけよ有咲」
有咲「おじゃましまーす」
こいつは市ヶ谷 有咲(いちがや ありさ)。
俺と同じ花咲川学園に通う2年生だ。家が近いこともあって、こんな感じで俺を迎えに来る。
まあ、こいつが迎えに来る理由は家が近いだけじゃないけど。
真言「着替えて、顔洗ってくるからそこに座ってろ」
有咲「りょーかい」
傍から見れば恋人同士の会話に見えるかもしれないがそんなことは断じてない。
ただの…いや、非常に数少ない友人の一人だ。
真言「わりぃ待たせたな」
有咲「別にいいよ」
真言「朝飯はどうする?家で食ってくか?」
そう言うと有咲はリビングの時計を指差す。
有咲「よく見ろ、おまえにそんな時間があるか?」
そこには俺がいつも登校する時刻から10分も遅い時間が刻まれていた。
真言「え、もしかして俺……」
有咲「寝坊」
真言「朝飯を食べる時間は…?」
有咲「ない」
真言「マジ?」
有咲「大マジ」
………じーざす。
真言「ちょい待って!食パンだけ咥えてくから!!」
有咲「どこの少女マンガのヒロインだよ」
相変わらずツッコミがキレキレですこと。
そんな訳でヒロインスタイルで登校することになった俺。
普通こういうのってカワイイ女の子がするもんじゃないの?ちょうど隣歩いてる有咲とか。
ちなみに有咲は可愛い方だと思う。個人的感想。クラスではこんな砕けた口調ではなく、おしとやかでスタイルも良くて男子からの人気も高い……らしい。
有咲「なに見てんだよ」
真言「別に」ハァ
有咲「なんだよ!そのため息!」
真言「ってかいつまで迎えに来るんだよ。もう一人でも大丈夫なのによ」
有咲「しゃーねーだろ」
有咲「おまえは"監視対象"なんだから」
真言「…………」
監視対象……ね。本当に、いつまで俺はそんな扱いされるんだか……
真言「ったくどいつもこいつも人を犯罪者みてぇに扱いやがって…」
有咲「学校に通えてるだけでもラッキーだったと思え。それに…」プイ
真言「それに?」
なぜ目をそらす。よく見ると耳が赤い。
有咲「全員が全員おまえの敵って訳じゃないだろ?」
………………素直じゃねぇの。
学校の前まで着いた。ん?あれって……
有咲「お、校門の前にいるのっておまえの愛しの燐子先輩じゃないのか〜……っていねぇ!?」
真言「おはようございます!燐子先輩!」
「!?」
有咲「はや!!あいつもうあんなとこに!?」
燐子「お、おはよう……真言くん…」
真言「はい!おはようございます!」
このお方は白金 燐子(しろかね りんこ)先輩。しろがねじゃねえぞ。しろ"か"ねだ。脳みそに刻んどきやがれ。
俺の一つ上の先輩で、先輩はまさに才色兼備を表したようなお人で黒く美しい長髪に黒く吸い込まれそうな瞳、学校では生徒会長を務めていて生徒会の役員たちを引っ張り、また一度学校を出ればRoseliaという俺が大ファンのガールズバンドのキーボードとして日々ストイックに練習に励んでおられる。大人しい性格だけどしっかりとした芯をお持ちになっていて胸の中には熱いものを秘めていてそして──
有咲「いや長い長い長い!!!」
なんだよ有咲。まだ序章だぞ?
有咲「その長さで序章かよ!てか私なんてポピパに入っていることにすら触れられてないんだけど!?」
真言「アレーソウダッタケー」
ああ、ついでに有咲もPoppin'Partyっていうガールズバンドに入ってます。あと生徒会にも入ってます。はい以上。
有咲「雑すぎだろ!!」
真言「いやまずなんで俺の心の中読めるんだよ」
燐子「二人とも……今日も仲いいね……」
真言「はい!」
有咲「お前…ホント燐子先輩の言うことには全肯定だな…」
真言「人のこと言えねぇだろ。年上の前では借りてきたネコを何着も被ってるくせに」
有咲「なんだよ"借りてきたネコを被る"って!」
そのままの意味だよ。自分で考えろ成績優秀者。
燐子「ふふっ」
──そして、燐子先輩は俺の恩人だ。
先輩のおかげで俺は今日もこうやって学校に通えている。
先輩のおかげで俺は今日も笑えている。
上げだしたら切りがない。それくらい多くの大切なものを貰った。
「相変わらず騒がしいですね、まったく…」
真言「紗夜先輩、おはようございます」
有咲「お、おはようございます」
紗夜「私に対しては普通なんですね……おはようございます、神代さん、市ヶ谷さん、白金さん」
この人は氷川 紗夜先輩。
燐子先輩と同じく俺と有咲の先輩で、生徒会と風紀委員を掛け持ちしている。
Roseliaのギター担当。"サッドネスメトロノーム"なんて呼ばれているがなんでかは知らん。
紗夜「本当に白金さん以外には淡泊ですね」
真言「当たり前のように俺の心の中を読まないでください」
いつから俺の知り合いは超能力者になった。
とまぁそんな感じで"監視対象"の俺は今日も楽しく学校生活を送るのであった──
紗夜「本当に、丸くなりましたね…」
燐子「そうですね……」
紗夜「前まではあんなふうに市ヶ谷さんと話してたりもしてませんでしたから」
燐子「真言くん……とても楽しそうです…」
紗夜「それが何よりです、これも一重に白金さんのおかげですね」
燐子「そんな…わたしは別に…」
真言「なにやってんですかー?置いてっちゃいますよー?」
紗夜「ええ、今行きます」
燐子「……真言くんが変わったのは……真言くん自身のおかげです…」
紗夜「………そう、彼が約束を守っているから、ですね」
真言「燐子先輩ー?」
燐子「あ、うん!今いくよ…!」
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