監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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ごきげんよう。

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シリアス回なのでテンションもシリアスで行きます。

それでは本編どうぞ。



26.招かれざるモノ【監視対象 過去編】

 俺は時々悪夢を見る。

 

 いや、あれは夢なんかじゃない。

 

 間違いない現実、あれは俺が犯した、罪。

 

『この化け物!!!女に手をあげるなんて最低!!!アンタなんか人間じゃない!!!!』

真言『何言ってんだお前?』

 

 地面に叩きつけたそいつを掴んで、殴る。殴る。殴り続ける。

 

真言『俺が人間じゃねぇならお前らは人間以下のゴミクズだろ、なぁおい?』

『だ、誰か!!助けて!!!』

真言『ざんね~んお前の友達はそこでのびてま〜す』

 

 周りにはボロボロになった人間がゴミのように倒れている。全部、俺がやった。

 

『ちょっと!!起きなさいよ!!』

真言『はぁ…もういいよお前、そろそろ黙ろうぜ?な?』

『グヘッ!!!』

 

 汚い声を上げてそいつは静かになった。

 

 手に付く生ぬるい血の感触、人を殴ったときの感覚、

 

 「許して」と懇願するあいつらの声、

 

 それを踏み潰して笑う、俺の笑い声、

 

 今でも全て、鮮明に覚えている。

 

真言『ははっ…ははは………』

 

真言『あはははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!』

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

真言「──っ!!」ガバッ

 

真言「夢……か……」

 

 クソっ嫌な夢見ちまった…………

 

 今日は休日。最悪の目覚めだ。

 

真言「まだ7時かよ………もっかい寝るか。今日なんかあったっけ?」

 

 ピロン♪

 

真言「メール…師匠から?」

 

 『今日、お昼からRoseliaの練習があるんだー!まっくんも見学に来る?』

 

真言「…………………」ついついつい

 

『ぜひお願いします。』

 

 二度寝は中止にするとしよう。

 

真言「飯でも食って準備しますか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「〜〜〜〜♪」フンフーン

 

 イヤホンから流れるRoseliaの歌を口ずさみながらCiRCLEに向かう。

 

 いやぁやっぱいいね〜Roseliaの曲は大抵聞いてるけどやっぱ俺はこの歌が一番……

 

 ドン!

 

真言「おわ!」

 

 曲がり角から出てきた少女にぶつかってしまう。

 

真言「悪い、大丈夫か?」

 

 

 

 

 

「ええ、大丈夫よ」

 

 

 

 

 

真言「………………」

 

 は?

 

「久しぶりね、元気だったかしら?」

 

真言「お前……」

「覚えてない?あたしはあなたの顔を忘れたことはないわよ?」

 

 顔にできた大きな痣、まるで、誰かに殴られたような大きな痣がそいつが誰かを物語っていた。

 

 こいつ……何でここに……?

 

「この顔を自分で見るたびにあなたにされたことを思い出してイライラしてたの、会えてよかったわ」

真言「は、光栄だね」

 

 俺はお前のことなんて忘れたかったよ。

 

真言「何の用だ」

「あは!あの時の復讐に来た──」

真言「上等だよ、またグチャグチャにされに来たってんなら──」

「………人の言うことは最後まで聞くことよ」

真言「あ?」

「あなたに直接戦いを挑むなんて自殺行為に等しいし、お互いにデメリットしかないわ」

真言「俺はそんな事ねぇよ?デメリットがあんのはお前だけだろ」

「あはは!!」

真言「何がおかしい!」

 

「いえ?ただ、自分で結んだ約束も忘れてしまうなんて……あなたやっぱりバカなのかしら?」フフッ

真言「……………え?」

 

 ()()()()()()()()

 

 思い出すのはあの雨の日。

 

『もう、誰も傷つけないで……?』

 

真言「何で………お前がそれを……」

「あの後色々調べたのよ?随分おかしな約束を結んだわね?」

真言「………………」

「白金燐子。可愛い子じゃない?あなた、胸の大きい女がタイプなのかしら?」

真言「燐子先輩になんかしやがったら──」

 

 

 

 

 

真言「──殺すぞ」ピリ

「あは!あたしは何もしないわよ?……"あたしは"ね?」

真言「……………」

 

 プルルルルル プルルルルル

 

 ただいま電話に出ることができま──

 

真言「お前……燐子先輩に何しやがった!!!」

「言ったでしょ?"あたしは何もしない"って」

 

 こいつの連れ……あの男どもがまだこいつとつるんでいたら………

 

「あら?顔色が悪いわよ?」

 

 こいつに構ってる暇はねぇ!!!

 

 早く!!早くCiRCLEに行かなくては!!!

 

「あはははは!!!まあ、せいぜい頑張りなさい」

真言「こんの……クソ女ァ!!!!」ダッ

 

 叫んで、そして俺はそいつと逆方向に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

 プルルルルル プルルルルル

 

 おかけになった電話番号は──

 

真言「クソっ!なんで出ねぇ!!」ハァハァ

 

 CiRCLEへ走りながら何度も何度も燐子先輩に電話を掛ける。

 

 けれど全て繫がらない。

 

 燐子先輩だけじゃない。紗夜先輩も、師匠も、姐さんも、湊さんも、誰一人電話に出ない。

 

 もしかしてもう…………

 

真言「………チッ!!」ハァハァ

 

 頼む……無事でいてくれ………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「見えた…………!」ハァハァ

 

 CiRCLE……!あと少し……あと少しッ……!!!

 

真言「燐子先輩ッ!!!」

 

 ドアを開けてCiRCLEの受付へ。

 

真言「燐子先輩……Roseliaはどこにいる!!」

「君は確かいつもRoseliaの練習を聞きに来てる……確か名前は……」

真言「何でもいい!!Roseliaはどこで練習してるかって聞いてんだよ!!!」

「よ、4番スタジオだけど……何かあっ──」

 

 4番スタジオ……!走れ!走れ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「燐子先輩ッ!!!!」ガチャ

隣子「真言くん!?」

あこ「あー、まっくんおっそーい……ってどうしたのその汗!?」

「……?ああ、君が神代くんかい?」

 

 無事……いや、知らない男がいる……!!

 

 

 

 

 

真言「ぶっ殺す」

 

 

 

 

 

燐子「え!?」

紗夜「ど、どうしたんですか神代さん!?」

真言「下がってろ!!!」

 

 まずは目だ。目を潰して、それから………!!

 

燐子「真言くん待って……その人は……!」

リサ「マコくん!?」

「!?」

真言「──ッ!!!!!」

 

 殺す。

 

 殺す殺す殺す殺す殺す殺すッ!!!!!

 

 ぶっ殺してやる!!!!!!

 

『あたしは何もしないわよ、"あたしは"ね?』

『あはははは!!!まあ、せいぜい頑張りなさい』

 

『この化け物』

 

真言「あああああああああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燐子「湊さんのお父さんだよ!!!!!」

真言「!!!」ピタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「……………湊さん」

友希那「え、ええ…確かにその人は私の父親だけれど……」

 

真言「………………」

燐子「真言くん!」

真言「……………燐子先輩」

燐子「どうしたの!?一体何が………」

真言「燐子先輩…………」ギュッ

 

 

 

 

 

燐子「………………え、ええ!!!???///」

 

 

 

 

 

紗夜「ちょ神代さん!?」

友希那「………なぜ真言は燐子を抱きしめてるのかしら?」

リサ「さぁ………アタシにも何が何だか……」

あこ「りんりん顔真っ赤ー!!」

 

燐子「あの…その…えっと…ま、真言くん?///」

真言「………た」

燐子「え?」

 

真言「本当に……無事でよかった…………」ボロボロ

 

燐子「本当にどうしちゃったの……あれ?」

真言「……………スー…………スー…………」

燐子「寝ちゃった……」

 

 

 

友希那「どうやらただならぬ事が起きているようね」

「その子が今日見学に来るって言ってた子かい?」

友希那「ええ、そうよ」

紗夜「本当に……どうしたんでしょうか……」

リサ「汗ビッショリだし……雰囲気もなんかいつもと違かったよね?」

あこ「うん……ってうわ!」

リサ「どうしたのあこ?」

あこ「これ!ものすごい数の着信履歴!全部まっくんからですよ!」スッ

リサ「あ、アタシにも来てる!」

友希那「練習中だったから気づかなかったようね、私にも来てるわ」

燐子「真言くん……重い……苦しい……」グググ

真言「スー……スー……」ギュゥッッッッ

紗夜「と、とりあえず神代さんをこのままにしておくわけにはいきませんね」

友希那「そうね、みんなで真言を移動されるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あこ「まっくん……全然起きないね」

リサ「燐子離そうともしないし……」

真言「…………スー…………スー…………」ギュッ

友希那「これじゃあ練習は無理そうね」

燐子「………………」ナデナデ

真言「………燐子先輩………」ムニャムニャ

紗夜「……ふふっ」

友希那「なんというか……こうして見るとまるで母親に甘える子供みたいね」

リサ「なら燐子がママかな?」

燐子「い、今井さん……!」

真言「……………ん……ううん……」

あこ「あ、起きた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「あれ?ここは…………」

 

 CiRCLE?俺は……眠っていたのか……?

 

燐子「おはよう、真言くん……」

真言「り、燐子先輩!?」バッ

 

 てか近っ!!何で俺、燐子先輩に抱きついて寝てんの!!??

 

燐子「覚えてないの……?」

真言「え、ええ……?」

 

 確か……朝、師匠からメッセージが来て……それから……?

 

『この化け物』

 

真言「──っ!!!」

 

 あの女………!!!

 

真言「燐子先輩!無事ですか!?怪我は!?」

燐子「う、うん大丈夫……何ともないよ……」

真言「はぁ……よかった……」

 

 あいつの言ったことはハッタリだったのか……?

 

 それとも……

 

友希那「気分はどうかしら?」

真言「湊さん……?」

 

 みんなもいる……えっと……

 

友希那「どうやら混乱してるようね」

紗夜「無理もありません、あんな様子でしたし」

真言「え?」

あこ「まっくんなんかすっごく怒ってた?みたいだったよ!こうドッカーン!って!」

 

 怒ってた?俺が?

 

リサ「ビックリしたよ!急にスタジオに飛び込んできたと思ったら、突然友希那のお父さんに殴りかかろうとして──」

真言「ふぁい!?」

 

 え、俺、湊さんの父上、は、な???

 

 だんだん記憶が戻ってきて……

 

燐子「真言くん?顔色が悪いよ……?」

 

「目が覚めたかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「本ッ当に申し訳ございませんでしたァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」ダァン!!!

 

全員「「「「「「!!!???」」」」」」

 

 

 

 神代 真言、齢17にして人生で初めて、本気の土下座をした。

 

 

 

真言「いくら錯乱していたとは言え無関係の人、まして湊さんのお父様に対して殴りかかろうとするなど!!Roseliaのファンとしてあるまじき行為!!謝っても謝りきれません!」ダァン!!ダァン!!

「お、落ち着きなさい!」

燐子「真言くん…!頭壊れちゃうよ……!!」

紗夜「もう壊れてる気がしますけどね……」

友希那「謝罪はもう十分だわ、それより話してもらおうかしら。一体何があったのか」

 

 

 

 …………………

 

 

 

真言「……………あいつに……会いました……」ギリ

燐子・紗夜「「っ!!」」

 

 燐子先輩と紗夜先輩は誰か分かったみたいだな。

 

友希那「あいつ?」

真言「…………皆さんは俺が一年の終わりがけに暴力事件を起こしたのは知ってますか?」

友希那「ええ……あなたが何かやらかしたのは燐子と紗夜からそれとなく聞いてるわ」

あこ「あこも!」

リサ「アタシも……けど暴力事件?」

真言「はい……」

 

 

 

 

 

真言「俺が今日会ったのはその暴力事件の……表向きには被害者って奴です」

リサ・あこ「「!!」」

友希那「……表向きには?」

燐子「真言くん……もうRoseliaのみんなには話してもいいんじゃないかな……?」

真言「……………」

 

 それは……

 

友希那「信頼できないかしら?私たちがあなたの秘密を他人に言いふらすとでも?」

真言「そんなことは!……でも」

 

 もし全てを話してしたら……俺は……

 

真言「幻滅されるかもしれない……それが怖いんです」

 

 Roseliaは、燐子先輩と紗夜先輩が繋いでくれた俺の新しい居場所だ。

 

 何もなくなった俺を、ここにいて良いと言ってくれた……その人たちに突き放されるのが、とても怖い。

 

 また……一人になってしまう。

 

 

 

 

 

友希那「……あなたは私たちをバカにしてるのかしら」

リサ「ちょっ、友希那!?」

真言「!?」

 

 え!?何で!?

 

友希那「あなたは目つき悪いし口悪いし頭悪いし愛想もないし子供っぽいし泣き虫だし、確かに誰からも好かれるような人じゃないのかもしれない」

真言「…………ちょっと言いすぎじゃないですか?」

友希那「けれど」

 

 湊さんはこちらを力強く見据える。

 

友希那「けれど真言、あなたがなんの理由もなく他人を傷つけるような人だとは私は思わない」

真言「湊さん……」

リサ「アタシもマコくんには前に助けられたしね♪」

あこ「まっくんはあこの弟子だよ!?弟子を信じるのは〜……えーと……師匠なら当然のことなのだ!!」

 

 俺は……一体いくつの大切なものを手に入れたのだろう。

 

 湊さんに、姐さんに、師匠に、紗夜先輩に、

 

 燐子先輩に出会えて、俺は本当に救われた。

 

真言「わかりました……俺に何があったのか、全部お話しましょう」




ついに明かされる監視対象の過去。ゴールデンウィーク中に片を付けます。
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