監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

28 / 70
27?.little justice【監視対象 過去編】

「き、きんちょうする…………」

「(きょうはピアノのコンクール……かいじょうもおおきいし…………人もいっぱい………………)」

 

「おい、おまえ」

「ひ、ひっ……」

「そんなビビらなくてもいいだろ…………」

「ご、ごめんなさい……」

「だいじょうぶか?かおいろわるいぞ」

「は、はい……だいじょうぶ……です」

 

「…………あめたべるか?」スッ

「あ、ありがとう……ございます」

 

「………………」モグモグ

「………………」ジーッ

 

「(わたしとおなじくらいのおとこのこ……このこもコンクールにでるのかな…………?)」モグモグ

 

「………………」ジーッ

「(すっごいわたしのことみてくる…………)」

「おまえ」

「…!」ビクッ

「ここがどこだかしってるか?」

「…………………え?」

「このばしょはなんだ?」

「え、えっと…………ピアノのコンクールの……」

「おまえピアノひくのか!?すげぇな!」

「!!!」ビクッ

「あ、ごめん。おおきいこえだしちゃったな……」

 

「きみも…」

「ん?」

「きみも……ピアノのコンクールにでるんじゃないの……?」

「おれが?ないない」ハハハ

「……じゃあどうしてここにいるの?みにきたの?」

 

 

 

 

 

「まいごだ!!!」ドンッ!!!

 

 

 

 

 

「……………まいご?」

「うん!まいご!」

「……………………おかあさんは?」

「しらない!!なんかはしってたらここについた!!」

「(…………このこ……だいじょうぶ……かな?)」

 

「それよりおまえ!これからコンクールにでるんだろ?そとにいていいのか?」

「……………………だめ」

「?じゃあもどれよ」

「……………………こわい」

「こわい?なにが?」

「おきゃくさん…………コンクールをみにきたおきゃくさん……」

「…………よしわかった」

「………………?」

「いくぞ!」グイッ

「!?ど…どこに……!?」

「コンクールにでなくちゃいけないんだろ?ほら、こわくねぇようにおれがてつないでてやる!」

「ま、まって…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜コンクール会場【ホール内】〜〜

 

「うぉぉ……でっけぇな……」

「ひとがいっぱい……」

「ええっと……コンクールにでる人は……あっちか!!」グイッ

「ちょっとまって……!まずおかあさんとおとうさんに──」

 

 ピンポンパンポーン♪

 

 間もなく、ピアノコンクールを開始いたします。出場される方は速やかに会場控室までお越しください──

 

「じかんないな!いくぞ!!」

「なんで…………」

「?」

 

「なんで……わたしをたすけてくれるの……?」

 

「それがおれのゆめだから!」

 

「よ、よくわからないよ……?」

「あとでおしえてやる!!」

 

 

 

 

 

「……なんでこんなひとがいっぱいなんだ……これじゃ"ひかえしつ"までいけねぇじゃん……」

「…………………」

「…………しっかり手にぎってろよ」

「…………………わかった」ギュッ

「うおおお!!!どけどけー!!!!」

 

「何だ!?」

「子供!?」

 

「みちをあけろーー!!!ピアノのコンクールまでいかなきゃなんないだーー!!」

「ちょ、ちょっと…………」

 

 ピンポンパンポーン

 

 ──迷、のお知、せ、で、

 

「じゃまだ!!どけー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やっとついた…………つかれたー……」

「………………あ、あの……」

「ん?」

「わたしを……たすけてくれたりゆう……ゆめって……どういうこと……?」

「あ、うーんとな」

 

 

 

 

 

「おれのゆめは、みんなをたすける"せいぎのみかた"になることなんだ!!」

「せいぎの……みかた?」

「うん!せいぎのみかた!!」

 

「わるい人をたおして、こまっているひとをたすける、かっこいいだろ!」

「う、うん…………かっこいい……」

「だろ!?おれはいつかそんなつよい人になるのがゆめなんだー!」

 

「……いまはかあさんにもかてないけど……いつかはかつ!!」

「…………そっ……か」

 

 

 

 

 

「燐子!!」

「お、おかあさん……おとうさん……」

「どこに行ってたの!?心配したんだからね!?」

「ご、ごめんなさい……」

「君が燐子を連れてきてくれたのかい?」

「おお!」

「本当にありがとうね」

「とうぜんだ!"せいぎのみかた"、だからな!!」

「「???」」

「んじゃ!おれはもういくわ!」

 

「あ、あの……!」

「どうした?」

「あ、ありがとう…………」

「……いいってことよ!これからもこまったことがあればおれをよびな!」

「…………あの……なまえ……」

「おれか?おれのなまえは、かみしろ──」

 

 ダッダッダッダッダッダッ!!!!!

 

「……?」

 

 

 

 

 

「真言ぉぉおおおおお!!!!!」ドゴォ!!!

 

 

 

 

 

「ぶべらぁあ!!!」

「「「!?」」」

 

「いってぇ…………いきなりなにすんだよ!かあさん!!!」

「あんた何処ほっつき歩いてんの!!なんで旅行先のホテルにいたあんたがピアノのコンサートホールにいるのよ!?」

「しらねぇよ!きづいたらここに……」

「言い訳しない!!」ドゴォ!!!

「いってぇ!!!」

 

「…………………………」

 

「ほら!とっととホテルに帰るよ!!」グイッッッ!!!

「あ、おまえ!ピアノがんばれよー!!!」ズルズル

 

「…………………いっちゃった……」

「何だったんだ……?一体…………」

 

「かみしろ……まことくん……?」

「(せいぎのみかた…………ふしぎなこだったな……)」

 

「白金燐子さん、そろそろ控室に……」

りんこ「は、はい……」

「頑張ってね燐子」

りんこ「う、うん…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた、さっきの女の子と知り合いなの?」

まこと「いや?ぜんぜん」

「困らせたりしてないでしょうね」

まこと「おれは"せいぎのみかた"だぜ?こまってるひとをたすけてなにがわるい!」

「は、正義の味方ね……私に手も足も出ないあんたが何言ってんだか……」

まこと「いまだけだしー!!いつかぜってえボッコボコにしてやる!!」

「ほう…………言ったな?」ピリ

まこと「お、おうよ!かえったらしょうぶだ!!」

「向こうに帰るの明後日だけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが彼と彼女の初めての出会い。

 

 後に、彼は正義の味方とはかけ離れた存在に、彼女は青薔薇の一員となり、邂逅を果たすことになるが、それはまだ先の話。

 

真言「燐子先輩!!」

燐子「うん……真言くん……」

 

 そしてこれから始まるのは、そんな正義の味方になり損なった監視対象の、失敗談だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。