監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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30.約束【監視対象 過去編】

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 けれど少年はもう恐れません。

 

 なぜなら彼には彼女がいるから。

 

 彼女がいれば、彼は何でもできるから。

 

 だから彼は笑って、"何か"にこう言うのです。

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 神代くんの起こした校内暴力事件から二週間。

 

有咲「………………」

 

 彼はまだ、学校に復帰していない。

 

 最初のうちは彼に関する様々な噂がクラスを飛び交っていたが、今ではそんな話も消え、彼のことが皆の話題に上ることもほとんど無くなった。

 

 まるで彼がいないのが普通かのように、日々が過ぎ去っていった。

 

紗夜「市ヶ谷さん」

有咲「どうでしたか……?」

紗夜「ダメですね……呼びかけにも全く反応を示しません……」

有咲「そう……ですか……」

 

 紗夜先輩と私と燐子先輩は今、神代くんがイジメから救おうとした女子生徒に接触を図ろうと、彼女の家の前まで来ている。

 

 

 

 

 

 彼女もまた、学校に復帰していない。

 

 

 

 

 

有咲「どうして……あの子がイジメの証言をすれば、神代くんへの誤解も解けて、イジメの加害者もどうにかできるかもしれないのに…………」

燐子「たぶん…………わたしたちのことを……信用していないんだと思います…………」

紗夜「一体どうすれば……」

 

燐子「…………わたし……もう一度行ってきます……」

紗夜「白金さん!?」

燐子「…………わたし」

有咲「?」

燐子「あの人に…………言ったんです……もう少し待っててくださいって……」

 

燐子「必ず……助けてみせます……」

紗夜「白金さん……」

 

 普段物静かな燐子先輩が…………

 

燐子「今度は……わたしが……」ボソ

紗夜「今何か言いましたか?」

燐子「い、いえ……何でもありません……」

 

有咲「……私は神代くんの家に行ってみます。彼がどうしてるか…少し心配なので」

紗夜「わかりました。ではそちらはお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜神代宅〜〜

 

真言「俺……これからどうなっちまうんだろ……」

 

 あんだけ暴れまくったんだ……謹慎……いやもしかしたら退学……

 

真言「学校…………」

 

『知ってる?神代くんって無関係の人殴ったんだって!』

『なにそれ……最低……』

 

真言「………………」

 

 もういやだ。

 

 なんで……俺がこんな思いしなきゃいけないんだ……悪いのはあいつらなのに……俺は間違ってないのに……

 

 本当に?

 

真言「俺は間違ってない……間違ってるのはあいつらだ」

 

 いや違うね。俺が大事にしなけりゃそのまま沈静化したかもしれない。なのに、俺は首を突っ込んだ。

 

真言「だからってあのまま放って置くなんて……できなかった」

 

 正義感?やりたいからやったんだろ?お前のそれはただのエゴだ。"正義"なんて大層なもんじゃねぇ。

 

真言「違う……俺は…………正しい」

 

 間違ってない。間違ってない。間違ってない。

 

 間違ってない……はずなのに……

 

 なんでお前らは俺をそんな目で見るんだよ…なんで…どうして!!

 

 なんで誰も……信じてくれないんだよ…………

 

 誰か…………誰か…………

 

 助けてくれ……

 

 

 

 

 

 ピンポーン♪

 

 

 

 

 

真言「…………………」

 

 ……誰だ?

 

有咲「神代くん…」

真言「………………市ヶ谷…か?」

 

 ドアを開けて入って来たのは市ヶ谷 有咲だった。

 

有咲「ドア開けっ放しだったぞ?無用心だぞ」

真言「…………何しに来た」ピリッ

有咲「──っ!」

 

 学校からの連絡か?謹慎?退学?それとももっと大事になってんのか?

 

 まあ、もうどうでもいいけど。

 

有咲「私はただ、神代くんが心配で……」

真言「…………………」

有咲「…………今、生徒会の人と一緒にあの事件について調べてる」

真言「…………!」

有咲「もう少しで神代くんへの誤解も解ける。だから──」

真言「あのイジメられてたやつ、何も言わねえんだろ?」

 

『全部その人の勘違いです』

 

有咲「…………………うん」

真言「…………………なあ、市ヶ谷…一つ聞いていいか?」

有咲「……どうした?」

 

 

 

 

 

真言「"正しい"ってなんだ?」

 

 

 

 

 

有咲「………………」

真言「俺は今まで自分が正しいと思ったことをやってきた。そして俺の思う"正しい"は皆から見ても"正しい"事だと信じてきた……」

 

 けど違った。俺の正義感は傍から見ればただの自己満足だった。

 

真言「俺の"正しい"は、周りのやつらにも、俺が助けようとしたやつにさえ否定された……」

有咲「神代くん…………」

 

 もう俺には何も分からない。俺は間違って…………?

 

真言「なあ市ヶ谷、お前頭いいんだろ?教えてくれよ…………このバカな俺に教えてくれよ…!」

 

 

 

 

 

真言「俺は………………………………本当に正しかったのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、私はその質問に答えられないまま、彼の家を出た。

 

 正しくないのか?そう問う彼の目は私を見ているようで、どこか遠いところを見つめていた。

 

有咲「…………わからないよ」

 

 なんで彼がこんな目に合っているのか。

 

 彼は……本当に間違ってなかった……のか?

 

紗夜「─ヶ谷さん……市ヶ谷さん!!」

有咲「……!!紗夜先輩……」

紗夜「やりました!!やりましたよ!!!」

有咲「ど、どうしたんですか!?」

 

 なんでこんなに興奮してるの!?

 

燐子「…………………」チーン

有咲「り、燐子先輩!?」

 

 なんかすっごい疲れてる……

 

紗夜「説得できたんです!白金さんが!!」

有咲「…………え?」

 

 説得…?誰を…………

 

紗夜「あのイジメの被害者の方が全てを話してくれたんです!」

有咲「!」

紗夜「これで、あの神代くんへの疑いも晴れます!!」

有咲「ほ、ホントですか!?燐子先輩!」

燐子「……………」コクッ

 

 急すぎてまだ理解が追いついてない……けど……

 

有咲「よかった…………これで神代くんは──」

 

『俺は………………………………本当に正しかったのか?』

 

有咲「……………」

紗夜「市ヶ谷さん?どうかしましたか?」

有咲「い、いえ……」

 

 これで…………終わり?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「…………俺、なんで呼び出されたんだ」

有咲「いいから!早く来い!」

 

 市ヶ谷が家を訪ねてきた数日後、懲りずにまた来た。

 

 どうやら今度は何かあるらしい。俺の話も聞かず無理やり外に引っ張られたかと思うと、そのまま高校まで俺を引きずっていった。

 

真言「………………」

有咲「ほら!行くぞ!」

真言「………………やだ」

有咲「はぁ!?」

 

 上手く言えないけど…………ここに戻りたくない。

 

有咲「おま、子供みたいなことを………!!」グイッ!!!

真言「………………」グッ

有咲「力つっよ……動かねぇ……!」グヌヌ

真言「…………なあ」

有咲「あ!?」グヌヌ

真言「俺は……どうして連れて来られたんだ?」

有咲「…………あのイジメられてた子が全部話してくれる……そうだ」

真言「………………そっか」

有咲「…………え!?それだけ!?」

真言「………………会いたくない」

有咲「燐子先輩と紗夜先輩が頑張ってくれたんだよ……ぜってぇ連れてく……!!」

真言「………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「………………」

紗夜「来ましたね」

有咲「ハァ……ハァ……ハァ……」

燐子「い、市ヶ谷さん……ありがとうございます……」

 

 連れてかれた先は職員室。あの日以来だな。

 

 中には生徒会のやつ二人と、前のやつとは違う教師。そして…………

 

 

「………………」

 

 いる。あいつが。"被害者"が。

 

真言「………………てめぇ」

「……ごめんなさい……ごめんなさい…………」ポロポロ

 

 ………………泣きてぇのはこっちだっての。

 

真言「………………」

燐子「あの……」

 

「君が神代 真言くん、だね?」

真言「………………ああ」

「彼女から全て話は聞いたよ。災難だったね」

 

 災難?災難って……どういうことだ?

 

「でもどうか彼女を恨まないでほしいんだ。彼女もあのイジメてた女子生徒に脅されてただけで」

真言「…………」

「でももう大丈夫だよ。上にも正式に報告しておいたし、彼女をイジメてた女子生徒達は全員自主退学──」

真言「もうなんでもいいよ」

「…………え?」

 

 なんか、全部どうでもよくなっちまった。

 

 あいつらへの復讐とか、この黙ってた女に対する怒りとか、

 

 心底、どうでもいい。

 

真言「………………」

「え、ええっと……君がこれからもこの学校に残る気があるなら、普段通り登校してほしい……と我々は思ってるんだけど……」

真言「…………あっそ」

有咲「あ、おい!どこ行くんだよ!!」

真言「帰る」

有咲「帰る!?」

 

 もう用事も済んだみたいだし……俺がいる必要もないだろ?

 

燐子「…………待ってください」

真言「あ?」

 

 こいつ……あの時俺を止めたやつか。

 

真言「まだ何かあんのか?」

燐子「…………わたしのこと……覚えてないですか……?」

真言「はぁ?」

燐子「……………ごめん……なさい」

 

 何言ってんだよこいつ。

 

 

 

 

 

「………………ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

真言「…………やっぱ気が変わったわ」

有咲「?」

 

 ごめんなさい?被害者?いや違う。

 

 俺が今こんな惨めな思いをしてるのは誰のせいだ?誰のせいだ?誰のせいだ!?

 

真言「なんでお前、『俺の勘違いだ』とか言った?」

「ごめんなさい…………ごめんなさい…………」

真言「質問に答えろ!!」

紗夜「お、落ち着いてください!」

「神代くん、この子もイジメの被害者で──」

 

真言「外野どもは引っ込んでろ」ギロッ

 

紗夜「──っ!」

有咲「(まただ……またこの目。冷たく……暗い……怖い目)」

 

「わたし……こわくて……なにもできなくて……ごめんなさい……ごめんなさい……」

真言「じゃあ何で今更出てきた」

「それは…………」

 

 

 

 

 

────────────────────────

燐子「あなたの為に……神代 真言くんは戦ったんです……」

「そんなこと、私が知ったことではありません……彼が勝手にやったことです」

紗夜「あなた……!!」

 

燐子「彼は今…………とても傷ついています。助けたはずのあなたに裏切られて…………すごく……ショックを受けたと思います………」

「………………」

 

燐子「…………お願いします。少しでも彼に対して罪悪感があるなら…………彼を……助けてあげてください……」

紗夜「…………白金さん」

燐子「あなたが事実を話せば……彼は救われます……だから…………お願いします…………!」

「………でも、もしまたあの人達が……」

紗夜「大丈夫です。今度は私達があなたを守ってみせます」

燐子「お願いします…………!」

────────────────────────

 

 

 

 

 

真言「………………」

「ごめんなさい…………わたし……」

 

真言「もう……何もしゃべんな」

 

「…………え?」

真言「俺が勝手にやったことなんだろ?なら、これからも勝手にやらせてもらう」

 

 もう正義だなんだ言うのはやめる。

 

 分かっちまったんだよ……そんなもん、なんの役にも立たないってことがな!

 

有咲「何を……」

紗夜「…!やめなさい!!」

真言「気に食わねぇ……どいつもこいつも……」ザッ

「や、やめて…………」

真言「俺を助ける?お前に俺が今、どんなに惨めな気持ちかわかるか?」

 

 ガキの頃から信じてきた"正しさ"をぶっ壊され、助けたやつに裏切られ、挙句の果てにそいつに助けられる?

 

真言「ふざけやがって…………」

 

 お前らのせいで……俺は…………

 

 何が正しいのか、わかんなくなっちまった。

 

真言「全部ぶっ壊してやる……今度は俺が……!!」

有咲「おい!止まれって!!」

真言「邪魔だ!!!」ブンッ!!!

有咲「きゃっ!」

紗夜「市ヶ谷さん!!」

 

「やめて……来ないで……ごめんなさ──」

真言「……………っ!」

 

 握りしめた拳を振り上げ、そして……

 

 鈍い音が、部屋中に鳴り響いた。

 

真言「…………………」

 

 そして訪れる静寂。

 

紗夜「………………」

有咲「………………」

真言「なんで…………」

 

 なんで…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「なんでなんだよ!!白金 燐子!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗夜「白金さん!!!」

有咲「燐子先輩!!!」

 

 俺の拳は、割って入ってきた白金 燐子に当たった。

 

燐子「………………だめ…………だよ……?」

真言「…………!」

燐子「正義の味方は…………悪い人を倒して……困ってる人を……助けるんでしょ…………?」

真言「お前……なんで…………」

燐子「だから…………自分が助けた人を……傷つけちゃだめ…………」ポロポロ

 

 なんで……泣くんだよ……なんでお前が…………

 

真言「っ!!」ダッ!!!

有咲「あ、おい!!」

燐子「まって…………!」タッ…

紗夜「白金さん!?」

 

 全てに耐えきれなくなった俺は、全てを捨てて逃げ出した。

 

 自分で作った正義感から、無関係の人間を殴ってしまった罪悪感から、花咲川学園から、白金 燐子から。

 

 結局俺は…………"正義の味方"にも、なれなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「ハァ……ハァ……ハァ……」

 

 走って、走って、逃げて、気づけばポツポツと雨が降り出してきた。

 

真言「ハァ……ハァ……がっ!」

 

 躓き、転ぶ。

 

 そんな俺に追い打ちをかけるように、雨が強くなる。

 

 倒れたまま起き上がれない……起き上がりたくない……このまま消えてしまいたい。

 

真言「………………」

 

 冷たい雨が、打ち付ける。

 

真言「………………わかんねぇんだよ……」

 

 わからない。俺にはもう何も。いや、最初からわかってなんかいなかった。

 

真言「なんでお前は……俺を助ける……」

 

 

 

 

 

燐子「………………」

 

 

 

 

 

真言「俺に対する同情か!?ふざけんな!!!俺は正しい!!俺は間違ってない!!俺は可愛そうなんかじゃない!!!俺は!!!!!」

燐子「…………神代 真言くん」

 

 雨の降る中、傘もささずに俺とその人、白金 燐子は冷たい地べたに座りこんでいる。

 

 全身ずぶ濡れで、もうこれが雨なのか涙なのかわからない。顔も思考回路もグチャグチャだ。

 

真言「おれは…………おれは…………」

 

 

 

 

 

真言「ただ…………誰かに認めてほしかっただけなんだ…………」

 

 

 

 

 

 

燐子「……大丈夫…だよ」

真言「……………」

燐子「君は……何も悪くないよ……?」

 

 俺の目を見据え、その人は言う。

 

燐子「君は正しいことをした…………絶対に……間違ってなんかいない……」

真言「………………!」

 

 俺は……誰かに言ってほしかった。君は正しい。間違ってない。

 

 誰でもいい。一人でもいいから、そう……言ってほしかっただけ。

 

真言「………………っ!」

 

 その言葉は、俺を泣き虫な子供時代に戻すには十分すぎる言葉だった。

 

 雨は降り止まない。涙も──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燐子「ねえ……真言くん…………」

真言「…………………」

燐子「一つ……約束して………?」

 

 俺と同じくらいずぶ濡れな彼女は、それでも俺の目を優しく見つめる。

 

 

 

 

 

燐子「もう…………誰も傷つけないで…………?」

 

 

 

 

 

燐子「君は優しいから…………誰かを傷つければ……それ以上に君が傷ついてしまう…………」

 

燐子「もう……これ以上……君が傷つくのは……見たくないよ……………」

 

真言「………………」

 

燐子「だから……お願い………」

 

 それは優しい優しい約束。

 

 かけがえのない……約束。

 

真言「…………わかった」

 

 俺は彼女の目の前に小指を立てる。

 

真言「約束するよ。俺はもう、誰も傷つけない」

 

 約束しよう。

 

 俺がそう答えると、彼女は安心したように微笑み、差し出した小指と自分の小指とを絡め合わせた。

 

真言「それともう一つ」

燐子「?」

 

 けど……それだけじゃダメだ。ちゃんと、言わなければ。

 

真言「ありがとう。あんたから受けたこの恩は絶対に忘れない」

 

 だから、俺にも約束を。

 

真言「一生、なんて不確定なことは言わねえ。だけど、せめてあんたがこの高校を卒業するまでの間……」

 

 

 

 

 

真言「俺があんたを守る。あんたに……恩を返させてくれ……」

 

 どうか俺に、恩返しと償いを。

 

燐子「…………はい」

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「今までありがとな」

 

 彼は"何か"に、今まで囚われてきた"正義の味方(神代真言)"にそうお礼を言いました。

 

 もう彼に正義は必要ありません。

 

 彼には正義よりも大切な、約束された日々があるから…………

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真言「…………これが、俺の過去です」

 

 独りよがりの正義感を振りかざし、空回りに空回りを重ね、大切な人を傷つけ、正義(すべて)を失い、約束(すべて)を手に入れた、過去。

 

友希那「なるほど……そんなことが……」

真言「…………もう関わってこないと思ってたんですが……あのクソ女が燐子先輩を…………」ギリッ

紗夜「今日は神代さんをからかっただけ……ということでしょうか?」

真言「おそらくは……だけど、これ以降何もしてこないとは考えづらいです」

友希那「…………真言」

真言「はい」

 

友希那「燐子との約束……"燐子を守る"。しっかり果たしなさい」

真言「もちろんです」

 

 言われるまでもない。必ず……守ってみせる。

 

 

 

 

 

 ポスッ

 

 

 

 

 

真言「ん?」フリカエリ

 

 何かが背中に…?

 

あこ「そ"、そ"ん"な"こ"と"が"あ"っ"た"ん"だ"ね"……」ボロボロ

真言「し、師匠!?」

リサ「辛かったね……今度クッキーいっぱい食べさせてあげるから………」ズビ

真言「姐さんまで!?」

 

 二人揃って俺の背中にしがみついてガチ泣きしている。

 

友希那「モテモテね」

真言「み、湊さん…………」

紗夜「まったく………」

燐子「ふふ…………」

真言「はぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 あの事件から数日後。

 

 俺は燐子先輩と共にまたまた職員室に呼び出された。

 

真言「それで……俺はこれからどうなるんですか?」

紗夜「あなたがしたことは間違ってはないとはいえ、少しやりすぎでした。校内での暴力沙汰、そして……」チラッ

燐子「わ、わたしは…………傷はもう治りましたし……痕も……もう残ってない……です……だから」

真言「…………退学……ですか?」

 

 それくらいのことはしたのだ。覚悟はしている。

 

紗夜「…………いえ、当面の間、私達生徒会と一緒にいてもらいます」

真言「!」

 

 生徒会…………!

 

紗夜「これからあなたは生徒会の監視対象……というわけです」

真言「監視対象……ね」

 

 なんか大層な名前だなぁ……まあ"正義の味方"

よりは俺に合ってるか?

 

燐子「これからよろしくね……真言くん」

真言「……よろしくお願いします。燐子先輩」

 

 …………まあいい。約束は必ず守る。

 

 それは正義だろうと監視対象だろうと変わらない。

 

 それが神代 真言だから。

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お気に入り登録 霊樹 様 神界書庫 様 ヘイタひせい 様 ありがとうございます。

これにて監視対象 過去編、終結となります。

Roseliaとの出会い、そして神代家…………まだまだ謎が残されていますが、一先ず次回はお気に入り100記念のネタ回です!!テンション上げて行きましょう!!!
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