監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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 〜〜前回のあらすじ〜〜

弦巻クッキーを食べ、正気を失ったRoseliaのメンバー。
宇田川 あこの提案により唐突に始まった王様ゲーム。
負ければ社会的死が待っている真言、そんな彼が引いたのは…………?



32.I'm "Not" KING!!!

真言「ハズレ……………………っ!」

 

 じゃあアタリは誰が!?

 

「あは♡」

 

真言「……………」ゾッ

 

 こ、この声は…………

 

リサ「アタシが王様だね♡」

真言「…………………」

 

 終わった…………

 

リサ「んー…どうしよっかな〜……♡」

 

 こっち見て考えんな……!!!

 

リサ「んー……それじゃあ…………」

 

 だ、大丈夫……姐さんが俺の番号を当てられる確率は5分の1…………それをピンポイントで当てるなんて、流石に……ね?

 

リサ「3番と5番がハグ!って言うのはどう?」

真言「もうやだ帰る」←3番

リサ「君の家ここだよ?」

 

 何で当たるの?俺なんか悪いことした?

 

真言「…………5番さん……誰ですか」

あこ「はいはいはいはーい!」

真言「………………………」

 

 絵面的に言えば、兄妹に見えないこともない…………つまり…………セーフ?(錯乱)

 

 

 

 

 

真言「………………………どこからでもどうぞ」スッ

あこ「えい♡」ポスッ

 

 師匠が俺の広げた腕の中へ飛び込んでくる。

 

あこ「ぎゅー♡」

真言「……………(汗)」

 

 これ……ホントに大丈夫?家から出たら外に警察、とかいうオチはないだろうな?

 

 身長差約20cm。どう見ても細い師匠の身体…………うっかり強く抱きしめすぎて骨とか折ってしまわないだろうか…………てかこういうときって腕はどこに置けば…………

 

紗夜「(手がわちゃわちゃしてますね……かわいい……♡)」

リサ「…………………」パシャパシャパシャパシャパシャ

真言「……無言で写真取るのやめてくれません?」

 

 

 

 

 

真言「……………………」

あこ「ふっふー♡」

燐子「あこちゃん……もう終わり…………」

あこ「えー?もうー?」

燐子「終わり…………」ゴゴゴ

真言「師匠!離れて!!離れて!!!」

 

 今日は燐子先輩がめっちゃ怖い日だから!!

 

あこ「はーい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「……てっきり俺は姐さん、自分に対する命令をしてくると思ってました」

 

 クジを混ぜる間、俺は姐さんにそう話しかけた

 

リサ「んー……そうだねー…」

リサ「アタシがいい思いをするのは他の人に"命令"してもらってにするよ♡」

 

真言「…………果たして、姐さんに次が回ってきますかね」

リサ「……どういうこと?」

真言「次で俺が引けば、このゲームを終わらせることができます。そうすれば……姐さんの番は一生回ってきませんよ?」ニヤッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あこ「やったーあこが王様だー!」

真言「はーい帰りまーすお疲れ様でしたー」

リサ「逃さないよ♡」ガシッ

紗夜「だからあなたの家はここです」ガシッ

真言「誰か!!!助けてくれー!!!!!」

 

 そうだ!有咲!!俺にはこういうときに頼れる親友がいるじゃないか!!一刻も早くSOSを!!!

 

真言「俺のスマh」

燐子「…………………」

 

 俺の連絡手段…………完全に燐子先輩に握られている。

 

あこ「それじゃあ命令はね…………2番が1番の好きなところをたくさん言って!」

真言「なんでよ」←2番

 

 さっきから運が悪すぎる……まあさっきの姐さんのよりかは難易度が低い命令だ。少なくとも警察に捕まることはない…………だろう。

 

紗夜「1番は私ですね……♡」

真言「紗夜先輩……………」

 

 この人もやっぱりいつもと違う。けど……やるっきゃない。

 

真言「…………練習熱心なところ」

紗夜「………………」

真言「絶対に手を抜かず、全力で物事に取り組むところ。仲間思いなところ。妹思いなところ。優しいところ」

リサ「おお〜……」

紗夜「……………///」

 

真言「…………なんだかんだ言って、手のかかる後輩の面倒を見てくれるところ」

 

紗夜「神代さん…………」

 

 燐子先輩だけじゃない。紗夜先輩にもとても感謝してるし、尊敬している。

 

 こんな状況じゃなくても先輩の良いところくらいまだまだ出てくる。

 

紗夜「…………次に行きましょうか」

真言「そうですね…………って師匠!」

あこ「?」ムシャムシャ

真言「何食ってんですか!?」

あこ「クッキー」

 

 少し目を離した隙に師匠だけじゃなく、全員追加で弦巻クッキードーピングを行っていた。

 

 このままクッキーを食べ続けたらいつまで経っても皆正気に戻らない……てかあのクッキーどんだけあんの!?

 

リサ「よ〜し、じゃあ行くよ〜♡」

真言「(やっぱり俺が自分で終わらせるしかない!!)」

 

「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」

 

真言「………………」

 

 4番…………

 

 俺って……ホントついてない…………

 

紗夜「私が王様ですね♡」

 

 ………………まさか、イカサマ?

 

紗夜「では、4番が5番の頭を撫でるというのはどうでしょう」

真言「当然のように俺なんですね」

 

 やっぱりおかしい……俺の番号をピンポイントで当てられるなんて……たまたまにしてはできすぎている。それとも俺の運が異常に悪い?………………………………………それもありえる。

 

真言「……………5番は……」

 

 

 

 

 

友希那「私ね」

 

 

 

 

 

 ……………………指。

 

 

 

 

 

真言「…………………」フルフル

友希那「…………?なぜそんなに首を振っているのかしら?」

あこ「しかも涙目……」

 

 当然だ。指は惜しい。

 

友希那「私を撫でるのは嫌かしら……?」

真言「いや指が…………」

友希那「?」

紗夜「神代さん、王の命令は絶対、ですよ♡」

 

 や、やるしかないのか…………

 

真言「お、お手柔らかにお願いします…………」スッ

友希那「……それは私が言うことじゃないの?」

 

 ポスッ

 

 正面から湊さんの頭に手を置き、撫でる。

 

真言「………………」ナデナデ

友希那「………………悪くないわ♡」ナデラレナデラレ

 

 (指はやだ指はやだ指はやだ指はやだ指はやだ)(指はやだ指はやだ指はやだ指はやだ指はやだ)(指はやだ指はやだ指はやだ指はやだ指はやだ)

 

 いつもクールな湊さんが、今じゃ猫のようにゆるゆるな顔で俺に撫でられている……これ後で知られたらぶっ殺されるんじゃないか?

 

 

リサ「………………」パシャパシャ

真言「だから写真撮るのやめてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「お、おわった……………」

友希那「…………もう終わりなの?」

 

 もう疲れた…………早く……早く正気に戻ってくれ…………

 

燐子「………………」

 

 さっきから燐子先輩の目からどんどん光が消えていくんだけど。あれホントに俺の知ってる燐子先輩?

 

あこ「よーし!じゃあ次行ってみよ〜♡」

真言「………………」

 

 一回だけ。一回だけでいい。俺に王の座が回ってきさえすれば、このゲームを終わらせ、マックススピードで向かいの有咲の家に逃げ込むことができる。

 

 俺が全力で逃げようと思えば、いくら弦巻クッキーでドーピングした先輩たちといえど、追いつくことはできないはず…………

 

真言「(頼む…………神様…………)」

 

「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」

 

 

 

 

 

真言「…………………」

 

 この世は諸行無常なのだと、どこかの誰かが言っていた。

 

 ………………今なら全力で同意できる。

 

真言「…………………」

リサ「よしよし♡」ナデナデ

真言「やめてください………………」

 

 いつまで経っても俺に王の座は回ってこない。まるで終わらない悪夢のようだ。

 

真言「ああもう!わかったよ!どうせあんたらに俺の番号筒抜けなんだろ!?やればいいんだろ!?どんな命令でもやってやるよちくしょう!!」

友希那「やけくそね」

真言「おら!王様出てこいやー!!!!」

 

 スッ

 

 アタリの印が書かれたクジが上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燐子「………………♡♡♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「……………………………………」

燐子「やっと……わたしの番だね……真言くん……♡♡♡」

 

 確かに俺の願い通り神は降臨した。

 

 女神(悪魔)が、俺の目の前に降臨なさった。

 

真言「お、落ち着いてくださ──」

燐子「ふ…ふふふ……ふふふふふ…………♡♡♡」

 

 あ、ダメだこれ。もう燐子先輩の目には光が一切ない。

 

燐子「真言くん…………♡♡♡」ハァハァ

真言「……………………」タジッ

 

 息荒いし、完全に不審者の顔だよ……燐子先輩…………

 

真言「……こうなりゃ緊急脱出を!」

燐子「させないよ?」ガバッ

真言「!?」

 

 燐子先輩に押し倒され、そのまま押さえつけられる。

 

 う、動けねぇ……なんて力だ……

 

燐子「ぜったいに……にがさないから……♡♡♡」ハァハァ

真言「な、何を……」

燐子「わたしの……わたしのまことくん…………♡♡♡」ハァハァ

真言「燐子先輩!正気に戻ってください!!」

燐子「ふふ……わたしの……わたしだけの…………♡♡♡」ハァハァ

 

 全然聞こえてない…………!クソッ!これ以上力を入れて抵抗すれば燐子先輩を傷つけてしまう恐れがある……どうすれば……!

 

燐子「まことくん……まことくん……♡♡♡」ハァハァ

真言「り、燐子先輩……」

 

 ゆっくり、燐子先輩の顔が近づいてくる……

 

 そして……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燐子「……………zzz」スヤァ…

真言「………………………………え?」

 

 眠って……しまった。

 

 俺に乗っかったまま、俺にもたれかかって、眠ってしまった。

 

真言「燐子先輩………………あれ」

 

 そういえば他の皆は…………

 

紗夜「…………………」スヤァ…

あこ「ん………んん……」

リサ「…………むにゃ…………」

友希那「すー…………すー…………」

 

真言「皆寝てる…のか?」

 

 ……どうやら弦巻クッキーの効力が切れたようだ。全員もれなく熟睡している。

 

真言「……とにかくまずは燐子先輩をどかさなくては」

 

 流石にこの体勢は…………何がとは言わないがとてもまずい。とてもだ。

 

真言「よいしょ」

 

燐子「……………んっ♡」

 

真言「!?」

 

 お、俺は今先輩を持ち上げただけだよな?どこか触っちゃいけないところをうっかり触ったとか……ないよな?大丈夫だよな???

 

 ……というか燐子先輩に触っていいところってどこだ?まずそんなもん存在するのか?俺ごときがこのお方に触れてもいいのか?

 

真言「やばい…………」

 

 なんか死にたくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「ふぅ……」

 

 とりあえず燐子先輩をソファに座らせてっと……

 

真言「あ、そうだ」

 

 あのクッキー…………

 

真言「もう空だ……………………よかったぁ…………」

 

 よし。これで後は…………

 

 プルルルルル プルルルルル

 

 ガチャ

 

真言「あ、黒服さん?要件はわかってますよね?はいそうです。俺の家です。はい。はい。俺 対 弦巻家の全面戦争起こされたくなかったらとっとと説明と事後処理を手伝いに来てください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜おまけ〜〜

 

 Roseliaの皆が目覚める前に黒服さんの力もあり、なんとかクッキーやクジなどの証拠品(?)を処分することに成功した。

 

紗夜「…………なにか…………私なにかとんでもないことをしでかしてしまった気が…………」

リサ「アタシも…………」

真言「キノセイデスヨー」

 

 結局、俺は先程起こった一連の出来事を隠蔽することにした。

 

 きっと言っても信じてもらえないと思うし、信じたら信じたで俺が半殺しにされる可能性が非常に高い。

 

 皆には"俺の家に遊びに来たのに、疲れていたのか突然寝てしまった"というようなことを伝えた。

 

友希那「……頭がぼーっとするわ……」

あこ「りんりん……大丈夫?」

燐子「…………ちょっと……大丈夫じゃない……かな…………気分が……」

真言「………………」

 

 あのクッキーの副作用か……?皆暴走してた時の記憶をなくし、身体の不調を訴えている。

 

 やっぱり一番多くクッキーを食べた燐子先輩が一番ひどい。

 

 

 

 

 

友希那「…………真言」

真言「ハイ?」

友希那「あなた、何か知ってるわね」

 

 …………え?

 

真言「ハッハッハ。ナニイッテルンデスカミナトサン」

リサ「…………アタシ…今すっごいマコくんが棒読みで話してるように聞こえるんだけど」

紗夜「神代さん、確かあなた嘘をつくのがものすごく下手でしたよね……?」

 

 勘が良すぎる。いや、嘘が下手すぎる。俺の。

 

真言「ショ、ショウコガナイデスヨ!オレガウソツイテルショウコガ!」

友希那「いつもの真言なら燐子が『気分が悪い』なんて言えば過剰に心配するわ。『大丈夫ですか!燐子先輩!!!!』といった具合にね」

 

 ……今の俺のモノマネ?

 

あこ「似てる……」

友希那「……………でも今、あなたはいたって冷静……一体なぜか」

真言「……………」

友希那「それは燐子が、いえ私たちがなぜ眠っていたか、全て知っているからよ!」

 

 な、なんつー洞察力と推理力……やっぱりいつものクールな湊さんは一味違う…!

 

真言「………………」アセ

リサ「友希那すっごーい!名推理じゃん!!」

紗夜「すごいですね……」

友希那「これくらい普通よ」サラッ

あこ「かっ、かっこいい〜〜〜!!!」

燐子「………………」

 

 え、どうしよう。言う?これ言わなきゃいけない?俺、マジでぶっ殺されるよ???

 

真言「……………………」

友希那「……別に、私たちはあなたが何か取り返しのつかないことをしてしまった、とは思ってないわ」

真言「!」

友希那「断言できる。あなたは私たちにひどいことをするような人間じゃない」

真言「み、湊さん…………」

 

 俺が取り返しのつかないことをしたわけじゃなくて、あなたたちが自分の黒歴史になりそうなことをしでかしたんですよ!!!

 

真言「(そんなこと……やっぱり言えない…………)」

リサ「ん?」

あこ「どうかしたのリサ姉?」

リサ「いや……スマホのカメラが起動してたみたいで…………あ!アタシ何か撮ってる!」

 

 姐さん……カメラ………………写真?

 

あこ「え、なになに〜!あこにも見せて〜!」

真言「………………」ダラダラ

紗夜「す、すごい汗ですよ神代さん?」

 

 やばい…………その写真は多分…………

 

リサ「え」

あこ「ん!?///」

燐子「こ、これは…………」

紗夜「宇田川さんと神代さんが抱き合っていますね…………」

友希那「………………」

リサ「こっちは友希那がマコくんに撫でられてる…………」

燐子「二人ともすごい笑顔…………」

あこ「え、え、え!?///」

友希那「………………///」

 

真言「──っ!!!」ダッ!!!

 

 もう俺には逃げるしか選択肢がなかった。

 

友希那「待ちなさい!!!」

リサ「ちょ、友希那!?」

燐子「あこちゃん……これ、どういうこと…………?」ゴゴゴ

あこ「わかんないよー!りんりん落ち着いてー!!!」

紗夜「どこに行くんですか神代さん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピンポーン♪

 

有咲「はーいどちらさま……ってマコ!?」

真言「たすけ……たすけて…………」

有咲「おいどうしたんだよ!?マコ…………?おい、返事しろよ!!マコ!!!!!」

真言「………………」チーン

有咲「マコおおおおお!!!!!」




お気に入り登録 kazu2022様 水鼬様 輝キング 様 AIDA0117 様 TD@死王の蔵人 様 ありがとうございます。

ちなみにRoseliaが食べたクッキー、こころ曰く「真言への好感度を10倍に増加させる」効果だったそうです。
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