監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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ご無沙汰しております。

みなさんはもうお分かりかもしれませんが、この小説は不定期更新となっておりますので、次話は気長にお待ちいただけると幸いです。

たくさんの感想、お気に入り登録ありがとうございます。皆さんが楽しめる物語を作れるよう、精進していきます。

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それでは本編、どうぞ。


03.青薔薇の花言葉は

真言「こんちゃーす!」

「あ、マコくん!今日も元気だね〜♪」

真言「姐さん!どもです!」

 

 ここはRoseliaがいつも練習しているライブハウス、CiRCLE。

 

 そしてこの人は、今井 リサ(いまい りさ)さん。俺の一つ上でRoseliaのベーシスト、メンバーのお姉さん的存在。俺が勝手に「姐さん」と呼んでいる。

 

 見た目はギャルみたいだがただの世話好きのいい人。

 

 この人の作るクッキーはマジで上手い。ホントに。

 

 

 

「久しぶりだな…漆黒の闇より現れし、混沌を司るこの魔王の右腕にして我が弟子よ!」

真言「師匠!ご無沙汰してます!」

「あ、うん!久しぶりかな?」

真言「2週間くらい前にNFOを一緒にやったのが最後ですかね」

 

 この人は宇田川 あこ(うだがわ あこ)さん。Roseliaのドラマー。俺の一つ下でバンドの中で最年少ながら他のメンバーに負けずとも劣らない高い技術を持っている。

 

 Neo Fantasy Online、通称NFOというネットゲームでの俺の師匠。ちなみにこのゲームは燐子先輩もやっている。

 

 二人ともかなりのゲーマーだ。

 

 喋り方とキャラについてはノーコメントで。

 

あこ「今日はまっくん練習聞いてくの?」

 

 まっくんというのは師匠が付けてくれたあだ名だ。

 

 某ファストフードチェーン店を彷彿とさせるあだ名だがそこには触れないでほしい。

 

真言「ええ、そのつもりでいますけど…」チラ

あこ「?」

「何よ」

 

 俺の目線の先にいるのはRoseliaのボーカルでリーダー、湊 友希那(みなと ゆきな)さん。

 

 強者揃いのRoseliaをまとめ上げ、自身もずば抜けた歌唱力を持ち、練習にはとことんストイック。燐子先輩と同じくらい芯が強く、ただただ音楽に真っ直ぐな人。姐さんとは幼馴染らしい。

 

 もちろん練習を聞くにはリーダーである湊さんにお伺いを立てなければならない。

 

 けど……正直言ってこの人、すげぇ怖いんだよな……オーラというかなんというか…いや、良い人なのはわかってるんだけど……

 

 

真言「あの……俺、練習聞いていっていいですか……?」オズオズ

友希那「そんなに畏まらなくてもいいじゃない……別に構わないわよ」

真言「ほっ……」

あこ「よかったね!まっくん!」

友希那「誰かに聞いてもらうのもいい練習になるし、それに…」

リサ「それに?」

 

 

 

友希那「真言は練習のときには静かだから」

 

 俺はRoseliaからどういう風に思われてんだ…

 

 

 

友希那「あなたたち、観客が真言だけだからといって気を抜かないように」

真言「なんかバカにしてません?」

リサ「いやー久しぶりに演奏を聞かせる気がするよー♪」

あこ「まっくんにあこのカッコイイところを見せちゃうよー!」

燐子「が、がんばります…」

紗夜「後で感想を聞かせてくださいね」

 

真言「(皆やる気だな……よし俺も一生懸命?聞くとするか)」

 

 ピリ

 

友希那「(一瞬で空気が変わった……相変わらずすごい集中力ね……)」

リサ「(椅子に座って聞いてるだけなのに……まるで別人になったみたい……!)」

 

友希那「始めるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「いやー相変わらず素晴らしい演奏でした!」

リサ「マコくんも流石だね〜」

真言「え?なんか俺しましたか?(ただ聞いてただけだよな…俺)」

紗夜「"ただ聞いていただけ"にしては凄まじい集中力でした」

真言「先輩、心読むのマジでやめてもらっていいですか?」

紗夜「あなたが分かりやす過ぎるんですよ」

あこ「なんかこっちまでビリビリ来ちゃったよー!」

 

 ビリビリ?師匠よく擬音で話すから何言ってるか分かんないときがあるんだよな……ってまた心読まれる!?

 

真言「そりゃあ全力の演奏は全力で聞かなきゃ相手に失礼でしょ」

友希那「いい心がけね」

真言「そりゃどうも」

 

 

 

 

 

燐子「………」

紗夜「どうかしましたか?白金さん」

燐子「いえ…何でもありません…」

燐子「(真言くん……やっぱりあの時みたいになってた……)」

 

 集中している真言を見て真っ先に脳裏に浮かぶのは、まだ心を開いていない時の彼の目。

 

 光は灯っておらず、その目に宿っているのは敵意とそして殺意だけ。傷つき裏切られ、誰も信用できなかった時のあの暗く冷たい目。

 

燐子「大丈夫……だよね……?」ボソ

真言「なにがですか?」

燐子「ううん、何でもないよ……?気にしないで……」

真言「?わかりましたけど……あんまり無理しないでくださいね、燐子先輩、結構自分で抱え込む癖がありますから」

 

 きっと彼は大丈夫。もう、あの時の彼じゃない。あの時のように独りじゃない。だから大丈夫。

 

友希那「燐子、練習を続けるわよ」

燐子「……!はい!」

真言「頑張ってくださいね!」

燐子「うん……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リサ「友希那ーそろそろ出る時間じゃない?」

友希那「本当ね、もうこんな時間」

 

 練習に熱が入り過ぎていたようだ。外が暗い。

 

紗夜「良い緊張感を持って練習できましたからね、時間がすぎるのも早く感じます」

リサ「これもマコくんのおかげかな?」

 

 なわけ無いでしょうが。

 

真言「Roseliaが全力で練習に取り組んでるからですよ」

友希那「当然ね」

紗夜「練習は本番のように──」

真言「"本番は練習のように"ですよね?」

紗夜「……ええそうです」

 

 この言葉はもはや紗夜先輩の、Roseliaのモットーみたいになっている。それを有言実行できるのはこの人たちだからこそだ。

 

リサ「さーて片付け始めますか♪」

真言&あこ「「はーい!」」

紗夜「神代さん、さっきまでと雰囲気違いすぎませんか?」

友希那「やっぱり真言は練習の時だけ静かなのよ、中身はあことなんら変わりないわ」

燐子「友希那さん……」

 

 ボロクソ言うじゃねぇか……やっぱ友希那さん怖ぇ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗夜「そういえば神代さん」

真言「なんでしょう」

 

 片付けを手伝っていると紗夜先輩が話しかけてきた。

 

紗夜「実は今日春岡先生にお会いしたのですが、心なしか先生の顔色が悪かったんです」

真言「へーソウナンデスカー」

リサ「あ、急にカタコトになった」

 

紗夜「どうやらテスト返しをしたそうなんですが、聞けば自分の持っているクラスの、とある男子生徒の点数がそれはまあ酷いとのことで、先生もとても困ってらっしゃいました」

 

真言「…………」ダラダラ

燐子「真言くん……?顔色が悪いよ……?」

紗夜「それでその酷い結果は本人から直接聞けと言われましてね」

 

 あんのババァ………

 

真言「湊さん、ちょっと急用を思い出したので帰らせていただきます」ダッ

紗夜「逃しませんよ?」ガシ

真言「グェッ」

 

 俺の全力ダッシュは紗夜先輩に首根っこを掴まれ強制的にブレーキをかけられた。

 

 消される。本当に跡形もなく消されてしまう……!!

 

 メーデー!メーデー!我身動き不能!!

 

真言「師匠……」チラ

あこ「ゴメンねまっくん、あこにはどうすることもできないよ……」

 

 この世は諸行無常なんだね。うん。よくわかったよ。

 

 

 

紗夜「そこで質問です神代さん」ニコ

真言「はははははい…なんでしょう……」ブルブル

 

 

 

 

 

紗夜「帰ってきたというそのテスト、何点でしたか?」

 

 

 

 

 

 前言を撤回しよう。

 

 湊さんよりブチ切れた紗夜先輩のほうが2000倍怖い。

 

 この後俺がどうなったか?そんなの一つしかないだろ。

 

 

 

 

 

 消されたよ。跡形もなく。




この小説の世界線の紗夜さんはとても厳しいです(真言にのみ)。
ちなみに青薔薇の花言葉は「夢はかなう」だそうです。
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