監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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さあ!監視対象と青薔薇編もいよいよ最終話です!

まあ、この子の場合"青薔薇"ではないんですが……真言くんにとって大切な人たちの一人なんで!!

それでは親友、有咲との過去編行きましょう!!



41.言えなかったこと【監視対象と青薔薇編】

 市ヶ谷 有咲は、俺の親友だ。

 

 親友、それは親しい友のこと。

 

 以上、説明終わり。

 

有咲「おいこら!」

 

 …………俺とお前にはそれだけで十分だろ?

 

 なんだよもっと"親友"って言葉の説明でもすればいいのか?自分で広辞苑でも引けよ。

 

有咲「いや!なんかもっとこう……あるだろ!?私とお前がどうやってそうなったとかさ!?」

 

 んー…………忘れた。

 

有咲「はぁ!?」

 

 ウソウソ。そんな怒んなって。

 

有咲「ったく……」

 

 市ヶ谷 有咲は俺の親友。

 

 だが少し違えば、恩人になっていたかもしれない少女。

 

 そんな彼女が"恩人"ではなく、"親友"となった、あの野外学習の話でもしようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 神代 真言、ほとんど奇跡的に高校2年生になりました。

 

 あんだけ問題起こしてよく進級できたよホント。自分でもびっくりしてる。

 

真言「………………」ズーン…

 

 なぜ俺がこんなに元気ないかって?まず俺がRoseliaの皆に会うとき以外に元気なことあるか?

 

 まあ、あえて理由を上げるとすれば、そうだな……

 

・クラスメイトからクラス替えで離れた代わりに、周りに誰も知り合いがいなくなったから。

 

・俺が起こした事件のことはなぜか学校中に知れ渡っていたので、新しいクラスでも友達が一人もできなかったから。

 

・それなのに今、俺は野外学習の会場行きのバスに乗っているから。

 

 まあざっとこんなところだろう。

 

 別にクラスでボッチなのは構わない。しかし…………

 

真言「(野外学習じゃ放課後燐子先輩に会いに行けねぇじゃねえか……!!!)」

 

 これが今日の不調一番の理由である。

 

真言「野外学習か…………」

 

 バスから野外学習の現地に降り立っても俺のテンションが上がることはなかった。

 

 というかバス酔いして更にテンション下がっている。

 

真言「…………帰りたい」

 

 周りの連中は友達どうしでワイワイしてるが、もちろん俺にはそんなもんはいない。

 

 危険視されてる俺に近づいてくる物好きなやつなんて……頭のネジが2、3本吹き飛んでるとしか思えないな。

 

 幸い俺のクラスメートたちはまともなやつが多いみたいだ。

 

「…………………」ジーッ

真言「(……なんか見られてる?)」

 

 金髪ロングヘアの少女がキラキラした目でこちらを見ている!

 

 なにかとてつもなく嫌な予感がする。

 

真言「(……………………逃げるか)」ダッ

「あ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「ふぅ……まあこの辺までくれば大丈夫だろ」

 

 ……つーか、ここどこだよ。遠くに逃げすぎたか?

 

「おい」

真言「!」

 

有咲「何してんだよ、神代くん」

真言「何だ市ヶ谷か……」

 

 こいつは市ヶ谷 有咲。一年のときのクラスメートで、今では別のクラスだが、俺の起こした事件を知っている。

 

 ……ただそれだけだ。

 

有咲「こんなとこで何してんだよ」

真言「ちょっと逃げてきてな…………てかお前こそ何してんだよ」

有咲「何って、ここ私たちのクラスの集まりだぞ」

 

 …………どうやら俺は別クラスの集合場所まで逃げてきてしまったらしい。

 

真言「やっぱりちょっと逃げすぎたか……」

有咲「"逃げてきた"って、お前何から逃げてきたんだよ」

真言「…………」

 

 何から?俺は一体何から逃げてきた……逃げているんだ?

 

 人間?友達?それとも…………

 

真言「…………悪い、俺もクラスに戻るわ」

有咲「あ」

真言「どうかしたか?」

有咲「………………」

真言「……用が無いんならもう行くぞ」

有咲「……………………気をつけてな」

 

 何か言いたげだが、まあ本人が言わないのなら俺が詮索する必要はないだろう。

 

 俺に市ヶ谷を詮索する権利なんてない。

 

 俺はこいつの、友達でもなんでもないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後も特に変わったことなく、野外学習は事前の日程どおり進んでいった。

 

 この野外学習にメインとして設定されたイベント、『ハンゴウスイサン』というめっちゃ難しい漢字のアレも、目立たずそつなくこなすことができた。

 

真言「…………」

 

 近くの山林を歩き回るフィールドワークも、実家の近所にある山に比べれば大したことなかった。山は俺の子供の頃からの得意フィールドだ。

 

 イベントとかフィールドとか、ちょっと師匠に感化され始めてるな……まあいい。

 

 ここまで余裕で野外学習という特殊クエストを攻略中の俺だが、ここでトラブル発生。

 

真言「…………迷った」

 

 そう、迷った。フィールドワークは基本構成された数人の班で行動するのだが、俺はその班員たち全員とはぐれてしまったのだ。

 

真言「ちょっと山が得意だからってガンガン行き過ぎたか……」

 

 でも結構深い山だな……これじゃ絶対俺以外にも迷うやついるだろ。

 

真言「おそらく皆もうバス前に集合してんだろ。えーっと確かこっちの方向が…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱり俺の野生の勘(?)は鈍っていなかったらしい。数分歩き続けると無事にバスの集合場所に着いた。

 

「神代くん!今までどこ行ってたの!?」

 

 名前も知らない、多分俺の班のメンバーと思われるやつが話しかけてくる。

 

真言「ああ、ちょっと迷ってた。それが?」

「そ、そう…………」

 

 …………ん?なんだ?なんか向こうが騒がしいな……

 

真言「なんかあったのか……?」

「ねえあなた!」

真言「あ?」

 

 こいつ……今朝見た金髪ロングヘアの……

 

真言「……お前、あそこで何があったか知ってるか?」

「え?」

真言「ほら、あっちの方で集まってるクラスの奴らだよ。なんか騒がしいだろ?」

「んー……よくわからないから行ってみましょう!」グイッ

真言「は!?おい引っ張んなよお前!!」

 

 な、なんだこいつ!!やっぱ変なやつだ!!

 

「香澄!何かあったの?」

真言「(猫耳……?)」

「こ"、こ"こ"ろ"ん"〜〜!!!」

真言「!?」

「ど、どうしたの香澄!?」

 

 カスミと呼ばれた猫耳(?)の生えた少女は、何故かボロボロ涙をこぼしながら金髪ロングヘアのこいつに泣きついている。

 

 

 

 

 

「有咲があー!有咲がいなくなっちゃったー!!!」

 

 

 

 

 

「え!?」

真言「アリサ……?」

 

 アリサ……有咲……?有咲って確か……

 

真言「市ヶ谷…………有咲……?」

 

「やま!やまのなかではぐれて!!それで!!!いま!!」

「落ち着いて香澄!きっと大丈夫だから!」

 

 市ヶ谷が………………

 

真言「…………………」

 

 ……さっきも言ったが、別にあいつは俺の友達でもなんでもない。俺の起こした事件を知っている。たったそれだけの人間。

 

 でもあいつは…………あの事件の"真実"を知っている。

 

 ああ……くそっ。なんでこんなにモヤモヤすんだよ…………あいつは何でもない人間のはずなのに……他の連中と同じ…………

 

 本当に?

 

 本当にあいつは他の連中と同じなのか?

 

 少なくともあいつは、あの事件を調べようとしてくれた。

 

 あいつは、引きこもっていた俺を心配して、わざわざ家にまで来てくれた。

 

 諦めていた俺を、あいつは諦めずに学校まで引きずっていってくれた。

 

 あいつがいなかったら、俺は本当の本当に一人ぼっちだったかもしれない。

 

真言「…………もうごちゃごちゃ考えるのはやめよう」

 

「あ、あれ?さっきまでいたあの男の子は……?」

「そういえばどこに……」

 

真言「さっさとあいつを連れ戻して、このモヤモヤを消す」

 

 うん。我ながらわかりやすくて良いクエストだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【市ヶ谷 有咲】〜〜

 

 私が神代くんのことを目で追いかけるようになったのは、一体いつからだっただろう。

 

 高校一年生、同じクラスになった私の彼への第一印象は……

 

有咲「(あの人……目つき悪いなぁ……)」

 

 だった。

 

 裏を返せばそれ以外に特筆すべき点が見当たらなかったということになる。

 

 勉強も普通。運動も普通……今思えば運動は手を抜いていたのかもしれないけど。

 

 騒がず、慌てず、いつも冷静。顔もかっこいい方だと思うけど無愛想だから、皆から大人気!というような人ではなかった。

 

 前に彼に話しかけた女の子が、彼の目つきの悪さに半泣きしていたところを見た……きっと本人は無自覚だろう。

 

 でも決して悪い人じゃない。それは自信を持って言える。

 

真言「…………おい」

有咲「は、はい!」

真言「それ……半分持つ」

有咲「え、いや、いいよ!これは私が先生に頼まれたプリントだから……」

真言「いいから寄越せ」ガサッ

有咲「……!」

真言「……………おい。これどこ持っていけばいいんだ」

有咲「あ、ありがと……」

真言「…………ん」

 

 無愛想。だけどほんのり優しい。温かい心を持つ人。

 

 だからそんな彼が感情を露わにしたあの時のことは、今でも鮮明に覚えている。

 

 それはある日の授業後のことだった。

 

有咲「…………あれ」

 

 私は廊下に立ち尽くしている神代くんを見た。

 

有咲「(あんなところで一体何を……)」

 

 彼はただ立って、隣の教室の中を見ていた。

 

有咲「──っ!?」

 

 これ以上なく、憎悪に満ち溢れた表情で。

 

有咲「(何を見て…………)」

 

「返してください!」

「はぁw?何こいつ必死すぎwww」

「めっちゃウケるんですけどwww」

「ほら!取れるもんなら取ってみろよチビ女」

 

有咲「なに……あれ……」

 

 イジメ……?もしかして神代くん、あれを止めようと……

 

「返して!そのお守りはおばあちゃんの形見なの!!」

 

有咲「ひでぇ…………」

 

「こんなボロいのが?」

「汚いなそれ、捨てちゃったらw?」

「………!やめて!」

 

 3人のイジメている女子生徒の1人が、イジメられている少女のお守りを窓に投げる。

 

 その瞬間、

 

 

 

 

 

 神代くんはもう教室の窓枠に足をかけていた。

 

 そしてなんの迷いもなく、窓の外に投げられたお守りに向かって飛び出した。

 

 

 

 

 

 ………………彼に反応できたのは、きっと私も無意識に飛び出していたからだ。

 

 それでも窓から外へ飛び出した彼の足を、何とか掴むことができたのはきっと奇跡だったのだろう。

 

有咲「ちょ、おまえ何やってんだよ!!」

 

 私が宙吊りの彼に向かってそう叫ぶと、こんな脳天気答えが返ってきた。

 

真言「…………あんた誰?」

 

 そこから、私と彼はその事件に関わることになる。

 

 その事件で、彼はイジメ主犯格たちを撃退した代償に心に深い傷を負ってしまった。

 

『俺は………………………………本当に正しかったのか?』

 

 そして私は、その質問に答えることができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「…………ここどこだ?」

 

 だめだ、完全に迷子になってしまった。

 

 しかもかなりの山奥まで来てしまったらしく、どっちに行けば皆がいるのか、皆目見当もつかない。

 

有咲「どうしよう…………」

 

 辺りには誰もいない、スマホも圏外、もう私にはフラフラと当てもなく彷徨うことしかできなかった。

 

 同じ班の香澄や奥沢さんは大丈夫だろうか……きっと心配をかけてしまっ──

 

有咲「──っ!」

 

 ガサッと嫌な音を立てて、地面が崩れ落ちる。全身が浮く感覚に襲われながら、それでも私はまだこの状況を処理できていなかった。

 

 え、何で、落ちる……!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「………………あ、れ?」

 

 私……落ちてない……?

 

真言「お前…………こんなとこで何してやがんだ…………!」

 

 

 見上げると、神代くんがいた。

 

 神代くんが、このまま落ちていくはずだった私の手を掴んでいた。

 

有咲「なんで…………?」

真言「いいからとっとと上がってきやがれ……!」

有咲「うわ!」

 

 身体を一気に引っ張り上げられる!

 

有咲「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 助かった……?

 

真言「お前な……なんでこんなとこに」

有咲「いやそっちこそ!」

真言「……俺はお前を探しに来たんだ!!」

有咲「……私を?」

真言「お前が勝手にいなくなるからだろうが!お前のダチがパニック起こして仕方なく探してやってたんだよ!!」

 

 でもなんで神代くんが……

 

真言「……………お前には借りがあるからな」

有咲「え?」

真言「これであんとき助けてもらった借りは返したぞ」

 

 あのときって……もしかして…………?

 

有咲「私が窓から飛び出した神代くんの足を掴んだこと?」

真言「…………ああ」

 

真言・有咲「「……………………」」

 

有咲「……あ、ありがとう」

真言「……だから、あんとき助けてくれた礼だ。気にすんな」

 

 俺もいろいろ助かった。ありがとな。と彼はちょっとバツが悪そうに言った。

 

真言「ほら、いつまでへたり込んでんだ。待ってる奴らがいるんだろ?行くぞ」

有咲「…………………」

 

 もし……神代くんが来てくれなかったら私、今頃崖下に…………

 

真言「……?どうしたんだよ市ヶ谷」

有咲「い、今になって……震えが…………」

真言「ったく……」

 

 こちらに背を向けてかがむ彼。

 

真言「ほらよ。おぶってやるからとっとと行くぞ」

有咲「う、うん…………」

 

 私を背負いながら迷うことなく森を突き進んでいく。

 

有咲「重くない?」

真言「重い」

有咲「…………はぁ!?」

真言「こっちは人一人背負ってんだぞ。重いに決まってんだろ」

有咲「いや……!まあそうだけど!女子に向かってノータイムで重いって言うか普通!?」

真言「……そこまで元気なら安心だな」

有咲「……………」

 

 そうだ……この人こういうこと平気で言うんだった…………

 

真言「一年のとき……まあ短い間だったけどな。その時はこんな感じで話してぞ。ここのとこのお前は…………なんか俺に距離をとってる感じだった」

有咲「そんなことは…………!」

真言「仕方ねぇよ……もう俺は"普通"の高校生じゃない」

 

真言「今の俺は"監視対象"だからな」

 

 そう彼は笑って言う。でも私は知っている。彼が望んでそうなったわけじゃないということを。

 

 その言葉は、本当は言いたくないことを。

 

有咲「…………違う」

真言「違くねぇよ。今じゃ友達も一人もいないし、ま、当たり前だよな。あんだけ派手に暴れまわって、誰も俺と仲良くなろうとなんてするはず……」

有咲「違う!!」

 

 なんで……どうして…………

 

有咲「どうしてお前が……自分のことをそんな風に言うんだよ…………お前がやったことは正しかったんじゃなかったのか……?」

真言「………………さあな」

有咲「!」

真言「俺にはもう、自分が正しかったかどうかなんてわからねぇよ」

 

有咲「……………降ろして」

真言「え?」

有咲「もう大丈夫だから……降ろして」

真言「あ、ああ」

 

 神代くんの背中から降りて、彼の目を見て、今度はちゃんと言う。

 

有咲「私は…………ずっと神代くんに謝りたかった」

真言「…………は?」

 

 呆気に取られた彼に、私は続ける。

 

有咲「あのとき…………」

 

『俺は………………………………本当に正しかったのか?』

 

有咲「神代くんが私にそう聞いてきたとき…………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「『お前は正しい』って、言ってやれなくて…………ごめん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「…………………市ヶ谷」

 

有咲「……だから今言うぞ!言えなかったこと全部!!」

真言「!?」

 

有咲「お前は何も間違ったことをしてない!!イジメられていたあの子を!お前は自分を犠牲にしてまで助けたんだ!!お前は正しい!!!」

 

有咲「だからそんな風に自分が悪いみたいなこと言うなよ!!」

 

有咲「間違ってないんだよ!!自分でもホントはそう思ってるだろ!!間違ってねぇんだろ!?お前は!!じゃあ!いつまでもウジウジ悩んでるんじゃねぇ!!」

 

有咲「"友達が一人もいない"!?ふざけんな!!!」

 

有咲「心配しなくても!ちゃんと私はお前の友達だ!!!!」

 

 言った。言いたいこと全部。心臓の音がうるさくて、息が切れて、自分でもなんて言ったかよくわかってないけれど、

 

 それでも全部、言えた。

 

真言「市ヶ谷」

有咲「"有咲"でいい!」

真言「……有咲」

 

 ゆっくり、丁寧に、次の言葉を紡ぎ出す。

 

真言「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【神代 真言】〜〜

 

 "監視対象"となった俺に初めてできた対等な友人、市ヶ谷有咲。

 

 ちょっと口調が荒くなったり、急にめっちゃ丁寧になったりする、

 

 初めての"友達"…………

 

有咲「あ、でも私以外にもちゃんと友達作れよ。特に今のクラスメートとかは」

真言「友達というより母親だな。お前」

 

 有咲はこう言ってるけど、まあ当分対等な友達はいらないかな。というよりできないと思うし。

 

真言「燐子先輩や師匠やRoseliaの皆とかとももっと仲良くなりたいし……」

有咲「お前……同じ学校には友達いないのに、他校には結構いるのな……」

真言「友達…………今の俺と対等に話せるのはお前くらいだよ」

有咲「……………///」

真言「なんだよ急に黙って」

有咲「な、なんでもねぇよ!!」

 

真言「でもまあ、お前の言うとおり同じ学校に友達が一人だけっていうのは…………燐子先輩に「友達いるの?」って聞かれたとき心配されちまうかもな…………」

有咲「お、おう……(こいつの世界、燐子先輩中心に回ってんじゃねぇのか……?)」

 

真言「あ、そうかただの"友達"じゃなくて"親友"なら一人でも何ら不思議はないな!それに親友が一人入れば他に友達いなくても何とかなりそうだ!」

 

有咲「いや、なんだよその謎理論」

真言「いいだろ?な?"親友"?」

有咲「………………はぁ」

 

 そっちこそ、なんだよその深いため息は。

 

有咲「ま……いいけどよ。"親友"って言ってもなんかそれっぽいことでもすんのかよ」

真言「うーん……親友っぽいこと……あだ名で呼び合うとか?」

有咲「あだ名…………じゃ、じゃあ……」

 

 

 

 

 

有咲「マコ」

 

 

 

 

 

真言「どうした有咲、顔が赤いぞ?」

有咲「(うるせぇ…………)

 

『マコ』か……そのあだ名で呼ばれるのも久々だな……

 

有咲「…………って!お前はあだ名で呼ばねぇのかよ!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 もし……もし仮に、俺が有咲に聞いた『自分は本当に正しかったのか』の答えがあの時すぐに返ってきていたら………

 

 俺にとって有咲は、今の燐子先輩と同じような存在になっていたのかもしれない。

 

 …………ま、今のあいつは俺にとって"親友"以外の何者でもないけどな。




お気に入り登録 stkt 様 藤木真沙 様 magicknight 様 砂糖白 様 ありがとうございます。

これにて監視対象と青薔薇編完結です!ありがとうございました!

そして次回はだーーーーーいぶ遅れたあの御方の誕生日&久しぶりのバトル回になります!お楽しみに!
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