監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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前回までのあらすじ……

神代 真言、Roseliaとプールに行く。

果たして真言は無事に帰ってこられるのか!?

それでは後編、どうぞ。



47.夏の終わりはトコナツにて(後編)

〜〜【トコナッツパーク】〜〜

 

真言「思ってたより広いとこだなー……」

 

 先に水着に着替え終わった俺は待ち合わせ場所のプールサイドに待機している。

 

 人は……まあまあいる…………

 

真言「(燐子先輩は……俺が守る!)」ゴゴゴ

 

「あの人結構かっこよくない?」

「でもなんか……すごい機嫌悪そうだよ……」

「ホントだ……怖っ……」

 

あこ「まっくーん!!!」

紗夜「宇田川さん!プールサイドは走らないでください!!」

真言「危ないですよ師匠」

 

 やれやれ……入る前と違って元気いっぱいだな師匠。

 

紗夜「………………」ジーッ

真言「……どうかしました?」

紗夜「いえ……なんでも……」

真言「?」

あこ「まっくん細く見えるのに結構筋肉あるんだねー!」

真言「ん、まあ昔から鍛えて……鍛えさせられてきましたから…………あと俺の腕ペチペチしないでください」

あこ「えー?いーじゃーん」

 

 はぁ……師匠には女性としての危機感が足りないのかもしれないな…………よっこらせ。

 

真言「いいですか師匠。あまり女性が男の身体を触るもんじゃないんです。この世には燃えないゴミより下衆な男どもが蔓延ってるんですから」

紗夜「燃えないゴミにあまり下衆のイメージないですけどね」

あこ「まっくん、わざわざ屈んで目線合わせて会話しなくていいよ。なんかものすっごいバカにされてる気がするから」

 

真言「……それより燐子先輩達は?」

 

紗夜「少し着替えに手間取っていましたが……もうすぐ来るはずです」

あこ「りんりんの水着姿見て倒れないでよ〜?」

真言「無理です」

あこ「即答!?もうちょっと頑張ろうよ!!」

 

 いや普通に無理に決まってるでしょ。大丈夫、いつでも眼球を潰す準備はできてますから。

 

リサ「おまたせー♪」

燐子「あの……やっぱり恥ずかしい……です……///」

友希那「今更何を言っているの。大丈夫よ、真言なら見ないでって言ったら自分の眼球潰すくらいは喜んでやるわ」

 

 こちらに向かってくる三人の美少女。

 

 

 

 その中でも一際輝いている女神がいた。

 

 

 

真言「    」

あこ「あ、フリーズした」

紗夜「いつもの事です」

 

 前にも言ったが目の保養も度が過ぎれば猛毒となってしまう。

 

 上下黒の水着、上から羽織られた白のラッシュガード。

 

 燐子の水着姿には、真言の眼球と思考回路を潰すには十分な破壊力を持っていた。

 

燐子「あ、あの……真言くん…………///」

真言「     」

燐子「に、似合ってる……かな……///」

真言「     」

燐子「似合って……ない……?」

 

紗夜「ふんっ!!!」ドゴォッ!!!

あこ「紗夜さん!?」

真言「……っは!!」

あこ「起きた!!!腹パンで!!!」

 

 今……何が起こっていたんだ……?

 

燐子「真言くん……大丈夫……?」

真言「あ──」

 

 女神──

 

紗夜「またすぐに意識を無くさないでください!!!」ドゴォッ!!!

真言「ヴォエッ!!!」

友希那「手伝うわ」バギィッ!!!

 

 先輩二人に腹パン&キックを延々と繰り出され続ける男の姿が、そこにはあった。

 

真言「ウゴォッ!!あ、あのもう起きて──」

紗夜「神代さん!!起きてください!!!」ドゴォッ!!!

友希那「えい」バギィッッッ!!!!!

真言「お"ぇ"!!!!起きてる!!もう起きてるから!!!湊さん脛は!!脛はやめて!!!!!」

 

 湊さんの蹴りが一番痛い!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「なんで俺はこんな目に…………」

 

 プールに来てまでいつも以上に先輩たちにボコボコにされてる…………そんなことがあっていいのか……?

 

燐子「大丈夫…………?」

真言「……………はい」

 

紗夜「これで何とか白金さんを見ても失神することは無くなりましたね」

真言「代わりにあんたらのせいで失神しかけたけどな!!!」

 

 荒療治すぎんだよ!!もうちょっと何かあったでしょうが!!

 

友希那「そんな細かいことは置いておいて、早く行きましょう」

真言「少しは加減ってものを知れ!!!」

友希那「…………」スッ

真言「すんませんでした!謝るから蹴りを構えないで!!!」

紗夜「それじゃあ行きますよ」

真言「それってアトラクションのこと!?それとも追撃!?」

 

燐子「…………」ボーッ

あこ「りんりんどうかした?急に立ち止まっちゃって…………みんな先行っちゃうよ?」

燐子「…………」ボーッ

リサ「ん?…………あぁ」ニヤッ

 

リサ「さては燐子、マコくんの身体に見惚れてたね〜?」

 

燐子「…………!!///」ボッ

あこ「なるほど!確かにまっくん鍛えてたって言ってたし!」

燐子「ちちちち違います……!!!」

真言「燐子先輩?どうかしたんですかー?」

燐子「な、なんでもないよ……!今行くから……!!」タッタッタ

 

あこ「りんりん最近なんかまっくんに積極的になったよね!」

リサ「いや〜青春だねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あこ「じゃあさじゃあさ!みんなでウォータースライダー行きましょうよ!」

リサ「えー……あれチョー怖いじゃん」

紗夜「いいですね。神代さんに怖い目を見てもらいましょう」

燐子「氷川さん……」

 

真言・友希那「「……………」」

 

リサ「……どうしたの二人とも、まさかまだ喧嘩してんの?」

友希那「してないわ」

真言「いや、別にそういうわけじゃ……」

 

 互いに目で合図を交わす真言と友希那。

 

あこ「はいまっくん行くよー!!」

真言「あ!だから不用意に引っ張らないでください!!!」

 

紗夜「私達も行きましょうか」

リサ「そうだね☆」

友希那「………………」

燐子「友希那さん……?」

友希那「なんでもないわ。燐子、今日はずっと真言の側にいなさい」

燐子「…………?」

 

 

 

 

 〜〜【ウォータースライダー】〜〜

 

真言「うぉ……結構高いな……」

あこ「まっくん高いの怖いのー?」

 

 俺の前に並んでいる師匠が首だけをこちらに向けて聞いてくる。

 

 並び方は先頭から、師匠→俺→燐子先輩→紗夜先輩→姐さん→湊さん といった具合だ。

 

真言「まさか、俺は校舎の3階から飛び降りる男ですよ?」

 

紗夜「3階から……?」ゴゴゴ

燐子「飛び降りた……?」ゴゴゴ

 

 やべっ、完全に口を滑らせてしまった。

 

真言「師匠、早く前行ってくださいお願いします」

 

 

 

 

 

係員「はいお次の方どうぞー」

 

あこ「はーい!」

 

 元気よく返事をして師匠が乗り込む。

 

真言「…………げっ」

燐子「真言くん……?乗らないの……?」

真言「いやー……先輩達どうぞ」

 

 ここのウォータースライダーは5〜6人乗りのボートで滑るタイプのようだ。そんなボートに俺・Roselia5人っていうのは世間体がちょっと……

 

リサ「大丈夫だよ☆マコくんが燐子以外にこれっっっっっっぽっちも興味ないこと知ってるからさ!」

 

 言い切られた……まあ合ってるけど。

 

真言「いやそれでも……」

友希那「真言、燐子がウォータースライダーを怖がってるわよ」

真言「燐子先輩、お手を」

燐子「あ……うん、ありがとう……///」スッ

 

リサ「(おお〜マコくんも今日は結構積極的だね〜♪)」

紗夜「(自分から白金さんの手を握るなんて……自殺行為ですね)」

 

真言「うっ……眩しい……」

燐子「真言くん……!?」

あこ「あー!しっかりしてー!」

 

リサ「あちゃー……」

紗夜「はぁ……もう助けませんからね」

 

友希那「(………………鬱陶しいわ)」ボソッ

 

リサ「ん?友希那?」

友希那「何かしら?」

リサ「いや……アタシの聞き間違いだったみたい」

紗夜「二人とも、早くしないと神代さんがもうもちませんよ!」

友希那「わかったわ。ほらリサ早く」グイッ

リサ「え、あ、うん」

 

 

 

 

 

リサ「(…………友希那の後ろにいる男の人達……さっきもいたような……?)」

 

 

 

 

 

燐子「…………」ギュッ

真言「」チーン…

 

リサ「なーんであの二人は付き合ってないんだろうな……」

紗夜「神代さんが白金さんと手を繋いだだけで失神するようなヘタレだからですよ」

友希那「真言、起きなさい。気絶したままだと燐子を守れないわよ」

真言「……っは!」

あこ「まっくんは今日何回気絶するの……」

紗夜「これ以上気絶すると何かしらの障害が出そうですね……」

 

 右隣に師匠……左手に燐子先輩の手……ここはウォータースライダーのボートの上か……

 

真言「頭いってぇ……」

燐子「だいじょ……」クチフサギ

あこ「りんりん?」

燐子「私が何か言うとまた真言くんが気絶しちゃうかもしれないから……」

 

係員「それじゃあいってらっしゃ~い!」

 

 係員の合図に合わせてボートが動き出す。

 

 

 

 

 

真言「おお…………おお?」

 

 なんか……意外とゆっくり?

 

紗夜「と思うでしょうね」

真言「え?」

あこ「こんなもんじゃないよ〜!ここのスライダーの目玉はうねうねしたカーブなんだ!」

 

 うねうねしたカーブ………………あれ?なんか左手の震えが…………

 

燐子「………………」ガタガタガタ

真言「り、燐子先輩?」

燐子「………………」ガタガタガタ

 

 おいこれ……だいぶヤバいやつなんじゃないのか……?てか怖いなら乗らせないようにしなきゃいけなかっただろ!!くっそ!俺としたことが──

 

燐子「きゃああああああああ!!!!!」

リサ「や、やっぱりすごいカーブだね……!」

真言「燐子先輩!しっかりボードを掴んで!あと舌かみますよ!!」

 

 すっげえ遠心力……しかもこのカーブ連続で来んのかよ!!

 

あこ「わー!たのし〜!!」

紗夜「ふぅ……カーブゾーンを抜けたわね……」

リサ「ということは……」

真言「ま、まだ何かあるんですか?」

 

あこ「ここのもう一つの目玉!最後に急な角度で滑り落ちるんだ!!」

 

紗夜「神代さんを怖い目に合わせようとした私が間違いでした……!乗るんじゃなかった!」

真言「そんなに!?」

 

燐子「…………」ガタガタガタガタガタガタ

 

 燐子先輩の震えがさっきより強くなってる……

 

真言「…………燐子先輩」ギュッ

 

 さっきよりも強く、燐子先輩の手を握りしめる。

 

燐子「真言くん…………」ナミダメ

 

 うわ涙目の燐子先輩かわい……じゃなくて

 

真言「大丈夫です、こっちの手は俺がしっかり握ってますから。先輩もちゃんと(()()()())掴んでてくださいね」ニコッ

燐子「う、うん……」ギュッ

真言「離しませんよ。絶対に」

 

あこ・リサ「「おお……」」

 

真言「……なんですかそのどよめきは」

リサ「いや、マコくん良い顔で笑うなーって」

あこ「なんか一瞬まっくんが王子様みたいに見えたよ!」

紗夜「いつもそんな顔なら、もう少し周りと仲良くなれそうですね」

真言「余計なお世話です」

 

友希那「そろそろ来るわよ」

リサ「みんな!振り落とされないようにしっかりボートに掴まって!!」

紗夜「来ますよ……」

あこ「わくわく……!」

真言「燐子先輩!」

燐子「うん……!」ギュゥゥゥッ!!!

 

 そうそう、そうやって強く俺の腕に…………?

 

 燐子先輩の…………柔らかい感触が……俺の……俺の腕に……

 

真言「dtわか3@%きぬま!!!???」ボンッ!!!

 

あこ「ま、まっくんがまた壊れたー!!!」

紗夜「白金さん!神代さんに密着するのをやめてください!!」

燐子「うう………しんじゃう……!!」

リサ「だ、ダメみたい……完全にホールドしてるよ!!」

あこ「死んじゃうのはまっくんの方だよりんりん!!」

友希那「寄りにも寄ってこのタイミングで……!」

 

真言「あ……ああ…………」プシュ~

 

あこ「まっくんから力が抜けてきます!このままじゃ絶対振り落とされちゃいますよ!!」

紗夜「かと言ってどうすることも──」

 

リサ・燐子「「きゃあああああ〜〜〜〜!!!!」」

 

真言「……………」フワッ

 

あこ「振り落とされる……!」

燐子「行っちゃダメ!!!!!」グイッッッ!!

真言「うげぇ!!り、燐子先輩……首……首しまってる……!」

友希那「紗夜!燐子を掴んで!!」

紗夜「は、はい!!」ガシッ

友希那「私は真言の足を……!」ガシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6人「「「「「「疲れた…………」」」」」」

 

真言「なんか……ごめんなさい」

あこ「一時はどうなるかと思ったよ……」

紗夜「まったく……」

燐子「本当にごめんなさい……」

リサ「燐子は悪くないよ、ちょーっとマコくんに耐性がなさすぎるというか……」

真言「あれは無理だと思います」

燐子「…………///」

友希那「今思ったのだけれど……真言」

真言「はい?」

 

 ピトッ

 

 唐突に湊さんが俺の腕に抱きついてきた。

 

リサ「!?」

紗夜「み、湊さん!?」

あこ「え、あ、え?」

燐子「…………!!」

 

真言「……あの?湊さん?」

友希那「どうかしら」

真言「何がですか」

友希那「……どうやら"女性すべてに耐性がない"というわけではなさそうね」

真言「ん、まあそうですね。でも離れてもらっていいですか?これ俺が通報されますから」

紗夜「湊さん!離れてください!破廉恥です!!」

 

 ……でもさっき同じようなこと燐子先輩にされたよな……緊急事態だったけど。

 

あこ「あれはりんりんだからいいの!」

真言「そ、そういうものですか……」

燐子「…………」グイッ

真言「おっ……と」

 

 燐子先輩に手を引っ張られる。

 

燐子「………………」ムスッ

真言「……燐子先輩?」

 

 しかし何故か燐子先輩は不機嫌そうだ。

 

リサ「あ、燐子が嫉妬してる」

友希那「計画通りだわ」

紗夜「本当ですか湊さん……!?」

あこ「あれ……というかまっくん」

真言「はい?」

 

あこ「りんりんと手を繋いでても平気になったんだね!」

 

真言「…………?」ミオロシ

燐子「…………?」ミオロシ

 

真言「!!!!!」ボッ!!!

燐子「………………///」セキメン

 

真言「あ!俺何か飲み物買ってきますね!!」バッ

燐子「あ…………」

 

 手を離してダッシュで離れる。

 

紗夜「プールサイドは走らないでください!」

リサ「あーあ逃げちゃった」

友希那「あこ……」

燐子「あこちゃん……」

あこ「え、ご、ごめんなさーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「ふぅ……」

 

 だいぶ落ち着いたな……飲み物も買ったし、みんなのとこに戻るか。

 

真言「今日の燐子先輩、なんというか、いつもと違うよな……もしかして何かあったのか?」

 

 戻ったら一応聞いてみよう。

 

「あのーお兄さーん」

真言「…………あ?」

 

 いやに甘ったるい声が聞こえる。声の主は3人組の水着姿チャラそうな女、年は俺と同じか少し上くらい。

 

真言「なんだお前ら」

 

「いや〜お兄さんかっこいいなーって思ってて〜」

「ちょっと私達と遊ばない〜?」

「ねぇいいでしょー?」ピトッ

 

 女の一人が俺の腕に密着してくる。

 

真言「…………はっ」

 

 はは……姐さんの言ったとおりだ。

 

真言「悪いな、俺にはジャガイモと遊ぶ趣味はねぇんだよ…………さっさと離せ」ギロッ

 

「ひっ…………」

 

 気に入らねぇ奴らだな……まず3人組ってのが気に入ら──

 

あこ「まっくーーーん!!!」

真言「師匠!?」

 

 息を切らしながら師匠が走ってきた。

 

あこ「ハァ……ハァ……ハァ……」

真言「師匠!何かあったんですか!?」

あこ「り、りんりんたちが……」

 

あこ「向こうで男の人達にナンパされてる!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぶっ殺す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇいいじゃん〜あんな男と一緒じゃ楽しくないでしょ?」

 

 Roseliaに近づく、いかにもな男たち5名。

 

リサ「マコくんはあんた達みたいにイヤらしい目でアタシ達を見たりしない!」

燐子「……………」

「お!君!そんなとこに隠れてないで出てきなよ!」

友希那「燐子、下がって」

「ちょ、何すんの」

 

友希那「悪いけどお引取り願おうかしら。あなた達、私達がウォータースライダーに登る前から付き纏っていたわね」

 

「そうだよ、カワイイ子たちがいるな〜って思ってさ……」ニタァッ

紗夜「気持ち悪い……」

「ひどいな〜そんなこと言わないで俺達と遊ぼうよ〜」ガシッ

紗夜「!?離して!!」

リサ「紗夜!」

燐子「(あこちゃん……早く、早く戻ってきて…………!)」

「ほら君も……」ヌッ

燐子「ひっ……!」

 

友希那「あなた達、その辺にしておくことね」

「……なに?」

「大丈夫、君も仲間外れには──」

 

友希那「今土下座して謝れば許してもらえると思うわ。彼も鬼じゃないもの」

 

「は?」

「彼って……あの男のこと?ないない!」

「来ても5体1だぜ?ボコボコにできるっての!」

「こんなに遅いってことはきっとあいつもその辺の女に逆ナンされてホイホイついていってるんじゃね?」

「違いねぇ!!」

 

 ゲラゲラと笑う下衆な笑い声。

 

リサ「最っ低…………」

友希那「はぁ………………」

 

 なるべく感情を表に出さず、冷淡に、冷酷に、残酷に、淡々と、湊 友希那はこう告げる。

 

友希那「…………ご愁傷さま」

 

真言「おい

 

「!?」

 

真言「てめぇら死ぬ覚悟はできてんだろうな

 

 突如として彼らの目の前に現れた、化け物。

 

「て、てめぇいつからそこに」

 

真言「そこのお前

 

 ユラユラと不気味に揺れながら紗夜の腕を掴んでいる男の方を向く。

 

真言「今、自分がなに掴んでんのかわかってんのか?

「ひっ……」バッ

「バカお前!何ビビってんだよこんな野郎に……」

 

真言「てめぇらみたいな奴らが触れていい人達じゃねぇんだよ。とっとと失せろ

 

「クソ生意気なガキが……舐めてんじゃ──」

真言「……………」スッ

「は!?」

 

紗夜「(一瞬で懐に入った……まずい!)」

 

 誰がどう見ても今の真言は正気ではない。

 

 このままでは本当に殴り殺してしまう。そう感じてはいるが、誰も暴走中の真言を止められるはずなどなかった。

 

 

 

 

 

燐子「真言くん!!!!!」

真言「!」ビタッ

 

 この人以外は。

 

 燐子の声に反応し、繰り出した拳を男の目の前で止める真言。

 

真言「ぐ……が…………!」

 

 目を血走らせ、歯を食いしばり、小刻みに震えている。まるで目の前にいる奴らを殺したくて殺したくてたまらない……

 

真言「消えろ……今すぐに!!!

 

 化け物のように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後騒ぎを聞きつけた係員に男達は連れて行かれた。

 

 もれなく全員真言の圧に押されて半泣きだったが……

 

真言「紗夜先輩、腕は……」

紗夜「問題ありません……それより助かりました神代さん」

友希那「ええ、おかげで全員無事だわ」

リサ「あこもありがとね〜マコくんを連れてきてくれて!」

あこ「ふっふっふ……あことまっくんの闇の連携プレーでりんりん達を守れたね!」

真言「………………」

あこ「まっくん?」

 

真言「もっと……もっと俺が注意していれば……」

 

 みんなが怖い目に合わずに済んだ筈なのに……

 

 俺のせいで……俺のせいで…………!

 

真言「俺は……()()守れなかった…………!」

 

 俺のせいで……また大切な人が…………

 

燐子「そんなことないよ……」ギュッ

 

 燐子先輩の温かい両手が、俺の冷たい両手を包み込む。

 

燐子「真言くんは……ちゃんとわたし達を守ってくれた…………それに……わたしとの約束も……」

 

紗夜「湊さんも言っていましたが、私達は全員無事です、あなたのおかげでね」

リサ「あんなのはあんまり気にせずさっさと忘れちゃうほうがいいよ♪ね?」

真言「…………はい」

あこ「それじゃあ遊び再開といこう!!」ドンッ

 

 師匠に背中を押される。

 

 文字通り、プールに向かって。

 

真言「ちょ……!」

 

 大きな水しぶきが立ち、そのままプールの其処に突っ込んでしまう。

 

真言「ごほ……師匠………!」

あこ「いっくよー!」

真言「はぁ!?」

紗夜「宇田川さん!プールに飛び込んでは──」

あこ「ダーイブ!」

リサ「よーしアタシも行っくよ〜☆」

真言「待っ……!」

 

 ……どうやら暗い事を考えながら付き合える程、先輩達と遊ぶのは甘くないらしい。

 

 遊び疲れる頃にはもう日が傾いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あこ「あー楽しかったー!」

真言「ですねー…………」

燐子「真言くん……眠そうだね……」

 

 プールから上がった後って眠くなるよね…………

 

リサ「ふわぁ〜……ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったね……」

紗夜「私も……だいぶ疲れました……」

友希那「……!ねてないわ!」

リサ「友希那?」

真言「いや、絶対寝てたでしょ……」

 

 もう全員体力の限界みたいだ……師匠だけは元気だけど。

 

あこ「また行きたいね!」

真言「そうですね…………あ、」

紗夜「……もしかして忘れ物ですか?」

真言「いや、そうじゃないんですけど…………」

 

あこ「またみんなで行きたいね!りんりん!」

燐子「そうだね……あこちゃん」

 

真言「……………」

紗夜「神代さん?」

真言「やっぱなんでもないです」

リサ「ほら友希那ちゃんと歩いて!」

友希那「………………ん」

 

 燐子先輩になんで俺をここに誘ってくれたのか聞きたかったんだけど……

 

燐子「ふふっ……」

 

 先輩の笑った顔を見たら、なんかどうでも良くなってしまった。

 

真言「さ、帰りましょうか」

紗夜「……そうですね」




お気に入り登録 黒野舞亜 様 ngsk 様 秋兎01 様 albero 様 kiki000 様 ありがとうございます。

もう夏も終わりですね……俺もプール行きたかったなぁ……

次回は未定です。もしかしたらコラボ回かも?
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