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それでは本編、どうぞ。
〜〜【花咲川学園・生徒会室】〜〜
紗夜「神代さん、バンドを組んでみませんか?」
いつもの生徒会での雑用中、紗夜先輩は俺にそう切り出した。
真言「唐突すぎませんか?そういうのは師匠の特権ですよ」
というかなんでバンド?頼むから説明を省略しないでください。
紗夜「そこまで言うなら説明しましょう」
真言「最初からそうしてください」
だんだん先輩のキャラが崩壊していってるような気がする……
紗夜「神代さんは『花咲川・羽丘合同文化祭』を覚えていますか?」
真言「…………………!確か前に俺が羽丘に行ったときに……」
思い出すまで少し時間がかかったが、そうだ……あの「るんっ♪」の妹さんに届けた時に……
日菜『これ?これはね…………』
真言「あの時見せられた……」
紗夜「そう、日菜……羽丘の生徒会長に神代さんが配達した、あれがその文化祭の資料です」
でもそれが何の……
紗夜「その文化祭の有志発表でRoseliaがライブをやります」
有咲「失礼しま──」ガラガラ
真言「っしゃあ!!」
有咲「!?」
紗夜「急に大声を出さないでください……」
いやだって文化祭でRoseliaの演奏が聞けるんだぜ!?死ぬ気で席取りに行かねぇと!!
真言「"合同"文化祭だから羽丘にいる湊さんと姐さんも文化祭に出演できるって訳ですね!」
紗夜「まあ、そうなんですが……こういう時だけ頭の回転が速いんですから…………」
有咲「あ、合同文化祭の話ですか。それでこいつはこんな元気に……」
真言「ん?でもそれと俺がバンドを組むことに何の関係が?」
紗夜「これを見てください」スッ
紗夜先輩が差し出した紙には、文化祭ライブに出演すると思われるグループ名が書かれていた。
真言「えーっと………………あ、Roseliaあった」
有咲「お前……やっぱそれしか見えてねぇのな。ポピパもいるぞ」
真言「……あとは分かんないです、これ全部先輩達と同じガールズバンドなんですか?」
紗夜「ええ、現時点で文化祭ライブに出演することが決まっているグループは、Poppin'Party、Afterglow、Pastel*Palette、ハロー、ハッピーワールド、そしてRoseliaの5グループです」
真言「………………有咲」
有咲「はぁ……何回も説明させんなよ?」
有咲「まずこのPoppin'Partyは私とあと沙綾がいるとこで、Afterglowってのはモカちゃんがいるとこ、Pastel*Paletteは前あった日菜さんがいて、あとハロー、ハッピーワールドは…………言わなくてもわかるよな。弦巻さんのとこだ」
真言「サンキュ」
流石は俺の親友、俺がRoselia以外知らないことを知ってくれている。
真言「こうしてみると大分……というか全部のバンドに俺の知り合いがいますね」
ん?「ハロー、ハッピーワールド」って書いてある下……
真言「【有志発表枠】…………?」
紗夜「気づきましたね……今の頭の冴えている神代さんなら次に私が言おうとしていることもわかるのでは?」
真言「ボクワカンナーイ」
紗夜「ここの有志発表枠、ここにある5グループが出演するからか全く希望者がいないんですよねぇ……こちらでいろいろと考えてはみましたがこのままではどうしても1グループ分の発表時間が余ってしまうんです」
真言「ナニモワカンナーイ」
有咲「思考停止するな」
紗夜「なので神代さん、ここに出なさい」
真言「強制!?」
「出てください」ではなく「出なさい」ですか紗夜先輩!!
真言「いや無理ですって!俺が楽器引けないこと知ってるでしょ!?」
紗夜「楽器が弾けなくとも、バンドは組めます」
真言「は?」
燐子「市ヶ谷さん……これは何の……」
有咲「あ、燐子先輩えっとですね……」
紗夜「助っ人に連絡が取れました」
自分のスマホを見ながらそう言う紗夜先輩。
真言「助っ人?」
紗夜「生徒会の仕事も終わりました。さ、行きますよ神代さん、白金さん」
燐子「え……わたしも……!?」
真言「ちょ、どこに行くんですか!?」
紗夜「楽器に触れれば途端にスクラップにしてしまう……そんな神代さんがバンドでライブをする方法はたった1つ」
真言「いや、別にスクラップにはしませんけどね?」
紗夜「歌ってください。神代さん」
真言「人の話ちょっとくらいは聞きましょ?」
燐子「……………」
だからカラオケに来たわけだ……
真言「でも俺、歌が大得意って訳じゃ……」
紗夜「安心してください。助っ人を呼んできました」
そう言うと俺達3人がいるカラオケの個室に見覚えのある人が入ってきた。
友希那「なんで私が……」
真言「こっちのセリフですよ」
どうしてこんなすげえ人を……
紗夜「神代さん、今日はあなたの歌唱力を試させてもらいます」
真言「嘘でしょ湊さんに聞かれんの?」
こいつはとんだダメ出し地獄になりそうだ。
紗夜「ではまず何か好きな曲を1曲歌ってください」
燐子「真言くんは……どんな歌を歌うの……?」
真言「好きな歌はあるんですが、いかんせん俺の声じゃ出ないですよ」
俺基本的にRoselia以外の曲聞かないから……
真言「流石に湊さんみたいには……」
燐子「あ……なるほどね……」
真言「でもCMとかの歌ならいけます」
早速曲を入れて……これでよし。
真言「じゃあ……行きます」
〜〜〜♪
友希那「この歌…………」
燐子「…………?」
紗夜「いや、確かにこれはCMの歌ですが……」
真言「青雲〜それは〜君が見た光〜♪ぼくが〜見た〜希望〜♪」
友希那・紗夜「「なぜこの曲に……」」
燐子「かっこいい…………」
友希那・紗夜「「え」」
真言「ふぅ……で、どうでした俺の歌」
友希那「え…………まあ、好きにしたらいいと思うわ」
真言「それでいいのか助っ人」
その後も何曲か知っている歌を歌ったのだが、湊さんからの評価は、
友希那「…………まあまあ」
だった。
真言「(どうなってやがる……!普段あんだけ音楽にストイックな湊さんが、ぶっ壊れたラジオみたいに同じことしか言ってねぇぞ……!?)」
そんなに酷いのか俺の歌声は……!
燐子「そんなことなかったよ……?」
まあいいや(単純)
真言「折角なら皆も歌いましょう。ほら燐子先輩も」
燐子「わ、わたしも……!?」
友希那「今日はあなたの歌唱力を見に来たのだけれど」
真言「マシなアドバイス1つしてねぇくせに……まぁいいや、湊さんも歌ってください。点数勝負しましょうよ」
友希那「なんで私まで……」
真言「…………負けるのが怖いんですか?」
友希那「上等よボコボコにしてやるわ」
真言「(チョロ)」
紗夜「神代さんも普段あんな感じですからね?」
このあとめちゃくちゃ歌った。時間いっぱいまで。
やはり、というか皆さん歌がお上手でしたねはい。Roseliaの他のメンバーってバックコーラス的な事もやってるから……え?点数勝負の結果?聞かなくてもわかるでしょ?
真言「……………」
友希那「ふっ」
普通に考えてバンバン90点台後半出す人に勝てるわけなくない?誰だよこの人煽ったやつ!
真言「……でも普通に悔しい」
友希那「筋は悪くないわ。声もよく通ってるし、肺活量も人並み以上にある。後もう少し姿勢をこう……」
真言「こうですか?」
カラオケからの帰り道を歩きながら歌うポーズを取ってみる。
燐子「なんというか……歌ってる真言くん、楽しそうでした……」
紗夜「ええ、そうですね(完全に見惚れてましたね白金さん……)」
真言「……………」ピタッ
友希那「真言?」
真言「今日ずっと考えてたんですけど」
真言「紗夜先輩は何で、俺に歌わせようとしてるんでしょうか」
先輩は文化祭のライブに出させたいみたいだけど、そんなの俺ひとりじゃどうにもできやしない。
友希那「期待してるのよ」
真言「……期待?」
友希那「これまで手塩にかけた後輩が、自分達がいなくなってもちゃんとやっていけるという所を紗夜は見たいのよ。きっと」
真言「そう……………か」
いつかは……いや、確実に来年、
先輩達は卒業してしまう。
当たり前……それは当たり前のこと。
ふと前を行く燐子先輩と紗夜先輩に目をやる。
穏やかに会話をしながら歩く2人の笑顔。
真言「この光景が見られるのも……あと少しなのか……」
友希那「……真言、私もずっと考えていたことがあるのだけれど」
真言「何ですか?」
友希那「あなた、本当にこのままでいいのかしら」
真言「それはどういう……」
友希那「もちろん、燐子のことよ」
友希那「あともう少しで私達3年生は卒業してしまうのよ。燐子と結んだ約束、忘れた訳じゃないでしょう?」
『一生、なんて不確定なことは言わねえ。だけど、せめてあんたがこの高校を卒業するまでの間……』
『俺があんたを守る。あんたに……恩を返させてくれ……』
友希那「私の記憶が正しければ、あなたが燐子と結んだ約束の期限は……」
真言「わかってますよ」
燐子先輩との約束は、燐子先輩が卒業した時点で……
友希那「あなた、"卒業したら自分にはもう燐子に会う資格がない"とか考えてるんじゃないでしょうね」
真言「……約束は、俺と先輩とを繋ぐ物なんです」
だからそれが無くなってしまえば……俺は……
友希那「それだけじゃないでしょう?あなたがこれまで燐子と、私達とを繋いできたものは」
友希那「それに今、あなたは迷っている」
真言「……!」
友希那「恋愛というものに疎い私でも見てればわかるわ。特に最近のあなた達を見てると」
友希那「真言、あなたは……………」
友希那「……燐子の事が好きなんでしょう?」
真言「………………」
友希那「………………」
好き……
真言「俺は」
真言「俺は燐子先輩やRoseliaの皆が大好きです。それはずっと、変わってません」
真言「でも、燐子先輩だけは別なんです…………そんな気がします」
友希那「別?」
真言「実を言うと、最初に燐子先輩と出会ったときは、俺はあの人のことが嫌いでした」
真言「なんで俺なんかに構うのか、なんで俺なんかを助けようとするのか、なんで俺の邪魔をするのか」
なんで自分を傷つけてまで、俺に「傷ついて欲しくない」なんて言えるのか、
真言「先輩はきっと、誰よりも優しい。だからこんな俺も救ってくれた」
俺なんかより余程強い、正義の味方なんだ。
真言「いつしか俺の中で、先輩は恩人になり、尊敬の対象に……それで今では…………」
今では……今では…………?
友希那「…………?」
真言「今では…………自分がよくわかりません」
昔はハッキリしていた。先輩は俺の恩人で、あの人との約束を守れるのなら俺はなんだってやる。
ただそれだけだった。
真言「前、プールに行ったとき、先輩が変な男達に絡まれてるのを見て…………自分でも驚くぐらい、ドス黒い感情が吹き出してきました」
あの感情が殺意なのか憎悪なのか……
友希那「……そうなるのはあなたにとって燐子が特別な存在だからよ」
真言「当たり前です」
友希那「いえ、そういうことじゃなくて……何でこう鈍感なのかしら……」
友希那「……真言、
先輩と約束…………
真言「俺は…………」
『……では質問を変えます。私と白金さん、
何で今これを思い出した……?
約束は俺の全てだ。
じゃあ燐子先輩は?
俺にとって燐子先輩はなんだ?
友希那「…………まぁいいわ、そこから進むのもそこに留まるのもあなたの自由だから」
友希那「けれど、これだけは言っておくわ」
友希那「中途半端な答えで燐子を傷つけたら、私、許さないから」
真言「……肝に銘じておきます」
燐子「真言くん……?」
紗夜「どうかしたんですか?」
友希那「なんでもないわ」
真言「…………」
答えを出さなくてはいけない。
もう、先輩達には時間がないのだから。
【メッセージを受信しました】
真言「ん?」ピッ
メッセージ?誰から……………
真言「は?」
紗夜「いつまでそこに立ってるんですか、ほら、早く行きますよ」
真言「え、あ、はい!今行きます!」
【from兄貴】
【じいちゃんからの伝言、「さっさと母さん達に挨拶しに帰って来い。この前電話した時にいたお友達も連れて」だってさ。なるべく早く帰ってきなよ?】
次回より【監視対象 帰省編】開幕。
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