監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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真言ファミリーのキャラ設定(めっちゃ薄い)を00.に載せておきました。良ければどうぞ。

それでは、早速本編行きましょう!



51.帰省 想い出 監視対象【監視対象 帰省編】

 〜〜【カラオケからの帰り道】〜〜

 

真言「な……!」

 

 送られてきたメールの文面を見た俺はそのまま固まる。

 

【じいちゃんからの伝言、「さっさと母さん達に挨拶しに帰って来い。この前電話した時にいたお友達も連れて」だってさ。なるべく早く帰ってきなよ?】

 

 は?何言ってんだ兄貴……じゃなくてじいちゃん!

 

 "Roseliaの皆誘って実家に帰ってこい"???

 

真言「バッカじゃねぇのか!?」

 

 そんなのできる訳ねぇだろうが!ハードル高すぎんだろ!!

 

紗夜「なに大声出してるんですか」

真言「いやこれ……!」

燐子「………………え」

友希那「これは…………」

真言「ったく何考えてんだかうちのじいちゃんは……」

 

友希那「行くわよ」

真言「は?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あこ「わぁ〜!見えてきたよ〜!!」

燐子「お、大っきい……」

リサ「あそこがマコくんの実家かー……」

紗夜「確か神代さんの家は旅館を経営していると言っていましたが……まさかあれ程とは」

友希那「皆、早く行くわよ」

真言「…………?」

 

 今の時刻は昼過ぎ。

 

 この場所は俺の故郷。

 

 学校もないような小さな村。

 

 あるのは老人達の家と少し大きめの銭湯と、バカでかい俺の家の旅館くらい。

 

 …………おかしい。

 

真言「あれ?」

紗夜「どうかしましたか?神代さん」

「おーいマコー」

あこ「あ!あの人!」

燐子「真言くんのお兄さん……だったよね……?」

リサ「んーっと確か名前は……」

紗夜「"神代 正義(かみしろ まさよし)"さん……でしたよね?」

真言「えぇ……」

 

 おかしい……!

 

正義「やぁRoseliaの皆さん、遠いところからよく来てくれたね」

友希那「お世話になります」

あこ「なりまーす!」

紗夜「今回はお誘いいただきありがとうございます」

正義「あんまりかしこまらなくていいよ。今日は旅館も休みだし、自分の家だと思ってゆっくりしていきな」

あこ「はーい!」

真言「おかしい!!」

燐子「真言くん……!?」

 

 なんで俺はRoseliaの皆と実家に帰ってきてるんだ?

 

 そしてなんで兄貴は皆と打ち解けるのがこんなに早いんだ???

 

正義「ささっ、こっちこっち」

リサ「見れば見るほどマコくんに似てないね……」

友希那「確かにそうね」

正義「いつもマコがごめんね。あいつ無愛想だから」

 

 ……それが神代 正義という人間だったわ。長い間会ってなかったから忘れてた。

 

あこ「うわぁ……近くに来てみるとホントに大っきいお屋敷……」

真言「ですね」

リサ「いや君の家でしょ」

 

 いや、それでもこの自宅兼旅館の無駄に広い玄関をくぐるのもいつぶり………

 

「まことにぃーーー!!!」

「光、待って」

「二人ともあんまり走っちゃダメよ〜」

 

 奥の方から見慣れたような、随分久しぶりのような3人がこちらに向かってくる。

 

真言「ご無沙汰してます由香(ゆか)義姉さん、そんでもって(ひかる)(しずか)

光「ひさしぶりーーー!!!」

静「ちょっと落ち着いて」

由香「二人ともマコくんが帰ってきてはしゃいでるわね〜♪」

 

 光は昔から元気すぎるからな……静はあんまはしゃいでる感じしないけど。

 

友希那「光くん…………まるであこを見てるみたいだわ」

あこ「えぇ〜!?あこもう高校生ですよー!」

真言「静の方は湊さんに似てますけどね」

リサ「確かに」

友希那「リサ?」

 

光「……………」ジーッ

静「……………」ジーッ

 

あこ「あ、あこ達すっごい見られてますよ……」

友希那「そうね……この見られる感じは真言そっくりだわ」

真言「こいつらの叔父ですから」

 

 懐かしいなこの感じ……なんか安心するっていうか……やっぱりいいな。

 

燐子「ふふっ……」

真言「どうしました?燐子先輩」

紗夜「楽しそうですね、真言さん」

 

 バレてた。

 

真言「…………まぁ、久しぶりの家ですし」

正義「それじゃあマコ、帰ってきたお前に俺達から1つ言うことがある」

真言「なんだよ、急に改まって」

 

 光の「せーの」という掛け声とともに、4人が一斉に告げる。

 

 

 

 

 

「「「「おかえりなさい!!」」」」

 

 

 

 

 

真言「……………ただいま」

 

 ……先輩、そんな温かい目で見ないでください。

 

正義「あ、それともう1つ」

真言「まだ何かあんのかよ」

 

正義「奥の部屋でじいちゃんが待ってる」

 

真言「………………」

正義「向こうでの話、いろいろ話を聞きたいんだってさ」

燐子「真言くん……」

真言「……大丈夫ですよ、燐子先輩達は先に行っててください。義姉さん」

由香「はいは〜い♪じゃあRoseliaの皆さんはお部屋に案内するわね♪」

 

紗夜「……神代さん、大丈夫でしょうか。きっとあの時のことを聞かれますよ」

燐子「わかりません……でも真言くんの家族なら…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【神代邸・祖父 清正の部屋】〜〜

 

真言「……………」

清正「……………」

 

 短く切りそろえられた白髪に俺に似た鋭い目つき、小柄に見えて実は結構な筋肉をその和服の下に隠して、この和室の中央でただあぐらをかいて座っているのに謎に威圧感のある老人。

 

 言わずもがな、この人が俺の祖父、神代 清正(かみしろ きよまさ)だ。

 

 な、なんだよこの空気……バカクソ気まずいんだが!?この場合孫である俺から話しかければいいのか?

 

真言「(…………何を!?)」

 

 何を話せばいいんだよ!てか呼んだのはじいちゃんだろ!!

 

清正「…………マコ」

真言「!」

 

 じいちゃんって普段優しいのに謎に覇気があるっていうか……久しぶりに会うと緊張するな……

 

真言「な、なに……?」

清正「まぁいろんな事を聞きたいが…………」

 

清正「まずはよく無事に帰ってきてくれた。マコ」

 

真言「あ、うん……ただいま」

 

 久しぶりに訪れた祖父と孫との団らんの空気。

 

 ……そこからじいちゃんのマシンガン質問タイムが始まった。

 

清正「ちゃんとご飯は食っておるか?」

清正「向こうで友達はできたか?」

清正「友達に迷惑をかけておらんか?」

清正「あの娘達とはどんな関係なんじゃ?」

清正「というか誰が本め──」

真言「ストーーーップじいちゃん!そんな一気に質問されても答えられるわけ無いでしょうが!!」

 

 ハッとした表情で止まるじいちゃん。

 

清正「いやすまんすまん……ついうっかり」

真言「まったく……1つずつ答えるからな!」

清正「それでいい。ゆっくり答えてくれ」

 

 

 

 

 

真言「飯は……まあ食ってるよ。なるべく自分で作るようにしてるし」

 

 ここを出るときに義姉さんに教えてもらっといて良かったな。

 

清正「向こうでも友達はできたか?」

真言「あぁ、1人……親友ができた」

 

 あんたらみたいに俺を「マコ」って呼んでくれる奴が。

 

清正「ほぅ……それは是非とも会ってみたいな…………」

真言「良いやつだよ。優しいし、面白いし、いろいろ世話かけたり、かけさせられたり……」

清正「良い人と巡り会えたな」

真言「うん……」

 

清正「あの子達"ろぜりあ"だったか……?あの子達とはどんな……」

真言「じいちゃんが期待してるような関係じゃねぇよ」

清正「……折角のハーレムじゃのに全くつまんない孫じゃのぉ……ヘタレか?ワシの孫はヘタレなのか……?」

真言「んだとコラァ!?」

 

 こんな腹立つジジイだったか俺の祖父は……つかじいちゃんに「ハーレム」とか「ヘタレ」とか教えたの誰だよ!?

 

清正「冗談じゃよ。相変わらず冗談が通じないのぉ……」

 

清正「しかしじゃマコ、ワシの見る限りあの子達とお前との関係はそこまで浅くないように思える。少なくともお前の実家に一緒についていくくらいには」

真言「…………」

清正「特にあの娘…………」

 

清正「長い黒髪の子、お前にとってあの子だけ特別なんじゃろ?」

 

 そうだ……この人はこういう人だった。

 

 怖そうに見えて、実はおちゃらけた老人……けれど恐ろしいくらいに頭が切れる。

 

 俺の知っている限り最強の祖父。

 

真言「(俺なんかよりよっぽど化け物じゃねぇか……)」

清正「言わんでも目を見ればわかる。お前に何かがあって、結果的に彼女達といる……そうじゃろ?」

真言「まぁ、ちょっといろいろな……」

 

清正「話しては…………もらえんか?」

 

真言「…………………」

 

 俺はまだ、じいちゃんにも、兄貴にも、義姉さんにも、"監視対象"について何も伝えていない。

 

 家族と連絡を取ったのも、あの時の俺の誕生日が初めてだ。

 

清正「もちろん無理にとは言わん。お前が話したくなったら……」

真言「いや、話すよ」

 

 じゃなきゃ俺がここに帰ってきた意味がない。

 

真言「じいちゃん、俺な……向こうで"監視対象"になっちまったんだよ」

 

 俺は全てを話した。

 

 学校であったイジメのこと、イジメを助けようとしたら俺が逆に燐子先輩と紗夜先輩に助けられたこと、燐子先輩が恩人になったこと。

 

 燐子先輩と約束を結んだこと。

 

『真言……お前は、正しい人間になりなさい──』

 

 

 

 

 

 …………()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 じいちゃんは相槌も打たず、ただただ黙って俺の言葉に耳を傾けてくれていた。

 

 そして全てを話し終えたあと、じいちゃんはただ──

 

清正「すまなかったな……」

 

 ──と謝った。

 

真言「なんで……じいちゃんが謝んだよ……」

清正「お前が辛いときに側にいてやれないで…………本当にすまなかったな……」

 

真言「謝んなよ、じいちゃん。もう終わったことだし……それにほら」

真言「今の俺には燐子先輩達がいる……それでいいじゃねぇか」

 

 少なくとも俺は、それだけでいい。

 

清正「…………後であの子達にお礼を言わなくてはな」

 

 

 

 

 

清正「長話になってしまったな……もうすぐ日が沈む。今日はお客さんがおるから楽しい食事になりそうじゃ」

真言「……なぁじいちゃん」

清正「なんじゃ?マコ」

 

 さぁ、本題を始めよう。

 

真言「頼みがあるんだ」

 

 俺はこの為に、この家に……じいちゃんに会いに来たんだ。

 

真言「俺に護身術を教えてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、燐子たちは……

 

由香「本当にごめんね〜夕飯の準備も手伝ってもらっちゃって」

リサ「いえいえ気にしないでください!」

紗夜「泊めてもらえるせめてものお礼です」

友希那「リサ……私も何か……」

リサ「友希那は静ちゃんと遊んでて!!!」

 

あこ「フッフッフ……よくぞ来たな我が宿敵!勇者ヒカルよ!」

光「ここであったが100年め!いまこそおまえをたおしてやる!!」

あこ「あこのこの右手に宿りし闇の力を……今こそ開放する!!」

光「やみのちから!?なにそれかっけぇ!!」

あこ「ハッハッハ!!」

 

 小学生相手に闇の力を容赦なく披露する高校1年生、宇田川あこ。絶賛中二病である。

 

友希那「あこ……ノリノリね」

静「…………」クイクイ

友希那「?」

静「湊さん…………?」

友希那「友希那でいいわよ」

静「友希那さんは……お歌を歌うんですか?」

友希那「えぇ、まぁ。一応Roseliaではボーカルをやってるわ」

静「聞きたい……です」

友希那「いいわよ、何の歌が聞きたいのかしら?」

 

由香「あらあら……二人の面倒まで見てもらって申し訳ないわ〜」

紗夜「湊さんの場合はこっちを手伝うよりよっぽど安全です」

 

静「じゃあ『レッドツェ○ペリン』!」

紗夜・リサ「「ハードロック!?」」

 

 小学生が聞く音楽としてはなかなかに異質だったが、神代の血を引くものは大概全員どこか趣味がズレている。

 

友希那「あなた……なかなかやるわね」

 

燐子「真言くん……遅いな…………っ///」

 

 心の声が溢れてしまったと気づいた時には、ニヤニヤとした顔でリサに見られていた燐子。

 

リサ「なに〜?そんなにマコくんが心配〜?」

由香「あらあら♪青春ね〜」

燐子「今井さん……!///」

 

正義「心配なら見に行ってみるかい?」

由香「確かにすこーし長話だわ……もうちょっとでお夕飯もできるし、皆に呼んできてもらいましょうか♪」

あこ「はいはーい!あこも行くー!!」

光「じゃあおれも!」

正義「うちは無駄に広いからね、俺が案内するよ」

 

静「私はお母さんを手伝う」

由香「ありがとね〜静♪」

 

リサ「友希那ーほら行くよー」

友希那「………………」

リサ「……どうしたの?燐子をじっと見たりして……」

燐子「?」

友希那「何でもないわ」

 

正義「じゃ行こっか。おじいちゃんの部屋に」

光「しゅっぱーつ!」

あこ「おー!」

紗夜「……宇田川さんのテンションが光くんと同じでも違和感がないですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正義「おじいちゃん?入るよー」

 

 そう言って部屋の襖を開けるが、中には誰もいなかった。

 

正義「あれ……おかしいな」

紗夜「誰もいませんね……」

 

光「きっとこういうときはどーじょーだぜ!」

あこ「道場?」

光「うん!まことにぃとじーちゃんはいっつもどーじょーでしゅぎょーしてるんだ!」

紗夜「ここって道場まであるんですか……!?」

正義「まぁね。今ではあんまり使ってないけど管理はちゃんとされてあるよ。こっち」

 

 

 

 

 

 〜〜【神代家・道場】〜〜

 

リサ「でっか!」

あこ「体育館くらいありそう……」

正義「ははっ!そんなには大きく無いよ」

 

光「よーし!たのもー!」

 

 元気よく道場の扉を開ける光。そこにいたのは…………

 

清正「お、光に"ろぜりあ"の皆さんまで……どうかしましたか?」

正義「もうすぐ夕飯だから呼びに来たんだけど……」

清正「おお!もうそんな時間じゃったか!いやすまんすまん。思ったより手こずってしまってな」

紗夜「……()()()()()?」

 

燐子「あの……真言くんのおじいさん……」

清正「なにかな?燐子さん」

 

燐子「真言くんはどこですか……?」

 

 そう、道場の中にいたのは祖父の清正だけで真言の姿がどこにもなかったのだ。

 

清正「ああ、真言なら……ほれ。上を見てみなさい」

燐子「上……?」

 

 清正の言葉につられ全員が上を、道場の天井を見上げる。

 

 そして見上げた瞬間……

 

 ──ドサッ

 

燐子「………………………え?」

友希那「……………」

リサ「うそ…………」

紗夜「な……!」

あこ「ま…………」

 

 

 

 

 

あこ「まっくん!?」

 

 あまりにも唐突のことで反応が遅れた5人。だがそれも無理はない。

 

 

 

 

 

 落ちてきた。

 

 

 

 

 

 

 天井に突き刺さっていた真言が木のくずと共に落ちてきた。

 

 うつ伏せのまま彼はピクリとも動かない。

 

紗夜「あなた……一体何を……!!」

燐子「っ!」

友希那「リサ、あこ、下がって」

正義「そう怖い顔で睨みなさんなお嬢さん方……ただ気絶しとるだけじゃ。後でちゃんと説明を………………!?」

 

真言「………………は」ピクッ

 

リサ「すごい怪我……血も出てるし早くお医者さんに……!」

燐子「真言くん!だいじょ──」

 

清正「そいつに近づくな!!」

 

Roselia「「「「「!?」」」」」

清正「今のそいつはお前達が知っている真言ではない!!!」

 

 恐ろしい形相で叫ぶ清正。尋常じゃない殺気とも呼べる空気が道場内を染めていく。

 

紗夜「それはどういう……」

清正「正義!今すぐその子達を連れてここから出ていけ!!」

正義「まさか……!」

 

真言「は…………はは…………」

 

 先程まで倒れたまま微動だにしていなかった真言がゆらりと立ち上がる。

 

燐子「真言……くん…………?」

 

 

 

 

 

真言「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

あこ「え……え……?」

紗夜「笑って……る?」

正義「皆!早くこっちに!!」

リサ「マコくんのあの笑い方……!」

 

清正「まったく……世話の焼ける孫じゃのぉ……」スッ

 

 構えをとる自分の祖父に向かって、狂ったように笑いながら突っ込んでいく真言。

 

 その見開かれた目には純粋な殺意のような物が宿っていた。

 

燐子「ダメ!!!」

紗夜「白金さん!?」

 

 明らかに様子がおかしい真言を止めようととっさに後ろから抱きつく。

 

真言「っ!」

 

 真言の力ならばたとえ後ろから掴まれたとしても一瞬で振りほどける。

 

 しかもたかが女子高生の力。振りほどくどころか今の真言なら見境なく吹き飛ばしかねない。

 

 けれどそうはならなかった。

 

紗夜「………………止まった」

清正「ほぅ…………」

 

燐子「落ち着いて……ここに真言くんの敵はいないよ……」

真言「が……ぁ……!」

 

 苦しそうに呻く真言の顔にもう笑顔はなかった。

 

燐子「大丈夫……わたしも皆もここにいる……だから大丈夫……大丈夫だから……!」

真言「………………ぁ」

燐子「お願い……止まって……!」

真言「…………………」

 

あこ「ま……まっくん動かなくなっちゃったよ……?」

紗夜「気絶……したんでしょうか」

清正「まったく……驚いて心臓止まるかと思ったわい」

燐子「真言くんのおじいさん……これはどういうことなんですか……!」

清正「安心せい。ちゃんと説明する……だがまずは……」

 

 真言を一瞥して、神妙な顔で言う。

 

清正「ここではなんじゃ、皆でワシの部屋に来なさい。正義、真言を頼んだぞ」

正義「……わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【神代邸・清正の部屋】〜〜

 

 部屋には清正とRoselia5名とが向かい合って座っていた。

 

 隣の部屋には負傷した真言を家族4人が治療していた。

 

清正「まずは礼を言わねばな。燐子さん」

燐子「はい……?」

清正「さっきも、そして学校でも、マコを助けてくれてありがとう」

紗夜「(神代さん……話せたんですね)」

 

清正「そして安心してほしい。ワシはマコが結んだ約束を破らせるような真似はしていない」

燐子「あの……それはどういう……」

清正「アイツは誰も傷つけていないということじゃ。攻撃を受けずに暴走したマコを止めるのはちと至難の業じゃったがな」

 

 肩をすくめてみせる清正。こころなしか来たときより疲れた顔をしている。

 

紗夜「……先程の"アレ"は何だったんですか」

清正「ん…………まぁそれから説明するとしようか」

あこ「おじいちゃんはあこ達の知ってるまっくんじゃないって……」

清正「……皆さんはマコが本気で怒っているところを見たことがあるか?」

リサ「怒った……」

友希那「……少なくとも一度、私の父親に殴りかかるくらい怒りで何も見えなくなったときを見たことがあるわ」

あこ「確かに!あの時のまっくんは怒ってました!こう……ガーッって感じで!」

清正「恐らくじゃが……その時のマコにはまだ理性があった。直前で止まったのではないか?」

友希那「…………えぇ」

 

清正「マコが本気で怒りをあらわにするとき……アイツは笑うんじゃよ」

リサ「(もしかしてアタシが変な奴らに絡まれた時のあれも……)」

 

『そうかそうか!!お前らには俺が"正義のヒーロー"に見えるのか!!あははははははははははははははははははははははは!!!!!』

 

紗夜「今井さん?大丈夫ですか?」

リサ「う、うん……」

 

清正「ああなったマコは目の前の"敵"を殺すことしか考えておらん、まるで化け物のように」

燐子「………………」

紗夜「………………」

 

 2人の脳裏には監視対象になる前の、あの自暴自棄と呼ぶに等しいときの真言の顔が浮かんでいた。

 

清正「暴走した以上言葉による説得は不可能。実力行使で気絶させるしかない……と思っていたんじゃがな」

燐子「?」

清正「(白金燐子……なぜだかわからんがこの娘の声だけは真言に届くわけか……)」

 

紗夜「ちょっと待って下さい」

清正「ん?」

紗夜「もしかして……前にも神代さんは"暴走"したことがあるんでしょうか。先程からそのような口ぶりだったので……」

 

清正「………………ああ。確かにあった」

紗夜「やっぱり……」

清正「あの子がこの家を出て、花咲川学園に入学するという話が出たときにな」

 

 右腕を押さえ、自嘲気味に笑って言う。

 

清正「あの子はワシの右腕をへし折っていったよ…………あの笑顔でな」

燐子「え……」

 

清正「……1から説明しようか、あの子のことを」

 

紗夜「お願いします」

友希那「紗夜……」

燐子「わ、わたしも……少しでも真言くんの事が知りたい……から……!」

 

清正「後悔……しないな」

 

友希那「私達も覚悟を決めましょう。でなきゃ真言の抱えてるものはいつまでも分からないままだわ」

リサ「…………そうだね……わかった」

あこ「あこも……!覚悟はできたよ!」

 

清正「(いい友人を持ったな……マコ)」

 

清正「では話そう。マコが……今の真言のようになってしまった原因について」

 

清正「…………あの子がああなってしまうのは、恐らく両親が原因じゃ」

紗夜「両親?」

清正「あの子の両親はな……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清正「2人とも死んでおる……それも、真言の目の前でな」




──to be continued……

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ps.皆さんのおかげで40000AU行きました!本当にありがとうございます!ここから本編はシリアスに入りますが、どうかこれからも真言くん達の日々を見守ってあげてください!
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