真言「貴様ああああああ!!!!!」
『
画面に映る燐子先輩はぐったりとしたまま動かない。
真言「殺してやる…………」
紗夜「神代さん!スマホを置きなさい!壊してしまいます!!」
『それにしてもまぁ面白いくらいに引っかかってくれたわね。今ここに私とこの人がいるということは……流石の化け物でも弦巻 こころを助けてからじゃ遅すぎたということかしら』
紗夜「弦巻さん……?」
真言「………………」
リサ「マコくん……大丈──」
真言「黙れ」
リサ「!」
燐子先輩は椅子に縛り付けられたまま動かない。
動かない。動かない。動かない。
『この顔、覚えているでしょう?あなたにつけられた傷……医者からは完全に消えることはないだろうって言われたわ……』
『酷いと思わない?だからあたし……決めたの』
『今度はあたしがあんたの大切な物を傷つけてやるって!!』
真言「黙れ…………!!!」
『あんたの目の前で!あんたの命より大切なものに!一生消えない傷をつけてやる!!アハハハハハハハハハハ!!!!!』
真言「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!!」
『ここにはね、あたしだけじゃなくてあたしの"友達"もいるの』
動かない…………死んだように。
『あたしらがいる場所の位置情報を送っておいたわ』
『取り返したかったら化け物、あんた一人で助けに来なさい。警察に連絡したら……わかるわよね?』
『早く助けに来ないと……あんたの愛しの燐子先輩』
『
動画はそこで終わった。
友希那「弦巻さんに助けを求めましょう」
友希那「警察に頼らず、燐子の居場所を突き止めて、さらにそこから迅速に救出できるのなんて弦巻家くらいだわ」
真言「……………………」
リサ「そ……そうだね…………」
紗夜「神代さん、すぐに黒服さんに連絡を」
真言「………………る」
あこ「まっくん……?どこに……」
紗夜「神代さん!聞こえているんですか!?」
今度こそ…………確実に…………
真言「………………てやる」
友希那「真言……あなた……」
真言「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」
友希那「っ!止まりなさい!!」
リサ「聞こえてない……燐子助けに行く気だよ!!」
あこ「まっくんお願い!!いつものまっくんに戻ってよ!!!」
真言「殺してや…………」
化け物の目の前に立ちふさがる、一人の少女。
紗夜「行かせません」
真言「どけよ…………氷川 紗夜!!」
紗夜「どきませんよ。白金さんがいない今、あなたを止められるのは私だけですから」
どれだけ大声を上げようが、彼女は怯まない。
真言「これは俺の問題だ!だから俺が終わらせる!!」
紗夜「白金さんが拐われた以上、これはもうあなただけの問題ではないんです!!」
真言「だからってこのまま見てろって言うのかよ!?そんなことできるわけねぇだろうが!!」
紗夜「冷静になってください!あなたが今取るべき最善の手段は、無策で白金さんを助けに行くことではありません!!」
紗夜「神代さんの気持ちはわかります……ここにいる全員が同じ気持ちです」
紗夜「でも相手は神代さんをおびき出すために平気で人を拐うような頭のおかしな人間……!」
紗夜「これは確実に罠です。今、あなたが怒りのままに乗り込めば、白金さんだけじゃない……あなたまでどうなるか…………」
紗夜「最悪、殺されてしまうかもしれないんですよ!?」
真言「……それが何だよ」
今更命なんて……
真言「もううんざりなんだよ……俺の人生には、狂った奴らが多すぎる……」
あいつらはいつでもそうだ。俺の目の前にふらりと現れては、大事なものを奪っていく。
だから俺は……
真言「一人残らず消してやる……たとえ殺されることになってでも」
紗夜「白金さんとの約束を破ることになっても、ですか……?」
真言「…………もう、破っちまったんだよ」
俺はもう、「燐子先輩を守る」という約束を破ってしまった。
真言「どけよ……全部、終わらせてくるから」
紗夜「………………」
真言「どけって言ってんだよ!!」
紗夜「………………嫌です」
真言「…………っ!」
紗夜先輩の首に、俺は手をかけた。
また、約束を破った。
紗夜「あ……がっ…………!」
リサ「紗夜!」
真言「お前に……お前に何がわかる!!氷川 紗夜!!」
紗夜「も……もう…………あなたはひとりで……背負わなくてもいいんです…………!」
真言「……!」
紗夜「ただしくなくても……いい……!もうあなたのおとうさんも……おかあさんも…………もうそんなことのぞんでない……!!」
耐えきれなくなって、手を離す。
リサ「紗夜!大丈夫!?」
真言「………………」
紗夜「ごほっ……ま……まっ……て…………」
友希那「真言……あなたは…………!!!」
あこ「もう……やめて…………まっくん!!!」
真言「は……はは……」
もう、戻れないところまで来てしまった。
あいつらも。……そして俺も。
〜〜倉庫跡〜〜
真言「………………」
「約束通り一人で来たわね。えらいえらい」
燐子「………………」
「改めて、久しぶりね」
燐子先輩……今、そっちに……
「おっと、止まりなよ」
真言「…………っ!」
物陰に隠れていた男達に取り押さえられる。
真言「………………」
「あは♪ほんっとあんたってバカね」
そう広くはない倉庫内にざっと10から20人くらい。
全員が悪意に満ちた顔で笑っている。
「こいつらはあたしがお金で雇った人達……あ、知らなかった?あたしの家結構お金持ちなのよ?まぁ、弦巻家には負けるけど」
真言「おい」
「は?」
真言「今すぐ燐子先輩を解放しろ」
「……………ぷっ」
「アハハハハハハハハハ!!!!」
「随分と余裕があるのね化け物!あんた自分達がどういう状況にいるのかわかってないの?」
真言「さっさと離せ。そうすれば半殺しですましてやる。…………あの女以外は」
「な、何言ってんだこいつ……」
「いい!?あんたは今からこの女に一生消えない傷をつけられるところを、目の前で見届けるのよ!!!」
燐子「ん…………ここは…………」
真言「燐子先輩……!!」
燐子「真言くん……!?ここは……なんでわたし縛られて……」
「あらあらあら、おはよう御座います。燐子先輩?」
燐子「……!?あなたは……!」
「覚えてくれてましたか」
燐子「ここはどこ……!あなた……ここで一体何を……!」
「誕生日プレゼントですよ。あたしからの」
燐子「プレゼント…………?」
「良かったわね化け物。これで愛しの先輩が泣き叫ぶところを存分に見れるわよ?」
真言「っ……!てめぇ……………!」
「そう!そうよ!その顔よ!あたしはずっとその顔が見たかったの!!あんたにこの痣をつけられて、地面に踏みつけられたあの日からずっと!!!」
「今じゃあんたが地に伏してる!あたしはあんたの上にいる!!」
真言「イカレ女が…………!」
「あんたら、その女、好きにヤっていいわよ」
「へへっ、やっとだぜ……」
「いい女じゃねぇか……」
燐子「や……やめて……!来ないで……!!」
「暴れても無駄だぜ?大人しくしろよ」
殺してやる……絶対殺してやる…………!
「そこでよーーーく見てろ化け物!!あたしの恨みがどれだけ深いかを!あんたの大事なものが目の前でグチャグチャにされる所を!!!!!」
「あんたが正義のヒーローぶったあの日から!!こうなる事は約束されてたんだよ!!!!!アハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」
殺す……ころす…………あは……あはははは…………
燐子「真言くん………………」
燐子「たすけて…………………………」
俺の意識はそこで途絶えた。
真言『燐子先輩!』
何百回でもそう呼ぶから、
燐子『真言くん……』
何千回だってそう呼んでほしかった。
他の奴らからはどうでもいい。けれどあなたには……あなただけには、そう呼んでほしかった。
そう思うのはなぜだろう。
そう思い始めたのはいつからだろう。
「た、たすけて……たすけてくれぇ……!」
きっと、燐子先輩と約束を結んだあの時からだ。
『もう誰も傷つけないで』
そう言う先輩の目を、俺は今でも鮮明に覚えている。
他の奴らとは違う、綺麗で、優しくて、暖かくて、
「本物の……化け物…………!」
強い目だった。まるで母さんみたいな。
だから俺は先輩と約束を……いや、それは違うな。
あの時からすでに、俺は燐子先輩のことが好きだったんだろう。
こんなことを考えるのは……なんというか……ムズムズする。これが"恥ずかしい"ということなのだろうか?
何しろ恋愛というのを全く体験してきてないからわからないんだ。
「来るなあああああ!!!」
…………まぁ、多分違うのだろうけれど。
最近、燐子先輩に出会う前の俺のことを思い出せなくなってきている。
あの人に出会うまで、俺は何をして生きていたんだっけ?
じいちゃんや、兄貴や、母さん達と……俺は何をして……
「お願いします……ゆるしてくださいぃ……」
…………よく覚えていない。
まぁいい。どうせろくな過去じゃない。
傷つけて、傷ついて、奪われて、裏切られて…………
「あはははははははははははははは!!!!」
俺の人生なんて、燐子先輩がいなければゴミも同然だ。
もはやこの気持ちは恋じゃない。
これはただの依存だ。俺には燐子先輩しかいない。
「悪夢……悪夢よ……これは…………」
『真言くん……』
"愛"なんて純粋なものじゃない。そんな言葉、口にするのもおこがましい。
このイカれた女のおかげでようやくわかったよ。
俺は………………燐子先輩の側にいてはいけない。
俺には、大切な人と共にいる資格がない。
でも……もし許されるのならば一言だけ。一言だけでいいから…………あの人に言いたいこと……が…………
『真言くん……』
あぁ……燐子先輩……
燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩燐子先輩りんこせんぱいりんこせんぱいりんこせんぱいりんこせんぱいりんこせんぱいりんこせんぱいりんこせんぱいりんこせんぱいりんこせんぱいりんこせんぱい繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙○繧薙?縺繧翫s縺薙繧翫s縺■○繧薙■縺繧翫s縺■○繧薙?縺■翫s縺■○繧薙?■繧翫s縺薙○繧薙?縺■翫s縺薙○繧薙?■繧■s縺薙○繧薙?■繧翫s縺■○繧薙?縺■翫s縺■○繧薙?縺■翫s縺薙○繧薙?■繧翫s縺■○繧■?縺
真言「だいすきでしたよ……」
人間になるくらいに。
化け物に戻ってしまうくらいに。
両手を静かに横たわる最愛の人にへと伸ばしながら、
化け物は倒れた。
「なんてことだ……本当にこれを神代様一人で……!?」
「とにかく全員運べ!こころ様の恩人を殺人犯にしてはならない!!」
「いたぞ!神代様はあそこだ!」
「酷い怪我だ……これは生きてる……のか……?」
真言「ぁ"………」
「……!まだ意識があるぞ!」
「こころ様の恩人だ!決して死なせるな!」
「了解!」
真言「りんこ……せんぱい…………」
殺意を込めて。