監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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後編はライブ本番編!

「監視対象と約束された日々」の最終回!最後まで楽しんでください!!

それではどうぞ!!


Final."    "神代 真言(後編)

 〜〜【花咲川学園・ステージ袖】〜〜

 

 やはり文化祭の目玉行事ということで、体育館には大勢の観客が集まっていた。

 

 きっとほとんどが俺達……いや、俺以外のガールズバンドを見に来たのだろう。

 

有咲「緊張は?」

真言「…………ちょっと」

有咲「はぁ……まぁしゃあねぇか。初めて人前で、しかもトップバッターだしな」

日菜「え?真言くん緊張してるの?」

真言「まぁ……」

日菜「なんで?」

真言「いや、なんでって……こんな大勢の前で歌うのなんて初めてだから……ですかね」

日菜「……?真言くんって燐子ちゃん達の為に歌うんだよね?」

真言「そうですけど?」

 

日菜「じゃあさ、他の人なんて関係なくない?」

 

日菜「燐子ちゃんの為に歌うんだから、他のお客さんなんていないようなもんじゃない?」

真言「……………」

有咲「それはちょっと極論すぎる気が……」

真言「氷川さん、あんたやっぱり天才だわ」

有咲「嘘!?」

日菜「でしょ〜?」

真言「お陰でなんかスッキリしました!」

有咲「マジかよ……まぁそれでいいならいいけどさ……」

 

「有咲、神代くん」

 

真言「ん?」

有咲「お、沙綾」

沙綾「やっほー、神代くんは久しぶりだね」

 

 俺と有咲に声を掛けてきたのは、有咲と同じバンドメンバーの山吹さんだった。後ろに他のメンバー達も見える。

 

真言「お久しぶりです。山吹さん」

沙綾「…………」

真言「……何か?」

沙綾「神代くん、なんか雰囲気変わった?」

真言「スーツだからじゃないですかね」

沙綾「そうかな……でも似合ってるよ。その衣装」

真言「山吹さんも似合ってますよ。順番、俺達の次でしたっけ?」

沙綾「そうだよ」

 

 山吹さん達は水色とピンクの可愛らしいデザインの衣装に身を包んでいた。

 

真言「…………」

有咲「なんだよ?」

真言「お前、次あれ着るんだろ?」

有咲「似合わないって言いたいのか!?」

真言「違ぇよ…………」

 

 俺はそこまで失礼じゃねぇよ……どんだけ信用してねぇんだ。

 

真言「世話かけるなって思っただけだ。着替えるの大変だろ」

有咲「何を今更……言っとくけどなマコ、とも──」

ありさあああああ!!!

有咲「ぐはっ!?」

真言「!?」

 

 突如として山吹さんと同じ格好をした猫耳少女が有咲目掛けて突っ込んできた。

 

「この衣装すごいキラキラしててカッコいいよ有咲ー!最初緊張するかも知れないけどがんばって!!!」

有咲「暑苦しい!離れろ香澄ぃ!!」

 

 この猫耳のカスミとかいうやつ、どっかで見たことある気が……しなくもない気がする。

 

真言「仲いいんですね」

沙綾「うん、まあね」

「夫婦漫才ってやつだよ」

真言「(誰だこいつ……)」

有咲「ちげぇよ!!」

りみ「有咲ちゃん声大きいよ……」

 

 『ポッピンパーティー』だっけか。こころのとことはまた違った、掴めねぇ奴らだな……

 

沙綾「それにしても……そっちすごいメンバーだね」

真言「そうですか?」

沙綾「ポピパにアフグロ、ハロハピ、パスパレのメンバーがそれぞれ一人ずつじゃん」

有咲「あとRoseliaのボーカルの教え子な」

 

 俺の限られた交友関係を頼って結成したドリームチームですから。

 

沙綾「神代くん……君、一体何者なの?」

真言「そうですね…………」

 

 監視対象じゃない、神代 真言……

 

 

 

 

 

真言「"化け物じみた人間"ってとこでしょうか」

 

 

 

 

 

 

 そう言って、笑ってみせる。

 

 まるで化け物のように。まるで人間のように。

 

沙綾「…………?」

りみ「…………?」

有咲「……はっ。そりゃいいな」

真言「だろ?」

 

「Dearの皆さん、よろしくおねがいします」

 

真言「んじゃ、行ってきます」

有咲「ったく……そこで大人しく見てろよ!」

 

 

 

 

 

有咲「……マコ、さっき香澄のせいで言いそびれたやつだけどな」

 

有咲「友達からの頼みを、迷惑だって思うやつはここにはいねぇよ」

 

有咲「だから「迷惑かける」とか、もう言うなよ」

真言「…………ああ」

 

真言「行くぞ、有咲」

有咲「おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【花咲川学園・ステージ】〜〜

 

 観客の声が聞こえる。

 

「あれパスパレの日菜ちゃんじゃない?なんでドラムのとこにいるの?」

 

「アフグロのギターとポピパのキーボードもいるぞ」

 

「じゃあ、あのボーカルのやつ……誰だ?」

 

「Dearってバンド、俺初耳だよ」

 

 小さなつぶやきはやがて大きなざわめきとなり、会場を飲み込んでいく。

 

 メンバーへの声、これから起こることに期待する声、はたまた俺に向けられる疑念の声。

 

「おい、なんで始めねぇんだよ」

 

真言「うるせぇ……

 

 お前らなんかお呼びじゃない。

 

 俺が今から歌うのは…………

 

真言「いた」

 

 親愛なるRoselia(あなた達)のためだ。

 

モカ「よっと」

 

 その時、雷のような衝撃が体育館中に疾走った。

 

 センパイがギターを鳴らし、()()に一瞬にして静寂をもたらした。

 

モカ「準備かんりょ〜」

真言「退け」

 

 喰われたくなかったら大人しく道を開けろ。あの人への道を。

 

 そこは今から化け物が通るぜ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──怪物/YOASOBI──

 

真言「素晴らしき世界に今日も乾杯。街に飛び交う笑い声も、見て見ぬフリしてるだけの作りもんさ。気が触れそうだ──

 

 退け、退け。退け!

 

真言「──この世界で何ができるのか。僕には何ができるのか。ただその真っ黒な目から涙溢れ落ちないように

 

 こっから先は(化け物)の独壇場だ!

 

真言「願う未来に何度でもずっと、喰らいつく。この間違いだらけの世界の中、君には笑っていてほしいから

 

 誰にも邪魔させない!そこで黙って見てろ!!

 

「すごい…………カッコいい」

 

真言「もう誰も傷つけない!強く強くなりたいんだよ!僕が僕でいられるように

 

 頬を汗が伝う。自分の体温が上がっていくのがわかる。

 

真言「素晴らしき世界は今日も安泰。街に渦巻く悪い話も、知らない知らないフリして目を逸した……正気の沙汰じゃないな──

 

 それでも先走っていない。演奏は至って冷静。なら…………

 

真言「清く正しく生きること。誰も悲しませずに生きること。はみ出さず真っ直ぐに生きること。それが間違わないで生きること?

 

 燃え尽きるまで、歌い続けろ!

 

真言「ありのまま生きることが正義か?騙し騙し生きるのは正義か?僕のあるべき姿とはなんだ?本当の僕は何者なんだ?教えてくれよ!

 

 演奏の音が次第に静かになる。

 

 もう観客の雑音は聞こえてこない。もう観客は誰も見えていない。

 

 燐子先輩以外、今の俺には見えていない。

 

真言「今日も答えのない世界の中で、願ってるんだよ。不器用だけれど、いつまでも君とただ……

 

 見てますか燐子先輩。今、俺はあなたのためにここで仲間と一緒に歌っています。

 

 あなたに出会えたこの世界で、これからもずっとあなたと……

 

真言「笑っていたいから」

 

 俺の世界に、音が戻ってくる。

 

真言「跳ねる心臓が体揺らし叫ぶんだよ!今こそ動き出せ……!

 

 ここから始めよう……もう一度!

 

真言「弱い自分を何度でもずっと!喰らいつくす!この間違いだらけの世界の中、君には笑ってほしいから!

 

真言「もう誰も泣かないよう、強く強くなりたいんだよ!僕が僕でいられるように

 

 あの日、約束によって生かされた俺の命は終わりを告げた。

 

 それでも俺は……これからもあなたと、あなた達と生きていきたい!!

 

真言「ただ君を守るそのために!走る走る走るんだよ!僕の中の僕を超える!!

 

 演奏が、終わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「ハァ…………ハァ…………」

 

 出し切った。

 

 今持てる技術、体力、教えてもらったこと全てを。

 

真言「……………」

 

 振り向いて皆の顔を見るその前に、

 

ワ ア ア ア ア ア ア

 ア ア ア ア ア ア ア!!!

 

 割れんばかりの歓声が俺達を包み込んだ。

 

真言「みんな…………」

こころ「真言……!」

モカ「まだだよマコくん」

有咲「ほら、挨拶だよ挨拶」

 

 そうか、一応の体裁だけは整えなくては。

 

真言「ご清聴ありがとうございました!『Dear』でした!」

 

 初めてだ。

 

 人からの拍手がこれほどうるさく、嬉しく思ったのは。

 

有咲「ほら、すぐに端に避けろ!次もあるんだぞ!」

真言「あ、あぁ……」

 

 歌うのってこんな疲れることだっけか……?

 

日菜「はぁ〜楽しかった!」

こころ「えぇ!すっごく楽しく演奏できたわ!」

モカ「なかなかだったんじゃないですかリーダー?」

真言「そう……ですね…………」

モカ「だいぶお疲れのようだね〜」

日菜「歌ってる時の真言くん、すっっっごいるんっ♪って感じだったよ!」

こころ「今日の真言はとても輝いてたわ!」

真言「ははっ……なら良かった」

 

 確かに疲れたけど……それ以上に楽しかったのも事実だ。

 

 だから行かなくては。今すぐに。

 

こころ「真言?どこに行くの?」

 

 行って、伝えなくては。今のこの気持ちを。

 

燐子「真言くん……!」

真言「燐子先輩……」

 

 それにRoseliaの皆も…………丁度いい。手間が省けた。

 

真言「見て……くれました?」

紗夜「えぇ、この目でしっかりと」

あこ「カッコよかったよ!流石あこの弟子だね!」

真言「ありがとう……ございます……」

友希那「もうフラフラね」

真言「湊さん……」

友希那「あなた達の演奏、素晴らしかったわ。あなたの想いもしっかり伝わってきた」

リサ「友希那がここまで褒めるなんて……やっぱマコくんはスゴイね☆」

 

 やばい……なんかまた泣きそう……

 

燐子「…………」

真言「燐子先輩……」

燐子「真言くんはもう……大丈夫なんだね……」

真言「はい」

燐子「うん……よかった……本当によかった…………」

 

真言「燐子先輩、今までありがとうございました」

 

真言「そしてこれからも、どうか末永くよろしくおねがいします」

燐子「はい…………!」

 

 

 

 

 

あこ「なんか今の結婚の挨拶みたいだったね」

燐子「!?!??!!!///」

リサ「確かに。でももう二人は付き合ってるんだしね」

真言「あれ……なんで知ってるんですか」

友希那「あの後燐子から全て聞き出したわ」

真言「全て……?」

紗夜「その……神代さんと白金さんが…………その……」

 

友希那「あなたと燐子がキスをしたことも聞いたわ!」ドンッ!

 

燐子「こ、声が大きいですよ……友希那さん……///」

紗夜「神代さん、どうか高校生として節度のあるお付き合いの程を……」

真言「何言ってるんですか紗夜先輩……」

リサ「まあその辺にしておいて……マコくんももう疲れたでしょ?」

あこ「あとはあこ達にドーンと任せて!」

紗夜「今度は私達が神代さんに見せる番です」

真言「大人しく見させていただきますよ……もう、そんくらいの力しか残ってませんし」

 

 やったぜ。Roseliaの生演奏が聞けるね。

 

真言「じゃ、俺はこれで……」

友希那「真言、これを」

真言「……なんすかこの紙」

友希那「読めばわかるわ。というより読みなさい。今」

真言「…………………」ペラッ

 

 

 

 

 

真言「はぁ!?

 

 

 

 

 

友希那「あなたには必要の無いものかもしれないけれど、一応渡しておくわ」

真言「は、ちょ、まっ」

友希那「私達もそろそろ準備があるから早く出ていってくれないかしら。ここ、そんなに広くないのよ」

こころ「あたしもハロハピに行かなきゃ!」

モカ「モカちゃんもアフグロで準備があるのでこれで〜」

日菜「またね!真言くん!」

 

 全てを出し切った俺が、この人達に抗える力など持ち合わせているはずなど無く……

 

 大人しく追い出されるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【花咲川学園・観客席】〜〜

 

有咲「いやー終わった終わった……」

沙綾「お客さん大盛り上がりだね」

有咲「マコがトップバッターでかましてくれたからな。そこからずっと会場のテンションは最高潮なんだよ」

 

 私達が終わったあとも滞りなくライブは進んでいった。

 

有咲「次でラスト…………ってあれ?マコは?」

沙綾「神代くん?見てないけど……」

 

 いない……おかしいな。あいつがRoseliaのライブを見逃すなんてこと無いのに……

 

こころ「有咲ー!」

有咲「弦巻さん」

こころ「真言見てないかしら?」

有咲「いや、ここにはいないけど」

こころ「おかしいわ……真言、そろそろRoseliaの番なのにどこにもいないの!」

沙綾「最前列にいるんじゃ……」

有咲「それかステージ袖か」

 

 あいつならもっと近くで見てる可能性だって……

 

こころ「ううん、全部探してみたけどどこにもいないの!」

有咲「まさかあいつ……また何かあったんじゃ……!」

こころ「……!あたしもう少し探してくる!」

 

黒服A「その必要はありません」

 

沙綾「きゃ!」

有咲「うお!ビックリした!」

 

 急に背後から出てこないでくれよ!心臓に悪いから!

 

黒服A「神代様なら先程からあちらに」

 

 黒服さんが指を指した先には、会場の隅で、ステージ上に出てきたRoseliaに目もくれず、一心不乱に何かを読んでいる真言がいた。

 

有咲「あいつ……何やってんだ?」

こころ「あ、ステージ袖に入っていったわ!」

黒服A「恐らくRoseliaの演奏をご覧になった後には、お分かりになるかと」

有咲・こころ「「???」」

 

 黒服さんの行った通り、Roseliaの演奏が終わった後にマコが何をしていたか分かった。

 

友希那「どうもありがとう」

 

 ワアアアアアアア!!!!!

 

友希那「それじゃあもう一曲。あなた達、ついてこられるかしら」

 

 ワアアアアアアア!!!!!

 

あこ「ほら早く!」

 

有咲「…………!?」

こころ「ま…………!」

 

有咲「マコ!?」

こころ「真言!?」

 

「おいあいつ!一番最初に出てきたバンドのボーカルじゃねぇか!?」

「うおおおお!すげぇ!Roseliaと歌うのかよ!!」

「いいぞー!やれやれー!!」

 

有咲「な、なんかさらに盛り上がってる……」

黒服A「神代様は最初の演奏でこの場を支配するのに成功した様ですね」

沙綾「支配って……」

こころ「……とりあえず見守りましょうか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  〜〜【神代 真言】〜〜

 

 今、俺の目の前にRoseliaが立っている……しかもライブ衣装で。

 

真言「どうしてこんなことになった……」

 

 あの時、湊さんに渡された紙に書いてあった文面はこうだ。

 

友希那『Roseliaのライブが終わったらステージに上がってきなさい。私と真言のツインボーカルで一曲歌うことにしたから。パート分けを載せておくわ。歌詞は……いらないかもしれないけれど念の為に。歌う曲は──』

 

 ……無茶ぶりにも程があるというものだ。

 

紗夜「ほら、何をボサッとしてるんですか」

リサ「早くマイク持って!」

 

 今ここで文句をつらつらと連ねるとライブが終わってしまう気がするのでやめておこう。

 

真言「ああもう!やりゃあいいんでしょうが!!」

 

 今日は祭りだ。バカをやるなら最後までやらなければ。

 

 しかもあのRoseliaと一緒に歌えるなんて、よく考えればもう二度と無いことじゃないのか?

 

 ………………よくよく考えてみたら、ファンに刺されそうだな……

 

真言「湊さん!俺はいつでもやれますよ!!」

 

 こうなりゃヤケクソだ!っていうかまず刺されたくらいで俺が死ぬかよ!!文句あるやつは掛かってきやがれ!!!

 

友希那「それじゃあ…………行くわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──約束/Roselia──

 

友希那「誰にも譲れない居場所があるんだと

真言「逃げる言い訳を燃やすたび、強くなれた

 

 ……さっきは俺もああ言ったものの、これは湊さんなりの優しさなのだろう。

 

 それにしても選曲を「約束」にするとか……中々どうして、俺の周りには粋なことをする人達が多くて困る。

 

 もちろんだがRoseliaの歌の歌詞は全て頭に入っている。当然、この歌も。

 

友希那「陽だまりの中で満ちる

真言「シロツメクサはやがて、生まれ変わり

 

真言・友希那「「確かなものへ」」

 

真言・友希那「「進む道は幸せよりも、辛いことが多いかもね」」

 

 Roseliaが俺に合わせてくれているのが分かる。

 

 ああ……くそっ、なんて俺は…………

 

友希那「それでも

真言「いいんだよ

 

真言・友希那「「あなたの隣にいる」」

 

 なんて俺は……幸せ者なんだ。

 

真言・友希那「「約束の景色を胸に、強く息づかせて」」

 

真言「未来へ

友希那「続く

 

真言・友希那「「道を歩こう」」

 

真言「麗しい

友希那「玉座に輝く

真言「偉大な

友希那「その日まで……

 

真言・友希那「「終わらせない──」」

 

 自分で言うのもなんだが、ほとんど即興とは思えないほどの完成度だったのだが……

 

 歌の終盤、それは起きた。

 

 本来なら湊さんと姐さんが交互に歌うパート。それを俺と湊さんで交互に歌う…………はずだった。

 

真言「──甘い思い出、きらびやかに今、零れ落ちる幸せと

 

 あの光景を、俺は未来永劫、忘れることはないだろう。

 

真言「(湊さんが……マイクを下げた……!?)」

 

 どうなってるんだ!?湊さんが歌うのやめるなんて……それじゃあ次のパートは一体誰が…………

 

 

 

 

 

燐子「愛しい貴方……笑顔溢れる優しい風景

 

 

 

 

 

 

 そこでマイクを落とさなかったことを、俺は一生誇りに思う。

 

真言「目覚めていく

燐子「私をずっと……

真言「信じていて

燐子「最後まで…………

 

 

 

 

 

 『……約束だよ』

 

 

 

 

 

真言・燐子「「進む道は幸せよりも、辛いことが多いかもね」」

 

真言・燐子「「それでもいい、何度だって」」

 

真言・燐子「「運命を共にするよ」」

 

真言・燐子「「約束の景色を胸に、強く息づかせて」」

 

真言「未来へ

燐子「続く

 

真言・燐子「「道を歩く」」

 

友希那「麗しい

燐子「玉座で花開く

友希那「偉大な

真言「その日まで

 

真言・燐子・友希那「「終わらせない!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【ライブ終了後】〜〜

 

真言「おわったぁぁぁ…………」

燐子「真言くん……お疲れ様……」

 

 まさか一日に二回も歌うことになるとは思っても見なかったから…………もう流石に無理。

 

紗夜「実はこの後さらにアンコールが……」

友希那「さぁ行きましょうか」

真言「勘弁してください!!」

紗夜「ふふっ冗談です」

友希那「冗談よ」

 

 出たよRoseliaクール担当の伝統芸……流石に次は引っかからねぇからな!?

 

真言「ったく……湊さんも人が悪いですよね。燐子先輩と急にデュエットさせるなんて、事前に教えてくれれば良かったのに……」

友希那「ごめんなさい、少し真言を驚かせようと思って」

真言「"少し"じゃねぇんですよ。歌うの止めなかったの褒めてもらいたいくらいです」

燐子「ごめんね……」

真言「燐子先輩は謝らなくていいです!」

あこ「えぇ……」

リサ「やっぱり変わんないなーマコくんは」

真言「そうですよ?俺は変わんないです」

 

真言「変わったとしても、俺は俺のまま……神代 真言のままなんです」

 

真言「だからこそ、俺は何にだってなれる。監視対象だろうと、化け物だろうと」

 

真言「俺はそれを……貴方達から教えてもらいました」

 

 貴方達のお陰で、俺は本当の意味で救われた。

 

紗夜「それで?神代さん、次は何になるつもりなんですか?」

燐子「真言くん……確かもう監視対象じゃないんだっけ」

あこ「へー……じゃあ本格的に生徒会の役員になるとか?」

リサ「燐子達が卒業した後に生徒会長になるとかはどう?」

友希那「………………真言が?」

真言「なんですかその顔」

 

 でも、それだってありえない話ではない。

 

 いつの日か俺が花咲川学園の生徒会長になれる時が来るのかもしれない。

 

モカ『この世に"絶対"なんてことはないんだよ〜マコくん』

 

 いつかの意味ありげに笑うセンパイの顔が脳裏に浮かぶ。

 

 全くもって、あの人の言う通りだ。

 

 監視対象になって、化け物になって、バンドのボーカルになって、Roseliaと一緒にライブをして……

 

 大切な人を、愛することができた。

 

 次は何ができるようになるだろう?何になれるだろう?

 

「何にだってなれるさ」

 

真言「ん?」

燐子「どうかしたの……?」

真言「あ、いや、今声が……」

 

 気のせいか…………でも、

 

真言「……今の俺なら何にだってなれる気がします」

紗夜「いつも謙虚な神代さんにしては、随分と大きく出ましたね」

真言「本当にそんな気がするんですよ」

 

真言「だって俺には……こんなにも頼りになる人達がいるんですから」

 

 もう、一人で抱え込まない。

 

 辛いことも、楽しいことも、これからは分け合っていくって決めたから。

 

 「まだまだ騒がしい日常は続くのであった」というような具合に、この日々は終わることなく、続いていく。

 

 真っ白なキャンパスの様に、あるいは何も書かれていない楽譜のように、

 

 何にでもなれるまっさらな俺は、今日も明日も生きていく。

 

 この約束された日々を。

 

 親愛なるあなた達と共に。




本当に長かった……遂に遂に最終回まで……!
ここまで来られたのも読んでくれた皆様のおかげです……!

本当にありがとうございました!!!!!

この感謝の気持ちはまた活動報告で連ねるとして……改めて、「監視対象と約束された日々」これにて完結です!

お気に入り登録をしてくださった皆様、評価をつけてくださった皆様、全ての方にもう一度感謝を!

高評価や感想をいただけると作者のモチベーションが上がるので……是非お願いします!(好評だったら後日談を投稿するかも……?)

作者のTwitterも良ければフォローしてください!真言くん達のちょっとした小噺を載せたり、次回作を書くときに何らかのツイートをしますので!

まだまだ話し足りませんが、ここらで切り上げるとしましょうか。

それでは皆様、またいつか。どこかの物語の中でお会いしましょう!

砂糖のカタマリでした!

Twitter→https://twitter.com/amatoo_coco?s=09
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