監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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ここから先はただのコラボ回の後日談のような物だぜ?

この前コラボさせていただいたユイトアクエリア様の「ロゼリアートオンライン」の後日談というかもはや蛇足の話です。

⚠今回はクロスオーバー要素を多いに含んでおります。苦手な方はブラウザバック推奨です。

それではどうぞ。


おまけ編
Ex.崩れ行く城とネクロマンサー


 思えば俺の今回の異世界に関するゴタゴタは、最初から最後まで俺の一人芝居のような、誰かの一人芝居につきあわされていたような、そんな話だった。

 

Yuito「誰かの一人芝居にお前が入ったらそれは一人芝居じゃねぇだろ」

 

 そう俺に毒づく男も、俺の目の前にいるようで、実際にはそこに存在していない。

 

 全く……頭の悪い俺には難しすぎるぜ。

 

 これはゲームであってただの遊びである物語の……やっぱり蛇足感が否めない後日談だ。

 

 始まりは俺の世界から。

 

 〜〜【NFO内・はじまりの街】〜〜

 

mako「あれもダメ……こっちも今ひとつ……うーん……」

RinRin「どう?良いのは見つかった(・∀・)?」

mako「いや、全然駄目です」

RinRin「そっか……(─.─||)」

mako「やっぱりそう簡単には見つからないみたいですね……」

 

 今俺と燐子先輩が何をしているのかというと、はじまりの街の武器屋を転々とハシゴしている。

 

 お目当てはただ一つ。

 

 俺の武器を見つけること。

 

mako「結構良い武器だったんですね。あの斧」

RinRin「フィールドボスのドロップアイテムだからね⊂(・▽・⊂)同じ性能の武器となるとやっぱり……」

mako「そこらの武器屋には売ってないですよね」

RinRin「うん……(─.─||)」

mako「はぁ……結構気に入ってたんだけどなぁ……」

 

 俺の愛武器、【ソウルミノタウルスの斧】はとある戦いで粉々に砕け散ってしまった。

 

 あの……謎の剣士との戦い。

 

 ただのゲームのはずなのに、まるで命が懸かっているような戦いだった。

 

 俺は今でも、忘れられずにいる。

 

 あの戦い以来、俺は代わりになる武器を見つけられず、素手で戦う俺を見かねて燐子先輩がこうして武器探しに付き合ってくれているのだ。ありがたい。

 

mako「そういえばあいつ、Yuitoは元気にしてるんですか?」

RinRin「…………」

mako「燐子先輩?どうかしました?」

RinRin「あのね……真言くん……」

mako「はい?」

RinRin「真言くんはあの戦いを……どのくらいはっきり覚えてる……?」

mako「どのくらいって……どういう意味ですか?」

RinRin「…………よく、覚えてないの」

 

RinRin「真言くんとあこちゃんと一緒に戦ったことは覚えてる……けどなんでそうなったのかとか……わたし達が戦った人のことも……」

 

mako「な…………」

 

 覚えてない……?Yuitoの事を?

 

mako「(いや、覚えてないというより"忘れかけている"と言ったほうがしっくりくる感じだな)」

 

 あの戦いの後、正確に言えばあいつのHPが0になった直後にYuitoは青色のポリゴンとなり、空に消えていった。

 

 他にも気になる点はいくつもある。戦いの最中、あいつが使っていた技はNFO内じゃ見たことないものばかりだった。戦う前のあいつの雰囲気も、普通の人のそれとは大きく異なっていた。

 

mako「(……別世界)」

 

 俺の推測では、あいつはこことは違う……どこか別の世界から来た人間。

 

 信じられないかもしれないが、俺は一度別世界に行っている。その時に知り合ったやつとYuitoの雰囲気はよく似ていた。

 

 別世界については俺もよく知らない。あの弦巻家ですら完全に解明できていない現象だ。

 

 でも一つだけ分かってることがある。

 

 別世界から来た人間が、その世界に必ずなんらかの不具合をもたらすということ。

 

 俺が睦月の世界に行ったときには"向こうの世界"の燐子先輩と紗夜先輩は"こっちの世界"の二人の記憶に引っ張られていた。

 

 進行形で、引っ張られていった。

 

 そして月城 睦月という人間の消失。

 

 もしYuitoが俺の推測通り別世界から来た人間なのだとしたら、今回あいつが起こした不具合は「自分に関する記憶の消失」。

 

mako「………………やめよ」

RinRin「(・・?」

 

 ゴチャゴチャ考えても俺がどうこうできる話じゃないしな!

 

mako「まあYuitoの事は置いときましょう。今はとりあえず俺の武器の代わりを」

RinRin「そうだよね…………わたしに一つ案があるんだけど……」

mako「聞かせてください!」

RinRin「またあの洞窟に取りに行くのはどうかな?フィールドボスを倒してもう一回ドロップを狙うのは……」

mako「うーん……またあいつとやるんですか……」

 

 あの斧は名前の通り、ソウルミノタウロスというフィールドボスを倒したときにドロップした武器だ。

 

mako「フィールドボスなだけあってそこそこ苦戦しましたからね……俺死にましたし」

RinRin「うん……でも今のわたし達なら何とかなると思うよ\(◎o◎)/」

mako「今の所それ以外に方法ないみたいですし、攻略するならまたみんなで時間あるときにやりましょう!」

RinRin「( ´∀`)bグッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【神代家】〜〜

 

真言「ふー……代わりの武器か…………」

 

 NFOをやっていたパソコンから目を離し、大きく伸びをする。

 

 NFOには武器ももちろんあるが、魔法関連の道具もそれなりにある。

 

 魔法関係の道具をほとんど使っていない俺からすればちょっとややこしく感じてしまう。

 

真言「はーあ、いっそ剣とかの武器ばっかある世界だったらなぁ…………」

 

 

 

 〘繧ォ繝翫お繝ォ〙

 

 

 

真言「ん?」

 

 今、俺の後ろから声が聞こえて……

 

真言「…………………は?」

 

 振り返るとそこには俺の背丈を大きく越す、見覚えのある頭と目があった。

 

 見覚えのある、大きな真っ黒い()()()

 

真言「ムクロノカ──

 

 俺が臨戦態勢に入るより早く、突如として現れたムクロノカミの頭部は、

 

 俺を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

mako「ん…………ここは……?」

 

 目覚めると俺は見渡す限りの平原に倒れていた。

 

mako「え、平原?」

 

 なんだ?何が起こってんだ???

 

mako「ここは現実……なのか?」

 

 手に触れる草の感覚、眩しい日差し、飛んでいるドラゴン、全てが現実と同じように……!?

 

mako「ドラ……!?え!?」

 

 それだけでなく、よく見ると俺の周りにはイノシシのような奴らもいた。

 

mako「…………ゲームの中?」

 

 視界の端に映るのは緑色のHPバーのような物と【mako】というユーザーネーム。

 

mako「NFO……?でもこの体は……間違いなく俺の体だ」

 

 一体何がどうなってんだ……?俺は確か自分の家でNFOをやってて……それから…………

 

mako「なんで家にムクロノカミがいたんだよ……」

 

 俺は食われた。

 

mako「とりあえず誰かに助けを……ってあれ?スマホがない!」

 

 ってかこの格好、NFOの俺の装備じゃねぇか!

 

mako「まさに今の俺は"mako"って訳か……」

 

 これじゃ弦巻 こころ(なんでもあり)に頼ることもできない……どうしよう?

 

mako「周りのイノシシ達も敵じゃないみたいだし……この草原気持ちいいなぁ…………」

 

 まるで花咲川の中庭みたいだ……

 

mako「もうちょっとここで考えるか…………」

 

 ゴロンと再び横になり、目が覚めたら全部ただの夢でしたなんて事を思い描きながら、俺は目を閉じる。

 

「………………」

mako「…………人の寝顔をジロジロ見てんじゃねぇよ」

「驚いたな、目を閉じていてもわかるのか」

mako「普通だろ。でお前誰だ?」

「それはこちらのセリフなのだがな」

 

 寝ている俺の顔を覗きこんでいたのは、白衣を着たおっさんだった。

 

mako「(イノシシ、ドラゴンの次はおっさんかよ……なんか調子狂うな……)」

「人に名を聞くときはまず自分から名乗ったらどうだね」

mako「…………makoだ。小文字でm,a,k,o」

「mako……?」

 

 白衣のおっさんは左手を宙に向かって降ると、何もなかった空間に白いウィンドウが出現した。

 

mako「!?あんた今何を」

「…………やはりいない、か」

mako「は?」

「mako君、もともと君はこの世界にいた人間ではないだろう?」

mako「!」

 

 こいつ……俺が別世界から来たことを知ってんのか……?

 

「君は一体どこから来たんだ?」

mako「……いろいろあって気づいたらここにいたんだ。あんた何かわかるか?」

「ふむ…………いや、皆目検討もつかない」

 

 両手を白衣のポケットに突っ込んだまま、おっさんは続ける。

 

「ただ、どうやら君はこの世界にとってイレギュラーな存在のようだ」

「見る限りここが何処なのかもわかっていないし、リストにも名前がない。このタイミングでここにいることが何よりの証拠だ」

mako「このタイミング?」

「後ろを見ればわかる」

mako「後ろ…………な!?」

 

 さっきまで草原が広がっていた場所は、跡形もなく綺麗に崩れ去っていた。

 

 残されていたのは永遠に広がる夕焼けの空。

 

mako「ここ……空に浮いてんのか……?」

「そんな所にいると落ちてしまうぞ」

mako「あんた一体何者なんだ?それにここ……ゲームみたいな世界なのに現実と同じ感覚がするのは……」

「歩きながら話そうか。いずれ第一層(ここ)も完全に崩れる」

mako「あ、おい待てよ!」

 

 歩き出したおっさんに急いでついていく。背後から何かが崩れていく音が聞こえたような気がしたが、怖いので後ろは振り返らないようにした。

 

 どこかに向かって歩きながら、おっさんはこの世界について話してくれた。

 

「ここは空中城《アインクラッド》。100層からなる、文字通り空に浮いた城だ」

mako「それは……現実世界ってことか?この世界ではここが現実世界なのか?」

「フッ、奇妙な質問だな。だがその問への答えはNOということになる」

mako「え、じゃあここは……」

「バーチャル空間。正確に言うならソードアート・オンラインというVRゲームの世界だ」

mako「VRゲーム!?こんなにリアルなのにか!?」

「ああ。このゲームのプレイヤーは現実世界でナーブギアという特殊な機械を用い、こちらの世界にダイブする」

mako「はへぇ……」

 

 どうやら俺は元いた世界よりも、だいぶ近未来に来てしまったようだ。

 

mako「で、なんでそのアインクラッドってやつはこんなに壊れてんだ?」

「それはこのゲームがクリアされたからだ」

mako「クリアされたら全部消えちまうのか?」

「そうプログラムしてある」

mako「なんか……もったいないな。こんなに綺麗なのに」

「綺麗……か。彼らからすれば忌まわしい景色だろうがな」

mako「彼ら?」

「このゲームのプレイヤー達だよ」

mako「……そういえばそのプレイヤー達はどこ行っちまったんだよ。かれこれ何層か登ってきたのにどの街にも誰一人いないぜ?」

「彼らはログアウトしたよ。やっとな」

mako「ふーん…………?」

 

 このおっさんはどうしてこんなにこの世界に詳しいのだろう?プレイヤーって感じでもないし……制作関係者ってとこか?

 

「……mako君」

mako「あ?」

「君は『Kirito』という名前を聞いたことはあるかね?」

mako「きりと?いや聞いたことねぇな」

「そうか」

mako「あ、でもYuitoなら知ってるぞ」

「!」

mako「…………まさか」

「ああ、そのYuitoというプレイヤーは確かに存在していた」

mako「()()()()()()?」

「…………そんな恐ろしい目で見ないでくれ。彼もまた、無事にログアウトしたよ」

mako「含みをもたせるような言い方しないでくれよ」

「君も、今にも襲いかかってきそうな目だったぞ」

 

 だって……Yuitoが死んだみたいな言い方するから……

 

mako「まあいいや。それより聞かせてくれよ、Yuitoのこと」

「………………悪いがその話は後でになりそうだ」

 

 様々な大広間を抜け、その奥に続く階段を登ること75回。

 

 歩き続けていたおっさんの足が突然止まった。

 

mako「……?おい、どうし…………」

 

 大門の先の大広間。円形のフィールドの上に、"そいつ"はいた。

 

「mako君、あれは君の知り合いか?」

mako「おいおい…………冗談キツイぜ」

 

 上半身だけの真っ黒な骨格標本。しかもフィールドから直に生えてる。

 

 本日2回目のご登場だ。

 

mako「ムクロノカミ。こっちのゲームで使ってる俺の……使い魔みたいなやつだ」

「それでその使い魔がここにいる理由は?」

mako「俺が知るかよ……俺はこいつに食われて気づいたらあの草原に寝てたんだ」

「なるほど……あれは君と同じ、崩れ行くこの世界に紛れ込んだ一種のバグということか」

mako「そういうことになる……のか?」

 

 ったく……ムクロノカミ出現の条件は達成してねぇのに……なんで勝手に出てくるかな!?

 

「このまま放っておいてもいいが……どうやらこの先に行くには倒すしかないようだな」

mako「倒す?おっさんが?」

「生憎私は既に死んでいる。自分で処理してくれ。あれは君のだろう?」

mako「はぁ!?」

「別に私は構わないが……このままだと君はアインクラッドの崩壊に巻き込まれ、その後どうなるか分からない」

mako「確かにそれはそうだけど……てかあんたさっき死んでるって言わなかった?」

「この先に行くことができなかったら、君は元の世界に帰ってこられる保証はないんだぞ?それが嫌なら自分でどかすんだな」

mako「この先って、そういえば俺達はどこに向かってたんだよ?」

「アインクラッドの頂上、第100層《紅玉宮》だ」

mako「…………わかったよ。倒しゃいいんだろ」

 

 幸いあいつはこっちに敵対して無いみたいだし……こっから遠距離魔法でチクチク攻めればなんとか……

 

mako「螳壼多縺ョ蜀?腸繧んなぁ!?」

「今のは……」

mako「嘘だろ!?ここ魔法使えないのかよ!!」

()()()アート・オンラインだからな。魔法なんてシステムは存在していない」

 

 なら直接叩くしか…………俺素手だけど!?

 

mako「素手でもやれないことは……ん?」

 

mako「フィールドの上に何か………………剣?」

 

「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!!!!!!」

 

mako「うるせぇええええ!!!」

 

 断末魔をあげるムクロノカミ。こちらを攻撃する意図はないのか、それともこちらまで攻撃が届かないのか、どちらにしろ無策で飛び込むのは危険だ。

 

mako「おいおっさん、あいつの周りに散らばってる武器は使っていいんだよな」

「好きにしたまえ」

mako「よし来た」

「あまり時間は無いぞ」

 

 おっさんの忠告を背に、俺はムクロノカミに向かって駆け出す。

 

 まるでボス戦のようなフィールドを。一直線に。

 

「アアアアアアア!!!!」

mako「ッ!!」

 

 そして散乱している武器を掴むとほぼ同時に、ムクロノカミの射程範囲内に入ったようだった。

 

 振り下ろされる黒い手を、武器を拾いながら間一髪で避ける!

 

mako「っぶねぇ……〘セイサイ〙か」

「ア……アア…………」

 

 でも武器はゲットできた。俺の得意な斧じゃないけどこの際文句を言ってる暇はない。

 

mako「片手用直剣か……あんまり使ったこと無いんだけどな」

 

 俺が咄嗟に掴んだのは黒い片手用直剣。フォルムといい重量といい悪くない。

 

mako「でもこれじゃ…………っ!?」

「アアアアア!!!」

mako「こいつ……!!」

 

 フィールドから生えている上半身を乗り出してこちらに〘セイサイ〙を繰り出し続けるムクロノカミ。

 

mako「クソ!!リーチが足りねぇ!!」

 

 しかも正面から受けれないからいなすだけで精一杯だ……!

 

mako「……!これでもくらいやがれ骨野郎!!」

 

 咄嗟に地面に落ちていたレイピアをムクロノカミに向かって蹴り飛ばす!

 

「ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!」

「ほう、運良く頭部に刺さったな」

mako「おっさん!あんた見てるだけかよ!!」

 

アアア

mako「がッ……!!」

 

 振り下ろされた攻撃がガードの上から突き刺さる!

 

mako「重すぎだろッ……!?」

 

 堪らずその場から距離を取る。でも逃げてばかりじゃそこを通れねぇぞ……?

 

mako「どうする…………」

「ア"ア"…………ア"ア"ア"………!!」

mako「……?何が起きてる………………んだ?」

 

 突如呻き始めたムクロノカミ。まだろくにダメージを入れられていないのに苦しそうってどういうこと?

 

mako「え、いや、は?」

 

 メキメキと音を立てて、体を地面から引き抜く……

 

mako「引き抜……え!?」

 

 地面から出てきたのは、まるでムカデの足ような巨大な肋骨の連なりだった。

 

mako「な、なんだよこれ!!!気持ちわる!!!!!」

「mako君」

mako「あ!?」

「どうやらそいつは君の知っている"ムクロノカミ"というものとは少し違うらしい」

mako「どういう事か説明し──」

「シュー……シュー…………」

mako「……両手が鎌になったんですけど。てかムカデ足が生えたってことは…………」

 

アアアアアア

 

mako「やっぱこっち来たあああああ!!!!!」

 

 何こいつ!速いんですけど!!

 

「そいつのその姿は今我々がいる75層のフロアボスの姿と酷似している。推測するにここに残っていたフロアボスのプログラムが君が……君とムクロノカミが来たことによって、ムクロノカミのデータと融合しバグを発生させたという訳だ」

 

mako「今その説明いるか!?まずこの状況を何とかしてくれよ!!」

「と言われても今の私にできる事は……ここにあるアイテムプログラムに干渉して武器を作ることくらいだが」

mako「やってくれ!!斧!!でかい斧を頼む!!」

「了解した」

アアアアアア

 

 重すぎる連撃を躱し──

 

mako「──きれねぇ!!」

 

 実際さっきからガンガンHPゲージが削れていっている。これ、HPが0になったらどうなるんだ……?

 

mako「このイカす剣一本じゃどうにもならねぇ!!おっさん早く!!」

「……………その『おっさん』というのはやめてくれないか」

mako「おっさんはおっさんだろうが!!」

「できたぞ。受け取れ」

mako「ありがとよ!!!」

 

 おっさんから飛んでくる斧を空中でキャッチする!

 

mako「これ…………」

「ここにあった私の武器を改良して作った斧だ。存分に使うがいい」

 

 血のように真っ赤な赤い柄に、真っ白な盾が横にくっついた様な刃。その刃には柄と同じくらい真っ赤な十字架があしらわれているバトルアックス……

 

mako「いいな……これ」

アアア

mako「よし……じゃあ早速」

 

mako「てめぇはいい加減大人しくしてやがれ!!!

アアアアアアア

「驚いたな……あの大きさの斧を軽々と……」

 

mako「俺と一緒にNFOに帰れやああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

mako「ハァ……ハァ……」

 

 おっさんから貰った斧を振り下ろし続けてどれくらい経っただろう。

 

 遂にムクロノカミ(?)は倒れて動かなくなった。

 

mako「おい、もう通れるみたいだぞ」

「流石は"騎士王"の友人だな」

mako「は?」

「いや、何でもない。それより急ごう。アインクラッドの崩壊がそこまで迫っている」

 

 その後は特に何もなく目的地の第100層までたどり着くことができた。

 

mako「ふー……で、ここに俺を元の世界に帰す方法はあるのかよ」

 

 紅玉宮、その名の通り赤い空が広がるアインクラッドの頂上はとても幻想的で、ここも崩れてしまうと思うとやっぱりもったいない気がした。

 

「ああ、おそらくは」

mako「…………大丈夫かよ」

「君があのムクロノカミ……いや《The Skullreaper》の残留思念とでも言おうか、ともかくソレを入り口としてこの世界にやってきた。入り口があるならば出口もある」

mako「そういうもん?」

「そういうものだ」

 

 じゃあその出口ってやつがこの紅玉宮ってことになる……のか?

 

「やはりな」

mako「え?」

 

 おっさんが紅玉宮の扉に触れると、不自然なほどバカでかいその扉が音を立てて開き始めた。

 

 中からは眩しい光がこちらを照らしている。

 

「ここを通ればおそらく元の世界に戻れるだろう」

mako「ちょっと心配だけど…………おっさん、ここまで連れてきてくれてありがとな。それとこの斧も」

「構わないさ。私も中々楽しめた」

 

 そう言って微笑むおっさんは、どこか哀愁めいた雰囲気を纏っていた。

 

mako「……おっさんはこれからどうするんだ?やっぱりこの世界からログアウトするのか?」

「そうだな……私にはまだ会わなければならない人がいるんでな」

 

「会って、最後に一言……『おめでとう』をまだ伝えていない」

 

mako「……?」

「フッ、君が気にする必要はない」

mako「……ならいいや。それじゃあな。おっさん」

 

 あれ……俺おっさんに何か聞きたいことがあったような……

 

mako「……あ!Yuitoのこと聞くの忘れた!!」

「君は忙しいやつだな……それについても問題はない。そこを通れば分かるさ」

mako「……よく分かんねぇけど、分かった」

mako「そういえばおっさん、名前は?」

「名前?」

mako「あるだろ名前くらい。俺はmako。向こうの世界じゃネクロマンサーやってる」

「……ならば私の名はHeathcliff。血盟騎士団の団長をやっていた」

mako「ヒースクリフ……」

 

 今、俺の目の前に立っている白衣のおっさんも、もっと違う姿……それこそファンタジーの世界の住人の様な姿で、この世界に生きていたのだろうか。

 

mako「じゃあ。またなヒースクリフ」

「…………あぁ」

 

 ヒースクリフのおっさんに別れを告げ、光り輝く扉の向こうへ歩き出した。

 

 

 

 

 

「『()()()』か……最後まで不思議な男だったな」

 

「さてそろそろ私も行くか……」

 

「……また、どこかで会おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

mako「………………」

 

 紅玉宮の扉をくぐった俺は、呆然とその場で立ち尽くしてしていた。

 

mako「…………ここどこだよ」

 

 扉の向こうに広がっていたのは真っ白な何もない空間だった。

 

mako「はぁ……どうするかなぁ……」

Yuito「よっ」

mako「なんだ、誰かと思ったらお前かよ………………」

 

mako「Yuito(お前)かよ!!

 

 は!?なんでお前こんなとこいんだよ!!

 

Yuito「なんでって言われてもな……てかここにいる俺、本物のYuitoじゃねぇし」

mako「…………?」

Yuito「この世界に残っていたYuitoってプレイヤーのデータの残りカス……いわば残留思念みたいなもんだ」

 

 そうYuitoは俺に告げる。

 

mako「せっかく出てきて説明してくれたのに悪いが今日の俺はもうキャパオーバーだ。これ以上は頭が回んねぇ」

Yuito「はっ、ヒースクリフとの散歩がだいぶこたえたらしいな」

mako「まぁな……」

 

 思わず真っ白な部屋の中央(?)で寝っ転がる。

 

mako「つかれたー……燐子先輩がたりねぇ……」

Yuito「意味分かんねぇこと言ってんじゃねぇよ」

mako「てか俺ちゃんと帰れるんだろうな?」

Yuito「さぁ……って言ったら?」

mako「ここぶっ壊してでも出てく」

Yuito「相変わらずバイオレンスな思考してんなぁ……」

 

 こんな何もない空間にいつまでも居られるかよ……今すぐにぶち壊しまわってやろうか。

 

Yuito「安心しろ。お前が通ってきた扉を抜ければ元の世界に帰れるさ」

mako「なら良い…………なら早速行くわ」

Yuito「もう、か?」

mako「……お前、気づいてないかもしれねぇけどよ」

 

mako「もう、ほとんど実体ないぜ?」

 

 この短い会話の最中、Yuitoの体はどんどん消えていっている。

 

 やはり俺が他の世界に干渉しすぎるのは危険なようだ。

 

Yuito「別にお前のせいじゃねぇよ。言ったろ?今ここにいる俺は残留思念だって」

mako「だとしてもここは俺の世界じゃねぇんだ。何が起こるか……」

Yuito「それもそうだな……現にお前もなんか色薄くなってんぞ?」

mako「なんだよ、さっきの仕返しか?」

Yuito「いや、マジで」

mako「……………」

 

 言うまでもなく大急ぎで出て行った。

 

Yuito「じゃあな。またどこかで」

mako「……おお。またどこかで」

 

 そうして終わりはあいつの世界で。

 

 ただの後日談というか、あの世界から俺に向けての報酬のような物語。

 

 Congratulations…




やたら長いし、全然コラボ相手の主人公出てこなかったですねぇ……ホントに申し訳ございませんでした。

おまけ編はこんな感じで書きたいもの書いていきます。

ユイトアクエリア様「ロゼリアートオンライン」→https://syosetu.org/novel/262278/
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