監視対象と約束された日々【完結】   作:砂糖ノ塊

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え?R18?ちょっと知らない子ですね……
タイトル通り今回はいつもよりちょっとだけメタい世界です!

ちなみに今回もまた新しい試みをしています。もう監視対象を実験台として使っているという……

あとがきにお知らせがあるのでそれも読んでいただけると幸いです。

それでは本編、どうぞ。



Ex.Meta tryangle

真言「ったく、こころのやつ……せっかくの休日に一体何の用だってんだ……」

 

 某月某日、神代 真言は友人の弦巻 こころ(マッドサイエンティスト)に呼び出され、彼女の住む自宅を訪れていた。

 

真言「どうせまたろくな要件じゃないんだろうけど……」

 

 こころから送られてきた写真を確認する真言。

 

 そこには笑顔で自撮りをする弦巻 こころ本人と後ろにRoselia一向が勢ぞろいしていた。

 

 どうやらお茶会らしきものを開催しているということが写真から察することができる。

 

真言「皆で楽しそうに菓子食ってるってことは事件性は無いみたいだけど……この写真だけ送られてきても何が何だかわかんねぇよ」

 

 とまあ少し心配になって弦巻邸にやってきたのであった。

 

 Roseliaが、というより愛しの燐子先輩がヤバい友人との家にいると知って会いに行かない男ではないのである。

 

真言「てか燐子先輩の前に"愛しの"ってつける風潮マジで何なんだよ。最近流行ってんの?」

 

 三人称視点の語りに向かって質問するとは何ともナンセンスな男である。さっさと弦巻邸に乗り込んで物語を進めてほしいものだ。

 

真言「へいへい。悪かったよ」

 

 そうして勇者真言は愛しの燐子先輩を救い出すため、一人孤独に敵城に乗り込むのであった……

 

真言「変なナレーションつけんな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜【弦巻家】〜〜

 

真言「…………おかしい」

 

 真言が最初に異変に気づいたのは弦巻家の敷地に足を踏み入れた瞬間だった。

 

 普段なら事情を把握している黒服の人間が出迎えてくれるはず、もしそうでなくてもアポも取らずにやってきたこの男を呼び止めるだろう。

 

 しかし、真言の見える範囲に人は一人もいなかった。

 

真言「…………」

 

 不審に思いながらも入り口までやってきた真言。

 

 見ると扉が少し開いている。

 

真言「おいおい、不用心すぎだろ……」

 

 扉から内を覗き込んでみるがやはり人っ子一人いない。

 

 普通の高校生の家の約100倍(当社比)の広さの弦巻家が不気味なほどに静かなのだから、普通より更に不気味な光景であることは間違いないだろう。

 

真言「黒服さーん?こころー?誰もいないのかー?」

 

 呼びかけてみるがやはり返答はない。

 

真言「(もしも……いやまぁ絶対に無いだろうけど、弦巻家が何者かに襲われて、今もぬけの殻になっているのだとしたら……)」

 

真言「行くしかねぇよな」

 

 例え「もしも」の話でも、自分の大切な人達が危険な目に合っている可能性があるのならば、神代 真言は危険に踏み込むことを躊躇しない。

 

真言「てか普通にこれも何かの実験の一部だろ……」

 

 実際、弦巻家を敵に回すということは即ち死と同義である。

 

 以前こころを拐わせたバカな女がいたが、黒服達と……というよりほとんど真言の活躍により現在では警察病院で寝たきりとなっている。

 

真言「おじゃましますよー……」

 

 ある程度警戒しながら家の中を進んでいく。

 

 そうして一般家庭で言うところのリビングに通じる扉の前までやってきた真言。

 

真言「ん……?なんだこれ?指紋認証?」

 

 扉には指紋認証用と思われる台が設置されていた。どうやらここに手をかざさなければ扉は開かないようになっているらしい。

 

真言「…………てい」

 

 ピッという機械音とともに扉が自動的に開いた。

 

「俺のでいいのかよ…………え?」

 

 扉が開き、そこに広がっていたのはいつもの弦巻家のリビングではなかった。

 

 真っ白な空間。その中央に設置された同じく真っ白な三角形のテーブルと三脚の椅子。そして……

 

「燐子先輩!?それにRoseliaの皆も!」

燐子「あ……真言くん……?」

紗夜「やはり来ましたね」

 

 中央のテーブルとは離れた場所に設置された真っ白なソファの上にRoseliaの5人が鎮座していた。

 

友希那「えぇ……でもその様子だと何も知らないようね」

「え?」

リサ「アタシたちこころに誘われてこの家に遊びに来たんだけど……」

あこ「いきなりこの部屋に通されたままずーーっと待ってたんだ!ねぇ、今から何が始まるの?」

「俺もこころから急にメールが送られてきて、何がなんだか……」

紗夜「おそらく私達は神代さんをおびき寄せるための餌だったようですね」

「餌って……」

紗夜「その証拠にほら」

 

 紗夜が指を指した方向は先程真言が入ってきたこの部屋の入口……があったはずの壁だった。

 

「入り口が……消えてる」

燐子「真言くんが来る前はちゃんとあったよ……」

友希那「ということはやはり弦巻さんの目的は真言ということね」

「何する気なんだよマジで……」

あこ「とりあえず座ったら?ほら、あそこに椅子があるよ?」

「あそこにって……あのめっちゃ怪しい机のとこにですか?」

あこ「うん」

「…………」

リサ「うわーすっごく嫌そう」

「あんないかにもなとこに座りたいやつなんていないですよ……」

燐子「…………真言くん」

「はい?どうかしました?」

燐子「真言くん…………だよね……?」

「?はい、真言ですけど……」

燐子「ううん……!なんでもない……気にしないで……!」

 

 こころの目的と燐子の言葉を疑問に思いながら言われた通り椅子に座ろうと机に向かったとき──

 

「チッ……せっかくの休日だってのにこんなとこに呼び出しやがって……いつになったらうちのボスは俺を開放し………………てぇ!?」

 

 唐突に現れた別の入口から入ってきた男と視線がかち合う。

 

紗夜「あの人は……」

友希那「黒いスーツ……サングラスはしていないけれど、弦巻家の黒服の人かしら?」

燐子「(心なしか誰かに似ているような……?)」

「おいおい……まさかあそこにいるのって……」

あこ「なんかあの人こっち見てるよ?」

「おいあんた、何見てんだよ」

リサ「ちょ、マコくん!」

紗夜「なぜあなたはそういつも喧嘩腰なんですか!?」

「てことはあの目つき悪いのは…………嘘だろおい!」

 

 真言達の方を指差し驚いた顔を見せる謎の男。そして当然のように警戒心マックスの真言。機嫌最悪である。

 

「あ?」

「はーっ、まじかよ……やりやがったなあんの野郎……」

「おい、何ブツブツ行ってやがる」

あこ「まっくんいつもよりキツくない?」

「何かあいつ気に食わないんですよ。顔?というか雰囲気?みたいなのが無性に」

「だよなぁ……俺もそうだし」

「……喧嘩売ってんのかてめぇ」

燐子「真言くん落ち着いて……!」

「おいおい、あんまその人困らせんなよ?」

 

 呆れたように大きくため息をついて、男は中央の椅子に腰掛けた。

 

「ほら座れよ。多分だけど俺達が座らないと始まんねぇぞ」

「……なんであんたにそんな事がわかんだよ」

「んー……経験。お前より6年ちょっと長くあいつに振り回されてるからな」

「は?」

燐子「ま、真言くん……!あれ……!」

「……!」

「やっぱいつの時代でもオーバーテクノロジー駆使してんなぁ……」

 

 先程まで何もなかった壁に扉が出現していた。

 

 ……もうここまで来ると驚きも何もあったもんじゃない。

 

「ここは…………」

あこ「また新しい人出て来たぁ!」

燐子「(この人も……誰に似ているんだろう……?)」

「ん?君達は…………っ!?」

友希那「あの人もこっちを見て驚いてるみたいね」

紗夜「二人とも同じ黒いスーツを着ていますが……こちらの方のほうが大人っぽいというか……年齢を重ねているようですね」

「何見てんだおっさん」

「…………マジ?いやでもこの法則性で言うと……」

「また面倒なことになってるみたいだね……はぁ……」

 

 そうして集められた三人の男達。真言以外の二人は事情を把握している様子で、呆れたような、困ったような顔で互いに顔を見合わせている。

 

リサ「なんか……すっごいややこしいことになりそう?」

紗夜「おそらく……」

こころ「どうやら実験は成功したようね!」

リサ「うわ!いつの間に!?」

 

 神出鬼没の異空間、やっとのご登場である。

 

「おいこころ!これどうなってんのか説明してくれるんだろうな!?」

友希那「弦巻さん、彼らは一体誰なのかしら?何だか私達の知り合いのような気がするのだけれど」

燐子「わ、わたしも誰かに似ている気がして……」

こころ「今そこにいる二人はここにいる皆がよく知っている人よ!」

紗夜「私達が……?」

あこ「あこ、あの人達見たことないよ?」

リサ「アタシも……」

こころ「じゃあ自己紹介してもらうかしら!二人ともお願いね!」

 

「嘘だろそこで振るのかよ……」

「いつの時代も変わらないなぁ……」

 

 彼らは共にこころの実験により連れてこられた存在。

 

 本来ならばここにいるはずのない、交わることのない存在。

 

 そう、彼らは……

 

「「神代 真言」」

 

「…………は?」

燐子「え…………」

 

「それが俺の、いや──」

「ここにいる三人の名前さ」

 

「はぁぁぁぁぁあああああ!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「真言って言っても今の真言じゃなくて未来の真言よ!」

燐子「未来の……!」

紗夜「確かに言われてみれば少し面影があるような……」

リサ「ホントにマコくんなの……!?」

「はい」

「ま、そういうことです」

「正確に言うなら俺は23歳の神代 真言ですね。そんでこっちは………」

「33歳の神代 真言だよ」

「俺の10年後かー」

「ちょっと何言ってるかわかんない」

あこ「オ、オリジナルのまっくんが悟ってる顔を……」

 

 突如現れた23歳の真言と33歳の真言。二人とも何故か高校生真言よりも適応能力が高い。

 

「俺らも"オリジナル"の神代 真言ですよ師匠…………師匠!?」

あこ「え!?なになに!?」

「うおおお!すげぇ!!師匠が小せぇ!!!」

あこ「ケンカ売ってんの!!??」

「すげぇすげぇ!!!」

あこ「持ちあげるなぁぁぁあああ!!!」

 

紗夜「あれは何をやってるんでしょうか……」

リサ「えーっと……23歳?のマコくんがあこを振り回してる……」

友希那「…………何やってるの」

 

「なぁ!あーっと……未来の俺!お前ならわかるだろ!?この感動が!!」

 

 彼がなぜここまで興奮しているのかはAfter Storyを見ていただけるとわかる。23歳の真言はあこに"身長"という事に対してコンプレックスを抱いているのだ。

 

「うん?あぁそうだね……」

「なんだよそれで終わりか?元気ないなお前、じゃなくて俺」

「んーまぁ、過去の……若い頃の自分ってこんな感じだったんだなぁって思ってさ」

「おいこら未来の俺。さっさと師匠降ろしてやれ。目回してんぞ」

「おっと。師匠ごめんなさい」

あこ「な、なんなの〜……?このまっくん変だよ〜……」

燐子「あこちゃん大丈夫……?」

 

 成人男性に振り回されたのだ。大丈夫ではないだろう。

 

友希那「でもあこの言うとおり、とてもこの人達が真言と同一人物だとは思えないのだけれど」

こころ「ちゃんと同一人物よ!」

「なら神代 真言しか知らないことを俺達が知っていれば証明になるんじゃねぇか?」

こころ「そうね!」

「って言っても何かあるかな?」

「やっぱアレだろ。高校の時の俺は他人にアレのこと話したがらなかったし」

燐子「アレ……?」

「ああ、"痣の女"のことか」

紗夜「!」

 

 痣の女。真言を監視対象となった直接の原因であり、ついこの前それにまつわるゴタゴタが一段落したところなのだ。

 

「なんで、そんなこと知ってんだ」

「同一人物だから」

「…………」

 

 本物だ。

 

 自分の最低最悪の黒歴史、それも"痣"という言葉を使うということは確実に核心を知っている。

 

 そう真言は直感した。

 

「これで信じてくれたみたいだな」

「てかお前らはどうなんだよ」

「どうって?」

「お前らは何で俺が高校生の神代 真言だってわかんだよ。お前らもこころに拉致られてきたんだろ?」

「そりゃお前……」

 

 未来(23歳)真言は燐子の方を一瞥し、そして自信満々に言う。

 

神代 真言()が燐子先輩を見間違えるわけがない!」

 

「確かに!」

あこ「それで納得するんだ……」

 

「……懐かしいな」

リサ「え?」

紗夜「そういえばこちらの神代さん、とても落ち着いているみたいですが……」

「俺が落ち着いてないと言いたいんですか」

「まあ、ただ年を取ってきただけじゃないからね」

リサ「マ、マコくんなのになんか大人っぽい……」

あこ「二人とも少しは見習いなよ?」

「…………で?なにが懐かしいんだ?」

「聞かせてくれよ」

 

 あこの自分達を見る目に耐えられなくなり、無理矢理にでも会話を変えようとする哀れな男達の姿がそこにはあった。

 

「『燐子先輩』……とても、懐かしく感じる響きだ」

「…………?」

「おい……それどういうことだ?」

「…………落ち着いて聞けるかい?」

 

「君達の言う"白金 燐子"は、こっちの世界じゃもう存在していない」

 

「は……?」

燐子「…………!」

「……どういう、ことだよ…………おい!!」

 

 深刻な雰囲気を出す未来の自分に食って掛かる真言。

 

 それも当然だろう。白金 燐子が存在しない世界など、真言にとって到底受け入れられるものじゃない。

 

リサ「ちょ!やめなよ!マコくん!!」

あこ「落ち着いて!!」

友希那「…………未来から来た真言が落ち着いている理由がわかったかもしれないわ」

紗夜「でも……まさか白金さんに何か」

「紗夜先輩」

紗夜「……!すみません」

「おい未来の俺、説明してくれんだろうな……?」

「俺がいる世界じゃ燐子先輩もRoseliaの皆も存在している。一体そっちで何が起きたんだ?」

 

「それは…………」

 

 ゆっくりと言葉を紡ぎ始める。

 

 さも深刻そうな顔をして、左手の薬指を見せびらかしながら、

 

「白金 燐子はもう存在しない。なぜなら…………」

 

 

 

 

()() 燐子になったからねえ!!」

 

シネ

ブッコロス

 

「アハハッ!若者は元気でいい!」

「てめぇ!!逃げんなやあ!!!」

「待てやコラァ!!」

「アハハハハハハ!!」

 

あこ「追いかけっこが始まっちゃったけど……」

紗夜「結局いつの時代も神代さんは子供っぽいということですか……」

リサ「…………というかさ」

友希那「…………」

 

 二人が見つめる先にいたのは……

 

燐子「…………///」

 

 耳まで真っ赤に染まった白金 燐子その人である。

 

友希那「燐子」

燐子「ひゃ!ひゃい!///」

友希那「おめでとう」

燐子「ゆ……友希那さん……!?///」

リサ「おめでと〜♪」

あこ「おめでとうりんりん!」

紗夜「おめでとうございます」

燐子「み、皆さん……///」

あこ「でもりんりんとまっくんが結婚かー」

紗夜「まぁ、当然のことと言えば当然のことでしょうけどね」

リサ「確かに☆」

燐子「あの……その……わたしまだ結婚してませんから……!///」

リサ「ふぅ〜ん?」

あこ「へ〜?」

燐子「な……なんですか……?」

リサ「『()()結婚してない』ね〜?」

 

 リサの指摘によりさらに赤くなっていく。

 

燐子「ぁ……ぁぅ……///」

 

「「可愛すぎかよ!」」

「息ぴったりだね。流石同一人物」

「てめぇもだろうがおっさん」

「耐性があるからね。まだ正気を保っていられる」

「でも俺と燐子先輩が結婚か…………なんか事あるごとに死にそう」

「手すらろくに繋げてない君達じゃ確かに無理だね」

「なんだてめぇまたやろうってのか?」

「ボコボコにすんぞ」

「こうして見るとなんかその辺の雑魚キャラ臭がすごいなぁ……」

 

あこ「ねぇねぇまっくん!あ、結婚してるほうの!」

「はい?」

あこ「未来の結婚した後の写真とかないの?」

「ありますよ」

リサ「あ、あるんだ」

「えぇ、でも未来の出来事をあまり過去の人間に教えるのは…………」

こころ「問題ないわ!」

「ならいいですね。はい、どうぞ」

 

 そう言って真言(既婚者)はスーツの内ポケットから数枚の写真を取り出した。

 

「仕事柄いつも持ち歩いているようにしてるんです」

紗夜「こ、これは……!」

友希那「……驚いたわね」

燐子「これが……未来のわたし……」

「とその子どもたちだね」

「「子ども!?」」

「ちょ、俺にも見せて──」

「君達はいづれ自分の目で確かめようね」

「「貴様ァァァアアア!!」」

「アハハハハハハ!!」

リサ「なんか大人になったマコくん……ちょっと子供っぽすぎない?」

友希那「過去の自分をからかって遊んでるわ」

燐子「……………」ジーッ…

 

 燐子が見つめる写真の中には、幸せそうに笑う女性とその周りではしゃぐ二人の子どもたちがいた。

 

あこ「かわいいね!りんりん!」

紗夜「子どもたちもどことなく白金さんの面影があります」

燐子「そう……ですね……///」

「上の女の子はわんぱくで元気いっぱいですっっっごい可愛いんだよ。燐子は俺によく似てるって言ってたけどそうなのかな?」

「避けんな殴らせろ!!」

 

 過去の自分の攻撃を軽くいなしながら話し続ける。

 

「おっと……逆に弟の方は燐子に似て物静かだけど嫌なことは嫌ってハッキリ言える、カッコイイ男の子なんだよ」

あこ「へー!」

リサ「なんか……幸せそうだね」

「はい!とっても!」

友希那「!」

紗夜「(……いい顔で笑うようになりましたね)」

 

こころ「盛り上がっている所申し訳ないけれど、そろそろ時間だわ!」

「もうそんな時間か……」

「ハァ……ハァ……ハァ……」

「結局一発も当たんなかった…………俺も一応訓練してんだぞ……?」

「まぁ、年季の違いってやつだよ」

こころ「最後に何か一言あるかしら?」

「…………ないよ」

こころ「え?」

「どうせ無駄になるからね」

「……は?」

こころ「じゃあ23歳の真言は?高校生の自分になにか言いたいことはあるかしら?」

「あーっと……じゃあ一つだけ」

 

「これからも大変なこといろいろあるけど頑張れよ」

 

「軽っ!!」

「ま、あの事件乗り越えた俺ならほとんどのことは何とかなるし。それに……」

 

「もう、一人じゃねぇだろ?」

 

 ニヤリと意味ありげに笑う彼の笑顔は、確かに真言のそれとそっくりだった。

 

「……あぁ、俺は一人じゃない」

「それが分かってるならよし!」

「あ、てかこころ」

こころ「何かしら?」

「こいつら未来の俺なんだろ?そういう自分の未来に干渉するのって何かマズイことは起こらないのか?」

紗夜「確かに……今こうやって神代さんと白金さんが結婚した未来を知ったことで、未来が変わってしまうということは……」

燐子「え……」

「心配しなくても多分大丈夫だよ、燐子。あとその写真そろそろ返してくれないか?」

燐子「あ……すみません……」

「本物は自分の目で見てくれよな」

燐子「…………はい///」

こころ「安心して!未来が変わることはあり得ないわ!」

「なんでそんな事が言えるんだよ」

こころ「だって……」

 

 

 

 

 

こころ「今日のことは全部忘れるもの」

 

 

 

 

 

 そして部屋中を白いガスが包み込んだ。

 

あこ「わわ!なにこれ!!」

「おいこころ!てめぇ!!」

こころ「このガスは直近数時間の記憶を完全に消すことができるの!大丈夫!人体に影響はないはずよ!」

「記憶飛ぶ時点で影響出てんだよ!!」

「昔のボスのほうがやべぇ……」

「あぁ……やっぱりこうなるんだね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真言「ん……んん……ここは……」

 

 目覚めるとそこは自宅のソファの上だった。どうやら少しだけ横になるつもりが思いっきり寝てしまったらしい。

 

真言「(なんかおかしな夢を見てた気がするけど……まぁ、いっか)」

燐子「おはよう真言くん」

真言「おお、おはよう」

 

 目の前には穏やかな笑みを浮かべ、ホットミルクを飲む燐子がいた。

 

「ん……パパ……?」

真言「あ、悪い。起こしちまったか」

 

 なんか身体が重いと思ったら俺の腹の上で小さな天使がお眠り遊ばせていたようだ。

 

 俺の上から降りて眠そうに目をこすりながら燐子の方に新たな寝床を求めに行ってしまった。

 

「父さん、起きた?」

真言「あぁ起きたよ」

 

 もう一人の小さな天使は母親と一緒におやつタイムの途中らしい。

 

燐子「うなされてたみたいだけど、大丈夫?」

「姉ちゃんはグッスリだったけど」

「まだねむい〜……」

真言「確かになんか怖い夢を見てた気がするけど……忘れちまった」

 

真言「燐斗(りんと)心真(ここま)、燐子、おいで」

心真「んー……?」

燐斗「なに?」

燐子「?どうし……!」

 

 三人の家族を思いっきり抱き寄せる。 

 

燐斗「そんなに怖い夢だったの?」

燐子「…………大丈夫?」

心真「zzz…………」

真言「ただなんとなく、抱きしめたくなっただけだよ」

燐斗「……変な父さん」

燐子「ふふっ……わたしは好きだなぁ……お父さんがわたし達のこと大好きって気持ちが伝わってくるから……」

心真「ふへへ……」

燐斗「姉ちゃん寝てるし……」

真言「ははっ!」

 

 この幸せを、いつまでも噛み締めていたい。

 

 なぜだか無性にそんな気持ちになった。

 

燐子「あ、そうだ」

真言「?」

燐子「これ、弦巻さんから送られてきたお菓子、食べる?」

真言「………………」

 

真言「遠慮しとく」




突然ではありますが今回をもちまして「監視対象と約束された日々」は更新をストップさせていただきます。

その理由といたしましては、まず脳内で作っていた書きたい話を全て書き終えたこと、バンドリ作品への熱意が無くなってきたこと(これ以上書くといくら二次創作だからといってボロが出そうな気がして怖い)、そしてオリジナル作品の制作に力を入れていきたいという3点が主な理由です。

一応本編は既に完結済みですし、なんならタイトルに【完結】ってついて、しかもタグに完結作品って書いてあるのであまり気にならない人も多いかもしれません。軽く終わった終わった詐欺でしたから。

本編の最終回でも書いたかもしれませんが、ここまで多くの人に作品を、しかも人生初小説を読んでいただけるとは夢にも思っていませんでした。本当にありがとうございます!

次お会いするときはオリジナル小説の中だと嬉しいです。とか言いつつまたひょっこり監視対象に帰ってきたら「こいつオリジナルサボってんな……」という目で見てやってください。

それでは皆様、またどこかで。
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