お飾りだが、これでも四歳の頃から鬼殺隊という政府非公認の組織の長を務めている。
我等鬼殺隊は一般には知られていない鬼という怪異と戦う専門家だ。
この大正の日の本にあって大量の死を撒き散らす災害、鬼。彼らは非常に凶悪かつ残忍で人を襲う。尋常ではない膂力と無限の再生力を持ち、日に晒すか日輪刀という特殊な鋼と鉄を用いた刀で頸を斬るかしないと殺せない。
そんな怪物を生み出す元凶がいる。
鬼舞辻無惨。鬼の始祖。
産屋敷の一族は約千年もの間彼を追い続けている。
時々、山柱の巌山峠岬からあの奇妙な事件の生存者である少年の話を聞く。
少年の名は桃晴といい、鬼殺隊の話をすると入隊したいと志願したらしい。行く当てがないのならそれも良いと思う。
この産屋敷の離れの一室で療養し、快復したら一人前の技術を詰め込んで入隊するらしい。
それまでは厄介になりたいと山柱巌山峠岬越しに伝えられた。僕は厄介だなんて思わないし、いつまでも居たって構わないよと伝えている。
快復した今は岬が直々に面倒を見ていて、修行に励んでいる様だ。どうやら鬼殺の隊士を目指すらしい。呼吸と剣術の腕前が天才級だと聞いた。なんと全ての呼吸に適正があるという。呼吸を教え始めてまだ数ヶ月だというのに全集中まで習得したというのだ。
会ってみたい、と僕は思っている。
歳も近いと聞いているし、働き者で良い子だとこの屋敷でも評判が高い。
でも、僕は産屋敷の当主としての勤めがあるし、病で外にも出られない。年頃の子供の様な生活はおくってこなかったから、話も合わせられないかもしれない。
だが今朝彼の保護者兼師匠の岬が彼を連れて挨拶しに来るという。これまでは会わせるのを少し渋っていた様子だつたのだが何か心境の変化でもあったのだろうか。
まぁいずれにしろ、少し楽しみだ。
鬼殺隊の長なんてしているけども、
願わくば、善い子で、これから沢山の幸せに彼が出逢えると嬉しいと思う。
…あと、
…それと、出来れば、
…友達になれると良いなあ。
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"私"は"私"を使い潰してでも、
やらねばならない事がある
今も何処かでのうのうと生きる
鬼舞辻無惨、鬼の始祖
多くの悲劇の元凶、千年続く因縁
この身体中を巡る穢らわしい血筋
決して忘れることはない
産屋敷の全ての怨恨と憎悪を込めて
ヤツを滅殺するその日まで
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「お館様、山柱巌山峠岬及び
「やぁ、こんにちは岬、桃晴。今日はいい天気だね。」
「はい。お館様もお変わりないようで何よりです。」
「…お初にお目に掛かります、…桃晴です。」
「そんなに畏まらなくていいよ。私は別に偉い人物ではないし、確か君とは同い年だっただろう?」
「そ、そうか?なら遠慮なく…」
「いい訳ないでしょう、桃晴。今は
「えぇ…」
「…ふふふ。面白いね、君。あと、本当に気を遣わなくてもいいよ。此処は今他の隊士は居ないからね。」
「…お館様、今は柱の私が居ます。それは是非次の機会に。出来れば私を柱として遣わせていない時にでも。」
「ふむ、そうかい?では君を柱として呼んだ用件はさっさと済ませてしまおうか。」
「では私はこれで。任務に向かいます。」
「うん。いつも有難う、気をつけてね。」
「はい。」
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二人して屋敷の外に出て、自分の師匠はこれから任務へ向かうのかと思いきや、正門をくぐった所でくるりと反転して俺に向き直った。
「桃晴はここでお館様のお側に付いていてください。今日の分の修行は免除とします。」
「なに、まだ俺に何かあるのか?」
「ええ、ここでお館様がどのようなお仕事をなさっているのかを知ること、そして、出来ればお館様のお友達になって差し上げてください。…あの御方はお忙しく、お身体も弱いので同年代のお友達を作る機会がないのです。」
「…ふーん。別に俺、そういう理由があったって気を遣ったりとか出来ないぜ、性に合わないし。俺でいいのか?」
「ふふっ、その方があの方も喜ばれます。」
「そうかい。じゃ、了解。取り敢えず今日はお館様と一緒にいるよ。帰ったら連絡くれ。」
「はい、では行ってきますね。」
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早朝の5時から昼の2時。
俺がここへ来てから経った時間だ。
俺は縁側の支柱に隠れて鬼殺隊の長とやらの仕事ぶりをずっと観察していた。
だが
「……お前、いつもこんなことしてるのか?」
「こんなこと、というのは僕の仕事の事かな?だとしたらそうだよ。毎日隊士達の報告を聞いて、書面に纏めて、それだけ。」
気付いてたのかよ…と呟くと、
気配には敏感な体質なんだ、と返された。
まぁ、そんなことより。
「それだけ、じゃないだろ。…中でも隊士達の死亡報告が多い。あんな化物相手にする仕事だから殉職者は絶えないって師匠から聞いちゃいたが、お前…それを聞くたびに本当に悲しそうな顔してやがった。こんなことずっと続けてるのか?」
「…そうだよ。鬼殺隊として僕に出来ることがこの位しか無いからね。僕は死ぬまでこの仕事を続けるよ。
…勘違いしないで欲しいのは、これは僕が望んでやっている事だということさ。この身は鬼殺隊の皆の為に、そして鬼舞辻無惨を滅ぼす為に使い潰すつもりだ。」
「…せめて辛いなら辛いって言えば良いだろ。なんでいつもニコニコしてんだよ」
「彼等が遠くへ
「……強いな、
「…君も充分
「…俺のはそんな真っ当な理由じゃない。ただ復讐のために学んだだけだ。」
「それも真っ当な理由だよ、桃晴。家族を愛していたから殺した鬼が憎いんだろう?人として当然の理屈だよ。」
それにね、と耀哉が続ける。
「どんな理由であれ、結果は同じさ。君が鬼を倒すことで救われる者がいる。それは素晴らしいことなんじゃないかな。」
「僕も鬼が憎い。ただ善良に生きてきただけの人達が、何の理由があって理不尽に殺されなければならないのか。それを思うだけで今にも頭が沸騰しそうだ。だけどね、ただ憎むだけでは何にもならない。まして僕は生まれつきこの病弱さだ。何も出来ない。」
君と違ってね、と自分に皮肉を飛ばし目を伏せる。
今度は決意と確信に満ちた人間の目を俺に向けて、
「だから
そう言いきった。
清々しい程の今日一番の微笑みと共に。
ああ、と俺は納得した。
コイツもきっと同じだ。
はち切れんばかりの"怒り"を持ってる。
それを見せるのは"怒り"の対象にのみ。
その相手だけは何があっても地獄に落としてやるという確固たる意志と執念。
…だが、コイツにはチカラが無い。
俺には運良くあったけど、コイツは奴らに届く刃を直接持つ事を許されなかった。
ならば、
「…よし決めた。」
「…何をだい?」
「鬼殺隊で一番お前の役に立つ
「…」
「俺がお前の刃…"
「…うん、期待して待っているよ、桃晴。」
今日から俺は名前を
柱なんて偉い人間に成るんだし、
姓はあったほうが良いよな。
コイツの、産屋敷耀哉の刃として、
全ての悲しみの連鎖を断ち切ってみせる。
この後少しして、
仕事がひと段落着いたから、と本当なのか嘘なのか分からない声色で告げる耀哉と色々な話をしたり(基本俺の身の上話や修行の事を一方的に話してた)、剣さばきが見たいと言うので今まで習ったものを見せてやったりして親睦を深めた。
大事なモノがまた増えた。
生まれて初めて出来た"親友"のために、
俺は決意を新たに修行に励んだ。
異聞大正こそこそ小噺
桃晴君は天才肌なので教えられた事なら大抵なんでもこなしてしまう器用な少年だよ。無一郎君のようなガチガチの天才じゃないけど、半分位は炭治郎君と同じく「長男だから我慢できた」って奴だね。
へーそれでfgoやら空の境界やらBLEACHやらの要素はいつでてくるの?
岬さんは桃晴君を鬼殺隊に入隊させないために産屋敷邸に所蔵されている5大流派全ての呼吸法を持ち出して"全て出来るまで認めません"と言ってたんだけど、まさかホントに全て出来るなんて思っても見なかったみたい。それも1年少しの期間で。根性にも限度があるよね。
へ〜それでfgoやら空の境界やらBLEACHやらの要素はいつ出てくるの?
隊士として教えられる事が無くなってしまったので仕方なく入隊を認めた岬さんは、継子として桃晴君の面倒を見ていく事を決心するよ。因みにネタバレになるけど山柱を継ぐことはないよ。桃晴君の一番得意な呼吸(というか広範囲攻撃が出来るなどの理由で使い勝手がいいと本人が思っている)は風の呼吸だからね。
へ〜それでfgoやら空の境界やらBLEACHやらの要素はいつ出てくるの?
今回描かれた通りこれから先桃晴君の苗字は"劔"ってことになるよ。作者もさっさと熱い展開に向かいたいけど桃晴君を語る上で名前の由来になるこの話は抜かせなかったんだ。なんてったって"剣柱の外伝"だからね。因みに下の名前の由来は
→鬼といえば"桃"太郎
→鬼は日に弱いから"晴"れ
から来てるよ。
へ〜それでfgoやら空の境界やらBLEACHやらの要素はいつ出てくるの?
いやーお館様に友達が出来て良かったね。みんなも友達は大事にしようね。それじゃまた会えたら次回もお楽しみに。
次回
「お前此処は初めてか?肩の力抜けよ…」