異聞大正怪異譚   作:てーけー。

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(マジで)7日間生き残るだけいい話。


最終選別(ベリーイージーモード)

藤襲山。(ふもと)が全て人工的に藤の花で覆われた、産屋敷家が所有する広大な土地の一つ。ここでは年に一回、鬼殺隊への入隊試験、最終選別と呼ばれるものが行われる。合格条件はただ一つ。7日間生き残ること。しかしこの山には歴代の鬼殺隊があえて殺さずに生捕にした鬼を大量に放逐している。生捕に出来たということはそれ程強くない鬼しか居ない訳だが、それは鬼殺隊に入隊出来た人での基準の話。普通の人間や修行不足の者が立ち入った所で怪物相手に生き残ることは困難である。この最終選別を生き残ればそれは即ち鬼殺隊としての看板を背負うにたる人物になれる、という寸法だ。

 

 

 

 

「それでは、午後8時になりましたので、これより最終選別を執り行います。参加者の方はどうぞ山の中へお入り下さい。なお、入れば7日間この藤襲山から出ることは罷りなりません。下山されたと判断した場合は即失格となり、機密上その後の身柄を此方で改めさせていただく場合が御座いますますのでご容赦ください。…お気をつけて。」

 

 

午後8時。

日も落ちて辺りが完全に暗くなった頃。

耀哉の屋敷でよく目にした黒子(くろこ)(かくし)と呼ばれる人の宣言により、ここ藤襲山に集まった二十余名の人達による鬼殺隊最終選別が始まった。

 

 

 

ぞろぞろ、といった具合に山は入って行く入隊希望者達。

辺りをキョロキョロと見回す者もいれば、迷いなくといった具合に入って行く者もいる。

 

俺は俺以外の全員が山へ足を踏み入れたことを確認してから、ずっと言おうと思ってたことを全員に聞こえるように大きな声でハッキリと告げた。

 

 

「…よし皆、全員で団体行動しよう。」

 

 

は?って声が聞こえた

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「…ふふふ、それで結局皆で共同生活しながら7日間生き残った、という訳だね。」

 

痛快、といった感じで笑う耀哉、鬼殺隊の長がそこに居た。

 

先日終わった最終選別の生存者は26名、全員合格だった。ここ何十年とない記録だったらしい。理由は全員が固まって行動したことだが、特にお咎めは無かった。

 

「別に団体行動するなって言われてなかったからな。なんか不味かったか?」

 

「いいや、何も不味くないよ。鬼殺隊では個別に任務を受ける事になるけど、階級が下になるにつれて合同任務は多くなるからね。入隊すれば必ず一番下の癸から始まるのだし、鬼殺隊としての最初の任務を最終選別でしたと思えばそれはそれで正しいとも言えるよ。」

 

「因みに鬼に一度も出くわさなかった訳じゃないぜ。集団である事に喜んで飛びつく(バカ)も居たからな。役割を分けて罠も張って、ついでに完璧な布陣で見張り番を交代しながらやった。最初は皆疑心暗鬼だし、緊張で身体がガチガチな奴もいたけど、俺は現役の柱の弟子だから信じろって告げて、最初に襲ってきた鬼を瞬殺して見せたら後は皆ちゃんと着いて来てくれたよ。」

 

「…ありがとう。毎年最終選別は死者が多い。全員合格なんて本当に稀だ。君が居てくれた事で今年は若くして死んでしまう子供達が減ったよ。」

 

「よせよ。俺は出来る限りをしただけさ。他の奴らも協力的で頭の出来も良かったから成り立ったんだ。実力もキチンとあったしな。」

 

「そうだね。今年の入隊者は揃って優秀だって聞いているよ。」

 

「それに、俺は柱の弟子だからな。一応鬼殺隊の任務を経験したことがある身として、先輩らしく導いてやんないとな。」

 

「岬の任務に同行しただけだろう?」

 

「うっせ。ついてっただけとか野暮な事言うなよな。あの人もあの人だ。同行は許すのに自分の仕事には絶対手を出すな、とか出したら破門!、とか言うからそうなっただけだなんだよ。」

 

「岬は面倒見がいいからね。君が団体行動を提唱したのも師匠に似たんじゃないかい?」

 

 

ばっかお前それ言うなよ、ちょっと師匠ならそうするかなぁとか思ってた所あるんだから!

 

 

「…ちげーよ全然違う!俺はただ…誰かが傷つくのが嫌なだけだよ。大事な奴が守りたい人の事も守ってやりたいと思っただけでだな…(ボソボソ」

 

俺は鼻頭を掻きながら小声で言う。

我ながら言ってる途中で恥ずかしくなってしまった。顔が紅くなってたら揶揄われそうなので斜め上の方を向く。

 

「ん?なんだって?」

 

「…いや、なんでもない。」

 

「良いじゃないか。大事な人が守りたい人も守りたい鬼殺隊(ウチ)の標語にしたい位良い言葉だ。」

 

「わざわざ大声でいうなーー!!ちゃんと聴こえてるじゃねーか!」

 

「…ふふふふ。君、本当に面白いよね。退屈しないよ。あー…久しぶりに少し大きな声を出してしまった。…少し疲れたかな。そろそろ休む事にするよ。」

 

「…悪ぃ、大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ、本当に少し疲れただけだから。僕の病弱さは知ってるだろう?」

 

相変わらず微笑みを浮かべて平気だと言う耀哉。

こいつは無茶をしがちだから俺が無理矢理にでも休ませないと働き過ぎる。

 

 

そういえばこいつ…

 

「…顔の周りの()()、増えたな。」

 

「…ああ、そうだね。鬼舞辻の呪い。さて、三十までしか生きられない不治の呪いだけど、僕はそれまで保つかな。」

 

 

鬼舞辻無惨。奴を倒さないとこの呪いは解けない。一族全員が産まれた時から掛けられる最悪の病。

 

 

「…冗談でもそんなこと言うな。鬼舞辻は、鬼は俺がぶっ殺してやるって言ったろ。ソレも何とかしてやる。だから勝手に諦めんな。」

 

「…ありがとう。優しいね、君は。君が居てくれて僕は幸せだよ。」

 

「小っ恥ずかしい事平気で言うよな、お前。そーゆーとこだぞ。」

 

「日々の感謝を伝えるのは大事な事だよ。桃晴は岬にちゃんと伝えられているかい?」

 

「ぬわーもう、だからそーゆーとこなんだっての!今あの人の話すんなよな。情緒がめちゃくちゃになる!お前はもう休めっ!」

 

「もう元気になってしまったよ、もう少し話でもどうだい?」

 

「…お前実は性格悪いよなぁ。」

 

「ふふ、知らなかったのかい?」

 

 

 

他愛もない話もこれまで。

俺は隠の人を呼んで耀哉を布団で休ませる様頼む。すぐに人が飛んできて耀哉の介助に回ってくれた。

 

 

 

こうして語る事も特にない俺の入隊時の話は終わった。俺にとって劇的な事は何も無く、だからこそ良かったと思う出来事の話。俺はこれから誰かの日常を守る為に、非日常へ身を投じる。あの日から続く燃ゆる炎の様な怨嗟と、出逢うことのできた生きる希望を守る為に。

 

 

 

 




異聞大正こそこそ小噺

未だに原作登場人物が耀哉様だけってマ?なこんな駄作見てくれている人はありがとう!
タノム、アトスコシダケマッテクレ。
桃晴君はやっとこさ鬼殺隊入隊しましたね。ちょっとは他の方の作品のスピード感見習いたいですね…
神経質なもんだから作者は気になった所ばっかり筆が乗っちゃうんですよね。

へ〜それでいつになったらfgoやら空の境界やらBLEACHやらの要素が出てくるの?

現在の桃晴君の年齢は12歳。鬼殺隊の入隊に年齢制限があるのかは知らないけれど、無一郎君は14歳で柱になってるから多分入隊しても良い年齢だと思うんだ!その前に継子だしね。知らんけど。ネタバレすると桃晴君が柱になるのは数えで15歳(当時で言う元服の年)の時だよ。一体何があったんだ…()

へ〜それでいつになったらfgoやら空の境界やらBLEACHやらの要素が出てくるの?

次回
「初任務〜前編〜」
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