前回一か月前.......
いや、本当にごめんなさい、忙しかったんです(言い訳)
更新頻度は上がるかもとは言ったけど、このざまでした。
許してください。
それと今回は絶対に必読でっせ。
それでは第十話をどうぞ!!
「沙綾が沙綾でなくなる.....?」
吐き出される声は、声を発した俺自身の、困惑した思いが乗ったかのように声が少し掠れていた。嫌な汗が流れるのを感じる。
この世の者ではない自らを『死神』と名乗った黒猫──クロは、再び口を開く。
『このままだと山吹沙綾は、意思を持たず、現世を徘徊しつづけ人間が陥れる存在。所謂、死霊...いや最悪の場合、もっとタチの悪い存在。『怨霊』と呼ぶに相応しいモノになってしまうのにゃ』
更に続けるクロ。
『でもこれはあくまでも今のままで何もしなかった場合だにゃ。俺の仕事は、ど
そこまで言うとクロは『質問はあるかにゃ?』と俺達に訴えかけてくるようにこちらを見つめてくる。チラッと隣の沙綾を横目で覗くが、クロの方をジッと見ていた。
クロを見つめている表情からは、彼女が何を考えているかは分からない。
数秒程、彼女を見ていると肩まで降ろした彼女の髪が、吹いてきた風によって揺れた。
視線を沙綾から逸らし上を見上げる。
その風は神社で一番大きい木、きっとこの神社のご神木なのだろう。その木の葉が砂のように乾いた音を立てて揺れ、心なしかこの場所一帯の温度が下がったような気がした。
──死神の猫.....
とそこでようやく、クロの衝撃発言を頭の処理が追いつき理解でき少しだけだが、物事が思案出来るほどには、冷静になれていた。そして律儀に俺達の反応をずっと待ってるクロに質問を投げ掛けた。
「──助言という事はクロは沙綾をそうはさせない方法を知ってるんだな? 」
『そうだにゃ、というかお前らはその方法を知ってるんだにゃ』
「知ってる.....? 」
クロに思わず聞き返したが俺の言葉に、目の前の死神猫は答えることはせずその代わりに自分の尻尾を揺らした、その時。
『....記憶』
今まで黙っていた沙綾が口を開いた。
「えっ? 」
『ほう』
驚き沙綾のを方向く、彼女の表情はどこか確信めいたような表情をしていた。対するクロはどこか面白そうに彼女の方を向いていた。そして自分の推測をクロへと彼女は告げた。
『きっと、私の記憶を戻すことが『怨霊』にはならない唯一の方法.....だよね?』
『.....』
死神猫はすぐには反応はせず、沈黙が少しの間俺達を包んだ。そしてゆっくりと、
『そうだ。それがお前が唯一、『怨霊』にならない方法だにゃ』
語り始めた。
──まず『怨霊』というのは、さっきも言ったが意思という意思を持たない。その理由は大半の怨霊は記憶を失っている、もしくは自分が死んだことを知覚していないかのどちらかだ。
そもそも『怨霊』と『死霊』の違いはそこだ、死霊は生前の記憶を持っている。こいつらは人間に害を与えることはまずない。問題は『怨霊』の方だ、怨霊は記憶がない.....だけど質の悪い事に未練という感情だけは残ってる、その未練がどんな出来事がきっかけにして引き起こされるかは『怨霊』自身は分からない。だから彷徨う、生きている人間に害を与えながら......。
『っと、話を戻すにゃ。つまり『山吹沙綾』を『怨霊』にさせないようにするには記憶を思い出せることだにゃ、幸いにも名前を思い出しているから、『山吹沙綾』は記憶を思い出せるという事は証明されたから、手の施しようがまだあるにゃ』
クロはそこまで言うと突然座る姿勢を崩し、沙綾の前まで歩く。
『ちょっと、頭を下げてくれるかにゃ』
『え、あ、うん』
沙綾がクロの方に向かって頭を下げ、そしてクロは下がった沙綾の頭に自分の右足を置いた。その光景は沙綾が猫に頭を撫ででもらっているように俺の目には映った。
『.....ありがとにゃ』
数秒ほど頭に足を置いたクロは沙綾にお礼を言うと、元の座っていた場所に戻った。動いたことによりまたクロの鈴が辺りに鳴り響いた。
『あと四つぐらいかにゃ』
「四つ? 」
沙綾の頭を触ったと思ったらクロが突然今までの話から何の脈絡のない言葉を呟いた、どこかでその数字を最近聞いたような気がしたのというのもあるだろう、不思議に思い首を傾げた。
『こいつの頭を探って分かったにゃ、どうせお前らに言っても分からないと思うから詳細は省くけど、記憶の欠如は全部で五つ、その内の一つは彼女自身に定着しているから、思い出さなければならない記憶は四つにゃ』
「なるほ....あっ!!」
『四つ』という最近どこかで聞いたであろう数字。その既視感はクロの続きの言葉によって思い出した。以前、沙綾が体験したという不思議な出来事。そこで出会った謎の少女『アヤカ』が言っていたとゆう言葉。
──そこには五つの扉が....
『「繋がった....」』
思わず呟いてしまい、そして呟やいてしまった言葉が沙綾と被る。沙綾も俺と同じ疑問を抱いて同じ結論に至ったのだろう。思わず二人でお互いを見合ってしまう。
『繋がった....って、二人して急にどうしたんだにゃ? 』
何も知らないクロが今度は逆に頭を傾げていた。
『あのね、実は──』
──────────────────────
『という訳なんだけど──』
『.....本当かにゃ、それは?』
沙綾と一緒にクロにあの日、「やまぶきベーカリー」で体験したことをお互いが補間しながらクロへと告げる。説明を終えた後、猫だからクロの表情がどんな表情をしているかは分からない、だけど怪訝そうな声を出している事から、そんなに機嫌は良く無さそうに見える。
「何で、そんな声を出すんだ? 」
『それは....これくらいなら言っても大丈夫だろう、実はな『山吹沙綾』の存在はイレギュラーだにゃ』
『「イレギュラー?」』
もう今日何度目かも分からないが、沙綾と声が被る。対するクロは鈴を鳴らしながら頷いた。
『ああ、まず記憶がないと言うことは『山吹沙綾』は『怨霊』の分類になる、だけど俺が今まで見てきた怨霊は、自分が何者かを分かっていることを差し置いても、
その言葉を聞いた時、沙綾と始めてあった時の事を思い出す。確かにあの時の沙綾は特に普通の....どこにでもいそうな女子高生という雰囲気だった。クロのいうそれが『怨霊』の特徴ならば、確かにそれは、
「当てはまらない....何でだ?」
ぽそりと呟き、確かにそれはイレギュラーだと妙に納得する。対する当の本人はというと。
『あー、確かに言われてみればそうかも。 何か見かけるその『怨霊』?たちは何かそんな顔してる気がするね』
『「気づいてなかったのか(にゃ)」』
吞気なコメントをしていた。
「じゃあ、あれじゃないか? 沙綾は『怨霊』じゃなくて『死霊』という可能性とかは、『死霊』になってから記憶を失ったとかは?」
この理論なら沙綾の顔が生気を失った顔じゃないという事が説明できる理論だと、期待しながらクロの方を見る。
クロは暫く何かを考えていたようで、もしや、正解か?と思ったのだが、帰ってきたのは否定の言葉だった。
『面白い理論だけどにゃ、それはあり得ないにゃ。さっき言い忘れていたけどにゃ、『死霊』と『怨霊』の違いはもう一つある、そ
クロがそこまで言うと、沙綾がこちらの方に手を伸ばしてくる。
これは手を握ってくれ.....という事なのだろうか?そんな事をしなくてももう結果は分かってるのだが......だけど。
『....ん』
それでも手を伸ばし続けてくる沙綾。
──これは逃られないな
そういう意図だと思った俺は沙綾の手を握る。触った所からはいつぞやかに感じた冷たさが手のひらから伝わってきた。
『うん、触れるからその線はないようだね』
手を握り締めながら、少しだけ微笑みながら沙綾がそう言葉を返してくる。
「──ああ、そうみたいだな」
何回も彼女と手を握ってきたはずなのに、それどころかもう一ヶ月近くも一緒に居るのに、今更ながら、心臓が爆発したようにうるさかったの気のせいだろう。
──────────────────────
『さてと、俺はもう行くにゃ』
「もう行くのか?」
『ああ、でも安心しろ、この仕事が片付いたら戻ってきてやるからにゃ』
そう言いながら、クロは俺達に背を向けながら俺達から遠ざかっていく。そんな猫の背中に声を掛ける。
「そっか、色々とよろしくな、クロ」
『ありがとね、クロ』
『──それはお前が記憶を戻った時に言ってくれにゃ、ああそれとタイムリミットを言うのを忘れていたにゃ、俺の見立てではタイムリミットは......』
──あと、二ヶ月にゃ
ということで、大きくストーリーがうごきました。
それと同時に序盤の伏線に対するヒントを散りばめましたので考えてみてね。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
今回も異端でしたね。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。
それでは、次のお話でお会いしましょう。
(もうちょっとで推しの誕生日.....)
祝!! 奥沢美咲総合評価五位!!
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