Amnesia Ghost   作:ワッタン2906

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どうも、ワッタンです。
どうにか、書けました。
今回はちょっと箸休めのような回です。
楽しんでくれると幸いです。


それでは、第八話をどうぞ!!


第八話 作戦と好きなもの

 

今日は休日。

学校がないため俺は早朝から、病院で沙綾と待ち合わせをしていた。

だけど直ぐにとある場所へと移動した。

 

『うわあ、ここが希月君の住んでるところなんだねー』

 

沙綾が目の前のマンションを見上げながらそう呟く。

俺もつられて、上を見上げる。

しかし、朝日がまぶしくて目線を落とす。

 

「うん、ここの一番上に住んでる。さ、暑いからさっさと入ろうぜ」

 

『私、暑さ感じないけどね』

 

「あー、そういやそうだったな」

 

そんな会話をしつつ、マンションのエントランスへと入った。

あのパン屋の件から、一週間が経っていた。

あの時、沙綾の記憶を取り戻すと決意したが、、

沙綾の記憶はあれ以来戻っていない。

 

エントランスでオートロックを解除し、

エレベーターで最上階のボタンを押す。

 

「というか、何で俺の家に来たかったの?」

 

『えーと、気になったからかな。 それに最近色々と私の記憶を取り戻すために動いてたから、たまには休みが必要かなーと』

 

「あー、なるほど」

 

『それと、次の作戦会議?』

 

「あ、それはいいかも」

 

この一週間、沙綾の言う通り色々と動いていた。

学校が終わるとすぐに沙綾との待ち合わせ場所へ行き、あれやこれやとネットに書いてあった信憑性が薄そうな情報を試してみたり、『やまぶきベーカリー』にまた行ってみたりしたが、特に沙綾の記憶が戻る気配がなかった。

ただ一つ不可解な出来事があった、それは。

 

「そういえば何で、あのパン屋に近づくたびに頭が痛くなるんだろうな」

 

『うーん、....分からないね』

 

そう。

記憶を取り戻してから沙綾が、あのパン屋へと近づく度、

彼女に、初めてパン屋に行った時と同様、頭痛が襲うようになった。

あの時よりかは、痛さは抑え気味らしいのだが、それでも耐える事が出来ず、床に転がる羽目になっている。

 

「それに、アヤカが言ったんだろ? 頭痛が起きる事がキッカケで記憶を思い出すって」

 

『うん、そんな事を言ってた気がする』

 

沙綾が夢で出会ったと彼女、『アヤカ』の言う事を信じのなら、

『やまぶきベーカリー』に行くたびに、頭痛が起きるいる。

それならそこで記憶を思い出すキッカケとなって、沙綾がまたあの不思議な空間に行けても不思議ではないのだが、それが起きる気配はなかった。

ただ、頭が痛くなるだけだった。

 

「....とりあえずこの一週間で分かったことは、あのまま『やまぶきベーカリー』に行っても何の進展がないってことだな」

 

そう沙綾に話しかけると同時に、

チンという音が鳴り響き、エレベーターのドアが開かれた。

 

──────────────────────

 

『うわあ、すっごい広い!!』

 

リビングに入って直ぐにそう思った。

まず目に入ったのは、壁一面がガラス張りから見える景色だった。

それにとんでもなく広かった。

置かれている家具もパッと見ただけでは分からないけど、

きっと一般人が買うような値段はしていないのだろう。

 

『流石、お金持ちだね』

 

そんな不意に出た本音の言葉に、希月君は少しだけ苦い顔をした。

その表情に私は気づかされ、私は慌てて謝る。

 

(あ、今最低な感じだ、私)

 

『あ、そのゴメン....』

 

「....いや、大丈夫だよ。それに謝るのはこっちだよ。ごめん、気を遣わせて」

 

「ちょっと、着替えて来るから。座って待ってて」希月君はそう言うと、リビングから出て行った。

かく言う私は言われた通りに、リビングに置かれていたソファーへと座った。

ソファーはゆっくりと実体がないはずの私の座っている場所をゆっくりとへこました。

 

さっきのは失言だった。

よくよく考えれば、軽はずみな発言だった。

暗くなる思考を防ぐためソファーの背もたれによりかかり、天井を見上げる。

天井にはホテル位でしか見たことがない、ファンが室温を快適にするためにせわしなく回っていた。

 

「....そう言えば、希月君の親は?」

 

ふと思った。

一応今日は休日。

普通は家にいると思うのだが、人の姿は見ていない。

そういえば、家に入る時、希月君。

鍵を使って入ってたような.....。

 

「ただいま、沙綾」

 

『ひゃあっ!!』

 

考え事をしていた時に、急に声を掛けられ、

思わず変な声を出してしまった。

慌てて振り返る。

そこには先程とは違って、ラフな格好をした希月君が居た。

そんな普段見かけない姿の希月君に少しだけ、ドキリとする。

 

「え、何でそんなに驚いてるの?」

 

『い、いや、ちょっと考え事してたからさ』

 

「あー、それはホントにびっくりするよな」

 

希月君はそう言うと、私の向かい側へと座った。

 

「さて、取り敢えず作戦会議しよっか?」

 

『そ、そうだね』

 

希月君にそう言われ、

少々ドギマギしながら言葉を返し、私の記憶を取り戻すために話し合いを始めた。

 

──────────────────────

 

キッチンから香ばしい匂いと共に、何かを焼いている音が響いている。

その匂いは、お昼時ということもあって、俺のお腹を暴力的に音を響かせていた。

 

『希月君、オリーブオイルってある?』

 

「ああ、それなら一番下の棚に」

 

『一番下.....お、あった、あった。ありがと』

 

キッチンに立っているのは沙綾だ。

 

実はさっきまで、沙綾の記憶に関して話し合いをしていたのが、時間的にお昼時に差し掛かった。

その時に俺が昼飯を冷凍食品で済ますと言ったら、

『じゃあ、私が作ってあげよっか?』

と沙綾から言われたのだ。

 

勿論、最初は断った。

客人なのに料理をさせるのは幾らなんでも非常識だ。

なのだが、『お願い』とか『手伝ってくれる事のお礼』等の事を、

何度も言われ、最終的に俺が折れてしまったのだ。

 

それに、沙綾の料理を少しでも食べたいと思ったのも、俺が折れてしまった敗因だ。

 

『ねえー、希月君。 皿を出しといてくれる?』

 

「うん、分かった」

 

フライパンを振るう沙綾にそう頼まれた。

食器棚の方へと向かい、皿を二人分準備し、机の上に置いた。

とここで、ふと思う。

 

今俺の目には、料理をしている沙綾がちゃんと目に入っているが、

沙綾が見れない人からすると、調理器具が浮いている状況に見えるのかもしれない。

しかもそれが料理をしている......

 

「...絶対、叫ぶだろうなあ」

 

『え? 何回言った?』

 

「いやあ、沙綾を見れない人がこの状況見たら、叫ぶだろうなって」

 

『あはは、そうかもね......と、完成!!』

 

ガスコンロの火を止め、沙綾がフライパンを持ってこちらへとやって来る。

フライパンからは相変わらずいい匂いをさせていた。

 

『あれ、何で二人分?』

 

「えっ、沙綾の分は?」

 

『私、幽霊だから食べられないんだけど?』

 

「あっ.....」

 

──────────────────────

 

「ごちそうさまでした」

 

『はい、お粗末様』

 

沙綾が作ったのは、ペペロンチーノだった。

久しぶりに食べたが、今まで食べてきたペペロンチーノの中で、一番美味しかった。

そして意外と本格的に作られたペペロンチーノだった。

 

「沙綾って料理出来たんだな」

 

『うん、そうらしい』

 

「そうらしい...?」

 

俺の問いに沙綾が煮え切らない返事を返す。

 

『いやあ、思い出した記憶の中に料理の事があったから....』

 

「あー、なるほど。無茶苦茶美味しかったよ」

 

『うん、それは良かった』

 

沙綾にそう言った後、

二人で並んで洗い物をした。

そして食器を片付けた後に、ソファーへと座り込んだ。

 

「そういえば、どうしてペペロンチーノ作ったんだ?」

 

『あー、.....私の大好物らしいから』

 

「へぇ、そうなんだ」

 

意外だった。

女の子は普通、にんにくを作った料理を敬遠するものだと思っていた。

 

『うん、後チーズも好物らしいよ』

 

「そっか....なあ沙綾ちょっといい?」

 

『なに?』

 

沙綾はそう言うと首を傾げる。

 

「また、ペペロンチーノ作ってくれよ」

 

そう口にすると、

沙綾は一旦キョトンとしたが、直ぐに笑みを浮かべ、

 

『うん、また作って上げるよ!!』

 

そう言ったのだった。





さて、今回はお家デート回みたいなものでした。
沙綾の料理シーンは書いてみたかった。
書いててペペロンチーノ食べたくなりました。

さて、次回から二つ目の記憶を思いだすために、色々とします。
暫しのお待ちを。


それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。

それでは、次のお話でお会いしましょう。

(ペヤングのハーフ&ハーフは食べてはいけない......)

なぜか似たような内容に

宣言通り更新

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