ネタ短編集   作:龍牙

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ハイスクールG&V×D ③

 力有る者は良くも悪くも多くの物を引き付ける。天龍や神、魔王さえも超えるであろう銀河の覇者たる光の巨人の力をもった彼が厄介ごとを引き寄せるのも当然と言えば当然の事だろう。

 

 ……世界規模の厄介ごと(ダークルギエルとの戦い)の真っ最中と言うのにだ。

 

 ……まあ、リアス・グレモリー先輩の言葉の真偽は兎も角、堕天使星人(仮名)が彼女を警戒していた事から、それ相応の力を持っていると言うことだろう。

 もし敵対してしまった際には果たして、ラッシュハンターズのスパークドールズの力で対抗できるのか……最悪、手持ちのウルトラマンのスパークドールズを使う必要が有るのか考えてしまう。

 

(怪獣のスパークドールズは『ブラックキング』だけ……。あとはウルトラマン達とラッシュハンターズの分だけか)

 

 ……流石に割りと小さいとは言ってもそれほど大量にスパークドールズを持ち歩く事はできないのが現状だ。ぶっちゃけ、少し亞理栖にも預かって貰っている。自分が居ない所で奪われても困る物を優先して持ち歩いている訳で、何気に選択肢は狭かったりする。

 

 ……取り合えず、彼女が何者かは分からないが……

 

「いや、あまり係わり合いになりたくないんだけど……。先輩のビョーキに巻き込まれたくないから……」

 

「いや、それは誤解なんだけど」

 

「? どうした、亞理栖?」

 

「いや、……随分と妙な事で騒いでるんでな……。まあ、別に勇輝以外はどう見られても構わないが」

 

 サラリと酷い事を言いつつ妙な妄想に走りつつあるクラスの女子を睨みつけて牽制する亞理栖。

 

「なあ、勇輝。オレ、随分嫌われてないか?」

 

「変態は嫌いらしいからな」

 

 どうも、勇輝だけでなく一誠も呼ばれていたらしく、木場の後ろには一誠の姿も有った。周囲の女子から何故か自分達の名前を使った掛け算が聞こえてくるが……自分の名前が挙がるたびに速やかに亞理栖が鎮圧してくれているので、広がっているのは木場×兵藤やら兵頭×木場やらと言った物だけだ。

 

「……まあ、気色の悪い想像されなくて済むのは感謝だな」

 

「そんな事より、昨日のはなんだったんだよ!? お前が変な宇宙人みたいな姿に変わるし……」

 

 一誠の言葉に反応して、彼の肩を叩く勇輝と亞理栖。

 

「鋭いな、一誠」

 

「兵藤変態だったか? エロバカだと思っていたが満更バカではなかった様だ……。塵から小石程度には評価を改めよう」

 

「って、幾らなんでも酷すぎるだろう、その扱い! どんだけオレの価値は低かったんだよ」

 

 勇輝の言葉以上に亞理栖の中での価値の低さに思わず突っ込みを入れる一誠。

 

「気にするな。勇輝以外の男の価値は私の中では大抵高くないが、お前はワースト3にランクインしていただけだ」

 

「慰めにもなってない!!!」

 

「慰めてないからな」

 

「……そう言えば、お前達に覗かれたって泣いてた一年の子がいたよな……」

 

「……可愛い物を傷つけるものは、問答無用で塵以下か同等の価値しかない」

 

 勇輝の呟きに笑いながら答える亞理栖だが、目が笑っていない。獲物を狩るハンターの目……と言うよりもターゲットを狙うヒットマンの目に近いだろう。

 

「木場……取り合えず、行ってやるから早く行こう……。一誠が殺される前に」

 

「って、オレが殺される事前提かよ!?」

 

「アハハ、幾らなんでもそれはない……よね?」

 

「……まあ、半殺しにされて屋上から逆さに吊るされる程度は覚悟していた方が……」

 

「早く行こうぜ、木場、勇輝!!! グレモリー先輩が呼んでるんだろ!?」

 

「そ、そうだね」

 

 本気で身の危険を感じた一誠が二人にそう促す。……過去の悪行でこのままでは半殺しにされかねない。……ただでさえ、変態鎮圧の最終兵器扱いされている亞理栖が、微妙に本気の目になっているのだから。

 

(あー……オレと戦った時の目に近いな)

 

 思い出すのはかつてのギンガとジャンキラーと名乗っていた頃の『ジャンナイン』を操っていた亞理栖との戦いの頃の事。……流石に一誠の日頃の悪行が原因なのだが、半殺しは行き過ぎだ……。

 

「私も其処まで鬼では無いさ。……まあ、次にやったら確実に警察に捕まる様に仕向けるがな……」

 

 取り合えず、結構日頃の変態行為が原因で掴まる寸前らしい一誠達変態三人組だった。

 

 

 

 まあ、亞理栖によって一誠の制裁計画があれ以上進行する前に教室を後にする一誠と木場と勇輝の三人。

 ……まあ、次回の覗きの報復行為として新しい計画は既に進行中だったりするが……それは亞理栖だけしか完全に知る良しも無い。

 

 木場に案内されてついた場所は不気味な旧校舎。今は使われていない木造の床がギシギシと軋む。意外にもそれほど埃も溜まっておらず、窓も割れては居ない。

 

「ここに部長が居るんだよ」

 

「うわぁ……」

 

 はっきり言って先日の一件によるリアスへの評価が悪い意味で修正されている。『オカルト研究部』等と書かれたプレートを見ながらそんな声を上げる。

 心底入りたくない。……そう思ってしまう。

 

「部長、二人を連れてきました」

 

「ええ、入って頂戴」

 

 木場の確認の声にそう返事が返ってくる。木場があけたドアから中の様子が見えたが、勇輝の評価は一つ。

 

「趣味悪ッ!?」

 

 壁に、床に、天井にも大量に魔法陣の書かれた部屋に思わず声を上げる。……部員らしき二人の視線がそれによって向かうが構う事は無い。

 

「悪い、帰って良いか。この悪趣味極まりない部屋には入りたくないんだけど……」

 

「悪趣味って……。そ、そんな事言わないでもらえるかな?」

 

「いや、この中二病のサナトリウムには入りたくないんだけど……」

 

「お前、三年のリアス・グレモリー先輩の呼び出しだぞ、それを断るなんてそれでも男か!」

 

「知るか! 大体、幾ら美人でもこの部屋を見れば一万年と二千年続いた恋も冷めるだろ!!!」

 

 思いっきり部室を指差してそう叫ぶ。

 

「大体、悪趣味な部屋に好き好んで入りたがるのは同じ趣味持ってる、変な感性の連中だけだろう!」

 

 何時の間にか一誠との言い争いになっているが……それ以前にその発言に部屋の中に居た小柄な少女と奥に居る二人の女性の頭に『#』マークが浮かんでいるが気付いていない。

 

 まあ、オカルト研究の後に部か同好会が付く集まりには比較的倦厭されるだろう。勇輝も宇宙人の存在は信じている……と言うよりもバルキー星人やらナックル星人やら、闇の支配者の配下の闇のエージェントの存在と言うよりも実際に戦っていたが……。

 

 まあ、そんなやり取り後……一応、自称堕天使の正体を知りたいと言う気持ちもあり、渋々同席する事にした。……重ねて言うが、本気で部屋に書かれている魔法陣には引き気味だ。

 

「えっと……こちらが兵頭一誠くんと暁勇輝くん」

 

 木場が一誠と勇輝の事を紹介するとソファーに座って羊羹を食べている小柄な少女もお辞儀をする。それに対して一度返礼をすると勇輝は部屋の中を観察する。

 

(……それにしても……。先輩達もただの人間じゃないとは思ったけど、あいつ等に近い力が薄っすらとするよな)

 

 一言で言えば、『闇の力』とでも言うべきだろうか? 闇のエージェントたちが持ち、それを心に闇を持った者達に渡すギンガスパークと遂に成る闇の神器『ダークスパーク』より生み出される量産品『ダミースパーク』の持っている力を感じる。

 まあ、ダミースパークの持っている闇の力程嫌悪を感じないのは、力の持つ方向性だけが似ていると言う事だろうか……。それに、変身した際に感じたことだが、『ウルトラマンティガ』もまた闇の力を持っていた。

 

 そんな事を考えているとシャワーの音が聞こえてくる。

 

(……旧校舎にシャワーって学校の施設の私物化って良いのか?)

 

 何故、シャワールームが付いている教室を態々使っていない旧校舎に? と言うどうでも良い疑問を覚える中、

 

「…………いやらしい顔」

 

 小柄な少女の声らしき物が響き其方へと視線を向けると、カーテンの奥に見える二人の女性らしき影と、デレデレとした顔の一誠……。

 

「イッセー、流石に亞理栖も加減は知ってるだろうが、本人も気がつかない内にエスカレートするって事は良くある話しだ」

 

「な、ナンだよ、突然?」

 

「悪い、今のお前の顔を見てたら……最悪は止めるやりすぎのレベルを帰るべきだと思った」

 

「そ、そうか?」

 

「今よりも酷い方に」

 

「おいぃぃぃい!!!」

 

 どう見ても『変態』と言っても良い顔をしていた一誠へ対する勇輝の評価だった。

 

 

 

 カーテンの奥から出てきたのはリアス・グレモリー。まあ、此処に呼んだ本人である以上、居る事には間違いないだろう。

 

「ごめんなさい。昨日はイッセーの家にお泊りして、シャワーを浴びてなかったから、今汗を流していたの」

 

「いえ、そう言う事なら仕方ないですね」

 

 仮にも女性なのだから仕方ないと判断する。……半日も汗を流していなかったら気になるだろうし、休み時間などの長さを考えても登校からこの時間まで浴びられなかったとしても不思議では無い。

 

(……なるほどな。少なくとも、この部屋の魔法陣の幾つかは本物って所か)

 

 彼女達から感じられる力、そして自称堕天使が彼女を警戒していた事、それらを推測すると部屋の中にある魔法陣の幾つかは本物であり、木を隠すなら森の中と言う理論の元で推測するならば……魔法陣の多くはダミー。同時にオカルト研究部と言う部活もそれらを隠す為の隠れ蓑。そう思考を走らせる。

 

「あらあら、はじめまして。私、『姫島 朱乃』と申します。どうぞ、以後お見知りおきを」

 

「どうも」

 

 そう丁寧に挨拶してくれる黒いポニーテールの女性。三年の先輩で面識は無いが有名人である以上名前くらいは知っている。

 亞理栖曰く『趣味が合いそうだ』と言っていた相手であると言うのは良く覚えている。

 

「これで全員揃ったわね。兵藤一誠くんと暁勇輝くん。いえ、イッセーとユウキ」

 

「は、はい」

 

 行き成り気安く呼ばれることには不快感を覚えるが、まあ良いかと判断する。そもそも、呼び方などそれほど気にしていない。

 まあ、その不快感でリアスの言葉を無視する形となり一誠に小突かれるが、一歩横にずれて相手の射程外に出る。

 

「私達、オカルト研究部はあなた達を歓迎するわ。悪魔としてね」

 

 微笑みながら告げられるリアスの言葉。その言葉に勇輝は……

 

「悪魔って……異次元人か、あんたら?」

 

 以前ウルトラマンタロウから聞いた敵の事を思わず連想したらしい。……あっちも『悪魔』と呼ばれていたし。

 だが、確実にその『悪魔』はリアス達基準の悪魔所か神よりも生命力は強いだろう……。

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