ネタ短編集   作:龍牙

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ハイスクールG&V×D ④

「い、異次元人って、何処をどうすればそんな発想が出てくるのよ……?」

 

「いや、知り合いから聞いた異名で連想したけど」

 

 確かに知り合い(ウルトラマンタロウ)から聞いた話では有る。まあ、リアスはリアスで『でも、冥界って……異次元でも間違いない?』と呟いているが……勇輝の言っている相手の正体を知ったら泣いて否定するだろう。

 流石に“あれ”と一緒にされたくないだろうし。

 

「と、兎に角……。単刀直入に言うわ、私達は悪魔なの」

 

「なるほど、血も涙も無い、と」

 

「そう言う意味じゃないわよ!!!」

 

 全力でからかっているだけの勇輝だった。まあ、相手に会話のペースを握られても拙いと判断しても台詞だが。

 

「粗茶です」

 

「あっ、どうも」

 

「どうも」

 

「部長も少し落ち着いて」

 

「……ありがとう」

 

 そう言って朱乃がお茶を出してくれる。それを飲んでいる一誠に対して、勇輝は一度手に取った後飲まずにテーブルの上に戻す。

 どうも、部屋の雰囲気から変な物が入っていそうだし。そして、勇輝にからかわれていたリアスも朱乃から受け取ったお茶を飲んで気分を落ち着けている。

 

 ふと、視線を感じると勇輝は朱乃が自分を見ている事に気付く。

 

「……どうかしましたか?」

 

「いえ、お気に召さないのかと」

 

「……部屋の雰囲気的に……変な物とか入ってそうで。イモリの黒焼きとか、コウモリとか」

 

 勇輝の一言に飲んでいたお茶を噴出す一誠と、その場にずっこけるリアスと朱乃と木場。……我関せずと黙々と羊羹を食べている小猫は結構大物なのかもしれない。

 

「失礼な、入ってません、いたって普通のお茶ですから!!!」

 

「……まあ、それなら」

 

 それでも警戒して少量だけ口に含む。まあ、味としては変な物は感じない、普通のお茶だった。……寧ろ、

 

「美味い」

 

「ありがとうございます」

 

 正直な感想だが、『#』マークが張り付いていた朱乃の表情が多少柔らかくなったのが分かる。褒められたのが嬉しかったのだろう。

 

「ま、まあ、信じられないのも無理ないわよね。でも、貴方達は昨日、黒い翼の男を見たでしょう?」

 

「あれって、地球侵略を企む宇宙人(エイリアン)じゃないんですか?」

 

「違うわよ!!! 寧ろ、貴方が変身した姿のほうが宇宙人じゃない!?」

 

「その通りですが。それが何か?」

 

 リアスの突っ込みにそう切り返す勇輝。

 

「あれは宇宙人じゃなくて堕・天・使!!! 元々は神に仕えていた天使だったんだけど、邪な感情を持っていたために地獄に堕ちてしまった存在。私達悪魔の敵でもあるわ」

 

(……タロウから聞いたベリアルってウルトラマンみたいな奴の事か? まあ、その辺は神話とかファンタジーでよく聞く話だな)

 

 そう言うオカルト研究会の面々と一誠の背中から黒いコウモリの様な翼が広がる。

 

「翼状の寄生生物か……。何らかの方法で寄生させて……此処まで成長するのにどれだけ……地球上……。いや、宇宙から来た生物かもしれない」

 

「違うわよ! そんな物に寄生されてないわよ!!!」

 

 常にSF方面に向かって行く勇輝の思考を此方へと持ってこようとするが……。

 

「まあ、百歩譲って悪魔と認めますか」

 

「はー、はー……。ありがとう」

 

 気を取り直して説明を続ける。要約すれば、地獄の先住民と侵略者である堕天使に、虐殺者である天使を加えた三大勢力が存在し、三竦みを続けていると言う訳だ。

 

「要するに……悪魔にとって堕天使が“侵略者”で、天使が“殺人鬼”って訳ですね」

 

 この後、天使のトップに出会った瞬間『殺人鬼のまとめ役』と言って周囲を唖然と焦る事になるのは本人さえ知らないことだった。……アザゼルに至っては『侵略者のボス』と言って大いに爆笑させる事になるのだが……それも知らない事だったりする。

 

「……人聞きが悪いけど、概ねその通りよ……」

 

(……しかし、何ていうか三大勢力に人間が道具にされているって気がするな)

 

 悪魔は人と契約を結び力を蓄え、堕天使は人を操り悪魔を殺そうとする。……どうも人間よりの考え方が中心であるからか、そう思ってしまう。

 

「天野夕麻」

 

 そう呟いたリアスの言葉に一誠が反応した。

 

「貴方はあの子に殺されたのよ。危険因子と判断されて」

 

「その話はしないで下さい。オカルトうんぬんで話されると困ります」

 

 そう答える一誠に対してリアスは朱乃に一枚の写真を持ってこさせる。そこに映っていたのは一人の少女の姿。

 

「……この子は、一誠達が亞理栖に逆さ貼り付けにされた時の……」

 

 改めて『彼女が堕天使だったのか』と思う。

 

「彼女……いえ、これは堕天使。昨日の男と同質の奴よ」

 

「……悪魔のお膝元に二人も入り込むなんて……結構な実力者って所か? 少なくとも、敵地に単独で動くなんて、大胆不敵な事が出来るって事は最低でも、先輩達を返り討ちに出来る実力が有るって事ですよね、彼女の昨日の奴」

 

「そ、それほどの実力でもなかったと思ったんだけど……」

 

「あの、それって……リアス先輩。舐められてるって事じゃないんですか? いや、寧ろ戦争の切欠の為の挑発行為って所か……」

 

 話が妙な方向に行っている勇輝だった。まあ、敵地で大胆に行動していると言う事は相応の目的が有っての事だ。先程までの情報からの推測は、堕天使と悪魔の戦争の開戦に関係しているとしてか思えない。

 

(誰がボスかは知らないけど……ふざけた真似しやがって。絶対に一発ぶん殴って吹飛ばしてやる!)

 

 無言のままにウルトラマンのスパークドールズに触れる勇輝。……何気にアザゼルさん、誤解のまま生命の危機に曝されていたりする。

 

 さて、勇輝がそんな危険な事を考えている内に一誠が危険視されていた理由として、『神器(セイクリッド・ギア)』が話題に上がる。

 

「神器とは、特定の人間に宿る規格外の力。中には私達悪魔や、天使、堕天使を脅かす程の力を持った神器が有るの。イッセー、手を上に翳して頂戴」

 

 リアスに言われたとおり一誠は戸惑いながらも手を翳す。

 

「目を閉じて、貴方の中で一番強いと感じる何かを心の中で創造して頂戴」

 

「い、一番強い存在……。ド、ドラグ・ソボールの空孫 悟かな」

 

(……それって漫画のキャラじゃ……。まあ、強いだろうけど)

 

「その存在を真似るのよ。強くよ、軽くじゃダメ」

 

 一誠は両手を前へと突き出し上下にあわせる。

 

「ドラゴン波!!!」

 

「ブッ!!!」

 

「笑うなよ、勇輝!!!」

 

 必死に笑いを押し殺しているが普通に爆笑寸前の勇輝に対して一誠は抗議の声を上げるが、直ぐにその視線は自分の腕へと向かう。左腕が光り、赤い籠手のような物が装着されていた。

 

「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

「おー……本当に有ったのか」

 

 妙に気の無い声で一誠の籠手を観察する勇輝。

 

(それにしても……結構強い力を感じるよな……。案外珍品だったりして)

 

 一誠の籠手から感じる力の大きさは……ギンガスパークには及ばないが強い力を感じられる。

 

「それが貴方の神器よ。あとは自分の意思で出し入れが出来るわ。それを危険視されて殺された所を私が生き返らせたのよ。悪魔としてね」

 

(ウルトラマンなら完全に生き返らせることが出来るのにな……)

 

 等と初代ウルトラマンの冒険談を聞いていた勇輝はそんな事を考えてしまう。自分の背中に生えた悪魔を意味するコウモリの翼の意、それを理解したのだ。

 

「改めて紹介するわね。祐斗」

 

 リアスの言葉に促され木場はスマイルを浮かべる。

 

「僕は木場祐斗。君達と同じ二年生だよ。えーと、悪魔です。よろしく」

 

「……一年生。……『搭城 小猫』です。……悪魔です」

 

 小さく首を下げて再び羊羹を食べ始める小猫。

 

「三年生、『姫島 朱乃』ですわ。一応、副部長も兼任しております。今後もよろしくお願いします。これでも悪魔ですわ。うふふ」

 

「そして、私が彼等の主であり、悪魔でも有るグレモリー家の『リアス・グレモリー』よ。家の爵位は公爵。よろしくね、イッセー、ユウキ」

 

 気安く呼ばれる筋合いは無い、とも思ったが敢えて口には出さない。久し振りに闇の支配者が動き出したのかとも思っていたが、違う様子だった。……悪い言い方をすれば落胆と言う所だろう。そんな事を考えるのは不謹慎かもしれないが、一刻も早く解決したい状況が長引いているのは不吉な感じしかしない。

 

 そして、全員の自己紹介が終った所でリアスは勇輝を睨む。

 

「さて、私達の事は話したわ。次は貴方の事を教えてくれるかしら? 勇輝君。貴方が堕天使と戦った時の姿は宇宙人と言っていたけど、それで堕天使と戦えるとは……」

 

 リアスの言葉に思わず笑ってしまう。あまりにも科学サイドの力を軽視した発言だからだ。何より……

 

「何が可笑しいのかしら?」

 

「いえ、自分達のような存在が居るなら宇宙人が居ても不思議じゃない、と言う所はオレよりも柔軟で尊敬できますが……自分達の力を随分と過大評価していると思ったので」

 

 ウルトラマンの存在する世界に於いて、ウルトラマンは人から神の領域へと科学の力で近付いたのだから。

 

「借り物の台詞みたいですけど、こう言うのが最適なんでしょうね、この場合。……科学舐めるな、ファンタジー」

 

 まあ、ギンガの力は寧ろファンタジーに高いかもしれないが……平成ウルトラマンの大半はファンタジーとSFのハーフと言って良いだろう。

 

 

 

 

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