ネタ短編集   作:龍牙

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ハイスクールG&V×D ⑤

「じゃあ、逆に聞きますけど……怪獣映画に出てくるような怪獣を相手に、勝てますか?」

 

 勇輝からの突然の質問に思わず戸惑ってしまうリアスだが、内心『そりゃ、宇宙人が居るなら、そうのもいるのかしら』と言う考えも浮かぶ。

 一瞬、自分達が怪獣と戦う姿も想像するが…………どうしても勝てる絵は浮かばない。第一大きさが違う、例え消滅の魔力を持つ自分でも学校の校舎を一撃で破壊する事はできない。……そもそも、それを一蹴りで……攻撃するという意思すらない『歩く』と言う動作だけで破壊できる化け物等戦うだけ無駄と言う領域だろう。はっきり言って、最強戦力(四大魔王)が出てくるレベルの『災害』だ。

 当然ながら、自分の眷属……朱乃の雷も、小猫の怪力も、木場の魔剣も意味を成さない代物だ。蟻ではドラゴンに勝てない様なものだ。

 

「勝てるわけ無いわね」

 

 だからこそ、そう判断して答える。相手がどんな意図を持ってそんな質問をしたのかは知らないが、何かしら探れる事も有るだろうと考えたのだが……

 

「宇宙人の中にはそんなサイズに巨大化できるのも多いんで」

 

「そ、そうなの?」

 

 想いっきりストレートな答えが返ってきて逆に戸惑うリアスだった。ぶっちゃけ、獣ですら災害なのに、高い知性を持った巨大生物等リアス達にしてみれば、犠牲を覚悟で避難するレベルの大災害……否、超災害だろう。

 ……まあ、大災害レベルで十分だ。……実際、まだ上がある。

 

「序でに、オレがあの時変身したのって……どっちもその怪獣をハンティングするハンターチームのメンバーですから」

 

「……あの堕天使、生きてたら幸運ね」

 

「確か、ガルムの時に使ったのは怪獣にもダメージを与えるライフル……」

 

「……世の中には運の悪い人って居るものね……」

 

 勇輝の言葉に乾いた笑いを浮べるリアス。……そんな怪物を狩るための武器を向けられて、しかも撃たれたのだから……自分の領地に無断で入り込んだ事は差し引いても、心から同情したくなる。

 

「いや、怪獣って、そんな物本当に居るわけが……」

 

「いや、居るぞ、怪獣。オレも何度も戦ったよな」

 

 一誠の言葉に当然の様に言葉にかつての冒険を思い出しながら呟く。

 

「……火を吐くどころか、全身から放電したり、分身したり、合体したり……色々と豊富だったよな、種類」

 

「いや、どんな体験してんだよ、お前は!?」

 

「へっ、“冒険”に決まってるだろ、イッセー?」

 

 一匹見つけただけでも即座に魔王の出動を要請したくなる怪物相手に何度も遭遇した上にこの発言……言葉に詰る一同だった。

 

(……そう言えば、ソーナが言ってたわね……『冒険家』って進路を出した生徒が居るって)

 

 本気でそれを目指している勇輝では有るが。まあ、本気で実際に怪獣が居ると言われても、返答に困るリアスでは有るが……。

 

(……怪獣と買うちゃ羽人とか、荒唐無稽すぎるわよね……)

 

 実際にガルムとバレルを身近で見ているリアスなら宇宙人と言われてもまだ納得できるが、実際にそれを見ていない彼女の眷属達はどうしても信じられないと言う様な表情を浮べている。

 探るような視線を向けてみるが、表情からでは相手の真意は分からない。

 軽く溜息を吐き、

 

「分かったわ。もういいわ、これ以上貴方から聞く事は無いわ」

 

 宇宙人だとか、怪獣だとか言われて、一度考えを整理したい気分だった。勇輝にしてみれば、変身した所を見られた以上、知られても問題ない事を答えていただけなのだが……。

 

「それで、話は変わるんだけど」

 

「なんですか?」

 

 妖艶な美しさを持った微笑を浮べながら、魅力的な眼差しを勇輝へと向ける。

 

「勇輝、貴方……悪魔に転生してみない?」

 

「謹んでお断りします」

 

 先ほどから話を聞いていて悪魔になるメリットは精々長い人生程度しか感じられない勇輝だった。

 高校卒業、大学卒業後になるかは分からないが、将来的には自由に世界中を冒険したいと考えている勇輝にとって彼女の眷属とやらになるのは“自由”が奪われる事に等しい。悪魔と堕天使が住む世界と言うのにも興味は有るが、それでも自由に冒険が出来無いと言うのは嫌なのだ。

 そして、何より……先日の堕天使の言葉を信じるのならば、悪魔の弱点は『光』。態々光の巨人であるウルトラマンに変身するたびにダメージを受ける様には……下手すれば変身するだけで死ぬ様な体にはなりたくない。

 

「ちょっ、即答はないでしょう!? もう少し考えてくれてもいいじゃない!?」

 

 勇輝の即答に物凄く残念そうな表情を浮べるリアス。

 

「って、お前! あのリアス先輩からの直々のお誘いだぞ、それを断るのか!?」

 

「いや、普通そんな理由で受けるわけ無いだろう、人間辞めない? なんて誘いを!?」

 

「い、いや、それはちょっと人聞きが悪いんだけど……」

 

 即座に断った勇輝に噛み付く一誠と、それに対する勇輝の言葉の中に矢鱈と人聞きの悪い言葉が混ざっている事に苦笑する木場。

 

「だって、上級悪魔ってのになれば自分の眷属って奴が持てるんだろ? 可愛い女の子を眷族にして、ハーレムを……」

 

「いや、なったからってハーレム作れるとは限らないだろ?」

 

 ヒートアップして『ハーレム王にオレはなる』と叫ぶ最中に一斉に冷水の様な一言を突きつける。

 

「いや、考えてみろ……オレみたいに相手に断られたらどうする気だ? お前が眷属にって目を付けた相手に恋人が居たら? いや、それだけじゃない……お前の事を嫌っていたら? そんな嫌がる相手を無理矢理眷属にしてハーレムにでも加える気か?」

 

「あ……あぅ……」

 

「ハーレム云々言うなら普段の言動を考え直せ、せめて学校の中じゃ表に出すな」

 

「そ、そんな……エロはオレの生き甲斐なんだぞ!」

 

 夢の前に立ち塞がる最大の壁を突きつけられて項垂れている一誠を他所に、

 

「でも、眷属になれば貴方の領土が与えられるわよ。それに、悪魔になればほぼ永遠に近い寿命が与えられるのよ」

 

「領土に関しては対して魅力的に思えないんだよな。義務まで背負うのは、な」

 

 主に自由に冒険することが出来なくなると言う意味で、だ。

 

「永遠に誓い寿命も魅力的には感じないかな……」

 

 同じ様に永遠に誓い寿命を持つウルトラマンを知っているから言えることだが……

 

「後世へと受け継がれる命の繋がり。人の持つ『永遠の命』を失って生きていくのも魅力なんて感じられないな」

 

 過去の冒険の中で知った人間の持つ可能性……それを知っているからこそ、永遠等と言う寿命には興味は抱く事は無い。その一瞬でギンガやタロウ達ウルトラマンと出会えたからこそ知った、人の持つ可能性を失ってまで得たいとは思えない。

 

「そう言う事なら……っ!?」

 

 勇輝の言葉に対して答え様としたリアスの言葉が止まる。……扉の方から聞えた衝撃音と外から内へと飛ぶ様に床に倒れる扉……。

 それに対して、木場、小猫、朱乃と言った彼女の眷属達が臨戦態勢を取る。……そんな中、

 

「なるほど、心配するまでも無かったようだな、勇輝」

 

 黒いロングヘアーを翻し、廻し蹴りの体勢を直し、いつもと変わらぬ口調で告げる少女、亞理栖。手に持つ銃型の武器がなければいつもと変わらない彼女の様子なのだが……。

 

「……亞理栖。お前……随分派手な登場だな」

 

「はぁ、念の為に君に就けておいた盗聴器が聞えなくなったから心配になって急いで来たと言うのに、随分な言い草だと私は思うけどね」

 

 ……盗聴器と言う部分は間違いなく突っ込みを入れるべきだと思うのだが、

 

「ああ、これは今回だけだ。ちゃんと後で回収する心算だったし、タロウにも了承済みだ」

 

「いや、本人の許可は取るべきだろう!? それに、お前も賛成したのか、タロウ!?」

 

 思わず絶叫してしまった彼に罪は無いだろう。

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