ネタ短編集   作:龍牙

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ハイスクールD×A 鋼翼の反逆者 その3

 ゆっくりとライディーンイーグルは最初に切り落とした際に散ったコカビエルの羽を拾い上げる。

 

(さて、どうしてこうなったかは知らないけど、これで此処の危険はなくなったな)

 

 そう言ってショックのあまり崩れ落ちているアーシアへと視線を向ける。

 

「主は……死んでいる? では私達に与えられる愛は……?」

 

(感じる気配から言って彼女は悪魔だよな? なんで悪魔が神の死を知ってあそこまでショックを受けるんだ?)

 

 当然ながらライディーンイーグルである勇気はアーシアの過去は知らない。故に神の死を知ってもショックは一過性のものだと思っていたのだが、思っていた以上にショックを受けているアーシアに逆に驚いたほどだった。

 

 なお、ゼノヴィアについては聖剣を持っている事から教会・天界側の人間であると判断、彼女がショックを受けているのは無理も無いと思っている。

 

(まあ、後の事はお仲間に任せるか。それよりも……)

 

 そう考えながら手の中で玩んでいたコカビエルの羽を睨みつけ、

 

(……堕天使の総督……アザゼルだったな? 何の心算かは知らないが態々幹部まで使ってこの街を危険に晒したんだ……。何れかならず落とし前を着けさせる。鋼鉄の翼に賭けて、な)

 

 ……実はコカビエル一人の責任なのだが、すっかり黒幕扱いされているアザゼルさんに合掌。取り合えず、初対面の時は問答無用でイーグルフレア打ち込まれない事を祈っておこう。

 

「おい、待ちやがれ!」

 

 そんな事を考えながら立ち去ろうとするイーグルを一誠が呼び止める。

 

「……何か用か、赤龍帝? 兵藤一誠……だったな?」

 

 まあ、同じ学園の悪い意味での有名人だけに彼の名前は良く知っている。

 

「ふざけんな、お前のせいでアーシアが……」

 

「いや、コカビエルのカミサマ不在の宣言だろ、どう考えても?」

 

 ぶっちゃけ、彼女についてはイーグルに責任は無い。先代のイーグルに至っては神様殺したのも、人間を守るためだ。寧ろ、結果的に一緒に守られた連中には神殺しについては感謝されても恨まれる理由など無いはずだ。

 

『止めろ、相棒!!! あいつにだけは手を出すな!!!』

 

 序でに神器から零れる必死に一誠を止める赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に宿る二天龍の一角であるドライグの声。

 此方の世界では、彼ら二天龍を神器に封じる寸前まで叩きのめしたのは、二人のライディーン……ライディーンイーグルと『ライディーンークロウ』だったりするが、本編中で語ることも少ないと思うので表記しておこう。

 二人のライディーンの勝利に終ったものの、一歩間違えれば敗れていたのは彼等の方だった。だが、二天龍にライディーンのリーダー二人が一騎打ちの末に勝利したと言う事実は悪魔と堕天使の陣営を大いに恐れさせたほどだった。……神をイーグルが討つよりも少し前の出来事だが……。

 

 

『ふふふ、面白いな』

 

 

 一誠が一方的にイーグルに怒りをぶつける中、結界の中に新たに白い光が乱入する。

 

「なんだ……あれはまるで」

 

 白い鎧に身を包んだ男、ライディーンが鳥だとするならば龍を思わせるそれは……

 

「『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』にそっくりだ……」

 

「……龍系の神器の禁手……。白で赤龍帝の鎧に似ているか。なるほど、お前が当代の白龍皇と言った所か」

 

「まあ、そう言う事だが。オレはそいつの回収に来たんだ。アザゼルに言われてな」

 

「なるほど、幹部が倒されそうになって慌てて増援を送ったって所か?」

 

 そう言ってイーグルソードを構えるイーグルに対して白龍皇は、

 

「いや、それは違う。今回の事は全部コカビエルの独断だ。アザゼルは戦争は望んでいない」

 

「……なら、今はその言葉を信じておこう」

 

 そう言って投げ渡したコカビエルの羽を白龍皇は受け取る。少なくとも、イーグルにとってコカビエルを倒したのはこの街に住む人々を守るためだ。下手に戦って被害を増やすことだけは避けたい。

 

「コカビエルを無理矢理にでも連れ帰るように言われたんだが、まさか倒されているとは思わなかったよ」

 

 そう言って白龍皇はもう一人倒れていた男を拾い上げる。

 

『無視か“白いの”』

 

『起きていたか、“赤いの”』

 

 一誠の籠手から響くドライグの言葉と、白龍皇から出る別人の……恐らく、白龍皇と謡われし二天龍の一角『アルビオン』の声なのだろう。

 

「強くなれよ、何れ戦うオレの宿敵君。そして」

 

 アルビオンとドライグ……二天龍の会話が終ると、そうまだギャーギャーと叫んでいる一誠に言って白龍皇はイーグルへと視線を向ける。

 

「何れ君達ライディーンとも戦ってみたいな」

 

「……戦闘狂(バトルマニア)か、お前は?」

 

「アザゼルからもよく言われるよ。何れいい殺し合いをしよう、ライディーン」

 

「……ライディーンイーグルだ。イーグルとでも呼んでくれ」

 

 一応、ライディーンの名は総称なので、本来の呼び名を教えておく。無駄な戦いは嫌いなのだが、取り合えず顔を知られなければ……

 

(無理か)

 

 この街で暴れられても叶わない。そう考えれば受けるしかないが……せめて時間と場所程度は予め決めてから初めて欲しい。飛び去っていく白龍皇の背中を見送りながらそう思うイーグルだった。

 

 さて、コカビエル対策の魔王が来る前にさっさと帰ろうとした時、

 

「っ!?」

 

 突然感じた殺気に反応して其方へとイーグルソードを向け、振り下ろされた一閃を受け止める。

 

「……何の心算かはその剣を見れば大体想像出来るけど、一応聞いておこう……。先代のイーグルが神を殺した事か?」

 

「ああ。絶望したさ、私の今までの人生は何だったのか、とな」

 

 聖剣デュランダルを受け止めながらイーグルはその剣の持ち主、ゼノヴィアを見据える。

 

「それも、全てお前が!!!」

 

「そうだな、神を殺したのは先代とは言えライディーンイーグルだ。無関係……なんて無責任な事を言う気は無い。だから」

 

 連続で振るわれるデュランダルの剣戟をイーグルソードで受け止めながらイーグルはゼノヴィアの言葉に答える。

 

「神と言う言葉に操られる人形じゃなくて」

 

 受け流したデュランダルが校庭に叩き込まれ、更に深く埋めるようにイーグルが踏みつける。

 

「人間として新しい人生を生きるならオレの所に来れば、出来る限りの協力はしてやる」

 

「待て!」

 

「鳳勇気。この学校の生徒で……外の生徒会長さんに聞けばオレの住所くらいは分かるだろう」

 

 背中の翼を広げて上空に逃れたイーグルに向かって叫ぶゼノヴィアにイーグルは己の名を名乗る。

 ……生徒会長……と言うよりも生徒会にはライディーンの事は教えていないが、入学当時から眠り続けている幼馴染の事で世話になっているので、住所程度は知っている。……彼女が眠り続けている理由は未だに原因不明となっているので真相は未だに分かっていない。

 

「って、勇気! お前、勇気だったのかよ!?」

 

「いや、お前に名前で呼ばれるほど親しかったとは思わなかったけどな、兵藤」

 

「うっせー! 何時も何時も、オレ達の邪魔ばっかりしやがって」

 

「……覗きが見つかった時に捕縛の手伝いしたり……校内に隠してあるエロ本の事を生徒会に報告したりとかか……?」

 

 例によって眠り続けている幼馴染の事に対するお礼から肉体労働面……主に放課後までの時間帯で生徒会の手伝いをしているのだが、何故か全体的に一誠と他二人の彼の友人達に関係する事が多い。

 

 一部身内からも呆れた様な視線を向けられているのにも気付いていない。ぶっちゃけ、校内に隠されていた品物は全部焼却済みだったりする。

 他にも、校門前での抜き打ち検査の際に持ち込んだその手の本やDVDを守る為にあの手この手で隠そうとしていた彼等の手から取り上げた事も何度もある。……よく手伝っているので。

 

 そんな事も手伝ってか、勇気は駒王学園の中では実はそれなりに女子からの人気も高いのだ。

 

「そう言う訳だ、オレはこれで失礼する」

 

「っ!? 待ちなさい!」

 

 呼び止めるリアスの言葉を無視してイーグルは結界を切り裂きながら飛び去っていった。

 

 

 




現在決まっているライディーンはイーグルを除いて五人までだったりします。残りはどうしよう……。

それはそうと、本作は漫画版をベースにアニメ版も実は五割ほど含めて、『超者』以外のライディーンのネタも組み込んでいます。具体的に言うと……某海賊ガンダムの作者のゴッドバードのネタとか。
主に……ゴッドライディーン救済計画の為に。
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