ネタ短編集   作:龍牙

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The Knight Of DRAGON外伝『騎士-ナイト-』 参章

地面に置かれていた銅鏡の中からキョウが顔を出した。小さな顔に緊張の表情を貼り付けたまま空中に浮かんで目を閉じ、ひたすら何かを探るように神経を集中させている。

 

「やっぱり。」

 

目を開いたキョウが直ぐ横で眠っているカズヤの体を揺さぶった。

 

「ねえ、カズヤ、起きてよ。カズヤったら!」

 

「ん…? ああ……。」

 

薄目を開けたカズヤがキョウの顔を見ると意識を完全に覚醒させる。ライダーバトルでの不意打ちに対する警戒の経験ゆえか、最近は寝起きはいいのだ。

 

「寝てたのか…色々有って疲れてたからな…。座りながら寝たから、体が痛いな。」

 

首を回し、肩を上下に動かしながら、体をほぐすとカズヤはキョウの方へと視線を向ける。刃のような鋭さを持った視線が彼が戦士である事を確認させる。

 

「それで、何かあったのか?」

 

「ここに誰かが近付いてくる。」

 

キョウの言葉を聞き、幾つかの答えを考えた結果、三つの答えを出すとそれらの中の答えの何れが正解か確認するためにキョウへと質問をつなげる。

 

「人数は?」

 

「総勢数十人といった感じかな? 近付いてくる人間の気配から見ると。」

 

「チッ、最悪の答えが大正解か?」

 

キョウの返事に舌打ちと共にそう言葉を返す。こんな朽ち果てた神社にそんな大人数でやってくるとしたら…答えは一つしかない。狗根国の一団であると言う事である。

 

「最悪の答えって?」

 

「荷物から見ても分かるとおり、ここを使っているのは精々四、五人と言った所だろ。それから考えて数十人の人間が一度に向かってくるのは不自然だ。不自然を自然にする一番無理のない可能性…それが向こうが狗根国の連中という可能性だ。それで、その連中はこっちに向かって真っ直ぐ近付いてきてるのか?」

 

キョウの疑問を自分の推測から導き出した答えを答えつつ再び質問を重ねる。最悪の答えだったとしても、偶然この近くを通りかかったとも考えられる。

 

「う、うん。まっすぐこっちに近付いてきてる。たまたま近くを通りかかったって感じじゃないんだ。」

 

「キョウ、一応、偵察に行って来てくれ。普通の人間には見つからないんだろ?」

 

「うん、様子を見てくるよ。何か胸騒ぎがする。」

 

そう言った瞬間、キョウは床下の狭い空間を物凄い勢いで飛んでいった。途中、外に出る直前で振り返ると、

 

「言っておくけど、穏伏おんぶくの陣から出ないようにね。下手に外に出ると気配を気取られちゃうかもしれないから。」

 

「ああ、分かった。」

 

手を振りながら、外に出て行ったキョウを見送るとキョウの描いた陣に視線を向ける。そういう系列ファンタジーの漫画や小説で見た様に一度外に出ると効果が消えてしまうのだろうと考える。

 

「……………最悪の場合、迎え撃つ方法を考えた方がいいかな?」

 

最悪はダークウイングとライダーに変身した自分で追い返すなり、ミラーワールドへ逃げ込めばいいと考えるとここで隠れているよりもそっちの方が安全ではないか等と考えてしまう。

 

上から剣を突き刺すなり武器を振り回される等されたら気配を消した所で意味は無い。そういう場合の対策も有るのだろうが…詳しく陣の効果は知らないのだ…信頼の置ける手段の方が安全性が高いと考える。

 

意を決して床下から這い出るとカズヤは壁に添って部屋を移動する。鏡か何かが見つかれば、ライダーへの変身やミラーワールドへの侵入も容易に出来る。

 

先ずは荷物を確認させてもらおうと、持ち主達へ対して心の中で謝罪すると籠かごや葛籠つづらの蓋ふたを開ける。

 

最初の籠に入っていたのは見た所、女物の衣服だけだったので直ぐに蓋を閉める。他の葛籠や籠にはお札や竹簡ちくかん等が詰まっていた。竹簡ちくかんや布製の札を手にとって見るが、時代が違うのだろう、カズヤが読める字ではなかったので、元に戻す。

 

「布や竹簡ちくかんなんて使っている所を見ると、紙は発明されてないのか?」

 

キョウから説明された自分のいる世界の情報を思い出す。

 

「魔法みたいな技術はあっても、紙は作られないのか…。いや、待て…。」

 

思い起こすのは授業で聞いた紙の発明された時期…

 

「紙が発明されたのが後漢の蔡倫だったな。一世紀いや、二世紀といったところか…? 今が三世紀の日本に近いところと考えるとまだ伝わってないか、一般には広まらず一部の権力者の近辺のみに普及していると考えた方がいいか。けどな…。」

 

カズヤは床に散らばっている衣服の一つを拾い上げそれを見つめる。

 

「随分と三世紀には似つかわしくないデザインだな。まあ、そんな物は趣味のレベルだから、深く考える必要は無いか。」

 

そう言って即座に切り捨て拾った服を綺麗に畳み直して最初に開いた籠の上へと乗せて、再び壁に沿って歩き始める。

 

「他には特になしか…。うん?」

 

入り口から一番離れた位置にある壁に小さな扉を見つける。

 

「…隠し扉か。RPGとかだと中には強力な武器とか入ってるのがパターンだけど…。」

 

床から一メートル程の高さにある朽ち果てかけた扉を手前に引くとそれは鈍い音を立てて開く。

 

そして、部屋の中を覗き込むとそこには不思議な形状をした長さ1.8メートル位の細長い物が転がっていた。

 

「へー…なんかアイテム発見かな、これは?」

 

一辺六十センチほどの狭い空間に上半身を押し込み、扉の枠へと乗せた腰を始点にして振り子の様に頭を下に振ると、軽く回転して、扉の中の空間へと降り立つ。思ったよりも部屋は広く何とか立つことは出来る。そして、カズヤは目の前に落ちているそれを拾い上げた。青銅製なのだろう、青緑色をしてかなりの重さがあった。

 

よく見てみると片側の端に丸い円盤状の皿の様な物が付いていて、その中央には芯の様な物が飛び出でいるのが見えた。その反対側はその部分で全体を支える為なのだろう、大きく広がっている。

 

「なんだ…燭台か何かって事か…?」

 

何でそんな物を態々隠し扉の中に隠してある部屋の中に置いてあるのか疑問だが、ここが狗根国によって廃棄されてると言うキョウの言葉から推測すると重要な物は持ち去られ、これは取り残された物とも考えられる。だが、それだと隠し扉を元に戻したと言う点での疑問が浮かび上がる。

 

「…分からないな…? 何でこんな物だけがここに…?」

 

後でキョウにでも聞いてみるかと考えて、床の置こうとした時、突然『ぼん』と言う音が響く。

 

「な、なんだ!?」

 

音が響いたのはカズヤの持っていた燭台だった。蝋燭ろうそくも油も無いのに燭台の先端が燃えている。

 

「どうなってるんだ…これは?」

 

ライダーバトルという名の非常識を体験していても流石に燃料も無いのに燭台が燃えているという非常識に一瞬だけ固まってしまう。

 

 

『そこにいるのは誰だ!?』

 

 

その時、低く鋭い声が社やしろの中に響いた。

 

その声に我に返るとカズヤはポケットの中のペーパーナイフとカードデッキを取り出す。

 

(拙いな…誰か来たのか? どうする…?)

 

「そこに隠れている奴、出て来い。」

 

考えが纏まる前に足音が近付いてくるのが分かる。気配は二つ。恐らく物騒な雰囲気から考えて武器も持っている事だろう。

 

「出てこないのなら、死んでもらうぞ。」

 

(…どうする…? 一応、投降した後、耶麻台国の関係者だったら、即座にキョウの本体を引き渡して逃げるけど…。狗根国とか言う連中の偵察だったら…。)

 

「出てこないのなら、やむを得んな。清瑞きよみず、引っ張り出すのだ。抵抗したら、切手も構わん。」

 

カズヤが考えを纏め上げると同時にもう一人の相手が声を上げる。

 

先程まで聞こえた声の高さと聞こえてくる口調から近付いてきているのは女で恐らく後から聞こえたそれなりの年齢の男性の部下と推測される。

 

「待った、待った。今から出るから、ちょっと待ってくれ。」

 

軽い口調で言葉を返す。それと同時に社の中にいる人間の動きが止まった事が分かった。

 

「ならば、早く出て来い。」

 

今度は男の声で清瑞きよみずと呼ばれていた女の声が聞こえる。

 

「ただし、ゆっくりとだ。妙な動きをしたら、切り殺す。」

 

(…ダークウイング、向こうが武器を持ってオレに向かってきたら、奴の武器から飛び出して牽制してくれ。オレはその隙に変身する。)

 

『キィ。』

 

冷徹に続けられた清瑞きよみずと呼ばれた女の声に身震いする。『殺す』と言う言葉には何の力みもない。それと同時にライダーバトルを続けていた頃の自分にも、そんな人を殺す事をなんとも思っていない人間特有の落ち着きがあれば、どれほど楽だっただろうと考えて、苦笑してしまう。

 

最低限、相手の様子を確認しようと開いている扉から顔を覗かせると、正面には黒ずくめの衣装を着た女が立っている。顔はマスクのような物で半分ほど覆われてよく見えなかったが、除いている目元を見る限り、かなりの美人に思われた。その手にあるのは『幸い』にも、冷たい光沢を持った本物の刀と言うことだろう…。

 

もう一人いるはずの男の姿はなく、恐らくどこかに身を隠しているのだろう。

 

(…恐らくもう一人の男も武装しているはず…目の前の相手をダークウイングで牽制して、その隙に変身するにしても、もう一人の位置を確認してからの方がいいだろうな…。)

 

元の部屋に戻ろうと両腕を伸ばした時、すっかり忘れていた燭台の炎が彼の顔を焦がした。

 

「あち!!!」

 

思わず持っていた燭台を放り投げる。向こうの部屋に転がり落ちた燭台が乾いた音を立てる。すると同時に男と女の大きな声が響いた。

 

「こっ、これは!!!」

 

「ばかなっ!?」

 

転がり落ちても、なお、燭台の炎が皿の上で燃え続けていた。正面に立った女が油断のない足取りで近付き、そっと燭台を拾い上げ、手にした物を掲げ、燃え続ける炎をまじまじと見つめる。

 

(なんだ? 様子が変わった。)

 

カズヤは奥の部屋の中から女の様子を伺う。しばらく女は炎を見つめていたが、そっと後ろを振り返った。

 

「伊雅様、これは!?」

 

(伊雅!?)

 

カズヤの視界の中に男の姿が現れる。男が呼ばれている名『伊雅』とは確かキョウが自分を届けてくれと頼んだ相手……。

 

「信じられん……。天あめの炎かぎろいが燃えている。」

 

『伊雅』と呼ばれた男は恭うやうやしい態度で『清瑞きよみず』と呼ばれた女から燭台を受け取ると、炎に手をかざした。

 

「まさか、これが燃えるとは……これは何かの瑞兆なのか?」

 

『伊雅』と呼ばれた男はそれをそっと床の上に置くと、手を合わせ目を閉じ頭こうべを垂れた。それを見て『清瑞きよみず』と呼ばれた女も跪き、男に倣って燃える炎に向かって合掌した。

 

 

『天あめの鳥船、天あめ降し、天あめの八重雲やえくもかき分けて、天あめの御柱みはしら、国の御柱みはしら、人の御柱みはしら、平けく知ろしめせ…。』

 

 

二人は訳の分からない…恐らくは祈りの言葉なのだろう言葉をぶつぶつと口にして燃える炎に厳かな祈りを捧げた後に立ち上がり、部屋から出てきたカズヤを見つめた。

 

「それってそんなに大事な物だったのか…?」

 

自分へと向けられる鋭い視線に堪えた様子もなく、軽い口調でそんな事を聞いてみる。当然、祈ってた隙にポケットの中に入っていたカードデッキとペーパーナイフを取り出し、何時でも変身できる準備は怠っていない。

 

「貴様……何者だ?」

 

女が腰の刀に手をかけながら、一歩前に踏み出した。

 

「…質問に質問で返すもんじゃないだろうが…。まあいいか、別にオレは怪しい者じゃない、タダの旅の途中で届け物を頼まれた旅人…。」

 

「こんな廃棄された神社に潜んでいる奴のどこが怪しくないと言うのだ!? しかも、態度も格好も怪しげだろう!」

 

思わず女の言葉に『ごもっとも』と同意してしまう。間違いなく、この時代の人間からしてみれば、自分の服装は怪しい事このうえないだろう。

 

女は剣の柄に手をかけたままカズヤに向かって近付いてくる。

 

「仕方ない……か。」

 

すばやく掌に隠しながら、カードデッキをペーパーナイフの金属面へと向ける。その様子は正に一触即発。

 

「何者だと尋きいている……。」

 

「悪いが、これは正当防衛だぜ…。」

 

女が放つ殺気が膨れ上がった時、それに応じる様にカズヤも殺気を放つ。

 

「変…。」

 

「待て、清瑞きよみず。」

 

カズヤが変身しようとした時、そんな声がかかった。

 

「「はい?」」

 

女の放った殺気が不意に萎んだと同時にカズヤの放っていた殺気も霧散した。

 

「わたしが話そう。」

 

「ですが……。」

 

「よい。お前は退きなさい。」

 

「はい……。」

 

不満そうな顔で女が脇に退くと代わって男が進み出てきた。男はカズヤの前で跪くと軽く頭を下げた。

 

「見れば、この国のお方ではない様子。貴方は何者なのです?」

 

「オレは…ただの…「彼は神の遣いだよ。」って、おい!」

 

突然響いた第三者のとんでもない発言に思わず突っ込みを入れるカズヤ。男は驚愕に目を見開きながら、声の聞こえた方向…後ろを振り返った。そこ…社の入り口にはキョウがふわふわと浮かんでいた。

 

(キョウ、余計な事を!!!)

 

「なんだ、貴様は!?」

 

「ま、ま、まさか……あなたは……。」

 

「まあ、一応…あんた等の国の神器の精らしいぞ…威厳ないけど。」

 

半ば諦めの極致でカズヤは自分の正面にいる女に向かってそんな事を呟く。こうなったら、神の使いでも何でもいいから、絶対に逃げると心に誓って。

 

「おいらは天魔鏡てんまきょうのキョウさ。」

 

「ははあ――――っ!!!」

 

男は先程以上に床に頭を擦り付け深々と床に這いつくばった。

 

「い、伊雅様?」

 

「…本当に偉かったんだな、あのぬいぐるみモドキ。」

 

戸惑い交じりの女の言葉と呆れ半分のカズヤの言葉が響く。

 

「これ、頭が高いぞ、清瑞きよみず。おぬしは知らんかも知れんが、天魔鏡てんまきょうは耶麻台国の七神器の内の一つなのだ。この蒼竜玉と同様のな。」

 

男は懐に手を突っ込むと、手の平サイズの真紅の玉を取り出した。

 

「し、しかし。」

 

「あ、疑ってるね。じゃあ、カズヤ、見せてあげてよ。鏡はどこ?」

 

「ほら。」

 

ポケットの中に入っていた鏡を女に向かって投げ渡す。カズヤから投げ渡されたそれを受け止めると男の元に向かう。

 

そして、女から銅鏡を引ったくる様に受け取った男は、何度も何度もひっくり返したり逆さにしたり表にしたり裏にしたりして鑑定していたが、とうとう歓喜の声を上げた。

 

「まちがいない! これぞ、天魔鏡てんまきょう! 耶麻台王家の神器だ!」

 

「まさか、ほんとうに……。では、この男は本当に…。」

 

「そうだよ、彼は…。」

 

とりあえず、話のペースを取り戻そうと、カズヤは『タダの旅人』から『神の使いだけど、復興には手を貸さない』と言う方向へ話を進めようとキョウの言葉を遮って口を開く。

 

「…オレは戦神オーディンに仕える神の使いたる十二騎士の一人。まあ、そっちでは聞き覚えのない名前だろうが…お前達には…『天あめの火矛ひほこ』と言った方が分かりやすいかな? そう呼ばれているの加護を受けた炎の騎士の友である風の騎士だ。」

 

適当にライダーバトルの設定をアレンジして言葉を続ける。一応、オーディンというのは北欧の神話の神様の名前だったと言うことは記憶していた。

 

「なんですと!? はああっっ!!!」

 

カズヤへと向き直り、再び額をこすり付ける様にひれ伏した。

 

「遅かったな、それで相手はどんな様子だ?」

 

「うん、大変なんだ。」

 

「…話してくれ…。」

 

こほんと小さな咳払いをして、キョウはカズヤの隣まで移動すると跪いている二人に向き直り呼びかける。

 

「えーと、伊雅と、そっちは…。」

 

伊雅は改めて一礼すると傍らの女を指差して応えた。

 

「こちらに控えておりますのは、清瑞きよみず。わたしの護衛役である乱破らつぱでございます。」

 

(乱破らつぱ…忍者の先祖みたいなものか? まったく、あの殺気や態度にも頷けるな。)

 

「えーと、清瑞ね。じゃあ、二人とも、良く聞いて。今は時間がないから、詳しい説明は後でするから。とにかく、ぼくと、神の使いであるカズヤは耶麻台国を復興させる為にこの地へやってきたんだ。」

 

「なにを言っているんだ、言葉が足りないぞ、キョウ。オーディン様が仰っていたじゃないか、人の問題は人の問題として人の手で解決させて、オレは復興できる立場にある人間にお前を届けろとしか言われてないぞ。」

 

「はは――――っっ!」

 

キョウとカズヤの言葉を聞くや否や、伊雅はまた頭を床に擦り付けた。

 

「まあいいだろう、キョウ。こうして、元副王である伊雅殿の元にお前を届けたんだ。オレの役目はこれで終わった。後はこの地にいる火魅子の資質を持つ者を探し出して見事復興させるのだ。」

 

「ちょっと、カズヤ!」

 

いきなり、後ろを振り向いてカードデッキを取り出してすばやくペーパーナイフへとむける。

 

「変身!」

 

カズヤの体に二つの像が重なり、仮面ライダー騎士ナイトの姿へと変わる。それを見て伊雅と清瑞の顔が驚愕に包まれる。

 

そして、すばやくカードデッキからカードを抜き出し、それをダークバイザーへと差し込む。

 

『ADVENT』

 

呼び出したダークウイングが翼となり、屋根を突き破って神社を飛び出していく。

 

神社を飛び出した時何かキョウが騒いでいるが、全面的に無視しつつ、ナイトはそのまま飛び去っていく。

 

「あの御方は行ってしまわれたか。」

 

「大丈夫だよ、カズヤは絶対に戻ってきてくれるから…。」

 

カズヤは気付かなかった…カズヤが寝ている隙にキョウがカードデッキから一枚のカードを抜き去っていた事に…そう…風を連想させる青い下地に翼がかかれたそのカードの存在に…。

 

 

 

 

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