ガンダムビルドファイターズ トライから数年後、ガンプラバトルは薄明の時を迎えていた。
華々しいはずの照明に有るのは無人の表彰台。
騒めきも起こらず、観客も皆沈黙している。床に落ちるのはトロフィーとこの大会の優勝商品であった壊れた世界で一つとされたガンプラ。
余りにも早すぎる展開には誰一人ついて行けていない。
この直前まで行われていた決勝戦は誰もが目を奪われていた。歓声もうるさいほどに響いていた。
圧倒的な力を見せる四代目メイジン・カワグチ候補と、それに食らいついていく少年。一瞬のスキを捉えた少年の一撃がメイジン候補の機体を貫き、勝利を納めたのだった。
だが、問題は次の瞬間に出た四代目メイジン候補からの少年への不正の告発から始まる。
メイジン候補の言葉を信じてしまった審判による判断により、失格となる少年だった。
少年へのブーイングが響く中、現れた三代目メイジン・カワグチと国際ガンプラバトル公式審判員が四代目候補の違反行為を告発するのだった。
己の不正を告発されながらも笑いながら去る四代目候補だったが、勝者であった少年も渡されたトロフィーと賞品を床に投げ捨て、去っていった。
四代目メイジン・カワグチの不正による失格、その不正発覚の直前による勝者であった少年の失格。
その大会をガンプラバトルの薄明の始まりと言う人もいる。
その大会の直後だった。
規模に関係無くネットワークを通じてガンプラバトルをする者達に襲い掛かる正体不明の乱入者達が出現したのは。
強制的にバトルレベルを変化させられ相手のガンプラを粉々になるまで破壊され、相手のガンプラは無限に再生すると言う状況に、ガンプラバトルに恐怖を感じる者も増えて来た。
プロファイターや世界大会上位者達さえも敗北する乱入者達の姿によって、誰もがガンプラバトルを避ける様になった。
イオリ・セイ、カミキ・セカイ、三代目メイジン・カワグチの敗北によってそれは決定的になってしまった。
その年の世界大会の中止。それは、ビルドファイター達の敗北を意味していた。
その戦いの中でメイジンは気付く。乱入者達は四代目候補と同じ不正ツールを使っているのだと。そして、その不正ツールの弱点に気付いたものはあの少年一人しかいないと言うことに。
そして、それと時を同じくして、新たなガンプラバトルシステム『ガンプラバトルサーキット』が発表される。
ヤジマ商事とは違う企業から発表されたそれはジオラマの中に立体映像で再現されたガンプラによるバトルだが、バトルレベルに依らずガンプラが壊れないことを喜んだ人々によって発展していくこととなる。
そして、問題の乱入者達に対応するチームとして四代目候補がいた事が、全て仕組まれていたと理解した時には全て遅かった。
凶悪な乱入者達『バンデッド』を迎え撃つ『GBSフォース』の存在と、ガンプラが壊れないバトルシステム。
そして、かつてのビルドファイター達を不正ツールと自分達に都合の良いルールで締め出し、バトルを乗っ取った企業。その裏にある一つの大きな野望。
ガンプラバトルは何も知らない人々の支持を受け、その歴史は幕を閉じようとしていた。
物語は一年後、唯一不正ツールに勝利した少年から始まる。
『ガンダムビルドヒーローズ』
此れは、フィールドを超え、ガンプラと共に世界を救う物語。