ネタ短編集   作:龍牙

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推しの子×デジモン 小学生編 2

メタルファントモン達を倒したものの、まだ不安は拭えない。成熟期からガンマモンの姿に退化したガンマモンと有馬を連れて、早く此処から逃げた方が良さそうだ。

 

「ガンマモン、有馬。他の奴が来る前に逃げるぞ」

 

俺は気が抜けて放心している有馬の手を取るとガンマモンを先頭に急いでそこを離れる。

 

 

 

 

ガシャン……

 

 

 

 

遠くで足音が聞こえた気がした。その足音の主が現れる前に此処から逃げなければ、と考えながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く走ると有馬を休息させるために適当な部屋に逃げ込む。

座り込む有馬に持っていたペットボトルの水を渡すと、それを少し飲んでから何があったかを話してくれた。

 

此処に現れたデジモン達に捕まった子供が何処かに集められて、一人ずつ何処かに連れて行かれて、連れて行かれた子供達は一人も戻ってこれない中で、有馬の番が巡ってきてしまった。

 

怯えながらメタルファントモンに連れ出された時に、偶然にもアクア兄さん達の囮になって逃げ回っていた俺とガンマモンに助けられた様だ。

 

話は聞いたが、流石に子供達が集められている場所に一人で突っ込んで、全員を助け出すなんて真似は無理だ。

何人居るか分からないので、全員を連れて行くのは無理だし、俺を含めて奴らに対抗できる奴らが戦っているなら、下手に逃げない方が今は安全かもしれない。

 

「……取り敢えず、今はアクア兄さん達と合流するから、一人で此処に隠れてるのが嫌なら、有馬も一緒に来てくれ」

 

一人にしたくはないし、何時迄も此処に隠れてる訳には行かない。だが、無理矢理連れて行くのも気が引ける。そう考えて有馬にそう聞く。

 

「……私も一緒に行く」

 

「分かった」

 

差し出された俺の手をとって立ち上がる有馬。だけど、ガンマモンが

 

「クリス、やな感じがする!」

 

警告の声を発してきた。

 

「ガンマモン!」

 

俺がデジヴァイスを翳すと同時に隠れていた部屋のドアを中心として、壁が吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガンマモン進化! ベテルガンマモン!」

 

クリスはかなを抱き抱えてベテルガンマモンの腕に抱えられて窓側の壁を破って外に逃げ出す。

 

 

 

ガシャン……

 

 

 

そんな彼らを追う様に、土埃の中から甲冑を纏った騎士の様な影が現れる。

 

「ダーク……ナイトモン」

 

姿を現したダークナイトモンの姿を一瞥して、クリスがその名を呟くと、ダークナイトモンはツインスピアを向けてきた。

 

早いっ!

 

それを認識すると同時の突き、

 

「クリス!」

 

だが、俺が反応するよりも早くベテルガンマモンがツインスピアを受け止めてくれていた。

 

「ぐぅ……」

 

だが、ベテルガンマモンが受け止めていたツインスピアは手の中でドリルの用に回転し、受け止めていたベテルガンマモンのてを弾く。

 

「「ソルブロー!」」

 

出し惜しみはなしと、ベテルガンマモンが手を弾かれた直後にツインスピアに横からソルブラーを当てて軌道を逸らす。

 

「うおおおおお!」

 

ファントモンやメタルファントモンと違い、ダークナイトモンは明らかな強敵、ソルブローをツインスピアを外した瞬間を逃さずに放つ。

 

だが、ベテルガンマモンの拳は悉く交わされていく。

 

「このぉ!」

 

「「ソルブロー!」」

 

全力のソルブローを放つが、それに対抗する様にダークナイトモンはツインスピアを回転させ闇の奔流を放つ。

 

「ぐぁ!!!」

 

「ガンマモン!」

 

「ああ! ガンマモン、スライドエボリューション!」

 

四足歩行の角竜の姿に代わり、吹き飛ばされた事でこの姿にとって最適な距離を取れた。

 

「ヴェズンガンマモン!」

 

(現状の最大化力の一撃、受けてみろ)

 

「「アルビオン!!!」」

 

両角の間から放つ砲撃が技を放った直後のダークナイトモンに直撃する。

流石に必殺技を放った直後のタイミング、無防備となる瞬間を狙う。これならと思うが、

 

「嘘だろ……?」

 

無傷のまま、ヴェズンガンマモンのアルビオンを防いだであろうマントを翻すと、黒い稲妻がダークナイトモンの手の中に走り、巨大な弓が現れる。

 

放たれる黒い稲妻の矢はスピードに劣るヴェズンガンマモンでは避けられないだろう。

 

「ガンマモン、スライドエボリューション!」

 

再度ベテルガンマモンに戻り、稲妻の矢を避ける。

 

(やっぱり、成熟期じゃ勝ち目はないか……)

 

成熟期の3種の進化系の中で、攻撃力ではヴェズンガンマモンのアルビオンが最も高い。だが、そんなヴェズンガンマモンの必殺技が直撃しても無傷な相手だ。

 

「後先考えてたら、ダメだな」

 

もうこうなったら取れる選択肢は一つ。出し惜しみは無しと判断して、デジヴァイスを握り締める。

 

「ベテルガンマモン! 超進化だ!」

 

クリスのデジヴァイスの中に浮かぶ重なり合う白と黒の星に似た紋章。

 

 

 

 

 

「ベテルガンマモン!」

 

白い星を潜りベテルガンマモンのテクスチャーが剥がれ、その形を再構築する。

 

「超、進化ぁ!」

 

四肢はより力強き竜の四肢へと変わり、その背には雄々しき翼が現れる。砕けた白い星が白き龍のテクスチャーとなり、新たな姿を与える。

 

ベテルガンマモンの姿が再変換される。赤き竜人から白き天竜へとその身を変える。

 

「カノーヴァイスモン!!!」

 

強き意思を宿した瞳が天竜に宿るとその名を咆哮する。

 

 

 

 

 

 

 

姿を現した白き天竜にダークナイトモンは両肩の角から紫のビームを、胸の目の様な衣装から黒いビームを、首元のスリットから光弾を放つ。

 

「メテオルクス!」

 

広げた翼から放つ流星群がそれを相殺し、その爆風に紛れて飛翔するカノーヴァイスモンのパンチがダークナイトモンを吹き飛ばす。

 

「おおおお! ガリアフィッシャー!!!」

 

迎え撃とうとしたダークナイトモンのツインスピアと激突したカノーヴァイスモンの爪が、ツインスピアを弾く。

 

「カノーヴァイスモン、避けろ!」

 

「っ!?」

 

ツインスピアを弾いた勢いで追撃を行おうとしたカノーヴァイスモンがクリスの言葉に咄嗟に後ろに飛ぶと、先程までカノーヴァイスモンがいた位置にナギナタが振り下ろされて地面を砕いていた。

 

「空中からヒットandアウェイだ。空中戦ならこっちが有利だ」

 

「分かった!」

 

上空から降下しながら常に上空からの攻撃を指示する。接近戦では多彩な武器を操る相手が有利だが、空中からの一撃離脱なら此方のものだ。

 

クリスの予想通り距離をとって空中からの攻撃はダークナイトモン相手に優位に立てた。

 

「ドラゴ……ガァ!」

 

トドメの必殺技を使おうとした瞬間、突如背後からの衝撃と、重量がカノーヴァイスモンを遅い、そのまま地面へと叩きつけられる。

 

「な……何……?」

 

後ろを振り向くと背中から踏みつける様にカノーヴァイスモンを地面に押さえつける黒い鎧龍ダークメイルドラモンの姿。

振り払おうとした瞬間、その巨体に見合わない素早さでダークメイルドラモンはカノーヴァイスモンから離れ、ダークナイトモンの隣に降り立つ。

 

己の騎竜の行動によって出来た隙にダークナイトモンは黒い稲妻を放ち、ツインスピアを回収すると、それを地面へと突き刺す。

 

「何……?」

 

カノーヴァイスモンの足元に現れた無数の黒い影が両足にしがみ付き、カノーヴァイスモンの動きを止める。

 

「このっ……! 離れ……グァ!」

 

振り払おうとしたカノーヴァイスモンの体が何者かに切り付けられる。それは二つの大鎌。その大鎌の主人はカノーヴァイスモンの身動きを封じる為に背中から羽交締めにする。

 

黒い亡者の如き影がカノーヴァイスモンを拘束する中、ダークナイトモンは悠々とダークメイルドラモンに騎乗に黒い稲妻によって巨大な斧を作り出す。

 

巨大な戦斧を構え、身動きの出来ないカノーヴァイスモンにトドメを指すべくゆっくりと近づいていく。

 

「……有馬、今から一人で逃げてくれるか。ちょっと遠いけど、此処から反対側にアクア兄さん達がいる」

 

「え? アンタはどうするのよ?」

 

「カノーヴァイスモンを放っては置けないし……あいつらの狙いの一人は俺だ」

 

だからこそ、自分が残ればかなを逃すことはできると考えた。

 

「でも……」

 

「迷うな、急げ!」

 

一人で逃げる事を戸惑うかなに逃げる様に促す。この状況で使える必殺技は一つだけ。強力過ぎるから今まで使っていなかったが……。

 

一か八かの賭けにはなるが手段は後一つある。ダークメイルドラモンに騎乗したまま巨大な戦斧を振り上げる。

 

 

 

 

 

 

そんな時だった。

 

 

 

 

何かの走る足音が聞こえる。四足の獣が大地を駆ける音だ。

 

「ガルルモン!」

 

「フォックスファイヤー!」

 

誰かを背中に乗せた青い獣が吹き出す炎がカノーヴァイスモンを捕える黒い影を焼く。拘束から解放されるが、回避するもダークナイトモンが巨大戦斧を振り下ろす方が早い。

 

「くっ!」

 

何とか受け止めることが出来たが、少しでも力を抜けばカノーヴァイスモンはそのまま真っ二つにされるだろう。

 

 

 

 

今度は何かが力強く大地を走る音が聞こえる。

 

 

 

「グレイモン!」

 

「おおおお!!!」

 

肩に誰かを乗せた硬質化した頭部を持ったオレンジの恐竜のタックルが横からダークナイトモンを乗せたダークメイルドラモンを跳ね飛ばす。

 

カノーヴァイスモンを助けた二体のデジモン達、オレンジの恐竜グレイモンと、青い獣ガルルモンがカノーヴァイスモンの左右に並ぶ。

 

 

 

 

 

(……本当に憧れるな)

 

その姿はクリスの記憶の中にある伝説。一つの憧れ。

 

(八神太一……石田ヤマト……)

 

この世界では出会うことは無いと思っていたが、それで確信が持てた。

 

(やっぱり、カッコいいよな、主人公って奴は……)

 

年代こそ違えど、此処はその世界だと。




此処でクリスくんの知識にないパラレルワールドのデジモンアドベンチャーの世界だと気づきました。
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