お久しぶりです(白目
生きてますよ、エタりませんよ…だからよ、読者様も、止まるんじゃねぇぞ…!
「「うおぉおおおおぉぉぉぉぉ!!!」」
俺──茶渡泰虎とディ・ロイ・リンカーの攻撃が咆哮と共に交錯する。
一護に認められるためではない。
これは俺の誇りと矜持を護るための、エゴを宿した拳だ。
他人に誇れるものではない。自身を誇示するものでもない。
しかし、この場において、最も相応しい想いが込められた拳でもあった。
それはディ・ロイにおいても同じだったのだろう。
奴は頬にめり込んだ俺の拳を見て、血を撒き散らしながらもニヤリと笑った。
「ぐぅっ!? ……重い拳だなぁ、おい」
楽しそうに、愉しそうに、狂気とも言える微笑みを携え。
彼は嬉しそうに言葉を零す。
「お前の拳は、随分と体格に見合わないが、いや、その想いに見合う一撃だ……!」
俺に比べて小さいと評しても良い小柄かつ痩身を持つディ・ロイ。
反して、放たれた攻撃を軽いとはとても言えなかった。
俺の武器はこの『拳』だ。
人よりも大きい、この拳だ。
だからこそ、その使い方を考えてきた。
それはディ・ロイも同じなのだろう。俺とは真逆の考えでもって。
「俺は小せぇからよぉ」
口端から垂れる血を手の甲でグイッと拭い取り、彼は言うのだ。
「どうやったら、デケェ奴を倒せるかを考えてきた」
再び構えた奴の掌には、斬魄刀が握られていない。
既に奴はその力を開放していた。
“
解号と思しき言葉はディ・ロイの姿を一変させる、ことは無かった。
ただ、メリケンサックを着けたような、骨のように硬質化し少し盛り上がった拳が鈍く光っている。
「俺の
自嘲とも言える台詞だが、その音の中に卑下する色は見えない。
自らの長所とも言える戦法を暴露している?
これは俺に対する礼儀とも受け取れるだろうか。
つまり、ディ・ロイは戦士として俺に向かいながらも、卑怯とも取れる戦い方をすると宣言しているようなものだ。
それだけで、彼が真に俺と向き合ってくれている事が分かる。
「俺の力は……良く分からない」
「ああ?」
ディ・ロイが訝しげな顔をするが、これは本当の事なのだ。
俺自身が俺の力の根源と言うか、その由来を理解出来ていない。
「すまないとは思う。しかし、お前に嘘はつかん」
「……そうかよ」
苦笑のような、なんとも形容し難い表情で相槌を打つ彼と拳を交え始めて、まだ数分である。
もしかしたら1分も経っていないかもしれない。
しかし、俺たちにとって十分な時間でもあった。
少なくとも、お互いの全力を振りかざす必要がある相手であると理解する程度には。
「オメェは真っ直ぐなんだろうさ」
ディ・ロイは言う。
「俺とは違う、純粋な力ってやつか? 俺には無いモンを感じる。だからこそ、俺はテメェを倒すぜ、ヤストラ!」
繰り出される連撃を右腕で防ぎながら、俺はディ・ロイの言葉も黙って受け止める。
「こういった口で注意を逸して、死角から必殺の一撃を入れる。そんな小賢しい俺を卑怯と言えよ。俺の傲慢で見えっ張りな虚栄心を見ろよ! そういったテメェを一番嫌ってるのが俺だって笑えよ!!」
「笑えないな」
「そうかよ!」
感情の昂りを見せるディ・ロイとは逆に冷静に攻撃を捌いていく。
彼の劣等感を刺激する見た目の俺が何かを言う事もない。ただ、相手と向き合い拳を交えるだけだ。
ディ・ロイは自身の事を語る、彼が望む王ではなく。
それが、俺にとっては嬉しかったのかもしれない。
だから、俺は油断していたのだろう。
拳だけと思っていたディ・ロイの攻撃が下から来る瞬間に一拍反応が遅れた。
「!?」
「おっと、まだ引き付けが足りなかったか」
先ほどとは打って変わって落ち着いた反応を見せるディ・ロイにやられたと感じる。
先程のは演技か!
「足癖は悪いようだな」
「足
やってくれる!
俺は避けきれずに受けた胸元の傷も気にせず、自分の口角が上がっている事を自覚した。
明らかに俺とは違うスタイルの戦い方。しかし、その事は始めに彼自身から伝えられた事ではないか。
それを誠意と取るかブラフと取るか。
それすらもディ・ロイの戦い方なのだろう。
一瞬にして相手の霊圧の雰囲気が変わる。
今までは感情の昂りに合わせて周囲を威圧するように霊圧を放っていたのだろう。
今では深く沈むように練り込まれた静かな霊圧がディ・ロイの周囲に渦巻いている。
まるで那由他さんのようだ。
「俺のこの戦い方は俺の性格とか、まぁ自分で考えたもんなんだけどよ」
ディ・ロイが口を開く。
反省を活かして全体を見るようにして油断を見せないようにするが、はたして効果があるかどうか。
「鍛錬ってのは、“あの人”がしてくれたもんなんだよな」
……那由他さんが?
あの人が、言っては何だが、こういった戦法を勧めるイメージが湧かない。
「──だっから、そういうとこだよ」
ディ・ロイの声は、俺の右下から地を這うように聞こえた。
急ぎ反応するが、
俺の思考を読んだ上で、更に俺の思考を誘導するように言葉で注意を逸したというのか!?
凄まじい洞察力である。
彼の腕力といった純粋な力に依らない実力は、確かに
いや、俺は彼を“虚”だと、やはりどうしても思っていたのだろう。
だからこそ、こういった戦法に対処できない事をディ・ロイは見破ったのかもしれない。
なんとか逸した上半身に今度は蹴撃が来る!
これは予測でき回避できたが、かなり体勢が不安定になってしまった。
インファイトにおいて、次の一撃は食らう覚悟をもって防御するべきだ。
──俺は自身の大きな体を、ある意味で過信していたのかもしれない。
「知ってるか? コウモリってのは後ろ足が弱くて地面に立てないらしいぜ?」
呟くように聞こえたディ・ロイの言葉に悪寒が走る。
繰り出された足は急激に軌道を変え、俺の顔面を掴んだ。
そう、俺の顔を
驚き離れようとするが、何かに引っかかるような力で距離を取ることが出来ない……!?
「
体勢も整わず、意表を突かれ、言葉によって精神的な圧力を掛けられた。
それら事実を頭の片隅で理解は出来ても、受けた攻撃に対処出来るかは別だった。
「『
いつの間にか装甲していたディ・ロイの足
拳に纏ったものだけじゃなかったのか!?
ここまでの戦い方から彼の言葉全てを疑ってかかっても、まだ足りないのかもしれないと感じた。
それでも!
「捕まえた……!!」
「なっ!?」
俺は、自身を切り裂いたディ・ロイの凶爪を逃しはしなかった。
倒れかけた体を捨てる覚悟で、相手が逃げられない距離に持ち込んだのだ。
振り抜かれる前の足を拳で掴み、俺は側へと引き寄せるように引っ張る。
「馬鹿力、だな!」
掴まれた反対の足を振り抜き俺の側頭部へと強烈な一撃を加えるディ・ロイ。
しかし、それは驚異的な襲撃ではない。
俺は自身の体を過信していた。
しかし、先の一撃をもってしても、俺は倒れていない自分を信じていた。
「俺は、俺の戦い方でお前を倒す!!」
一瞬見開かれた目の奥を見据える。
時間はコンマ数秒という世界。
それだけで、勝敗が決した。
ディ・ロイは自分を信じた。
しかし、他人を信じる事に躊躇いを持っていた。
俺は自分を信じられなかった。
しかし、仲間を信じる事に躊躇いを持っていなかった。
俺たちの霊圧を感じ駆けつけた一護と朽木だけでなく、ディ・ロイ・リンカーが『王』と呼んだであろう。
その『人物』も、俺たちの戦いを黙って見ていたからだ。
「『
「蝙蝠は……俺の血が繋がるメキシコと近い位置にキューバという国がある」
「あ?」
話が下手すぎて自分でも苦笑してしまう。
「そこでは、蝙蝠は健康・富・家族の団結などをもたらすという考えもあり、そこで作られている世界的ラム酒のロゴマークにも使われているそうだ」
「……だから、なんだよ。つか、んでそんな事、知ってんだ」
「俺は家族や絆というものに憧れていた」
「……そう、かよ」
ハハッと楽しそうに笑うと、ディ・ロイは──動かなくなった。
「俺の魂に刻もう。“ディ・ロイ・リンカー”という男がいた事を」
以下、更新が阿呆みたいに遅くなった言い訳の活動報告です。
興味がある方は覗いて下さい…。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=292885&uid=327453
ちな
「
バットとダッドの部分を掛けてる意味もあります(ダジャレ
Badではないと思ってくれたら嬉しい