ヨン様の妹…だと…!?   作:橘 ミコト

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この曲を聞きながら書きました
https://www.youtube.com/watch?v=qqJqUM3GQC8


友…だと…!?

 

「ディ・ロイ……」

 

 俺──グリムジョー・ジャガージャックは呟いた。

 今まで知らなかった臣下の姿を見て。

 今まで知らなかった仲間の想いを見て。

 

 行動どころか、言葉すら発する事が出来なかった。

 

 その想いとは"心”なのだろうか。

 それすら分からない俺に取れる行動は一つしか無かった。

 

「死神」

「……なんだよ」

 

 俺よりも先にこの場へ、ディ・ロイと人間が争う場へと辿り着いていた死神に俺は言葉を述べる。

 そこには二人の死神がいた。俺よりも弱そうではあるが、この場へ水を差さず静観しているだけで気に入りそうだ。

 

 

「──ありがとよ」

 

 

 相手の反応を伺う余裕すらない俺は、ディ・ロイが消えゆく光景を目に焼き付ける。

 冷静に言葉をこぼせても胸中は別だ。

 

 誰が奴にこんな姿を晒した。

 誰が奴にこんな醜態を晒させた。

 誰が奴にこんな惨めを齎した。

 誰が奴にこんな、想いを抱かさせた! 

 

 俺だ! 

 

 俺を『王』と信じさせた! 

 

 だからこそ、俺はこいつらの『王』でなければならない!! 

 

 

「てめぇら死神のおかげで、俺は『王』を背負う意味を知った」

 

 

 だからこそ、俺は言う。

 

 

「名前の意味なんてクソ食らえだ! 俺は、もっと強い道を──!」

 

 

 そこまで言って、はたと気づく。

 俺が今まで見ていた奴らは、俺が今まで見ようとしていた奴らは何だったのか、ってな。

 

 俺は、魅せていた、のか? 

 

 知った事か! 

 でもよぉ、

 

 

俺の従属官(フラシオン)は! お前らに、テメエに、デッケェ傷跡を残した訳じゃねぇか!!」

 

 

「……たりめぇだ」

「あ?」

 

 

「当たり前だって言ったんだ! その姿を見て、”心”が(ふる)えない、関係ない訳ないってのは、お前が一番分かってんだろ!!」

 

 

 その通りだった。

 霊圧の変化で知っていた。奴らが去っていったことを。

 だからこそ、分かったように言われる事が癪に障った。

 俺は表面的な部分での、触れた気になったような”感情”というモノに左右されただけなのかもしれない。

 

「そうかよ」

 

 だが、それでも! 

 

 

「俺が『王』だと、死神共にも見せつけなきゃならねぇな」

 

 

 この願いだけは変えられない!! 

 

 

 俺は一足飛びに二人立つ死神の片側へと寄ると手刀を放つ。

 男女でペアのように立つ二人の死神、その女の方へ向けてだ。

 自身の昂ぶった”心”という何かを抑えつけたくて、無意識に無駄な牽制をしてしまった。

 

「ぐっ……!?」

 

 それを眼の前の女死神は防ぎやがった! 

 ハハッ! 

 実力は大した事なさそうな霊圧してる癖にやるじゃねぇか! 

 

「なろ!?」

 

 俺の行動に反応した男死神も大したことねぇ。

 嬉々とした顔のままに迎えた男の顔。

 

 そこには、必死に女死神を守ろうとする意志が見えた。

 

 俺と戦うよりも、護る確かな目的があった。

 その中に眠る力すらも使わずに。

 いや、使わせずに。

 

 

 

 

 

 ─────は? 

 

 

 

 

 

 もっと実力があんだろ、もっと俺に見せてみろよ。

 何で出し惜しみしてやがんだ? 

 意味がわからねぇ。

 

 俺よりも強いと思ってんのか? 

 実力を出す条件でもあんのか? 

 誰でも守れると思ってんのか? 

 

 

 

 ─────は? 

 

 

 

 ナメてんのか……? 

 

 

 

 その思考に至った瞬間、俺は抑えきれなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(きし)れーー『豹王(パンテラ)』……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで、撤退の合図とも言うべき声が聞こえたのは幸いなのかもしれない。

 

 今思えばだが、俺が五体満足で帰れてた時点で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▲▽▲

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでです」

 

 

 チャドと破面の激闘を見守った後に、その親玉っぽい奴と戦端を開いた直後。

 俺──黒崎一護は見知った声を聞いて体が凍った。

 

 破面が止まってくれて助かったと素直に言える。

 それくらいヤバい硬直だった。

 

 

「許可はしましたが、()()()()、とは言ってません」

「……ッ」

 

 

 舌打ちだけを返して反抗する様子のない破面に困惑する。

 この叱責する姿や、困ったような雰囲気を出しているのは、その姿は……!? 

 

「なゆ、ねぇ……?」

 

 こんがらがったままの思考で言葉を発する。

 それに対して、困ったように返す口調は『那由姉』だ。

 理解できるからこそ困惑する。

 

 俺の知ってる那由姉だ。

 幼い頃から可愛がってくれた、そんな人なのだ。

 母ちゃんが亡くなった時も、側にいてくれた人なのだ。

 

 

 どんな時も、側にいてくれた、姉なのだ……。そして。

 

 

「いつでも、一護は可愛いですね」

 

 口調だけで苦笑している姉。

 顔が無表情のままだ。

 しかし、今のままでも、その表情からで感情を読み取れた。

 ただ今では、その表情から以上の隠された想いは読み取れないが。

 

 

「グリムジョー」

「……はい」

「学べましたね? 強さというものを」

「……くそ」

「よきです」

 

 うっすらと笑顔を浮かべる姿を認められない。

 

 

 

 なぜ、その人が破面の側にいるのか、という意味が分からない。

 




短くてスマン

冒頭の曲は単純なオススメ系で。ステマですら無いので、気にしないで下さい
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