ヨン様の妹…だと…!?   作:橘 ミコト

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少女…だと…!?

 

 あーっ、もう!? 

 

 あたし──有沢たつきは悔しさで歯を食いしばりながら前に進みそうになる足を必死で抑えた。

 

 相対している破面、グリムジョーって奴が刀剣解放した結果、あたしは痛恨の一打(イイモン)をもらった一護を助けに動きたいが、おいそれと動けない。

 

 

 あの時、あたしは無力だった。

 

 現世では六車さん(師匠)に色々と戦う術を教わって、尸魂界では足りない部分を自覚できた。

 だからこそ敵が来た時も、ボコボコにされた後でも、あたしは耐えられたんだ。冷静になって、今あたしが敵う相手なのかって、自問自答できるくらいには。

 

 よくあたしはイノシシみたいな口より先に手が出るタイプと言われるが、それも間違っちゃいないけど、でも考えるのが苦手って訳でもない。

 朽木さんを助けるために尸魂界へ行って、そこで那由他さんを連れ去られた後は荒れたけど……。

 それは、あたしが今後どうすれば良いかの指針が無かったから。まあ、そういった意味であの平子真子って人には感謝している。師匠が同じグループだったのには驚いたけど。

 

 つまり、あたしは師匠や師匠のお仲間さんたちに鍛えられる事で自分を見つめ直し、新しく手に入れた『虚の力』を使いこなせなければいけないのだ。

 一護はその辺が、やっぱり焦っているんだろう、スゴイ雑であたしでもアドバイスが出来るくらい。

 

 那由他さんを連れ戻すべく力を蓄えていたあたしたちに襲いかかった霊圧は今回で三度目。

 

 一度目はあたしが気持ちの整理をつけられていなかった時。

 振り返ると恥ずかしくなるくらいに沸点が低くて、何にでも八つ当たりみたいに絡んで、そして師匠の教えを何も守れていなかった。

 

 二度目は感じた霊圧の数が多かったから少し慌てたが、その分護廷の助っ人も来ている。あたしはあくまであたしの事に集中するべきだ。そう考えていたら、最後に那由他さんの霊圧を感じてひっくり返りそうになったけど……。

 あの後は一護に詰め寄ろうとしたけど、アイツの雰囲気を見てちょっと止めといた。少し前の自分じゃないけど、今は触れないでおいた方がよさそうと、なんとなく思ったから。

 

 そして、今回の三度目である。

 

 もちろん、あたしも現れた霊圧に対して条件反射のように体が動きそうになった。

 しかし、そんなあたしよりも速く一護が反応し、その一護より速く師匠たちが抑えつけたから、あたしはなんか出遅れた感じになった。

 どうするべきか。あたしは一護の気持ちも痛いほど分かるし、自分もなりふり構わず飛び出していきたい。それでも敵の、特に十刃の実力も理解している。

 それでも、今は護廷から来た援軍の存在があるのだから、あたしが加勢して損になることもないだろう。

 そんな気持ちで進言しようとした時だった。

 

「……行かしたれ」

 

 平子さんの一言で出来た一瞬の隙をついて、一護は駆け出してしまった。

 こうなったアイツは誰にも止められない。

 一護を行かした平子さんに食って掛かる師匠へチラリと目線をやり、一礼してからあたしも一護に続く形で修練場から弾丸のように離れた。

 

 現世へとやってきた大柄な男。確かヤミーとか呼ばれていた破面にボコボコにされたのは苦い思い出だが、あれはあたしが虚の力を初めて実践で扱った戦いである。そして、少なくともその力は破面にある程度は届いていた。

 あれから更に力を増したあたしにはそれなりの自信がある。今度こそは、っていうやつが。

 

 出会った奴がいわゆる十刃って奴で、「これなら勝てる!」って思ったその瞬間までは。

 

 終始圧倒できていたのは殆ど奇襲みたいなもので、相手があたしたちを侮っていたからだ。

 相手があたしたちの実力を認め、本気を出してきたら話は別。

 飛び出した一護に非はない、とは言えないかもしれないけど、止められなかったあたしも同じぐらい迂闊だった。

 

 

「”(きし)れ”──豹王(パンテラ)!!」

 

 

 そう口にした瞬間に膨れ上がった暴力的な霊圧に怯んでしまった。

 一護を止めるのが一瞬遅れた。

 それがこのザマだ。

 クソッ……! 

 

「ハッ! なんだ、案外大したことねぇな……!」

 

 グリムジョー(やつ)の姿は一変していた。

 全身を白銀の装甲で覆っているが無駄な装飾や凹凸がなく、臀部から尾が生えたその姿はまるで野生の肉食獣を思わせる。

 スピード特化のように見えるが、先程一護が一撃で意識を刈り取られたのを見るに攻撃力も相当なモン。耐えきって隙を見せた瞬間にカウンター、なんて悠長な戦略は取れないだろう。

 

 ただし、それはあたしの『暁光出船(ルナ・ガレオン)』にも言えること。スピードと攻撃力といった戦闘能力を大幅に向上させている。

 問題は今まで奴が受けたダメージが綺麗サッパリと治っている点だ。どうやら帰刃したら解放前の傷は癒えるらしい。どんなチートだよ。

 

 挑発するように一護を見下した発言をする破面に油断なく対峙する。

 ここで睨み合っていても仕方ないが、相手の能力は何も分からない。無闇に突っ込んでもこちらが不利だ。

 

「……言ったよなぁ、女。てめえは黒崎一護のついでだってよ」

 

 すると、グリムジョーはニヤリと獰猛な笑みを見せ口を開いた。

 一瞬何の事か分からなかったが、直ぐにサッと顔が青ざめる。

 こいつ、意識を失った一護を先に始末するつもりか……!? 

 

 あたしと奴が動いたのは同時だった。

 地面に倒れ伏す一護へと向かってあたしとグリムジョー(アイツ)、二条の流星となって超速移動を行う。

 

 しかし、

 

「――なんて、戦える奴を無視するわけねえだろ!!」

 

 これも予想出来たこと! 

 

 グリムジョーが振るった獣の爪が如き斬撃を回避。

 

 先ほどは焦ったが、グリムジョーの言葉から感じるプライドみたいなモンはあたしに似ている。

 それは自分が納得する形でケリをツケなきゃ気が済まないって点だ。

 だから、まるで弱者をいたぶるような言葉はあたしを挑発するためだって少し考えたら分かる事だった。

 

 その少しの時間をくれなきゃ危なかったわ……。

 

 その一動作分速く一護の下へと辿り着いたあたしは後から振ってくるグリムジョーへの迎撃態勢を整えた。

 

破邪拳正(はじゃけんしょう)!!」

 

 地面を穿つ突撃に、拳をもって迎え撃つ。

 振り下ろされた両の爪に合わせ霊圧を爆発させた。

 

「まだまだこんなモンじゃねえぞ!」

「ナメんじゃないわよ!」

 

 それなりのダメージを期待した攻撃も無傷で退けられたが、こちらの戦意が衰えるなんてことない。

 拳打の応酬。

 もはや暴風を巻き起こす台風の目となって破壊の嵐を周囲へ振りまいていく。

 お互いに決定的な一打は未だ入っていない。

 が、こちらが段々と不利になっていくのを肌で感じる。

 

 それは術理で対応するあたしに対して、グリムジョーは全て暴力で叩き伏せてくるためだ。

 いなしても、流しても、躱しても、受けても、防いでも、反撃しても。

 それすら些事だと言わんばかりに、ただただ目の前のあたしを地面に這いつくばらせる為に、ひたすらに暴力を押し付けてくる。

 こいつの振るうのは”武”ではない。

 

 あたしと相性が悪すぎる……! 

 

「オラァ!」

「ガッ……!?」

 

 チックショウ、腹にイイモンもらっちゃったじゃん!? 

 

 一護から引き剥がされるように後方十数mを吹き飛び、どっかの壁に激突した事でようやっと停止する事が出来た。

 ズキズキと全身へと広がっていく痛みをおして立ち上がるが、その時間は相手にとって十分な、一護にトドメを刺すのに十分な時間だった。

 

 マズイ!? 

 

 今の一護は無防備だ。

 普段のアイツならこれくらいで倒れるような事は無かった。那由他さんの事で焦ったんだろう。理由が分かっただけで何の救いにもならない。マズイ、このままじゃ……!? 

 あたしの思考だけが空回りをし、一護の元へと動く体は鈍かった。

 

 このままじゃ!! 

 

「心配すんな、この距離での虚閃だ。跡形もなく消してやるよ!」

 

 グリムジョーが手に霊圧を収束させる。

 

 確かに奴はプライドを優先するだろう。しかし、それは"勝利”という至上目的を満たすための条件の一つに過ぎない。

 それに、グリムジョーは初めから妙に一護に拘っていた。きっと那由他さんの影響が少なからずあるのだと思う。

 

 だからこそ、気を失った一護には手を出さないだろう、と希望的な考えをあたしはしてしまっていた。

 

 

 

 それがグリムジョーにとって、どれだけ屈辱的な行為であっても、彼にとって『黒崎一護』は、それだけ許せなく、認められなくて、もしかしたら

 

――(ねた)ましい存在なのかもしれない。

 

 

 

 

「”次の舞”──白漣(はくれん)!」

 

 

 響いたのは、所持している斬魄刀の印象に似て清廉潔白を良しとする生真面目そうな声。

 グリムジョーが驚き反応しようとするが、あたしと一護に意識を向けすぎていたのだろう。あたし自身も近づいている事にすら気が付いていなかった。

 

「ふぅ……。随分と無茶な力を使ったようだな、霊圧もガタガタだぞ」

「はは……。ありがと朽木さん、正直助かった」

「うむ」

 

 生真面目のように見えて実は感情豊かな朽木さんが軽く笑みを作る。

 彼女は確か織姫と一緒に尸魂界へと修行をしに行っていたから、今回の霊圧反応を感知して急ぎ来てくれたのだろう。

 

 思わぬ救援に肩の力が抜けそうになってしまう。

 

「一護は……いや、今は何も言うまい」

「うん……、とりあえず──」

 

 完全に気を抜いてしまったつもりは無かった。

 それでも、ここまで()()だとも思っていなかった。

 

 

「……ナメんじゃねえぞ、死神っ! 薄皮一枚凍らせたくらいで、俺を殺したつもりか……!」

 

 

 あまりに唐突だった。

 朽木さんの斬魄刀によって氷漬けにされたグリムジョーが、その氷を突き破り朽木さんの頭を鷲掴みにする姿を見ても、あたしはまだ現実感を得ていなかった。

 

「朽木さ──!!」

 

 咄嗟に動く体。間に合うか間に合わないかは五分五分。

 そんな極限まで研ぎ澄まされた感覚だからこそ気がつけた。

 

 

 ()()()()()()飛来する攻撃に。

 

 

「!?」

 

 朽木さんへと向かおうとする体を制動して、逆に飛び退くようにバックステップ。

 と同時に、朽木さんの頭を掴んでいた奴の腕が弾け飛んだ

 

「ガッァァァアアアアア!? な、んだ……!!」

 

 片腕を失い、なにがなんだか分からないように吠え喚く破面。

 あたしも咄嗟に気がつけたから良いものの、気が付かず朽木さんを助けようとしたら巻き添えを食らっていただろう。

 実際、至近距離での爆発を受け、朽木さんも少なくないダメージを負っている。

 

「クソッ、クソがッ……!!」

 

 手負いの獣ほど恐ろしいモノはいないって言うけど、グリムジョーは正にそんな感じだった。

 明らかに激昂しており、先程よりも霊圧が若干上昇している。簡単に言うとブチギレていた。

 

「誰だろうと関係ねえ! 俺は気に食わねえ奴、全員ブッ殺す!!」

 

 独り言なのか、それともあたしたちに宣言しているのか。

 振りまかれる殺気だけで気分が悪くなりそうな程に空気が重い。精神的にのしかかってくる吐き気に耐え、とにかく朽木さんを連れその場から距離を取るように飛んだ。

 

 こちらの動きに気付く余裕すらないのか。未だに向こうでキレ散らかしているグリムジョーは置いておくとして……。

 

 さっきの攻撃が仲間からの援護射撃って線は正直薄い気がする。

 

 朽木さん諸共だし、何ならあたしも巻き添え食らっておかしくなかった。どっちかって言うと、あれは一護を守るためのような……。

 

 ともかく、コイツは随分と怒っていて、あたしは一護と朽木さんの二人を守りながら戦う必要がありそうって事。まいったね。

 腹くくるしかないか。

 

 すぐさま虚の超速再生を行い、スッと腰を落として臨戦態勢を取る。

 幸いあたしはまだまだ戦える。敵さんの力量をみればあたしにも勝ちの目は十分にある。むしろ、こうやって一旦の仕切り直しが出来たのだからあたしの方が有利だ。

 

 ここで負けるわけにはいかない。あたしがここで――この十刃を倒す。

 

 じゃなきゃあたしが今まで積み上げてきたもの、なんのために努力してきたのかが分からなくなる。那由他さんに顔向け出来なくなる。

 想いを胸に、希望を拳に、未来を足に。

 

 あたしの力は(ひら)くためにある。

 

「アンタが強いのは分かってるけど、あたしも引けないんだ。アンタを倒して先へ行く」

「上等だ、女ァ! テメエを潰して那由他の前に引きずり出してやるよ!」

「へえ、それはどーも。わざわざ那由他さんのとこまで案内してくれるんだ。助かるよ」

「そのクソみてえな頭はいらねえな! 潰してから体だけ持ってってやるよ!!」

 

 緊迫した時間が流れる。

 滲むように溢れる汗を拭う事なんて出来るわけもなく、片腕を失ってなお強大な存在にどう立ち向かうか思考をフル回転させる。

 相手が獰猛な笑みを浮かべた。

 来るか──! 

 

 

「任務完了だ、戻るぞ」

 

 

「ウル……キオラ……!」

 

 気が付かなかった。

 この戦いの中で、直前まで気配に気がつけなかった時はあったけど、間一髪でなんとか反応は出来ていた。

 しかし、新たに現れたコイツ。

 コイツだけはいつ現れたのか分からなかった。気が付いたらいた。頭が混乱しそうになるが、少なくともあたしには認識ができなかったのだ。

 チラリとウルキオラが一護へと視線を向ける。

 

「霊圧の名残がある……。新しい力を手に入れたらしいな」

 

 上から見下ろす視線には敵意も侮蔑もない。

 

「だが、その程度か」

 

 ただ無関心である事だけは分かった。

 あたしなんて眼中には無いと言わんばかり。しかし、この時ばかりは食って掛かるほどの気概があたしの中で芽生えなかった。

 正に圧倒的だ。少なくとも、消耗した今のあたしじゃ()()()()と思わされた。

 思わず虚化が解け、崩れるようにその場で膝をつく。

 

 クッソ……!?

 まだ、まだ足りないって言うのかよ……!

 

「終わりだ。最早お前らに術はない。”太陽”は既に、俺達の掌に沈んだ」

 

 グリムジョーが新たに現れた破面と共に反膜(ネガシオン)に包まれ去っていく姿に視線だけを向ける。

 

 ……『太陽』?

 もしかして!? 

 

「アンタたち、那由他さんに……! 何かしたの!?」

「貴様に答える義理はない」

 

 単純に言葉に反応したのか、それとも瞬間沸騰したあたしの霊圧に反応したのか。

 意外だが返された言葉に意味は無かった。

 反膜に包まれた時点であたしたちに反抗する手段はない。ただ黙って、唇を噛み悔しさに震えながら見送る事しか出来なかった。

 

 

 

「……く、一護、たつき、無事か?」

 

 しばらく呆然と現実に打ち震えていると、ある程度は無事だった朽木さんが我に返ったように声をかけてくる。

 

 あの後から現れた破面の重圧に言葉が出なかったのは朽木さんも同じなのだろう。

 那由他さんの名前が出たにも関わらず、あたしたちは殆ど動く事すら出来なかった。

 

 ――しかし、最後にグリムジョーを攻撃し助けてくれたのは誰だったのか。

 

 気持ちを切り替えるためにも先程の事を思い返す。

 誰にも心当たりがなく、予期せぬ一瞬の出来事ゆえに霊圧を感じとる事も出来なかった。

 いや、ひとまず今は治療のため落ち着ける場所へ移動するのが先決だ。

 

 グリムジョーの一撃を受けずに済んだ朽木さんだが、援護といって良いのか分からない謎の攻撃によって傷ついている。

 それに一護は気絶してるし、あたしもなんだかんだで結構なダメージを負っている。

 皆が満身創痍と言っていいだろう。

 

 でもまあ、とりあえず誰か回復出来る人を連れてきて欲しい。

 

「朽木さん、悪いんだけど──」

 

 なんて、なんともまあ情けないお願いをするハメになって、ちょっとばかし気まずい思いをしていた時だった。

 

 

 今にも消えそうな微弱な霊圧がここから少し離れたところから感じ取られた。

 

 

 なんで……? 

 今まで他の場所で戦っていた死神の人たちや、その相手であろう破面たちの霊圧なら嫌というほど感じていた。

 しかし、ここにきてポンと突然今産まれたかのように新たな霊圧反応を見つけたことに戸惑いを隠せない。

 

 十刃の強大な霊圧に隠れていた? 

 確かに、気が付かないと言われれば納得するほどの微弱な霊圧ではあるけど……。

 

 とはいえ、この戦いに巻き込まれた現世の幽霊、いわゆる”(プラス)”である可能性が高い。

 

 ”整”は死神の斬魄刀によって魂葬してあげないと虚になってしまうって聞いたし、もし戦いに巻き込まれて虚になっちゃうなんて事態になったら気が付いた手前寝覚めも悪い。

 幸い敵さんも撤退したし、この霊圧なら危険もないだろう。

 

「朽木さん……」

「うむ、言われずとも分かっている。私も先ほど感じ取ったところだ」

 

 死神の勤めだからだろう。

 朽木さんに嫌な顔せず真面目に返され、あたしは少し苦笑してしまった。

 

 ならば速い方が良いと、朽木さんは率先して感じ取った霊圧の元へと向かって行った。

 消耗したあたしたちをわざわざ連れて行く事もない。朽木さんが戻って来るまでここでゆっくりとさせてもらおう。

 一応、あたしは虚の超速再生で傷自体は直ぐに治る。とはいえ、その精神力というか生命力というか、とにかくなんか疲れるのだ、アレ。

 

 

 そして、待つこと数分。

 

 予想外に慌てた様子で帰ってきた朽木さんに、何事かとあたしは目を瞠ってしまった。

 

 彼女はなんと、ボロキレのような服を纏って傷つき気絶している幼い一人の少女を連れてきたのだ。

 初めは慌てて少女へと声をかけようとするも、そこで再び()()()()()驚愕に眼を見開く。

 

 肩に掛かる程度に伸ばされた緑色の髪。

 顔には民族的な文様が描かれている。

 そして、幼いし霊圧も微弱だが、その頭についたものを見れば明らかだった。

 

 

 

彼女は──破面である。

 




破面の少女? 一体、何エルなんだ……!
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