ヨン様の妹…だと…!?   作:橘 ミコト

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救出…だと…!?

 

「な……那由、他……さん?」

 

 玉座の間──と俺が勝手に呼称しているヨン様がいつもいる場所──にて。

 俺は織姫ちゃんと感動(笑)の再会を果たしていた。

 

 

 ワンダーワイスが生まれ「原作通り! 勝ったなガハハ!」していた俺をおいて現世へと進撃していった破面の子たち。その戦闘を自室に引きこもって鑑賞していたんですが。

 

 正直ね、くぉれは予想外でした。

 まず、ルピくん。

 

 キミ、結構強いやん……。

 

 確か原作だと調子に乗った挙げ句、冬獅郎きゅんにワンパンされるという十刃にあるまじき扱いの可哀想な子だったはずなのに。

 しかも卍解を習得している斑目さんと乱菊さんも加わってるんだから、ぶっちゃけ下手すりゃ帰ってこれないかもな、なんて心の中で合掌していた。

 それがここまでの熱戦を繰り広げ……え、嘘だよね? もしかして、第二階層(セグンタ・エターパ)に至った? 

 

 これはウルキオラの地位を脅かす大事件ですよ!? 

 

 だってウルキオラしか出来ないって師匠が言ってたし、体感300年くらい前に! 

 そもそも、あの瞬間にルピくんが解放をしようとした霊圧の変化は皆が感じたはずだ。()()はただの帰刃ではない、って。

 それなのに誰もツッコまないし、むしろルピくんに対して負け犬とでも言うような蔑視が注がれている。

 ウソだろ、おまえら……あれに気が付かなかったのか……? 

 

 とまあ、現世での戦闘に関しては思うことが多すぎて、こうして帰ってきた破面(みんな)の様子を見に来たわけだけど……。

 そういえば、この現世侵攻って織姫ちゃんを拉致るためにした陽動だったんだわ。目の前に現れた異常に意識を奪われすぎていてすっかり忘れていた。

 

 つまり、意図せずの織姫ちゃんとの遭遇だった。

 

 会った時の事なんてなーんにも考えてなかった俺である。

 破面側なのか、まだ一応は死神や現世の皆寄りの意識なのか。そこら辺すらなーんも考えていない。全く持ってノープランな俺である。

 

 っていうかさ、断界でのウルキオラとの戦闘見てたけどさ……。

 

 

 あれ何ぃ? (宇宙猫

 

 

 いや、怖い怖い怖い! マジで知らんねん、何なのアレ!? 

 織姫ちゃんは俺を見つけた瞬間に硬直していたが、俺もどうすれば良いか分からなくて硬直してた。

 ま、まあ、苺には俺が普通の意識を持っている状態でも接した事あるし、ここではいつもどおりでええやろ、それに織姫ちゃんが苺たちに会う事はしばらくないだろうし。

 

 うん、もうなんか色々といいや。気にしないでおこ。(思考放棄

 

「那由他ざん……!!」

「可愛いお顔が台無しですよ」

 

 そうと決まれば可愛い織姫ちゃんを多少甘やかして(キャラを愛して)も良いだろう。

 

 こんな機会もあまりないしねぇ。

 

「な、那由他さんは、何か、どこか変とか、えっと、あ、意識が変わったとか!?」

「織姫さん」

 

 ここは織姫ちゃんとの再会を素直に喜んでいいんだが……。

 泣いて喜び俺の心配をする織姫ちゃんを見ているとこう、ムクムクと嗜虐心が湧いてくる。

 

「私は──"破面(アランカル)”の味方です」

 

「……え……?」

 

 織姫ちゃんの瞳孔が開き目からハイライトが無くなった。

 

 怖っ!? 

 ご、ごめん、ちょっとしたイタズラ心やったんや。そんなヤンデレみたいな顔すんの止めて! 

 絶望に輝く顔が見たいのであって堕ちた顔が見たいわけではない。微妙な違いなのだが、個人的にはここ重要ね。

 

 そ、そうだ。そもそも愉悦する(その)役目は俺ではない! 

 とりあえず織姫の相手はウルキオラだ! 

 

 まずは生中! みたいなノリで織姫にはウルキオラ。これは破面編の基本と心得よ! 異論は認める! 

 ちょっと俺の鰤愛が変な方向に歪んでるだけなんだ。自覚はある。でも楽しいんだもん。特に苺とルキア。

 それに今はお兄様側の将『番外十刃(フエラ・エスパーダ)』なのだ。

 流石にヨン様の前で『織姫ちゃんたちの味方だよー』とは言えない。 

 

 この後は織姫ちゃんがここ、”虚夜宮(ラス・ノーチェス)”でピーチ姫役をする訳だが……。 

 

 そういえば、原作読んでた時に疑問だったんだけど、織姫ちゃんって女の子なんだからウルキオラだけだとお世話務まらんよな? 

 なんか丁度良い子……いいや、織姫ちゃんの事イジメそうだけどロリとメノリもお世話係にしとこ。俺が言えばお兄様も反対せんやろ。

 ってか、基本的に織姫は死神勢力を虚圏におびき寄せる囮であって、扱いとかぶっちゃけどうでも良いだろうし。

 

 呆然と立ち尽くしハラハラと涙を流している織姫ちゃんへの罪悪感から頭を撫であやす。

 俺に対してどうすれば良いのか分からないのか、未だ俺への情が上回っているのか。織姫ちゃんはそのまま静かに俺の胸元へ顔を埋め、シクシクと泣き続けている。

 

 可愛い。顔がニヤけそう。無表情先生のお陰で顔面は崩れないが。

 まあ、言い方はちょっと意図的に勘違いをするようにしたが、別に俺は破面だけの味方であるつもりはない。

 織姫ちゃんたちの味方でも勿論あるよー。

 

 ……ちょっとイジワルし過ぎたかな? 

 なんか不安になってきた。ただでさえガバ多いし、ここはきちんと言葉にして「味方だよ!」と伝えたほうが良いか。

 

 ふっ……いつまでもガバを積み重ねるだけの俺じゃないさ。

 俺は、学べる! (重要

 

「……織姫さん、後で必ず(苺が)助け出します」

「……え?」

 

 抱き引き寄せた彼女の耳元へそっと呟く。

 驚き固まる姿を眺めながらも俺は視線をついっと動かし、控えていた女性破面二人。ロリとメノリを見つけた。

 

「ロリ、メノリ」

「!? は、はい!!」

「!? 何か御用でしょうか! 那由他様!」

 

 まさか自分たちが呼ばれるとは思ってもみなかったのだろう。

 面白いくらいに飛び跳ね、響転(ソニード)もかくやという速さでこちらへと馳せ参じていた。

 こちらもビックリするほどの反応速度である。まあ、無表情先生の前では無意味だがね。(謎マウント

 

「二人には彼女の世話を任せます。ウルキオラだけでは不便もあるでしょうから、女性の点からも少し気にかけてあげてください」

 

 俺にしては珍しい。割と長めの台詞が吐けたわ。

 

 いつも短文とか、酷いときなんて単語しか出てこないこの口がここまで流暢に喋るのは久々だ。

 やはり苺に関連する事だと饒舌になるんかね? それ俺の意識の問題では? (ボブ訝

 

「は! かしこまりました!」

「……那由他様が仰るなら」

 

 体育会系のノリでハキハキと返事をしたメノリに対して、ロリは不満そうな顔で不承不承といった感じだ。

 見た目からしてメスガキ感溢れるキャラだからなぁ、ロリ。

 

 露出度が高い服装にスレンダーチッパイの黒髪ツインテール。勝ち気なツリ目で高飛車ヤンデレ風とか属性てんこ盛りのくせに原作での扱いがほぼ当て馬という。

 俺はそんなぞんざいな扱いをされているキミも好きなんだけど……織姫ちゃんのお世話に関して言えば、別に二人じゃなくてもええか。

 

「嫌でしたら構いません」

「! いえ、那由他様のためでしたら、喜んでさせて頂きます!!」

 

 無理せんでええよーってつもりで声をかけたら滅茶苦茶焦った様子でロリが食い下がってきた。

 お、おう、それならお願いします……? 

 一転してパアっと花が咲いたように頬を赤く染めながら可憐な笑みを浮かべた後、まるで親の敵でも見るように織姫ちゃんをキッと睨みつける様はスゴイ。

 何ていうか、変幻自在の百面相。あと、俺の目の前で織姫ちゃんへの敵視を隠さないところとか個人的には好感持てるけど、人としてはどうかと思うよ。メノリも困ったように隣で苦笑してるし。

 

「……さて。早速で悪いが君の力を見せてくれるかい、織姫。どうやら君を連れてきた事に納得のいかない者もいるようだからね」

 

 おっと。

 そうだ、あまり織姫ちゃんを俺が独占する訳にもいかん。

 

 俺に抱きついていた織姫ちゃんをそっと引き剥がす。

 少し不安そうな表情だったが、一つ頷いてお兄様へと視線を移した。

 

 敵だよ宣言したようなもんなのに俺への信頼が重い。これは薄い本も厚くなるぜ。

 

 

「では君の力を端的に示すために、グリムジョーの腕を治し、その上でルピと殺し合いをさせてみよう」

 

 

 ……? 

 

 おっと、難聴かな? 

 

 前まで俺が「グリムジョーの腕が消えてない! マズイ!」とか考えていたのが師匠に通じたのか、現世から帰ってきたグリムジョーの腕はどこかへと消えていた。どうやら現世へと置いてきちゃったらしい。おっちょこちょいだなぁ。

 

 現世鑑賞会を行っていたが、GJJJがたつきちゃんと戦ってるとこなんて「どうしてこうなった?」と半分意識が飛んでいたのであまりしっかりと見れていない。見ていたかもしれないが記憶にあまりない。

 そのため、気が付いたらGJJJの腕は無くなっていた。

 経緯をすっ飛ばして結果だけ見せられた形だ。因果でも逆転してるのかな。

 

 ただ、これで織姫ちゃんがグリムジョーの腕を復活させて自らの能力の凄さを見せつけるというシーンの再現は可能になった訳だ。

 

 と、思っていたんだけど……。

 

 なんで殺し合いさせんの? (宇宙猫

 これも俺のなにかしらが影響したんだろう。まさかのバタフライ効果である。

 

 ハリベルがチラリと俺へ問うように視線を向けてきたのを感じる。

 え、なんで? 

 ここで俺に注目する理由が分からず本気で戸惑う。その戸惑いが伝わったのか、ハリベルからは少し殺気がにじみ出ていた。

 ヒィッ!? なんかごめんなさい!! 

 

「……ネリエルの件、どうやらノイトラとザエルアポロに漏れていたようです。グリムジョーの監視にルピの推薦、現状No.6(セスタ)は那由他様の管轄も同義の中、このように殺し合いをさせるなど……!」

 

 遂にはギリッと歯を食いしばる程になったハリベルがなにやら言っているが、その内容の半分も理解出来ていない。

 しかし、ネリエルの件って『苺の事を助けてあげて』ってお願いした件かな? 

 

 今も影から苺を見守っているのだろうか。あの後すぐに姿が見えなくなって俺はどこに行ったか分かってないんだよね

 

 ん、ちょっと待って。

 ノイトラとザエルアポロに漏れていた? 

 

 つまり、ヨン様も普通に気が付いているって事だよね。

 まあ、どうせすぐにバレるだろうとは思っていたけど、苺たちは数日もしない内に虚圏へ来るんだから有耶無耶にできるだろって考えてたんだが。(一ガバ

 

 ……あ。

 

 

もしかして、これってヨン様による警告ってことぉ!?  

 

 

『ちょっとお前、最近調子のってね?』ってことぉ!? 

 

 確かに虚圏に来てからはのんべんだらりと過ごしてあんまり働いてなかったけれど、まさかこんな形で指摘されるとは思わなんだ。

 流石だぜヨン様。ハリベルに言われなきゃ気付けないような婉曲的な叱責とは、危うくスルーしちまうところだった。

 

 しかし、そうなるとルピくんとか被害者やん。

 俺のせいで殺し合いに巻き込んでしまった感が否めない。

 

「ルピくんには荷が重かったですね」

 

 お兄様の発言に未だザワついている皆の中、衝撃に戸惑っているルピくんにススっと近づく。

 流石に可哀想になったので謝っといた。

 

「な、那由他様!? 次こそは、次こそは結果を残してみせます!! どうかもう一度だけボクにチャンスをください!?」

 

 バチクソ必死でビビった。

 

 しかし、少し落ち着いて考えれば、地位を賭けた決闘をするのは不自然でない。

 似たようなことはアーロニーロやドルドーニ達初期勢の頃からよくしてたし。

 

 しかし、もしルピくんが勝ったらGJJJをNo.6に置く事が不可能になる。さらに言えば、ルピくんが退場するのは原作通りだから構わないけど、万が一にもGJJJが死んだら俺はどうしたらいいか分かんなくなっちゃう。

 

 ──結果、グリムジョーがNo.6に返り咲いたから何も問題なかったのだが。

 

 中々の激戦で『ルピくんってこんな強かったんだー』なんて改めて感じているが、それよりもなんかGJJJがめっちゃ喜んでいるのが気になる。

 

 高笑いをあげ「俺がNo.6だぁぁあ!」なんて高らかに宣言している姿はちょっと引いた。

 そんなセスタになりたかったんか……。やっぱり破面は上下関係厳しいんやな。

 こないだは十刃落ちの子たち(プリバロンズ)にウザ絡みされてたし、なんか実は優しい不良みたいで面白かったのに……。

 

 

 とまあ、色々と波乱はありつつも、織姫ちゃん拉致&現世侵攻の報告会は終了した。

 

 織姫ちゃんによって復活したルピくんは茫然自失といった感じだったので今後も面倒は見てあげるつもりだ。

 ガバがここまでくると、流石に用済みみたいな感じで彼を放置するのも後味悪いしねぇ……。俺はそこら辺はヨン様とは違うのだ。

 

 報告会も解散し玉座の部屋から離れた後。

 自室へと戻る道すがらも付いてきているハリベルが俺のところへそっと寄って来た。

 さっきの怒気にビビっているので、ちょっと怖いが無視する訳にもいくまい。

 表面上だけでも「何々?」と呑気に聞いてみれば、ネリエルとの連絡が途絶えたとの事だった。原因は恐らく情報が漏れた際にも言及していたノイトラとザエルアポロとのおまけ情報付きで。

 

「どうされますか」

 

 いや、え、これって……どっち……? 

 

『ネル・トゥになっている説』と『マジでやられちゃった説』があるんじゃが。

 てっきり現世とかで苺の事を影から見守ってくれているのだとばかり思っていたんじゃが、どうやら()られてしまっていたらしい。

 

 なんか知らんうち”ネル・トゥ”になるフラグ立ってた? 

 ネリエルが二人に嵌められるの、もっと昔だと思ってたんだけど……。まあ、ネルになってるなら問題ないんだが、もしお亡くなりになってたら結構ヤバいかもしれん。

 ってか、ハリベル。

 

 

 キミはどうしてネリエルの件を知っているんだい……? (滝汗

 

 

 さっきまでは色々とあった衝撃で色々と気を回す余裕が無かった。

 けれども、さもノイトラとザエルアポロのせいです、みたいに報告してきているキミが実は情報流したとか……ない、よね? 

 

 信じてるぞ! 

 

 まあ、ノイトラとザエルアポロが関わってるんなら、多分ネルになっとるやろ。(希望的観測

 もう起こった出来事なんだから、ここで俺があーだこーだと考えた所でどうしようもないしね! 

 

「構いません」

 

 俺の言葉に僅かに片眉をピクリと動かし、「承知いたしました」とだけ残しハリベルは後ろに控えた。

 

 

 ……ねえ、なんで自分の部屋に帰ろうとしないの? 

 

 

 

 △▽△

 

 

 

 ──それから数日も経たない内に、苺たちが虚圏へ侵入したという報告が耳に入ってきた。

 

 ヨン様と十刃のみんなが会議室(?)へと集まる。

 勿論、俺もその場に参加している。

 

 原作をなぞるように苺たちの侵入について報告を聞く。

 反応は破面それぞれだ。

 

 見た目からして弱そうと言う、No.5(クイント)──『ノイトラ・ジルガ』。

 現世での経験からか厳しい顔で見つめる、No.10(ディエス)──『ヤミー・リヤルゴ』。

 思いのほか若い事に驚く、No.2(セグンダ)──『バラガン・ルイゼンバーン』。

 冷静に相手を見定める、No.7(セプティマ)──『ゾマリ・ルルー』。

 面白そうに含み笑いを零す、No.8(オクターバ)──『ザエルアポロ・グランツ』。

 興味なさげに視線だけ向ける、No.1(プリメーラ)──『コヨーテ・スターク』。

 感情の宿らぬ瞳で見据える、No.4(クアトロ)──『ウルキオラ・シファー』。

 フラスコの顔を狂気に歪める、No.9(ヌベーノ)──『アーロニーロ・アルルエリ』。

 複雑そうな顔で侵入者を見つめる、No.3(トレス)──『ティア・ハリベル』。

 

 そして、黒崎一護を見つけ早々に席を立った、No.6(セスタ)──『グリムジョー・ジャガージャック』。

 

「まだ話は終わっていないよ、席へ戻りたまえ──返事が聞こえないぞ、グリムジョー・ジャガージャック

 

 早速とばかりに苺を迎え撃とうと動き出したGJJJをヨン様の霊圧ブッパが襲う! 

 耐えきれずに膝をつき肩で息をするGJJJを余所に、ヨン様は何事も無かったかのように話を再開した。

 

「十刃諸君、侮りは不要だが騒ぎ立てる必要もない。各人、自宮に戻り平時と同じく行動してくれ。ただ、座して敵を待てばいい」

 

 俺? 俺はアーロニーロとルキアの戦いを観察しなきゃいけないから残るよ。

 海燕殿事件の影響がどれだけ出るか分からんが、苺にルキアの死神の力が渡った過去を鑑みれば大丈夫やろ、多分。(二ガバ

 

 

 原作通りすぎて特筆するべき事もない会議が終わり、廊下に出たら十刃落ち(プリバロンズ)の3人──ドルドーニ、ガンテンバイン、チルッチが控えていた。

 

「那由他様、侵入者との事ですが……吾輩たちは自らの領域にて待機し迎え撃つ形でよろしいですかな?」

 

 ドルドーニが心持ち真剣な表情で俺へと問い(ただ)してくる。

 いつも愉快だから忘れそうになるけど、彼も一応は元十刃。しかもネリエルの前任No.3だ。浦原さんの崩玉を使用せずに破面化したから、現在の十刃よりかは劣るものの決して弱いわけではない。

 まあ、苺たちが負けるとも思えないけど。

 

「そうですね」

「……ネリエル様について、聞いても?」

 

 おっと、これはデッドボールが飛んできましたね。(三ガバ

 そんなの俺が聞きたいわ。

 

「……誰かと共にいるでしょう」

 

 確か原作だとネルは苺と一緒に居る。

 だったら、次にネルと会った時には苺もその場に居るはずだ。かといって「苺の手助けをして!」ともこんな場所では言えない。

 ではどうするべきか。

 

 会った時に臨機応変に対応して、頼む。(他力本願

 

 今はなんと言えば正解なのかマージで分からん。

 簡潔に答えた俺に対して三人は文句など一言も漏らさず揃って一礼し、持ち場へ着こうと移動する素振りを見せた。

 あれで納得できんのか……。すげえな。

 

 しかし、どうしても聞いておきたかったのだろう。

 チルッチがボソリとこちらを伺うように質問を重ねてきた。

 

「……侵入者と、関係ありますか?」

 

 あるけど言えないんだって! 

 

「問題ありません。彼女は彼女の責務を果たすはずです」

 

 多分。

 

 俺の言葉にホッとした表情、やる気を見せる表情、得意気な表情と三者三様の反応が返ってくる。

 え、どういう感情なんだろう、それ。

 良く分からないが……あ、そうだ。

 

「期待しています」

 

 原作BLEACHにおける破面編、その中でも虚圏に突入した後の激闘は個人的に作中屈指の名シーンが数多くある。それは目の前にいる三人の戦闘も含まれているのだ。

 

 まずは君たちの出番だ! 

 噛ませっぽいけど、とりあえず頑張れ! 一応応援はしとく! 

 そんな気持ちを込めて俺なりの激励を送ったつもりだった。

 

 

 なんか泣かれた。ええ……? 

 

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