フィリスとリッカの関係とか、みんなの今後とかを話してます。
こういう原作にないような仲間同士の絡みをかくの、楽しいから好きです。
フィリスの協力のもと、リッカは父の遺志を継ぎ、新たなる宿王となった。 その祝宴の翌日、フィリス達は一気に大忙しとなったリッカの宿屋を手伝い、夜になったときにフィリスはリッカと2人きりで話をする。
「今日は手伝ってくれてありがとう、フィリス。 おかげで助かっちゃった」
「いいんだよ、リッカの力になれるんだったら、あたしも働いた甲斐があるってもんだ」
宿屋の裏の席でリッカとフィリスは、お茶を口にしながら今日一日を振り返った。 フィリスがやっていたのは、主に客寄せと、失礼を働いた人間に厳重に注意をすることだ。 時にリッカの話を聞いた男達が、リッカに告白をしてきたが、そのものもフィリスが追っ払った。
「にしても、今日あたしがおっぱらったナンパ野郎……マジで腹立ったな。 リッカも、ああいう奴に流されちゃだけだぜ? 今後ももしそういうことがあったら、ちゃんとあたしに教えろよ?」
「大丈夫だよ、わたしには心強い味方がいっぱいいるもの。 この宿屋にも、それに、あなたもね!」
「うん、よろしい!」
そう楽しく笑って見せつつ、フィリスは用意された紅茶を一気に飲む。 そんなフィリスの姿を見て、リッカは思ったことを口にする。
「おもえば……初めてあったときから、ずっとそうだよね」
「へっ?」
「……この宿屋をつぐ決心をしたときも、ちょっとした悩みも、ハプニングも……そして、この宿王グランプリでも。 わたし、ずっとフィリスに助けられっぱなしだなぁ……て、おもったんだ」
リッカは気付いている。 フィリスはこの宿屋この国だけでなく、広い世界を旅してはそこで起きている問題を解決していることを。 そんな人物が友人であることをリッカは誇りに思うと同時に、自分と違う世界の人間だと感じていた。 そんなリッカの心情に気付いたのか、フィリスは目を細めながら口を開く。
「これでも、あたしはあんたに恩返しがしたいと思ってたんだ……」
「恩返し?」
「ああ。 さっきあんたはさ、あたしに助けられっぱなしって言ったじゃないか。 でも、先にあたしを助けてくれたのは……リッカ、あんただよ」
「……」
「恩の大小の問題じゃない。 死にそうなくらい傷ついて、ひとりぼっちになっていたあたしを、あんたが助けてくれなかったら……あたしは、今ここにいないんだよ」
そもそものはじまりは、リッカが傷ついたフィリスを見つけて献身的に助けてくれたからだ。 あの出来事があったからこそ、フィリスは同胞かから離れ孤独になったという、絶望から立ち上がることができたのだ。 もう一度、進もうと決めることができたのだ。
「だから、あたしはあんたと……そして、多くの人を助けたいって強く思ったんだ。 助けてくれた恩を、そうやって返していきたかったんだ。 今もリッカはこうやって、あたしを、仲間ともども実家のように迎えてくれるだろ。 それも、ありがたいんだよ」
フィリスのその言葉を聞いたリッカは、クスリとわらいながら、今もフィリスに優しくする理由を口にする。
「フィリスって、どこかお人好しな感じがして……わたしもほっとけないんだよ」
「はは、お人好しかぁ……。 それ、あいつらに言われたよ」
苦笑して頭をぽりぽりかきつつ、仲間について話すフィリス。
「あたしも、仲間はとっても大切なものなんだ。 正直あたしの旅って、あたしの使命という方が正しいものがあって……ムチャぶりばかりっていうか……普通じゃ経験できないような内容のモンなんだよ。 結構過酷で、難しいことばかりだ」
「……そんな大変な……ううん、大変なんて言葉で片づけられないものなんだ」
「そうだな」
本当に、人間が経験できるはずのない旅。 そして、当時の自分の正体。 そのすべてを信じてもらえないとフィリスは覚悟を決めて打ち明けた。 自分のことを信じられなくても仕方ないし、それで離れられても自分にそれを咎める権利はない。 一人旅も、覚悟していた。 実際に体感してみて、今思うのは、その旅は過酷なものであったのに違いないのだから。
「けど、みんなあたしの過酷な旅に、つきあってくれた。 あたしの事情を聞いてくれた。 あたしのすべてを知った上で今も、あたしと旅を続けてくれているんだ……。 イアンもセルフィスもクルーヤも……ホントに信頼できて、大事な仲間だよ」
「……仲間……」
リッカは、宿王グランプリを通して、ともに働く仲間の大切さに気付いた。 きっとそれは、フィリスも同じなのだろう。
「じゃあ、フィリスにとってみんなは宝物なんだよね」
「そうだな!」
リッカの言葉に対し、フィリスはにっこりと笑った。
一方イアンは、宿屋の仕事が一区切りついたところで、次の旅のために店で道具の買い出しをしていた。
「よし……これだけあれば当分、長旅に耐えられるだろ! ……お!?」
無事にその買い物も済み、仲間達との合流ポイントである宿屋へ帰ろうとしたイアンだが、そのとき見覚えのある姿を発見し迷わずその男に駆け寄る。
「ハオチュン! ハオチュンじゃねーか!」
「イアン」
その男というのは、イアンの兄弟弟子である、武道家のハオチュンだった。 2人は久しぶりに顔をあせ、言葉を交わす。 そのときにハオチュンは最後にイアンと会ったのは、ドミールの里だったと言う。
「そういえば、ドミールの里で顔を合わせて以来……だったか? あのときお前は急いでいたようで、まともに会話はおろか挨拶もできなかったな」
「ああ、わりぃ……オレも色々あって、大変だったからよ……。 今は、平和になったから、余裕ができてるけどな」
ドミールの里でフィリス達と合流するまで、イアンは帝国にとらわれ牢獄で奴隷として働かされていた。 その中で敵兵に変装し里に攻める隊の一員として紛れ込み、隙をついて変装を解いてフィリス達と合流したのだ。 そのとき偶然にも戦線をともにしていたハオチュンと、一応は再会をしたのだが、状況が状況だったのでまともな会話もしていない。 今こうして対話をしているのが、2人にとっては本当の再会である。
「でも、オレはまだ旅を続けるよ。 そうする理由ってものもあるしな」
「フィリス達のことか」
「ああ……」
くしゃ、とイアンは自分の金髪をつかみ、笑みを浮かべながら話を続ける。
「オレの贖罪……つっていいのかはわかんねぇけどよ。 あいつらと一緒に戦い続けていて、そんで多くの人を助けて守っていって……自分のやっちゃったこととかと真剣に向かい合うようになったんだよ」
「………」
「ま、オレがフィリスに興味を持ったのは成り行きみたいなもんだけどな……。 そのあとでセルフィスやクルーヤと会って、いまの4人で旅をしてるんだけどよ。 お前も遭遇したとおもうけど、オレ達の旅って普通じゃねーぜ」
「確かに、あのあとも大変だったからな……」
ドミールに帝国の兵士をかたる魔物が攻めてきたときのことを思い出すハオチュン。 彼は里を守るために魔物と戦い、敵を退けたのだが、あんなに激しい戦いは下手をすれば初めてかもしれない。 その後、ガナンが敗れたという話を聞き、ハオチュンは彼らがやったのだとすぐに気付いた。
「こういうのもなんだが」
「ん?」
「今のお前は……不良時代や私と修行をしていたときよりもずっと、生き生きとしているように見える」
ハオチュンの言葉を聞き、イアンは目を丸くしていたが、やがて柔らかい笑みを浮かべていく。 その表情の変化をみたハオチュンは、やはりイアンに変化があると気付いた。
「……そう、なんだろうな……」
「やはり、彼女たちの力か」
「ああ。 昔のことはふれたくねーけど……さ」
イアンは腕の装備を直しつつ、目を細めてフィリス達の顔を思い浮かべる。
「修業時代がイヤだったとか、そんなことは全くなかったんだけどよ……でも、今あいつらといるのが、本当に楽しいんだ。 オレの居場所はそこだ、と思えるようになった。 今オレは、罪滅ぼしとか己を高める以上に……あいつらのために強くなりたいって思えるようになったんだ」
「そうか」
「だからさ、ハオチュン」
「なんだ」
そして、イアンはハオチュンの方を向いて照れくさそうに笑いながら、彼にある伝言を託す。
「超天老師様に伝えてくれよ。 オレは……あいつらと旅が出来て、幸せを覚えてるってさ」
「それは、お前の口から直接伝えろ」
「えっ」
ハオチュンの言葉に対し、イアンは目を点にする。 そんなイアンにたいし、ハオチュンはある老人をイアンの前につきだした。 その老人をみたイアンは、飛び跳ねて驚く。
「ちょ、ちょーてんろーしさまぁ!?」
「ふぉっふぉっふぉ。 久しぶりじゃなイアンよ」
まさか師匠がそこにいるとは思っていなかったイアンは照れながらも、挨拶と先程ハオチュンに託そうとしていた伝言を、直接本人に伝えることになったのだった。 そのときのイアンは、顔から火がでていたそうな。
一方、セントシュタインの教会では、セルフィスがお祈りをしていた。
「……今更ながら……この世界をつくりし神は、いずこにおられるのでしょう……」
そのお祈りを終え、セルフィスは教会を出てそばのベンチで腰掛けていた。 神父やシスターには前に倒れたとき、助けてくれたことにたいし礼を言い、穏やかな時間を過ごしていたが、そこでふっとセルフィスは、思ったことを口にする。
「………女神様は、この世界が残っているから死んではいないとおっしゃってた……。 しかし、どこにいるのかは未だにわからないまま……神に創られ役目を終えた天使達は星となった……。 だのに、今も世界は残り平和になっても、神はまだ気配すらみせない……」
セルフィスが抱いていた疑問は、この世界を創ったとされる神・グランゼニスのことだった。 元凶もさり女神も目覚め天使が役目を果たしたにも関わらず、未だにその存在を天に見せない神。 死んでいないのなら、どこにいるのだとおもいはじめたのだ。 もしや、その神を見つけだしよみがえらせるのも、自分たちのつとめであり使命だろうか。
「セルフィス、いた!」
「おや、クルーヤさん」
今後の旅の方針にセルフィスがひとり、思いを馳せていると、自分の存在に気付いたクルーヤが駆けつけた。 どうしたのだろうと首を傾げていると、クルーヤとともに意外な人物が現れたので、セルフィスは驚く。
「あ、義兄上!?」
「体調はいかがですか、セルフィス」
それはセルフィスの義兄であるルーフィンだった。 何故ここにいるのか理解が出来ないセルフィスに、ルーフィンが事情をかたる。
「実はね、君達に贈り物を預かっていたんですよ」
「贈り物?」
「これです」
そういって、ルーフィンは黒い布に包まれたものをセルフィスに差し出した。 彼に渡された布をセルフィスがといてみると、そこには翼のような装飾が施された美しい弓があった。
「これは……弓、ですか?」
「エルクが、今回の自分の学説を裏付ける手助けをしてくれた礼に、きみに渡してくれとおっしゃってたんです」
「エルクさんが?」
「天使の弓と呼ばれる代物だそうですよ」
その弓をみたクルーヤは、先日リッカにもらった杖を見つめる。 そして、フィリスが持っている形見の剣、イアンがサンディからお礼としてもらった棍を思い出し、この弓もそれらと同系列だと気付く。
「この杖とおなじものかもしれないわね」
「確かに……ですが、こんないいもの……僕がもらってもいいんでしょうか」
「エルクは、戦う力がない自分が持っていても価値がさがるだけだと言ってましたよ。 だから、戦う力がある君に、託すことを決めたようです」
セルフィスは弓を握りしめると、ほほえんだ。
「義兄上……ありがとうございます。 この弓を僕は受け取ったと……エルクさんに伝えてください」
「まぁ、伝えますよ。 また会えたらですけどね……。 では帰るとしましょう。 クルーヤさんも、ここまでご案内していただき、ありがとう」
「いえいえ、お役目はたせてよかったです!」
どうやらクルーヤは、ルーフィンをセルフィスのところまで案内するために彼とともにいたようだ。 そう軽く言葉を交わし、ルーフィンが立ち去ろうとしたとき。
「セルフィス」
「はい?」
「……ぼくは、あの町を……ベクセリアを守るリーダーは、君がふさわしいと思ってるよ。 ぼくよりも、君がふさわしいだろう……と」
「………」
それだけをセルフィスに告げ、ルーフィンはキメラの翼を使ってベクセリアに帰っていった。 残されたセルフィスは呆然としていたので、クルーヤがそれに気付いて声をかけてくる。
「なんか、難しいことを考えていたんじゃないの?」
「……そうみえますか?」
「うん、だって眉間にしわの後がのこってるわよ」
クルーヤに指摘され、セルフィスは自分の眉間をさわる。 そんなわかりやすい反応に対しクルーヤはクスクス笑いつつ、セルフィスに考えすぎはよくないと告げる。
「なにに悩んでいるのかわかんないけど、悩みすぎはよくないわよ。 ムリしないでほしいわ」
「そういうわりには、僕がなにを考えていたのか、聞かないのですね」
「……そうね。 だって、あなたの話を聞いても私にはわからないかもしれないし……むやみに聞くのは、あなたの負担にもなりそうだもの。 だから、あなたが自分から話すまで待ってみようと思うわ」
そう言って、クルーヤは光の杖をみる。
「私は今ね、あなた達と一緒にいることだけに集中したいの。 そのために魔法をもっとうまく使いたいし、この力は正しいことに使いたい。 そのキモチは、世界が平和になっても変わらないわ。 平和だからこそ、それを乱す奴は懲らしめなきゃいけない……。 守るための力をたもったり高めたりするのが、今の私に出来るすべてだもの」
「……………」
「だからね、セルフィスも頭が良すぎて色々考えすぎちゃうのかもしれないけど……今を大事にして、そしてできることをやっていけばいいと思うの。 その積み重ねがきっと、もっと先の悩みを解決させるための力になると思うわ」
途方もなく謎が多すぎることばかりにとらわれて、簡単なことを見落としてしまう。 今目の前にいる大切な存在、自分にとってなにが大事なのか、何故謎に対し頭を抱えていたのかそのきっかけ。 それをセルフィスは、神の存在の有無で忘れかけていた。
「……僕は、フィリスさんやみなさんのために、難題を自分に押し掛けていたのですね」
「そうみたいね」
「でも、今このときに……貴方達と正面でむかいあえないのに……貴方達のためだなんていえませんね。 言ってたら、僕はただの愚者でしょう」
セルフィスは小さく笑いつつ、彼女に宿に帰ろうと提案する。
「クルーヤさん、宿屋へ帰り、フィリスさんやイアンさんと合流しましょう。 そして、これからのことをお話ししましょう」
「ええ、そうね! みんなでちゃんとはなしたほうが、いいことがあるに違いないものね1」
クルーヤも、笑顔でそう答えた。
そうしてリッカの宿屋に集結した一同。 リッカが用意してくれた部屋でシャワーをあび気分もすっきりしたところで、今後の目的を語り合う。
「次は何のために旅をするか、ねぇ……」
「はい、僕……そのことでみなさんと改めて、話をしてみたいと思ったのです。 今までのように依頼をこなしていくのもよいのですが……あてもなくは少し、今後旅を続けるには厳しいかと……」
「唐突だな」
イアンの率直な言葉に対し、セルフィスはすみませんと返しつつ、ずっと思っていたことを口にする。
「……このままで、いいのか……と、僕は思ってしまったのです。 今までは、フィリスさんが天に帰るためとか、女神の果実を探すため、仲間を捜すため。 そして、ガナン帝国の野望を止め、世界を救うため。 このように、皆で旅をする理由がありました」
「……ああ、そうだな……」
「ですが、今の僕達はそんなに、目的はありません。 宝の地図を巡るとか、その宝石を完成させるというものはありますが、それでは曖昧で、旅の理由にはなりません」
ぎゅ、とセルフィスはくんでいた自分の両手に力を入れた。
「……セルフィス?」
「……情けないと思うかもしれませんが、僕は……このメンバーで旅を続けたい。 だけど、どうしてこの4人で旅を続けるのか、その理由や意味がないと……このままでいいものか、と……僕は、不安を覚えるのです」
「不安?」
「はい……今まで神に祈ることで気を落ち着けてましたが……その神もいまはどこにいるか、わかりません。 その神のおられるところを見つけることを使命にするべきか、そのために自分でどうすればいいか、迷うのです。 僕はこのままでいいのか……と」
そして、セルフィスは内心でなにを抱えていたかを打ち明ける。
「やるべきこと、目的……それがわからないままでいるのが不安です。 だけど、僕は、それでも……貴方達と離れたくない。 あてがなくても、旅を続けたいのです。 こんな甘えた考えで……いていいはずはないのにそうしたい。 その矛盾を、僕はずっと抱えています」
「なんだ、そんなことだったのね」
「え?」
セルフィスが打ち明けた不安に対し、クルーヤはセルフィスがなにに思い悩んでいたのかに気付いて、そう答えた。
「神様がどこにいるのかわからない、探すべきなのか……それを理由にした方がいいし、それを理由にあたし達と一緒にいたいなら、いっそそうちゃえばいいじゃん」
「そうだな、神が関わるなら、いまやオレ達も他人事じゃねーし……目的の一つにするのも悪くない。 特にセルフィスは信仰心が強いからな、そういうの気にしているとしても、それを否定する気はねーよ」
「でもそれ以上に、あなたが私達と一緒にいたいと思ってくれてることがうれしいのよ。 私達も、あなたといたいもの」
フィリス、イアン、クルーヤがそれぞれ、セルフィスの考えに対する答えを口に出していく。 そして、フィリスがまた口を開いた。
「あのさ、セルフィス」
「フィリスさん」
「……思えば、あたしがみんなを、あたしのワケわからん事情に巻き込んだといっても過言じゃないんだ。 でも、イアンもセルフィスもクルーヤも、あたしを信じて、あたしときて……一緒に旅をして戦ってくれただろ? んで、今もあたしのあてのない旅についてきてくれてる……。 そこまでの道に、あたしとの旅に……あんた……後悔、してるか?」
「……!」
フィリスのその言葉に対し、セルフィスは首を必死に横に振った。
「していません! 貴女は、僕の故郷を救ってくださったから……姉上を失い悲しんでいた僕を立ち上がらせてくれたから! なにより、貴女の正しさをこの目でみて、知ったから……僕は、貴女を信じたいと、ともに行きたいと思ったのです!」
「……だろ? だったら、それでいいんだよ。 これからも」
フィリスはセルフィスと向かい合って、笑って言う。
「神様を捜すもよし、宝石をさがすもよし、いろんな依頼を聞くもよし! まぁぶっちゃけ、今までとたいして変わんないし、不安にさせたり迷わせるだろうけど……はっきりしっかり、約束できることはあるぜ」
「……?」
「あたしは絶対に、あんた達を裏切らない! そして、あんた達があたしを裏切らないって信じる!」
「フィリスさん……」
「あたしも賢くねーけど、単純でもやらないよりマシだろ。 だから、今はあたし達が曲がらないって信じてくれよ。 今まで、あんたがそうしていたように……さ」
その言葉を聞き、仲間達の顔を見たセルフィスは、少し目を潤ませつつ、笑ってうなずいた。
「……そうですね……僕、貴女方や神のことを案じているようであり、実際はなにも見えていなかった……今までも、不満なんてなかったのに」
「セルフィス……」
「……みなさん、僕はこれからも貴女方のためにこの力と命を捧げます。 僕は僕の出来る限りを尽くします……ここで、改めて誓いましょう」
そういって本来のキモチを取り戻したセルフィスをみて、彼はもう大丈夫だと悟ったフィリスは仲間達に呼びかける。
「というわけで、明日はこの国を旅立って、色々世界を巡ろうぜ! んで、いろんな依頼とかこなしてこーぜ!」
「ああ!」
「ええ!」
「はい!」
4人はそうして思いを一つにし、一夜をともにし翌日の朝。
「フィリス、いってらっしゃい!」
「ああ、いってくるよ!」
彼らはリッカに見送られて、セントシュタインを旅立っていった。 まるで、パーティーを結成して旅に出た、あの日のように。
次回はまた、ストーリークエストに進みます。