追加ストーリーにはないんですが、あれっきりだったので勝手にストーリーを作ってしまいました。
アルマの塔のアルマトラと出会い、協力しあいながら世界をともに支え合うことを誓い合った。 そして、アルマトラはフィリス達に、次にいくべき場所を教えてくれた。
「アルマトラがいうには、砂漠になにか異変が起きつつあるとのことだけど……」
「砂漠と言えば、グビアナ王国ですね」
「グビアナになにかあるのかしら……」
その話を聞いて、一番胸をざわつかせていたのは、グビアナ出身のクルーヤだった。 そんな彼女を気にして、イアンはクルーヤに声をかける。
「やっぱり、心配か?」
「当然でしょ……私には血のつながった両親も家族もいないけど……一緒に生きてきた人々や友達があの国にはいるんだもの。 厳しい大地でもいいことはいっぱいあるし、思い出だってあるわ」
そうあの国で生きてきたクルーヤは、想いをかたる。 それを聞いたイアンはそうだよな、と彼女に同調した。 そして、セルフィスは微笑みかけつつ、すぐに行動を起こそうと告げる。
「では、一刻も早くグビアナへ行きましょう」
「ルーラを使えばさっさと行けるし、レッツゴーだぜ」
「……うん、おねがいね!」
2人の気持ちをきいたクルーヤは笑顔を浮かべる。 そして、彼女のためにフィリスはルーラを使い、一気にグビアナへ瞬間移動した。 グビアナ砂漠に到着した矢先、サンディはぽつりとつぶやいた。
「……ねぇ、なんかさむくね?」
「確かに……夜とはいえ、この冷え込みは異常ですね……」
「おかしいわね……いくらなんでも、こんなに冷えたことなんて、私が知る限りはなかったわよ……?」
「とりあえず、城へいこうぜ。 城下町に行くことさえできれば、なにかしらの情報は得られるかもしれねぇし」
「そうだな……」
ルーラを使ってここにきたのだから、自分たちの背後にグビアナ城があるはずだ。 そうおもい4人は同時に振り返ったが、そのとき目に入った光景に驚かされる。
「な、なにこれ……!? どういうことなの!?」
「まるで要塞だな、こりゃ……」
その変貌ぶりにフィリス達は呆然とする。 今のグビアナ城の様子は、これまでと全然違うからだ。 大砲が装備され、いつでも発射できるようにしてあること、城壁が鉄板で覆われていること。 あの明るい声がいっさい聞こえてこないこと。
「少し前までは、明るい声が聞こえてきたはずだ……なにが……」
そうつぶやきつつ、フィリスは城に近づく。 だがそのとき、正面から槍を持った何者かが突っ込んできたので、フィリスはとっさに剣を抜いて迎え撃つ。
「フィリス!」
「あなた達は何者!?」
「そういうあんたこそ、誰だ!?」
フィリスに突っ込んできたのは、鋼鉄の装備を身にまとった金髪の女性だった。 フィリスは剣で女性の槍をはじくと、女性は名乗りを上げる。
「私の名前はパスリィ」
「パスリィ?」
「先日、このグビアナ城に仕えることになった騎士よ……さぁ、私が名乗ったのだから、あなた達も名乗りなさい!」
「あたしはフィリス、そして仲間のイアン、セルフィス、クルーヤだ。 あたし達は旅を続けているんだけど、この城が前にきたときと比べてとてもゴツゴツしてるもんだから、ビックリしたんだよ」
そういって、フィリスは以前もグビアナ城を訪れたことをはなしつつ、今の異変についての感想を口にした。 一方、パスリィはフィリスという名前に反応をした。
「フィリス?」
「ん、どうした?」
「もしかして、あなた達は女王様と直接的な知り合いだったりするの?」
「ああ……まぁ、知り合いと言えば知り合いだな……」
「そんなんでいいの? 間違っちゃいないケド」
フィリスがそういうと、パスリィは少し考えた後で顔を上げ、4人に告げた。
「これより、女王様に確認をとるわ。 そこで待っていなさい」
「え、ああ?」
パスリィにいわれ、その場を動かずしばらく待つ。 そして、確認をとったパスリィはすぐに戻ってきた。
「……女王様がお待ちよ、あなた達、私についてきなさい」
そういってパスリィが先頭をあるき、フィリス達はその後ろについていった。 ついて行く途中で、城下町の様子を見てみたが、人の気配がなく静まりかえっていた。
「……城下町、静かだな……」
「……ええ……」
「仕方ないのよ、みんな笑いたくても笑えないのだから」
そう口にしながらパスリィは、見張り台の方をみた。 そこは確かに高い見張り台があったことは覚えているが、今そこにあるのはガレキの山だった。 側には、ボロボロの武器や防具が転がっている。
「詳しいことは、女王様に直に聞くといいわ」
この状況にたいし、パスリィはそれだけを言った。
「クルーヤ!」
「ジーラ!」
グビアナ城に入り、クルーヤは親友のジーラと再会した。 城下町の様子から、彼女の安否を心配していたクルーヤは、彼女の顔を見て安堵したのだった。
「ジーラ、無事だったのね……よかったぁ……」
「ええ、私も貴女に今あえて、嬉しいわ。 今のこの国の状況が状況だから……」
そう再会の喜びも束の間、そこに女王ユリシスが姿を現した。 パスリィは彼女に敬礼をし、フィリス達にもそれを伝えると、フィリス達もかしこまった態度になる。
「みなさん、きてくれたのね」
「ああ、久しぶりです。 ユリシス女王様」
「早速ですが、女王様。 なぜこの国は……このような要塞と化してしまったのですか? この国は今、なにと戦を繰り広げておいでなのですか?」
セルフィスが国の現状について質問をしてみると、女王は顔を曇らせながら、事情を説明する。
「反乱者です」
「反乱者?」
「……貴女達もご存じの通り、かつて私は……世界のすべてが自分の敵であると思いこんで、自分だけを正義と思い、好き放題していました。 それが、民を苦しめていた……」
「………」
「貴女達やアノン、そしてジーラの気持ちを知り、私は女王として改めて、自分と向かい合おうと決め……今まで私の我が儘に巻き込んだ民達に償いをする政治を、今まで行ってきました」
まずは乙女の沐浴場の、一般開放。 そして、生活用水をさらに増やすため、地下水道を父が作った物を基礎としつつさらに範囲を広げた。 また、観光客を呼ぶためにペットのアノンを皆に見せることもしていった。 そうして、グビアナは徐々に発展を見せていったのである。
「うまくいっているのに、なんで反乱者が……」
「反乱者は、私のかつての統治により苦しんでいた……私が水を占領したことにより飢餓を経験してきた者達。 私に、憎しみを抱いている民が徒党をくみ、反乱を起こしてこの国に戦争を仕掛けてきたのです」
確かに、あのとき生活に苦しんでいた者は多くいただろうし、あの状況では彼女を憎んでいたって不思議はないはず。 だが、それも昔の話だ。 そう思ったクルーヤは焦りつつ、今と昔は違うと言おうとした。
「そんな、もうユリシス様は……」
「残念ながら、連中には対象が改心しようがなにしようが、どうでもいいんだろうよ」
それを、イアンが一刀両断する。 そして、反乱者の信条を紐解くかのように淡々とした態度で語っていく。
「相手が改心したくらいで自分の苦い経験や憎悪と言った感情は、簡単には改善しないものなんだ。 自分がどれほど辛い目に遭っていたにも関わらず、相手は平気な顔をして良心を振りまいていたんだとしたら、よけいに憎悪が膨らむ。 その憎悪は、相手が死ぬまで続くだろうぜ」
「……」
「まぁ、相手が一国の主とあれば、簡単にはいかねぇだろうけどさ……憎んでいるのがごく一部で、大半が女王様を許して生活をよくする手伝いをしている……そんなところにずっといたくねぇだろうよ」
イアンの厳しい言葉に対しユリシスは顔に影を落とす。 大臣は、この国の現状を伝える。
「現に、反乱軍は魔物と契約を結んでいるのか、魔物とともにこの国に攻撃を仕掛けてきている。 それだけでなく、今やグビアナの各所に攻撃を仕掛け、民は何名か傷つき建物も崩落している」
「ほら、おまけに見境なしときたもんだ」
「なんのために自分たちが反乱を起こしているのか、わからなくなっているのでしょう……悲しいことです……」
セルフィスは悲しげに眉を下げ、そう口にした。
「……そうだ、今一度、そなたらに頼みたい! この国のために、女王様をお守りしてくださらんか! そなたらほどの実力があれば、この戦いにかてよう!」
「私からもどうか、お願いしますわ。 反乱を鎮めてください! この国のためにも、力を貸してください!」
大臣と女王は、フィリス達に依頼をする。 クルーヤはこの頼みを聞き入れたいらしい、フィリスの方を見て彼女の名前を口にした。 すべてを話を聞いていたフィリスは、返事をする。
「そりゃ、前までの女王様の行いをあたしらはなんもフォローはできない」
「フィリスッ」
「……だけど、このまま反乱を許すわけには行かないよ」
そういってフィリスは、クルーヤ達に笑いかけた。 フィリスの返答をきいたイアンも笑みを浮かべつつ、腕をボキボキならす。
「そう、その通りだぜ。 その反乱者は今は反乱者じゃねぇ、ただの侵略者だ」
「怒りと憎しみに囚われた哀れな人を、ともに救済しましょう」
「……というわけだ、反乱軍をぶっ飛ばして、グビアナを救うぜ!」
この国の防衛及び反乱軍討伐を引き受けてくれたフィリス達に、女王と大臣は感謝の言葉を口にした。
「みんな、ありがとうっ……!」
そして、クルーヤもまた、涙をぼろぼろとこぼしながら仲間達に感謝の言葉をつげたのだった。
フィリス達が反乱軍を鎮めるための戦いに参加したのは、その翌日のことだった。 城をとり囲うのは、魔物を連れた反乱軍。
「我らを苦しめた忌々しい女王の、くびをとれー!」
「絶対に女王を許すな、改心を認めるな!」
「女王の味方をするヤツは皆殺しだ、徹底的にやっちまえぇー!」
全員、国に対し攻撃を仕掛ける言葉を口に出す。 彼らは非常に攻撃的であり、もはや不満を露わにしてると言うよりも、ただ国を一つ滅ぼすために動いてしまっている。 真の目的を見失っている。
「攻撃を仕掛けてくる奴らは、私達がくい止めるわ。 あなた達は元締めを討つことだけに専念しなさい」
「了解!」
そうパスリィはフィリス達に指示を出すと、愛用の槍を手に持ち、他のグビアナ軍に指示を出して反乱軍と戦い始めた。 そのなかでもやはり、パスリィの動きや実力は非常に目立っている。
「人間は気絶させるだけにしましょう、むやみに命を奪う必要はありません」
「おう!」
セルフィスの言葉に返事をしつつ、首謀者の元へ向かうフィリス達。 そんな4人の動きに気付いた魔物がいたが、フィリス達は動じることなくそれを迎え撃ち、倒していく。
「ユリシスの味方をするやつは、全部オレ達の敵だぁーっ!」
「おおっと!」
そんな中で人間の兵士が現れ、イアンに攻撃を仕掛けてきた。 だが喧嘩を売った相手を見誤ってしまったため、兵士はイアンに鳩尾を殴られたことで一撃で撃沈した。
「いでぇよ、いでぇよ!」
「動けないように足をうった、それだけです」
一方、セルフィスも狙われはしたが、相手の足を弓矢で射抜いたことで足止めをする。 痛みを訴える相手に対しセルフィスは冷たくそういい放つ。
「おりゃ!」
「どかないと、やけどするわよっ!!」
フィリスは相手にゲンコツを入れて気絶させ、フィリスは魔法攻撃で脅しを入れていく。 そうして紛争地帯を突破し、4人は首謀者が指揮を執っているであろう場所にたどり着いた。
「あなたが、反乱の首謀者ね!?」
「あぁ?」
そこにいたのは、それなりの衣服を身にまとった、位の高そうな男だった。 ただ、彼の体はその衣服に釣り合わぬ細さであり、血色も悪く瞳も濁っていた。 自分の元にたどり着いたフィリス達の顔を見た男は、にたりと不気味に口角をあげる。
「あぁ……そういやなんかいたっけなぁ? 女王が改心するキッカケをあたえて国を救ったとかいってる、変な旅人
「変で悪かったな! 少なくとも、反乱なんてバカげた真似するよかましだろ!!」
そういってフィリスは相手の男を指さし、動機を聞く。
「だいったいお前は、何様のつもりだ!? ようやくあの国に平和が戻ったんだから、いたずらにそれをブッこわしてんじゃねーよ!!」
「平和だけ帰ってきて、それがなにになるってんだ!」
相手の男は手に持った酒の瓶を、地面に強くたたきつけて割った。
「女王が水を占領していなければ! オレの息子も妻も、飢え死にせずにすんだんだ!!」
「……!」
「女王様は今は、その罪を悔い改めているわ。 みんなの飢えを知って、もう2度とそんなことにならないように……つとめているのよ? あれ以降、あの国で生活に苦しんでいる人はいなかったのよ……?」
「じゃあそこで、聞いたのかよ!? 国の水不足でどれだけの人間が犠牲になっていたのか! 国がよくなって女王が改心したら、改心する前に消えた命は帰ってくるって話は!!」
さらに男は怒声を浴びせてくる。 男が反乱軍を立ち上げた動機は理解できてしまう。 ありがちではあるが、簡単にはこの男の憎悪は消えることはないのだろう。 そんなフィリス達に、男は淡々と語り続ける。
「もう今、女王がどう思っていて、どう国を盛り返そうと……オレには知ったこっちゃねぇんだよ!! 結局どうあっても、失ったモンはかえってこねぇんだからよ!!」
「……」
「そうしたらよぉ……このグビアナ王国にはまだまだいっぱいいたんだよ。 そこでオレは声をかけた……あの国に復讐をしようぜ……オレたちの苦しみを、今から与えてやろうぜ……ってなぁ!!」
そういって、男は宝石を取り出した。 その宝石に、フィリス達は見覚えがある。
「あれって、宝石のかけら!?」
「さぁ、アウルート様……今一度、グビアナを滅ぼし女王を殺す力を、オレに!」
「よいだろう……」
そこに現れたのは、どこかでみたような姿をした魔物だった。 ただものではないその魔物をみたフィリス達は、身構える。
「なにもんだ、てめぇは!?」
「邪眼皇帝アウルート……魂をくらい、邪眼の力にする」
「はぁ?」
「そして、我が今望むのは……この国にはびこる憎悪の念。 さらに、この男の持つこの宝石よ……」
そういってアウルートは男に手を伸ばし、目をカッと見開く。 その目を見た男の体からオーラのようなあふれ、そのオーラはアウルートの口に吸い込まれていく。 どうやらそのオーラのようなものは、魂だったようだ。
「クケカカカカカッ」
「うっそ、魔物になっちゃった……!」
「そんなん、ありかぁ!?」
そして、魂を抜かれた男は、ヴァルハラーという魔物に変貌を遂げた。 目の前で人間が魔物に変貌を遂げる瞬間を目の当たりにしたフィリス達は、ただただ呆然とする。
「そうだぁ……オレは宝石のおかげで、力を得たぁ……宝石をくれれば、オレに力をくれるといってなぁ……!ハッハッハッハ!」
「なんという、愚かな……それを、あなたの亡き家族は望んでいるのですか!」
セルフィスは眉間にしわを寄せながらその男に問いかけるが、男はただただ笑い声をあげるだけで、セルフィスの声は少しも届いていない。
「ありゃあ、ハイになってんな……」
「………」
「クルーヤ……?」
そこでフィリスは、クルーヤの様子がおかしいことに気づき、声をかける。 クルーヤの目はするどく、目の前の相手を捕らえている。
「みんな……私、どんなヤツが相手でも……グビアナを守りたい」
「わかってる。 一緒にあいつと……戦おうぜ」
「うん!」
首謀者ヴァルハラーと、アウルートとの戦いが始まった。 早速セルフィスはヴァルハラーとアウルートのつながりを発見し、仲間達にアドバイスを送る。
「あの男に力を与えているのは、アウルートです! ヤツを倒し宝石を奪えれば、あの男の暴走はおさまるでしょう! そのためにまずは、ヴァルハラーの攻撃をくい止めつつも、アウルートを討ちます!」
「そういうことか、わかったぜ!」
仲間達が自分の作戦を受け入れたことを確認したセルフィスは、マジックバリアとスクルトで仲間達を補助した後、魔力をためてからのイオナズンを相手に放つ。 イアンも、ヴァルハラーの剣を棍ではじき、その腹にけりを入れて吹っ飛ばした。
「はぁぁー!」
フィリスはクルーヤにバイキルトをかけてもらった状態からアウルートにきりかかる。 その一撃は決まったものの直後に、アウルートが放ったドルモーアを至近距離で受けてしまう。
「クッ!」
「フィリス!」
「問題はねぇ!」
そういってフィリスは立ち上がり、剣を構えた。 アウルートは今度はバギクロスを放ちフィリス達に一斉に攻撃を仕掛けてくる。 それをセルフィスのマジックバリアでしのいだところ、今度はヴァルハラーがつっこんできたのでフィリスはそれを盾で受け止め、耐えしのぐ。 そこにクルーヤがメラゾーマを放ってヴァルハラーをフィリスから遠ざける。
「ほう、おまえたちも例の宝石を持っているようだな?」
「だからなんだ!」
そのとき、アウルートはフィリス達も例の宝石を持っていることに気付いた。
「その宝石の力は強い……私のようなものにこそふさわしい……それを手に入れれば、私は世界の支配だって可能になる……だから、私はそれがほしいのだ!!」
「うわぁぁ!」
「フィリスっ!」
アウルートはフィリスにつかみかかり、邪眼を開いてフィリスの魂をくらおうとしていた。 彼女の魂を壊し動けないところで宝石をもらっていこうという算段なのだろうか。
「やめろ……!?」
「な、なに!?」
だが、目があったにも関わらず邪眼が発動しなかった。 それどころかフィリスと目のあったアウルートが苦しむことになり目を閉じる。 それに耐えられなかったアウルートに弾き飛ばされたフィリスは、床にたたきつけられ激しくせきをした。
「ガハッ……! はぁ、はぁ!」
「目が、目が熱い……痛くて痛くてたまらない!! おまえの魂は、ふつうではない……! おまえは、いったい……」
「よくわかんねぇが、今がチャンスみてーだな!」
「アウルートが苦しむと同時に、ヴァルハラーの動きも鈍ったしな!」
確かにフィリスの目を見たアウルートが苦しんだ瞬間、ヴァルハラーも力を失っていた。 やはり力を与えていた存在に影響があると、対象もおなじことになるようだ。
「ちょうどいいじゃねーか……いまから、一斉攻撃でもやっちゃおうぜ!」
「はい!」
「ええ!」
「おう!」
フィリスの声に応じ、4人は同時に攻撃を繰り出した。
「ギガスラッシュ!」
「とうこん討ち!」
「イオグランデ!」
「マヒャデドス!」
そうして4人は同時に技を繰り出し、その攻撃を受けたアウルートは、消滅していった。 散る間際に、あることを口にしながら。
「クォォォ……まさか、私の邪眼が通じないものが、いよう……とは………人間や、魔物なら……邪眼が……」
「…………」
アウルートの最後の言葉が気になったフィリスだったが、その目線と意識はすぐに、残されたヴァルハラーのほうにむいた。 ヴァルハラーは剣を振り回したかったが、総攻撃の余波によるものか大ダメージを受けていて、動けなかった。
「もうあんたにゃ、後ろ盾はねーよ」
「姿も心も、すべて魔に染まってしまった……今あなたは、死ぬ以外に救済の方法はありません」
「し、死ぬ……!? オレも、あいつらみたいに……な、るのか……!?」
あいつら、という単語にフィリス達は眉間にしわを寄せた。 そんなとき、クルーヤが前に出てきた。
「私に、この男のトドメをささせてくれるかな」
「……わかった」
そのクルーヤの願いを、仲間達は受け入れる。 そして、男の前にたったクルーヤは、杖を構える。 その動きから彼女は魔法を使って男にとどめをさすつもりらしい、男もそれに気づき命ごいを始める。
「あ、あんたグビアナの人間だろ!? 同じ国の人間を、こ、殺す気か!?」
「他人を痛めつけて国を治めるものになった気でいるようなヤツなんて、同国者扱いもしないし人間として扱おうとも思わないわ。 第一、今の貴方はもう、魔物だもの……」
す、とクルーヤは杖を高く掲げる。 すると魔力がその一転に集まっていき、巨大は火の玉を作り出した。
「だから、私は貴方にこれをお見舞いするわよ! メラガイアー!」
「うぎゃぁぁああああああ!!!」
そのメラガイアーを受けたヴァルハラーは、悲鳴を上げた。 そのなかでヴァルハラーは必死になって腕を伸ばしてくる。
「あ、ああ、やだ、やだ……しにたくねぇ……たす、たすけ……!」
「この反乱のなかでそうお願いしていた人たちに、貴方はなにをしたのか……自分で思い出しなさい」
クルーヤのその冷たい言葉に対し、男はまだ必死に助けを求めようとしたが、口は動かなかった。 そして、徐々にすべてが動きを停止し、そこには燃え尽きた灰のみが残っていた。
「自身が受けた苦しみを利用にして、無関係の人を苦しめようとしていた、報いです……。 死後のあなたに相応の対処は、神に委ねましょう」
そうセルフィスはロザリオを手に、灰となった首謀者にたいし祈りを捧げた。 それが、この男に対する情け、といったところだろう。
そうして、グビアナの動乱はこの一夜で終息を迎え、平和が帰ってきたと民達は喜ぶ。
「あなた達、流石は一度この国を救っただけはあるわね。 やるじゃない!」
「はは、みんなが無事ならそれでいいよ」
ほかのグビアナ反乱軍は、魔物は殲滅をした中で人間は全員とらえ地下牢に閉じこめた。 彼らには処罰は下しながらも命を奪うことはしないとのことだ。 ちゃんと反省すればいいなとおもいながら、フィリス達はユリシス女王からの感謝の言葉を受け取った。
「みなさん……この国を守っていただき、感謝していますわ……こんな私のために戦ってくれて、ありがとう」
「その言葉だけで戦ったかいがります」
謙遜するフィリス達にほほえむ一方、ユリシス女王はクルーヤの方をみた。
「とはいえ、貴女を人殺しにさせてしまったわね」
「人殺しはしてないです、あれはもう……魔物だから」
「……そう、わかったわ」
もう元が人間であったとしても、身も心も魔物と化してしまえば意味はない…いや、たとえ姿形が人間であっても心が闇に堕ちたのであれば、クルーヤは迷いなくこの選択をとっていたのだろう。
「クルーヤ」
「ジーラ。 もう大丈夫よ。 貴女はこれからも大好きな女王様のところで働けるわ」
「……うん」
自分のことを心配してくれている親友に対し、クルーヤは笑いかける。 そんなクルーヤの姿を見て、そして国をみて、イアンとフィリスとセルフィスは語り合う。
「クルーヤの方は、オレ達がいるから大丈夫だろうけど……」
「もうこの国は、ほんとに大丈夫だよな?」
「はい、大丈夫です。 これこそが……女王様の犯した罪の、真の贖罪となりましょう。 失ったものは確かに帰ってくることはありませんが、憎しみにとらわれていてはいけません……同じ悲劇を繰り返さぬよう、戦うべきなのです……自分自身と……」
セルフィスは、民にそう語りかけつつ、女王の方をみた。
「今、己の犯した罪を認識し、償うために罪と戦うあのお方のように」
この一本におさめるのは、難しかったなぁ。
でも打てる文字の最大数を見ると、もっと文字を入れても良かったかもしれない?
そんな風に思っちゃいますね。