そんなことを考えつつ、そのストーリークエストの小説を投稿します。
リッカの悩みを解決させる依頼を受け、解決させたフィリス達は、宿屋に帰還しそこで休んでいた。
「私、もう吹っ切れたわ。 私の夢はこの宿屋を世界一にすることよ! そのためにも、もっと頑張る!」
「うん、リッカが元気になってくれて…あたしも嬉しいよっ!」
翌日、リッカはフィリス達にいつもの元気な笑顔を見せてくれた。 そこには自分の将来や今の自分の在り方に悩んでいた時の、暗さは見あたらない。
「とはいえ、悩みが吹っ切れても……冒険は当分いいかな? フィリス達があんな冒険をいつもしていたなんて、ビックリしちゃったなぁ」
「へへっ、まぁ慣れればどうってことないさ」
「そうそう! また困ったことがあれば、いつでもあたしらを頼ってくれよ。 用心棒でもなんでも、なってやるからな!」
「うん、頼りにしているね!」
そう言葉を交わしたあとで、フィリス達はリッカの宿屋をあとにした。
「さて、次の目的を探すとするかな!」
「ああ!」
気を引き締め直し、新たな依頼を求めて彼らは歩きだそうとした、そのときだった。 突然兵士数名が姿を現しフィリス達に声をかけてきた。
「おお、フィリス殿とそのご一行! この国にいらしたのですね!」
「えっ?」
「我々は、セントシュタイン城の兵士団。 セントシュタイン王様から、貴女達を探してくるように命を受けていました。 この国にいたとは実に運がいい!」
「セントシュタインの?」
「それで、あたし達に何の用なんだ?」
セントシュタイン王の命令で自分達を探しにきたのであれば、なにもないわけではない。 あの時のように困ったことでもあるのだろうか。
「実はセントシュタイン王様より、貴女達に、ご依頼があります」
「依頼?」
「はい、お話は王より直接お聞きください。 確かにお伝えしました!」
フィリス達にそれだけを伝えると兵士達は城に帰って行った。 その場に残されたフィリスはきょとんとしつつも、仲間達に声をかける。
「……まぁ……城もすぐそこだし、行ってみようぜ」
「ああ」
「ええ」
「はい」
全員、まずは王から詳しい話を聞くべく、城へ向かう。 彼女達の来訪を知っていた兵士達は彼女達を城内へ通し、玉座の間に案内し王と面会させる。
「国王様、お久しぶりです!」
「おお、よくきてくれたな!」
「お久しぶりです、皆さん」
「フィオーネ姫様も、お元気そうですね!」
まずは、王とフィオーネ姫に再会の挨拶をするのであった。
「………悪夢、ですか………」
「うむ」
挨拶もそこそこに、フィリス達は王が自分達を探してまで依頼したい話に耳を傾けた。 そこには、王が長年悩まされているという、ある病のようなもののことであった。
「わしは以前より悪夢に悩まされておってな………。 それがこのところ特にひどいのだ。 城のものに薬を取り寄せてもらったりもしたのだが、まったく効かん………」
「………それって、結構ヤバイかも………」
「以前は……あの黒騎士のせいかと思っておったのだが、その事件が解決しても……一向になおる気配がない」
「じゃあ黒騎士とは無関係、ということか………」
いずれにせよ、王はこの悪夢に何度も悩まされ、苦しめられているらしい。 平常を装ってはいるものの内心は、藁にもすがるおもいなのかもしれない。
「もしかしたら、世界を旅してきたおぬし達であれば……解決策が見つかるかもしれん……とわしは思ったのだ。 褒美ははずむゆえ、わしを悪夢から……解き放ってはくれんか?」
王様の依頼は、自分が悪夢をみないように済む方法を見つけてほしいというもののようだ。 フィリスはそれをきき、仲間にこの依頼を受けるかどうかを確認する。
「どうする、みんな」
「どうするもこうするも……王様の頼みを聞かないわけにも、いかねーだろ」
「そうよ」
「そうですよ」
「だよね」
仲間達の返事を聞いたフィリスは頷き、代表して王の依頼を受けると彼に直接告げる。
「わかりました、そのご依頼引き受けましょう!」
「おお、やってくれるか! おぬしならそう言ってくれると思っておったわい!」
「フィリス様は、その道にお詳しいんですね!?」
「いいえ、さっぱりです!」
「だぁぁぁー!!」
フィリスがハッキリとそう言い切ったので、玉座の間にいた全員が派手にずっこける。 仲間達も例外ではない。
「でも、これまで旅してきた場所を探せば、手がかりくらいはつかめるはずですので!」
「う、うむ………そうだな。 わしは待っておるぞ………それと!」
「え?」
立ち上がり玉座の間に腰掛け直しつつ、王はある情報を彼女に提供する。
「手がかりがないわけではない」
「ホントですか!」
「先程挨拶にきた旅の商人に聞いたのだが………ナザムという村に、夢に詳しいものがいるそうじゃ」
「………ナザム村って………」
「ああ」
ナザム村。 そこはかつて、フィリスが仲間とはぐれ迷い込んだ村だ。 今でこそ村人は余所者を歓迎するようになったものの、それはフィリスの働きによるもの。 それまでは過去の誤解により、いっさい余所者を受け付けない閉鎖された村だったのだ。
「とりあえず、ナザム村にいってみましょうか」
「そうだな」
「…………」
悪夢を払う手段がその村にあるのであれば、自分達はそこへ向かうべきなのだろう。 そう判断した彼らは動き出したが、セルフィスは一人、黙ったままだった。
「セルフィス?」
「………え?」
「どうしたんだよ、黙っちまって………なにかあったのか?」
イアンにいわれ、セルフィスは自分がなにを考えていたのかを打ち明ける。
「……少し、王を取り巻く……禍々しい気配のようなものを探っていました……」
「え、お前そんなのわかるのか?」
「僧侶時代はなんとなく感じる程度だったのですが………賢者になったことで、力が増したようです……」
「じゃあ、あの悪夢の真相がわかるの?」
クルーヤのことばにはとりあえず頷くものの、セルフィスは半分カンのようなものですがと前置きした上で、感じ取った気配のことを話す。
「王の悪夢の正体は………ある種の呪い、やもしれません」
「の、呪い?」
「ええ………まるで、王の悪夢はただの悪夢ではない……なにか、伝えるべきことがあるかのような………王が悪夢をみるのは理由があるからではないかと……その気配をみて、感じ取りました」
セルフィスの話を聞き、3人はごくりと息をのんでしまった。
「それ、王様に言う?」
「………逆に聞きますが、言えると思いますか?」
「ムリだな」
あっさりと言い切るフィリスにたいし苦笑しつつ、セルフィスは話を続ける。
「それに、もしその悪夢を呪いだとしても……その正体を探ることは今は難しいでしょう。 正体がわからないとなると、そのお祓いの方法もわかりませんし………それは僕にもまだ出来ないことです」
セルフィス自身も、そういった気配を感じ取れるようになったのはつい最近のことのようだ。 まだ正体をしりそれを取り払うまでの境地には達していない。 それに、なにも正体が判明していない状態で万が一、王の悪夢が呪いの仕業であることが知れ渡ったら、トラブルに発展してしまうだろう。
「詳しいことがわかるまでは、悪夢を払うその方法を試してみるのも、有りかもしれませんね……」
「そうかしら……」
「まぁほかに方法もないんだ、やろうぜ」
「だな」
王の話を頼りにナザム村を訪れたフィリス達。 ナザム村のことはイアンとクルーヤは話でしか知らなかったものの、今はすでに余所者嫌いの村…と呼ばれていた面影などどこにもなかった。 とりあえず、とフィリス達は夢に詳しい人物を捜し、そして見つけることに成功する。
「どくどくヘドロとけんじゃのせいすいをまぜまぜして……私のドリームパワーを注入して! 小瓶に詰めてぎゅぎゅっとフタして………はい、お・し・ま・い! 名付けてドリマイザー!」
その人物とは、ドリマという女性だった。 悪夢のことを相談してみたところ、フィリスに用意してもらった材料を使って、悪夢を払う飛躍のようなものを開発した。
「ど、どりまいざー?」
作り主の名前が付いた、そして材料が材料だけに怪しい薬を開発してもらった。 それにたいしフィリス達は訝しげにその薬が入った小瓶を見つめる。 ドリマはそんなフィリス達の反応に反して、にこにこと笑いながら話を続ける。
「寝るときに、小瓶のフタをあけたまま枕元に置いてみて。 そしたら悪夢なんて、どっかにとんでっちゃうから!」
「と、とりあえず……これでいいかな……!」
これを渡せば王の依頼は達成したことになるだろうと思った4人は、その小瓶を受け取る。 その際、ドリマはその薬についての注意事項を彼らに伝えた。
「そうそう、間違っても飲んじゃダメよ? し・ぬ・か・ら♪」
「「「「……………………」」」」
こんな危険物を王様に渡して大丈夫なのだろうか。 4人は不安におそわれる。 とにかく、これ以外に方法は思いつかないので、そのドリマイザーをもってセントシュタイン城に帰る。
「王様、ただいま帰還しました!」
「おお、待っておったぞ……して、どうだった!?」
玉座の間へ向かい王にあい、結果を報告する形でドリマイザーをさしだす。
「ふむ、ドリマイザーというのか。 これを飲めばよいのか?」
「わー!!」
「ダメダメダメダメッ!!!」
使い方を誤ろうとしている王様を全力で阻止し、正しい使い方を教える4人。 これは飲み物ではなく枕元に置いておくものであると知り納得した王は、早速その小瓶のふたを開けてみる。
「!!!」
「おげぇぇぇ……なんだよ、このニオイ……!?」
「悪臭? いいえ………違うわ……もっと別のなにかよぅ!」
「た、確かに………悪魔であろうと鬼であろうと逃げ出しそうな気がするが………むむう…………」
ふたを開けた直後にその部屋に、何ともいえない臭いが漂った。 それによりその部屋にいた全員が顔色を一気に悪くした。 王もしばし、それを使うべきか渋ったが、ふたを閉めつつ頷いた。
「こ、このにおいの中で眠るのは勇気がいるが……せっかくフィリス達が持ってきてくれたんじゃ。 …………試してみるとしよう………」
「無理しないでください! 効こうがそうでなかろうが、むやみにオススメするつもりはありませんから!!!」
フィリスはそういうが、王は大丈夫じゃと言って頷いたのでそれ以上はなにもいえなかった。 あのドリマイザーが、トラブルを起こさなければいいのだが……とフィリスは焦りを顔に出す。
「あうぅぅ……大丈夫なのかなぁぁ………?」
「仕方ないですよ、今はあのドリマさんって方を信じましょう……」
そうセルフィスは告げつつも、王にあることを尋ねる。 それは、王が見るという悪夢の内容だった。
「ちなみに、王様。 今更になりますが………悪夢というのはどのような内容なのですか………?」
「………それがな…………。 夢の中で、黒い大きな人影のようなものが現れて、こう囁くのじゃ。 ………帝国の支配から逃れたくば我が力を求めよ………。 とな」
「帝国……?」
「帝国の支配などと言われても、わしにはさっぱりじゃ。 気味が悪くて仕方ない………」
帝国、というワードに心当たりのある4人は反応する。 もしその悪夢の中に出てくるそのワードが、自分達の知る帝国と関係があったらどうなるのだろうかと思ったのだ。
「わかりました、どうかご養生を………」
仲間達をおさえつつ、セルフィスは、そうこたえるしかなかった。
そうして、王の悪夢問題解決に一つだけ手助けをしたフィリス達は、ついで感覚でセントシュタイン城にいた人々から依頼を受けては、解決していった。 ほぼ、おつかいのようなものであったが。
「途中でまほうのせいすいを求められたりもしたものね」
「ええ。 おかげであのおじいさん、インクで汚れて読めなくなった箇所を読めるようになった………って言って喜んでいましたね」
「おまけに、行方不明だったという、古文書の破れたページも見つけられたし!」
城に使える学者の老人、イロホンの依頼。 そこにはセントシュタインの歴史を知るには重要なピースがかけていたので、それを埋めるものがほしいというものだった。 それにたいしフィリス達は二手に分かれて解決したのである。 そこには、セントシュタインのほかにルディアノという国の名前が出てきており、懐かしい名前に目を細めつつも、双方の関係を知るために、動き出していることが感じ取られた。
「……うーむ………」
そしてまた、途中で悩ましげな声を上げるあらくれを発見したので、声をかける。
「おや、どうしたんですか?」
声をかけられたことに気づいたあらくれは、フィリス達の顔を見て明るい声を出した。
「お! あんたは確か、以前に黒騎士事件を解決させたという冒険者達じゃねーか!」
「………そんな風に思われてるのな、あたしら」
「して、困った様子でしたが………なにかあったんですか?」
セルフィスがそう問いかけてみると、あらくれは実は……と事情を彼らに打ち明ける。
「この井戸を潜った先………そこにある奇妙な隙間が気になって、その隙間をぶち壊して、トンネルを作ってみようって思ってるんだ」
「やればいいじゃんか」
「いや……実は、それを可能にするには……黄金のツルハシって道具が必要でな………」
「黄金の、ツルハシ?」
あらくれの話に出てきたそれに、フィリス達は心当たりがある。
「ねぇ、そのツルハシって………この前魔物を倒したら偶然手に入った、アレのこと!?」
「たぶん。 なぁ、そのツルハシって……これのことじゃないか?」
そういいながらフィリスが取り出したのは、以前リッカと宝の地図の洞窟に潜ったときに遭遇した魔物…スライムマデュラを倒したときに偶然落としたもの。 その姿はまさに、黄金のツルハシと呼ぶに相応しい代物だった。
「おお、それこそまさに黄金のツルハシ! まさかあんたらが持ってたとは!!」
「いや、完全にグーゼンなんだけどな」
「偶然でも必然でも、どっちでもいいや! オレにゆずってくれないか!!」
「ああ、いいぜ」
自分達が持っていてもこのツルハシは役に立たないが、彼にとっては重要なものであることに違いない。 そう思ったフィリスはツルハシを潔く、そのあらくれに渡した。
「サンキュー! これで謎の隙間を壊して、奥に進むぞー!」
念願だった黄金のツルハシをあらくれは嬉しそうに持ち上げると、その洞窟を堀りに行ってしまった。
「これが世紀の発見につながるといいわね」
「そうですね」
がんばって開通作業に取り組み始めた荒くれを見送った直後、フィリスはゾクリと身を震わせた。
「……!?」
「どうしたの、フィリス?」
「なんか、悪寒がしたと思ったんだけど……きっと気のせいだな!」
そういって彼女は、セントシュタイン城の依頼を達成したことを宣言するのであった。
詰めるだけ詰めたり、次の話と続けてみたり…組み合わせ方や進め方が難しいかもしれないですね。