今やってるゲームをひとつクリアしたら、またDQ9をやりたいですね。
…もう一本買ってきて、最初から(そこ!?)
封印を破り地上に現れた破壊神フォロボスが、フィリス達から女神の祈りを奪っていった。 その女神の祈りを取り戻し、フォロボスの野望をくい止めるため、フィリス達は大賢者の協力を得て戦いの地へ足を踏み入れた。
「この地図の奥に、その破壊神はいるよ」
「そういえばこういう地図の洞窟って、なっがーい道があるし途中で魔物がわんさかと出てくるけど……これはヤツのところに直でいけるのか?」
「うん。 僕の力でそうしておいた」
「すげぇ」
道中の魔物と戦わなければ体力を消耗せずに全力で大ボス…フォロボスに挑める。 なんともありがたいことである。
「でも、ようやく外に出られたのに、なんでわざわざ自分が封印されていた洞窟まで戻ってきているのかしら?」
「きっと、宝石を奪ったんならその宝石を自分の中に取り込むまでに時間が必要なんだろうね」
「皮肉にも、その洞窟は地図でもない限り誰かに侵入させることもないから、ひっそりと力を蓄えるにはうってつけだったわけか」
「本当に双方にとっても、皮肉ですね……」
大賢者にとっては自分が封じ込めるために用意した地図の洞窟がフォロボスにとって力を蓄える隠れ蓑に最適だったという皮肉。
フォロボスにとっては自分を封じ込めるために用意された牢獄ともいえる洞窟こそが力を蓄える隠れ蓑に最適だったという皮肉。
イアンやセルフィスの言うとおり、二つの皮肉が重なっている。
「多分、前にあんた達が倒してくれたあのフォロボシータ?というヤツと関係があるよね?」
「ええ、同族だと思うわ……あれも、相当に強かったわね……」
「そこから推測できるに、おそらくは」
「今までとはケタ違いだろうな………エルギオスとか、よりも強いかもしれねぇ。 やばいかもな」
サンディ、クルーヤ、セルフィス、イアンがそう語っていき、フォロボスは今までとはまた違うレベルの大物であると予感をさせる。 だが、フィリスは自分の剣を強く握りしめていた。
「だけど、あたしは戦いたい。 そして、必ずかって世界を救って、宝石を取り戻したい」
「そうよね、あなたなら……そういってくれると思ったわ」
「ええ。 僕も、戦いたいと考えているのが僕だけだったら、どうしようって思ってました」
「んじゃ、選択も答えも、一択のみってことでいいよな!」
「ああ!」
そう4人はフォロボスと戦うため、大賢者の本に入っていた地図を広げ、そこに現れた洞窟を見つめる。 そのとき、フィリスは自分についてこようとしていたサンディを横目でみて、彼女に告げる。
「サンディはアギロさんと、待っててくれ」
「え、だけど」
「あんたにもしものことがあれば、あたしは女神様に顔向けができないし……あたしがイヤなんだよ。 だから、サンディはあたしの帰りを信じて、待っていてほしい」
サンディとしてはフィリスと破壊神の戦いを、最後までしっかりと見届けたかったのだろう。 だが、自分がそこにいても足手まといなのもまた事実。 ここは、フィリスの言葉を受け入れるしかなかった。 その気持ちを込めて、フィリスに向かって言い放つ。
「あんたが絶対に気を使わない、爪のお手入れ! 帰ってきたときには徹底的にやってやるんだから覚悟しなさいよっ!」
「あっははは、そいつは手厳しいな……でも、受けるために必ず帰ってくるから、予約を一ついれえおくよ!」
そうして天の箱船に帰って行ったサンディを見送ったフィリス達は、洞窟に足を踏み入れる。
「よし、いくぞみんな!」
「ああ!」
「ええ!」
「はい!」
宝の地図の洞窟は、大賢者の言うとおり短いものだった。 少し進んだ先に、自分たちが追いかけてきた破壊神だが存在していた。
「破壊神フォロボス! 女神の祈りを返してもらうぞ!」
「大賢者の息がかけられていたか……」
フォロボスは、彼らがここにいる理由が大賢者の導きであることを見抜きながら、自分の胸に埋め込まれたあのマゼンタの宝石をフィリス達に見せつける。
「その女神の祈りは、ここにある!」
「あぁ!?」
「一体化には成功した……だが、まだ完全には力を吸収できてはいない……だというのに、貴様等! じゃまをしにきおって!!」
そう、ここにきて自分の野望を邪魔しようとしてきたフィリス達に怒りを見せたが、急に余裕が生まれたのか落ち着き始めた。
「だが、まあよい。 これは、我の力をさらに強める絶好の機会ともとれる。 貴様等の生命力もまた、わが破壊の力の糧にしてくれよう!」
「誰もお前なんかの力の糧になんてならねぇよ! あたしらがお前を屠って、世界の滅亡をくい止めてみせる!」
そう言ってフィリスが剣を構えると、それを合図としていたかのように3人は動き出した。 クルーヤがイアンにバイキルトをかけると、ためていた力と共にその攻撃力を解放してフォロボスに先制ダメージを与える。
「ファァ!」
「くっ……!」
フォロボスはその一撃を受けながらも耐え抜きイアンを弾き飛ばすと、両腕についた刃でフィリスに攻撃を加えようとした。 それをフィリスは盾で防ぐがそれが精一杯で攻撃の隙をつけなかった。
「はぁぁっ!」
「ファッ!」
「そこだ!」
そこにイアンが飛びかかり蹴りを入れるとフォロボスはイアンに反撃をし、その隙をついてフィリスが剣を振るいフォロボスに一撃を食らわせる。 直後、フォロボスはイオナズンを放って二人を同時に吹っ飛ばす。
「ドルマドン!」
「ドルマドン!」
そして、今度はドルマドンを放とうとしたがそれをセルフィスのドルマドンが相殺した。 そしてセルフィスはシャイニングボウを、続けてクルーヤがイオナズンを放ってフォロボスにダメージを与える。
「メラゾーマッ!」
「きゃあっ!」
フォロボスは反撃でメラゾーマを放ちクルーヤを攻撃した直後、セルフィスに接近して刃の腕で攻撃をした。 その攻撃をセルフィスは盾で防いだが、その一撃により壁にたたきつけられる。
「イオナズン!」
「うあぁぁぁ!!」
立て続けにフィリスたちは、強力な爆裂呪文を浴びせられ大ダメージを負ってしまった。
「く……うぅ………!」
特にフィリスは、打ち所が悪かったようであり肩を痛めてしまった。 剣は意地で握っているようなものであり、力はあまり入っていない。 それに気付いたフォロボスは一気にフィリスに接近し、刃の腕を振るいフィリスの痛めた肩を切り裂いた。
「うあぁっ!」
「フィリスッ」
「てめぇっ!」
そこにイアンが飛びかかりフォロボスに氷結らんげきを食らわせて、フォロボスを壁にたたきつける。 追撃で拳を打ち込むイアンだったが、至近距離で反撃のドルモーアを受けてしまった。
「ぐぁぁ!」
「これで殺す……ドルマドン!」
「マホカンタッ!」
立て続けにドルマドンがイアンをおそおうとしていたが、そこに自身にマホカンタをかけたクルーヤが飛び込んできて、イアンをかばい相手のドルマドンをそのまま跳ね返した。
「ムンッ!」
そのドルマドンに耐え抜いたフォロボスは、いてつく波動を放ってクルーヤたちにかかっていた補助魔法をかき消してしまった。 それによりマホカンタを消されたクルーヤに向かって、フォロボスは再びドルモーアを放ちクルーヤに傷を負わせる。
「うぅ……!」
その魔法攻撃により体に激痛を与えられたクルーヤは座り込み、杖を支えに立ち上がろうとする。 そして、遠目で地面に倒れているイアンやセルフィス、肩から流れる血を必死に押さえつけるフィリスをみて、蔑みの目を向ける。
「貴様等も哀れなものだなものだな、このような天使に味方していなければ、死に急ぐこともなかったはずだというのに」
「な……てめ……あいつが天使だったことを知っていたというのか!?」
「この女神の祈りが教えてくれたのだ、この娘は人間ではない……人にも天使にもなれず、ただこの世界を漂うのみのこの者を」
「……」
人にも天使にも属さないもの。 そういわれフィリスは歯ぎしりをたてる。 そんな彼女にフォロボスが歩み寄り、彼女の首に腕の刃を突き立ててきた。
「この存在がともにあるものに災厄をまねき、このような惨劇をうむのであれば、我がその命をもらい、災厄を世界にはびこらせよう」
「なに!?」
「どうせこのものは天使と違い短命だ、普通の人間と同じ時間しかいきられまい。 であれば、我が力となれれば幸福であろう」
「そんなこと……させるかぁ!」
それをきいたフィリスは力ずくで剣を突き上げ、フォロボスの腹部にそれを刺した。
「ぐぁ!?」
「あたしはてめぇなんかの力にならねぇよ、ヴァーカ!」
突然の攻撃にひるんだフォロボスをフィリスは投げ飛ばしつつ、フォロボスをにらみつけてそう吐き捨てた。
「かは、はぁ……!」
地面に倒れていたセルフィスは、意識を取り戻し起きあがる。 体の節々は痛むが、命があるから立ち上がれた。 そして、自分の視線の先でフォロボスが大賢者の本に気づいてそちらに向かって魔力を放とうとしていた。
「我を封印したにくき大賢者も、本となれば力もだせまい! ここで燃やしてくれよう!」
「させない!」
そこにセルフィスが飛び込んで大賢者の本を胸に抱えた。 直後、フォロボスの放ったメラゾーマがセルフィスの体を包み込む。 あらかじめマジックバリアをかけていたが、それは先ほどの凍てつく波動にかき消されてしまったので効果がない。 そのため、魔法は直の力でセルフィスに襲いかかっていることになる。
「うわぁぁぁぁーーーーーっ!!」
灼熱の炎がセルフィスの体をおそい、その熱と痛みが彼をむしばんでいく。 この状況をなんとかせねば、自分だけでなく本まで灰となってしまう。
「このままでは、ほん、まで……も……!」
「本ごと、燃え尽きるがいい!」
「させ……ないっ……!」
そこでセルフィスは自分の魔力を練りフォロボスの魔法を止めようとした。 そのときだった。
「メラガイアーッ!」
「うがぁぁぁ!!?」
立ち上がったクルーヤが、フォロボスに向かって巨大な火の玉を放ったのだ。 それにより今度はフォロボスが火達磨となり、セルフィスは一命を取り留めた。
「焼かれる気持ち、理解できたかしら!?」
「貴様っ」
「次は極寒を味わせてあげる! マヒャデドス!」
そういってクルーヤは、先ほどの煉獄の魔法と打って変わって極寒の魔法をフォロボスにぶつける。 相反する二つの力を受けたことによりフォロボスの体は安定感をなくしており、そこにイアンが飛びかかってくる。
「ぐほぉ!?」
「オレの拳の威力を思い知ったか!」
「小癪な!」
せいけんづきを放ったイアンにフォロボスは腕の刃で反撃をしようとしたが、イアンはそれを棍の技を使い受け流しつつ反撃を加えた。 天地の構えを使用したのだ。
「ベホマラーッ!」
イアンとクルーヤがフォロボスの相手をしている隙に、セルフィスは立ち上がって仲間全員に回復魔法をかけた。 これによりセルフィス自身も体の自由が利くようになり、弓矢を構えてある技を放つ。
「さらに……これを受けてもらいます! シャイニングボウッ!」
「うぐぁぁぁぁ! にくい、光がにくい!」
「やっぱり光が苦手だったのね……!」
先ほどもシャイニングボウを受けたときも、フォロボスは激痛のリアクションを見せていた。 それにより、フォロボスの弱点は光だと気付いたのだ。 それにより弱ったフォロボスに対し、イアンとクルーヤがおいうちをかけていく。
「フィリスさん! 今お助けします……ベホイムッ!」
「さんきゅ、セルフィス」
セルフィスはもっとも傷が深そうなフィリスのところへいき、彼女に強力な回復魔法をかける。 それによりフィリスの体の傷は完全に消え、それにより動けるようになったフィリスはセルフィスににかっと笑いかけると立ち上がる。
「おいそこの破壊の神とやらぁ! さっきはよく好き放題いってくれたな! 適当なことを言ってんじゃねーよクソが!」
フィリスは真紅の瞳でフォロボスをにらみつけ、さきほどはあまりできなかった言葉の反撃にでる。 激しく大きな怒声は、引き続き彼女の口からでてくる。
「あたしは、災厄なんか呼ばない! 向こうから勝手にやってくるんだったら、全部ぶっつぶしてやるだけだ!!」
フィリスは剣を握り技を繰り出す体制に入る。 それを妨げようとフォロボスが攻撃を仕掛けようとしたが、それをセルフィスがイオグランデで防ぐ。
「あたしは……天使でも人でもどっちでもいい! ただ、今あたしが人としての運命を歩んでいるんだったら! 人として生きて、人として死にたい! ただ、それだけだ!」
彗星の剣の刀身は、光を放っている。 その光はやがて稲妻へと変わっていき、フィリスの腕を包むほどに放電した。
「人として与えられた……限られた時間しかないのなら、その時間のギリギリまで……生きていたいんだ! あたしは自分の生死は自分で決めるんだよ! ほかの誰かに生死を決められて! たまるかぁーーーっ!!!」
その声に剣が答えるように、まばゆいほどの雷光がはなたれフィリスの体を包み込んだ。 そして、フィリスは技の名前を叫びながらそれを放つ。
「ギガ・ブレイク!!!」
「ぐぁぁぁーーーーーっ!!」
フィリスの最後の剣技が、決まった。 フォロボスは雷撃につつまれ腹部を大きく裂かれ、その胸に埋まっていた女神の祈りが地面に落ちる。
「いまだよ、ぼくを……本を開いて!」
「はい!」
今こそ破壊神封印のチャンスだと悟った大賢者は、セルフィスにこの本を開くよう頼む。 セルフィスはその本を開き、そこにかかれていた呪文を口にした。
「人の世をほろぼさんとする破壊の神よ、汝の存在を否定し我らが世を守らんとするため、ここに封印する! 破壊の神よ、この地にて永き眠りにつきたまえ!!」
「ぐぁぁぁーーーっ!?」
セルフィスがそのページに書かれていた呪文を読み上げると、本は力を発揮したようでありそこに光の渦が発生してフォロボスを吸い込んでいく。 それにフォロボスは吸い込まれていき本の中に入りそうになるが、そのとき自分の腕を伸ばして、イアンとクルーヤの腕をつかむ。
「なんだぁっ!?」
「きゃー、なになに!?」
「このまま封印はされん! 貴様等も、道づれにしてくれるわぁぁぁ!!」
「させてたまるかぁぁっ!」
仲間達を巻き込んでいこうとしたフォロボスの両腕を、フィリスは彗星の剣を振るい切り落とした。 それによりフォロボスは、両腕を失う。
「なっ」
「無駄にあがくな、とっとと封じられろ。 そして二度と表に出るな。 破壊しか能のない悪党は……この世に不要だ」
そうフィリスは冷酷に破壊神に吐き捨てると、フォロボスは本の中に吸い込まれていった。 そして、光はやみそのページには、封印の印が描かれていた。
「消えたか……!」
「無事に封印はできたよ……大成功だね……」
どうやら破壊神フォロボスの封印には、成功したようだ。 フィリスたちもやや満身創痍ではあるが、本の大賢者の声も少し小さい。 心配したセルフィスは声をかける。
「どうなさったんですか?」
「う~ん……平気だよぉ。 ただ、また破壊神が出てこないようにって、封印を守る力を与えなきゃいけないから、また眠くなっちゃっただけだよぉ」
どうやらまた、睡魔におそわれてしまったようだ。 前と同じ調子に戻った大賢者にたいし4人は苦笑をしていたが、大賢者は思い出したようにセルフィスにお願いをする。
「その前に、セルフィス」
「はい」
「きみにお願いがあるんだ。 ぼくをガナン帝国じゃない、もっと安全な場所に保管してよぉ。 あそこは誰もいないけど、いろんな力がうずまいてて……あそこにいたらいつまた、封印が解けるかわかんないんだぁ……。 だから、きみが……ぼくを、守っていって封印が解けないようにみはっててほしいんだぁ」
それを聞いたセルフィスは、自分の家系と将来を考えればそれが実現できるかもしれないとおもい、大賢者に向かって力強くうなずいた。 その瞳には確かな決意が、やどっていた。
「はい、貴方のことは僕の血族が代々を持ってして、受け継いでいきましょう……。 ベクセリアの長の一族として、貴方の封印が破れぬよう、お守りいたします……!」
「うん、ありが……とう……じゃあ、ぼくもう眠るから……あとは、よろしくねぇ~~~~……。 おやすみなさ~い……」
そういい残して、大賢者は眠りについてしまった。 セルフィスはそっとおやすみなさいと声をかけ、本を胸に抱く。
「重要なお役目ね」
「ええ。 ですが、果たして見せましょう。 僕とて、賢者になったのは伊達ではないですから」
そう語るセルフィスの表情は、いつものように穏やかなほほえみを携えながらもどこか力強さあった。 そんなセルフィスの表情をみたフィリスは、仲間たちに言う。
「もう一度、世界を救えてよかったな」
「ああ」
「ええ」
「はい」
イアンとクルーヤとセルフィスの返事を聞いたフィリスは、地面に落ちていたマゼンタの宝石を拾い上げる。
「さて、この宝石も帰ってきたことだし……ラヴィエルさんのところへいこうよ」
「だな」
そうして、破壊神の封印に成功したフィリス達は、すでになにも存在しない洞窟を出て行ったのだった。
というわけで、次回は最終回です。
この物語がどんな結末を迎えるか…おたのしみに。