銀色の悪魔…7th Stage 作:SilviaSilvermoon
(※―――ここからはNo side(=作者ナレーション)で進行します―――)
美奈子の問いに居たたまれなくなってる様子の沙雪。おずおずとした感じで…
顔を真っ赤にしながらちっちゃい声で喋り始めた。
沙雪「お姉様達にね…”ボーノ”で夕飯を食べ始めた時にね…
”沙雪ちゃんさぁ、何か悩み事…あるんじゃない?…旦那さん優しそうだし、
今の所変な嫌らしさとかも無いし…何で悩んでるのか不思議に思えるんだけど?”
って言われてね。そこであたしこう切り返したのよ。
”ウチのダーリンそんなに気に入っちゃったんですか?
まあ…確かにイケメンだと思うし、大事にはしてくれるんですけど…
付き合う前に勢いでしちゃったんですけど…最近全然手を出して来る事が無くて…
彼女とか妻ってそんなに魅力無くなるんですかねえ?”って愚痴っぽく
受け止められても仕方ないけど、思ってた事だったから出ちゃったのよ。」
美奈子「ふむふむ。沙雪としたら不安で仕方無かった訳ね。あ、もしかして…
その時、雅さん辺りに何か言われなかった?雅さんってそう言う時には大抵、
中立になろうとする人だから…
(そう前置きして…沙雪に美奈子が雅さんの声マネ&口調で明け方囁いた事を
言ってみた。)
”沙雪…あたしが思うにお兄さん…もしかしたら沙雪が大事だから
もしまた自分が元の世界にトリップしてしまって子供と沙雪が取り残されたら
再婚だってできにくくなっちゃうとかって思ってるんじゃないかなあ?
実際に3人のキャバ嬢が目一杯テクを駆使してもお兄さんって
一切手を出して来ないのよ?お客さんでもそんな人見た事無いのよ?
それは3人のTOPキャバ嬢が自信失くしちゃう位に…ね。
だから、自信持っていいと思うよ。沙雪はちゃんと愛されてるよ。自信持ちなさい。
あたしが保証してあげる。”って…
あたしの知ってる雅さんのイメージだとこんな感じで言われたんじゃないかな
って思ったんだけど…ね。」
その声を聞いて顔面蒼白になって、一気に冷や汗がどっと出て来て呆然として
魂が抜けかけてるようになった沙雪。
う~ん…これは図星だったのかな?
何か言おうとしているようだが、口が腹話術の人形みたいにパクパクしてるけど
声になって無い…
美奈子がよ~く沙雪の口元を観察すると…”ナンデ…ナンデ…ナンデワカルノ…”
と言っているようだ。口から心臓が出てきそうな感じさえ見受けられる。
(う~ん、これは一種の催眠術の状態に近いのかな…。
自信の無い時にフォローしたつもりがかえってプレッシャーになっちゃってるのね…。)
じゃ、ここは一気に形勢逆転を狙って…プレッシャーを跳ね除けろ!って事ね。
美奈子「あのさあ…沙雪。昨日今日”家族”になった訳じゃ無いんだからさあ…
沙雪の考えそうな事を思い浮かべれば出て来るってもんでしょう^^;;;
ただ、ここで勘違いして欲しくないのは…誰も沙雪の事を責めてる訳でもないし、
不安になるのが当たり前の話で、さつきの優しさのつもりが
沙雪の不安を掻き立ててたって事に原因があるのよ。
沙雪がドキドキして緊張するのはおかしいと思うんだけど?」
至極まともな事を言ったつもり。そこに忘れ物をしてスタンドから一旦戻ってきた
さつき。
さつき『ただいま…ってなになに?随分顔色悪いって言うか…
シリアスな空気に包まれちゃってるけど?』
あ~解って無いのはこの男だけかぁ^^;;;
美奈子「はぁ…解って無いのはあんただけか…」
さつき『何?俺が原因だって事?なら、話ぐらい聞くぜぇ?』
と顔つきが変わってきた。
美奈子「どこから話そうかな…。じゃあ、まず、さつき。あんた、
沙雪に隠してる事ない?」
さつき『!!隠し事?…に入るかどうかは解らんが…言って無い事はそりゃ、
確かにあるけども…』
美奈子「その言って無い事の1つなのか複数なのかは解んないけども、
それが原因で沙雪が悩んじゃってるって事よ。」
さつき『はい?悩む要素…あったか?』
本気で解ってない様子…
美奈子「マジか…ホントに解って無いみたいだから教えてあげるけども、
あんた、沙雪に変に遠慮してない?
3人のキャバ嬢が目一杯テクを駆使しても一切手を出して来ないのは
エラいとは思うんだけども、嫁にも手を出さないってどういうこと?
って話よ。実際、経済的に苦しい訳でもないし、
沙雪自身、あんたとの子供が欲しいってずっと願ってる訳でしょ?
何でそこでブレーキを掛ける必要があるの?って事なのよ。」
さつき『は?それで悩んでた訳?もしかして3人が言い寄って来てるのもそのせい?』
美奈子「厳密に言えばちょっとそこに関して外れてる所があるんだけども、
引き金にはなってると思うよ。実際にさつきの口から考えが聞けない事で
悩んでるんだから、ちゃんと話し合わないと。
”家族”って言うか”夫婦”ってそう言うもんでしょ?あたしはそう思うけどなあ?」
ちょっと強めにさつきに言ってる美奈子。沙雪は泣きそうな顔をしてる…。
だが、この時実はさつきの言って無い事って結構ヤバかったりするのだった…
さつきが…美奈子に言われてぽつりと語りだした。
さつき『俺さ…ここに来る前に今考えれば予兆みたいなものがあったんだよ。』
沙雪、美奈子「「え?そんなのあったの?/予兆!?どんな感じの?」」
さつき『えっと…この世界に来る前は確か…10日か2週間位前から
眩暈とか立ち眩みとかあってさ…200mか300m先の風景が歪んで見えたりしてさ…
最初は年末から年明けにかけて仕事が立て込んでて疲れが溜ってたのもあって、
自分の体調が良くないからだって思ってた。
で、温泉でゆっくりすればきっとスッキリするって思って伊香保に来たら…。』
美奈子「トリップしちゃったんだね…この(=頭文字Dの)世界に。」
さつき『そう言う事。で、ここからが本題なんだけども、この前神奈川に行って
こっちに戻ってきた辺りから…また眩暈の様な立眩みの様なよく解らない
風景が歪んで見える現象が始まっててさ。
もしかしたら…前に経験したことを踏まえると…ってね。
そこまでに”いつまたトリップするか解らない”って思って沙雪の気持ちは
もの凄く良く解ってたけど、もし俺がまたトリップしちゃって、
ここに父親の居ない子供が残されたら…沙雪と美奈子で育てなきゃいけなくなるだろ。
”愛人でも良いよ”って言ってた師匠達も同様で、
俺が父親として責任を取る事無く押し付けるって事はできないし、
しちゃいけないと思うんだよ。それともう1つ考えてる事がある。』
沙雪「な、何よ…これ以上の事をまだ考えてるの?」
さつき『そ。それは、美奈子の事。俺を探すためにここに迷い込んじゃったんだけども…
もう、美奈子はこの世界で”Blue-Moon"と言う店もあって取締役にもなれたんだし、
横浜の師匠達とこっちでも新しい関係が出来上がってる訳だしな。
だから、もし俺がまたトリップをする様な事になったとしても、お前はここに残れ。
この世界で築き上げた人間関係を捨ててまで俺を探しに来る事は無い。
これ以上美奈子にも沙雪にも辛い思いはさせたくないんだ!』
さつきがここに来てハッキリと意思表示と今までの理由を述べた。
沙雪や美奈子はもちろん関わってる全ての人にこの内容は
知らせなきゃいけない重要事項の様な気がする。
話し合いの末…美奈子が師匠3人組を、さつきがスタンド組とプロジェクトD組を、
沙雪がカフェ組&社長をそれぞれ緊急で呼び出し、
スタンドの2階の会議室で一堂に会して今後の事について協議する事に決めた。
その数総勢19名…結構な大人数。
○今回スタンド閉店後に急遽集められたメンバー
・スタンド組…社長、店長、池谷、樹、拓海、文太、健二+さつき
・プロジェクトD組…高橋兄弟
・カフェ&沙雪の実家関連…社長、真子、こんちゃん、茂木ちゃん、美奈子+沙雪
・横浜の師匠3人
集まってもらい各自席に着いた所で…
さつきがトリップの前に今思えば自覚症状みたいなものがあった事と、
最近またそれに似た症状が出てき始めてる事。
沙雪が切望していた子供の事…全部話していった。
人々は口々に”その症状とトリップの因果関係が立証出来た訳じゃ無い”とか、
”もしまたトリップした時にこっちに帰って来れなくなった時の残された人達は?”
など色んな意見が飛び、みんなの意見も聞いてみた。
社長(=沙雪の父)はもしそうなっても育てるのに変わりないし、
子供は沙雪の希望に沿ってくれと言われた。
車はS15は子供が生まれたら走り屋になってもらいたいのもあるから
ここに残していくかな…
そしたらK11でも通勤に使わせてもらうか。
皆、一様に何かを感じてるし、打開策はないか真剣に考えてくれている。
ただ、トリップしても驚かないでくれとは言っておいた。
取り敢えず皆さんも時間も無い事だし、ここで別れたが…
”正直な所、不安だし、未練があるのは俺が1番あるんじゃないかな^^;;;”って…
さつきは頭の片隅でそんな事を思っていた。
翌日からは通勤にはK11を使い、S15はお休み。NOTEで美奈子が通勤。
つまりS13、S15ともガレージで休養。沙雪はここ数日、思い悩む所があるらしく
有休を取って休み。シルエイティもガレージに入ったままの状態。
さつきはスタンドで、美奈子はCafe"Blue-Moon"で
それぞれ余計な事を考えない様にして働いている。
灯油の配達が入って池谷君が出て行った。そして4,5分経って
樹がバッテリー上がりの救援に自分の85ターボで向かってしまい、
店長は本社に書類を持って行き…さつきは店番。
なるべく店から動かない方が良いとみんなが言ってくれてるので
そうさせてもらっている。
師匠3人組は土曜まで延泊を決めて美奈子のCafeで沙雪とさつきの事を
協議している様子。
優子「でもさあ…お兄さんの…再トリップあると思う?」
なぎさ「そりゃあ…無いに越した事は無いけど…今は”厳戒態勢”で再トリップを防ぐ
方向で対策していくしかないだろうね…。」
雅「でも、あたし達に会った時には始まってたって言うし…有りえるんじゃないかなぁ?イヤな予感がするわ。」
確かに…急に何か事が動く時ってイヤな予感しかしないけど…
これは会議室に集まった誰もが抱いている感情だった。
師匠組の言ってる意見は至極まともなもので、
美奈子としても全力で阻止したい所ではある。
ただ、急にみんなが意識しだして何となくぎこちない感じになってしまっているのが
心苦しくてたまらないさつき。
所がこの日から更に状況が変わってくる事になる。
今までは日中だけで、夜ってそう言う物が見えたり、
異常を感じる事は無かったのだが、この日の帰り道…数台前を走っている車が
ユラユラとシャボン玉の壁の向こうの景色の様に突っ込んで行って不意に消えたのだ。
思いっきり急ブレーキを踏んで横の路地に逃げ込む。そして難を逃れた。
どんどん範囲が狭まってきているのをイヤがおうにも感じてしまう。
帰宅してあまり顔色の良くないさつきを見た美奈子と沙雪は
語らずとも感じてしまっていた。
風呂から上がったさつきは部屋のコンポで今まで”未来を変えるのは良くない”
と言う理由で自粛していた…2020年にYou○ube等でよく聞いていた
”歌い手”さんの曲とかを流し始める。
そして沙雪が部屋に入って来ると猛烈に今まで手出しして来なかった分…
反動で沙雪がびっくりする位の勢いで夫婦の夜の生活に力を入れ始める。
沙雪は喜びを噛み締める一方でもうそんなにこの夫婦生活が長くないと感じていた。
美奈子も同じ事を感じていたようでその事には触れないようにして
自室に戻って色んな事を考え始めていた。
所が事態は急転直下と言うべきか、
翌朝…事態は物凄く深刻になっていた。
家の外の風景が…ユラユラとシャボン玉の壁の向こうの景色の様に揺れている。
急いで美奈子と沙雪を起こすさつき。
2人とも初めて見る光景に絶句してる。
美奈子、沙雪「「あっ…ああっシャボン玉みたいにユラユラと…/こ、これがダーリンが見たって言う風景?」」
美奈子は携帯を取り出し、雅に電話する…
美奈子「お、おはようございます、美奈子ですけど…
雅さん…ヤバい!家の外の風景が…
さつきが言ってたようにシャボン玉の中に居るみたいにユラユラ揺れてるの。
雅さん、外からどうなってるかすみませんけど確認してもらえませんか?
あ、でもユラユラしてる中に突っ込んじゃうとトリップしちゃうかも知れないんで
とりあえず外から見て状況を教えて貰っても良いですか?」
雅「え?なつき…マジで?今、3人でそっちに行くからまずは冷静にね。」
隣の部屋の2人を叩き起こしてジャガーをすっ飛ばして小長井家を目指す3人組。
なぎさ「うわっ!あ、あれじゃない?」
優子「何あれ…空まで続いてるじゃん!」
(た、確かにヤバいわ…この状況って。なんじゃ?こりゃあああああああああ!!!)
雅「……」
無言で見上げた雅さん…どこかに電話を取り出してものすごい勢いで操作しだす。
昨日、スタンドの2階で会って何かあったら…ってことでL○neを交換してた人達…
続々と彼らの”関係者”が集まりだす。とりあえず、むやみに近付けないので池谷君が
側にあった小石を投げてみる。
シュンッ…ブンッ…シャボン玉の様に揺らめく壁の中に吸い込まれる瞬間…消えてしまった。
池谷、健二「「う~ん、困ったな。見失っただけなのかホントに消えちゃったのか…見当が付かないな…/何かもっと大きくて見やすいもの…無いのかな?」
樹「池谷先輩!これでどうです?」
樹の握ってたのはコーラの空き缶…確かにゴミだから投げても実害はほとんど無いし、
色が赤いから見えやすいけど…皆が注目する中でポイっと空き缶を投げてみた樹。
陰に吸い込まれる瞬間…フッと消えて無くなった。
健二「ウゲッ!マジかよ…き、消えて無くなった!?」
池谷「あ、そうだ、電話…」
取り敢えず壁の向こうに居るさつきに電話。
池谷「あ、もしもし、さつきさん?今、ユラユラしてる壁みたいなものの前に
居るんですけど…小石を投げてみたら行方が解らなくなったんで、
今度はコーラの空き缶で実験してみたんでね?壁に吸い込まれる瞬間に
ふっと消えて無くなっちゃったんです。ちなみにそっち側から見て壁のそばに
コーラの空き缶…落ちて無いか見て貰っても良いですか?」
しばらくしてさつきと沙雪と美奈子がゆらゆらしてる壁の様なモノの前に出てきた。
さつき『お~い!聞こえてる?』
池谷「聞こえてます!あっ、そこ…さつきさんの足元辺りをめがけて
空き缶を投げたんですけど…コーラの空き缶ってあります?」
さつき『ん?空き缶?…コーラコーラ…いや、デミタスのコーヒーのならあるけど…
コーラは無いよ。』
ユラユラしてる向こう側でさつき、美奈子、沙雪が探してる様子は見えてる…。
さつき『あっ、美奈子!その箒貸して。(美奈子の持っていた箒を持ってユラユラしてる境界線に近付ける。)どう?そっちに箒の先っぽって出て来てる?
(外掃き用の長い箒の柄を持ってグイッと前に突き出す。)』
池谷「ん?あっ!出てきましたけど…でもほんの少しですよ?」
さつき『って事はさぁ…結構厚みがあるんじゃない?』
言われてみれば…っと謎は深まるばかり…う~ん。思い悩む一同…打開策は浮かぶのか!?
(※――――side change ここから池谷sideで進行します――――)
”えっと…それでとどのつまり、脱出できると思う?”これがその場にいた共通認識…
でも何とかしなくちゃ…打開策…何か無ぇ~のか?
その場に居た面々がどうしたら良いか解らず、途方に暮れていた時…
何か思いついたような沙雪ちゃんの親父さんが…何処かに走っていくのが見えた…
数分後。ケーキ屋の仕事で使っているボンゴバンで戻ってきた。
池谷「うわっ!社長さん…ボンゴを持って来てどうする気ですか?玉砕覚悟で
突っ込んで行っても戻って来れるかどうか解らないですよ?」
健二「そうですよ…じっくり対策を考えてからの方が…」
店長「んあ?もしかして…この車の後ろの窓が目張りされてるから…
車をトンネル代わりに使うとか?助手席のドアから入って後ろのハッチから出る…
普通に考えたらできそうだけどな…」
樹「あぁ。それなら何か…できそうな気もしますけどねえ?」
雅「いや…そんなにイージーじゃない気がするのよね…。何だろ?今…物すっごい
不安感しか無いんだけど。」
なぎさ「頭から突っ込んだとして…実際問題、先頭部分がどこかの時空に飛ばされるとか…って事も充分にあり得る事だしねぇ。」
優子「もしかして、別の時空に行きそうなら後ろのハッチを開けておいて
車を捨てて脱出できるように…って事?」
真子、こんちゃん、茂木ちゃん「「「イヤイヤイヤ、社長!いくらなんでも
危険ですって!!そんな無茶をする位ならこの壁の無くなってる所から
裏に回った方が安全ですって!」」」
社長「なら、ここで4手に分かれて、片方は左右に分かれて壁の切れ間…っていうか、
向こう側に行けるルートを探る。
もう片方はここに残って壁の切れ目が見つからなかった時の為に…
この1ボックスを使った強硬策の準備と警察とかに連絡の係が必要だろう?
…ルートを探る方になるべく人員を割きたいなぁ。左右で半分に分かれるんだろう?」
◎急遽その場で会議を行い、割り振る人員を確定させた。
・ルート捜索班①(渋川市側)…池谷、健二、店長、スタンドの社長
・ルート捜索班②(伊香保町側)…真子、茂木ちゃん、樹、文太
・警察やその他関係箇所に連絡…雅、なぎさ、優子(※この3人は土地勘が無いため
むやみに動くのは危険と判断したため)
・強硬策を講じる際のボンゴの運転操作…社長(=沙雪の親父)
・ボンゴの後ろのフックにウインチを取付る&ウィンチの操作…こんちゃん、高橋 啓介
・怪我などの医療行為が必要な時の処置…高橋 涼介
とりあえずここまで決めてグループごとに持ち場に就いた。
こんな時にやたらと一糸乱れぬ団結力があるのは何でだろ?
すっごい大掛かりなミッションになってますけども…^^;;;
一方、その頃のさつき達は…この目の前のユラユラ揺らめいている透明な壁の向こうが一気に団決してまとまっていくのを目の前で見てるしかない。
(※―――ここからさつきsideで進行します―――)
頼もしいけど…なんか物々しい気が(;^ω^)そこまで大掛かりにならなくても
良かったんじゃね?
まあ、必死で頑張ってくれてるのに文句は言えないんだけども。
雅さんが「美奈子~!絶対助けるからね…」
と言った瞬間に…涙が出てしまう。
その時、ちょっとヨロけてしまい壁の方にフラフラと…
こんちゃん「やべっ!雅さん!あぶな~い!!」
こんちゃんが気が付いて腕を引っ張る…すると雅さんはこっちに来たものの、
反動で壁に顔を突っ込んでしまうこんちゃん…
慌てて3人のお姉様方がこんちゃんを引っ張る。出てきたこんちゃんの顔は…
中学生?って感じの顔つきに。上半身の時間が巻き戻ったって事か!?
わずか何秒かで7,8年時間が巻き戻ってしまったような…
そりゃ、全身が壁を越えてしまえばトリップもするか…って納得してる場合じゃない。
そうするとボンゴで壁の真ん中を突っ切ってトンネル状態で脱出…っていう案も
難しくなってしまったという事になる。
高橋 啓介「マジであぶねぇ~なこれ。ボンゴで壁の間をトンネルにする作戦も
無理って事じゃねぇ~か?」
一同「………(ド正論過ぎて言葉が出ない(-_-;))」
こんちゃん「とにかく今はルート探索班の連絡を待ちましょうよ。あ~でもホント、
ビックリしました^^;;;」
ただでさえ見様によっては中学生にも見えたこんちゃんが…間違う事無き
”中学生の見た目”を手に入れてしまった。
そんな中、野良猫が走ってきて壁に突っ込んで行った。
こんちゃん「えっ?ヲイヲイ!えぇ~!!突っ込んで行った…さつきさ~ん!
そっちに野良猫走って行きました?」
さつき『うわっ!グレーっぽい猫が走って出て来たぞ?何とも無いみたいだ…
って事は俺に関する人がこの壁を通り抜けようとすると何かしらの影響が出るって事か?でもな…そしたら初めの缶とか石ころの説明が付かなくなるし……
だぁ~!!発動の条件が全然わっかんねぇ~!!』
頭を抱えてその場に座り込むさつき。どう考えてもこの壁の理屈が想像できないのは
この場に居る全員が思っている事だった。
警察に電話してもいたずらだと思われてるのか適当にあしらわれてしまっている。
そしてもう1つ、写真や動画を撮ってみようとすると写らない…
これでは新聞やメディアに言って報道してもらう事も出来ない…。
本当に万事休す…なのか!?
一方、その頃壁から2手に分かれて脱出ルートを探す事となった避難ルート探索班からの連絡が…徐々に集まって来だした。
(※―――ここからは雅sideで進行します―――)
メンバーから集合場所で待機しているあたし達に続々と情報が入ってくる。
あたしとなぎさ姉さん、それに優子姉さんでメモを取りつつ、
情報を横の家の壁に貼り付けて整理し始める。すると…高橋 涼介って言ったっけ?
…お医者さんの彼が情報を見ながら分析してるようだわ…ちょっと声を掛けてみるかな。
雅「すみませ~ん、あのぉ何か…解りそうですか?」
高橋 涼介「いや…さっきの猫の件とかから発想してるんですけどね…
さつきや美奈子さんの関係者以外にはこの壁は反応していないんじゃないかって…
空き缶や小石は関係者が触ったから関連のあるものと
この壁に認識されてしまったんじゃないかって…。
つまり、この壁は意志を持つ生命体なんじゃないかって…ね。
でなければこんなにピンポイントで狙いすましたように反応できるものなのか?
って思いましてね。」
それを聞いていたあたし達キャバ嬢3人が反応してしまう。
雅、なぎさ、優子「「「え”っ?生命体!?/確かにそう考えれば辻褄が合う様な…
気はするけど…/じゃあ…誰が、何の為に?って部分が残るのよね…」」」
高橋 涼介「もしかしたらその、誰が何の為に?がキーワードになってるような…
特別なって言ったら良いでしょうかね…そんな気がするんですよね。」
そんな重苦しい雰囲気の中…あたしの携帯が鳴った。電話してきたのは”レイカ”
…ん?レイカ?思わず2度見してから着信ボタンを押す。
雅「はいはい?レイカ?どした?」
レイカ「あ?雅さんですか?レイカですけど…今って大丈夫ですか?」
雅「ん?ま、まあ…大丈夫だよ…うん。で、どうした?」
レイカ「昨日の夜…お店のそばのいつものショップで月曜のリニューアルオープンに
合わせてドレスとスーツを1着ずつ買おうと思って行ったら…
もの凄く気品のある女性って言うかマダムって言うかに会ったんですけど、
”貴女、雅ちゃんのとこの若い子だよね?あ、これ上げるから…
雅ちゃんがピンチになってたら使って”って言って…
ペンダントの様な物を渡されたんですけど…」
雅「へ?ピンチになったら使えって言われたの?で、渡されたのがペンダント???」
あたしの予想の遥か斜め上を行ってて何か乾いた笑いが出てきた。でも、
その様子を見てた優子姉さんが急に血相を変えて走ってきていきなり…
あたしの電話をひっつかんだ。
雅「え?え?ちょ、姉さん!?」
…突然電話を自分に引き寄せる優子姉さん…
優子「ちょ、レイカ!それって雅がピンチな時に使えって言われたのね?」
レイカ「え?あ、はい…優子さんも一緒だったんですね。えっと…」
勢いに押されて戸惑ってる感じの声がここまで聞こえてくる。
優子「レイカ!今日、あんた時間あるなら速攻でそれを群馬まで持って来てくれない?今、ちょうどピンチなの。ピンチな時が今だと思うからそれ、何時持って来られる?」
レイカ「い、今…横浜なので…頑張れば2時間弱…いや、お巡りさんを考えなきゃ
1時間半ですかね?」
優子「じゃあ…悪いんだけど速攻で持ってきて。1秒でも惜しいの。頼むわね。」
(※うわぁ…めっちゃ拒否権の無い言い方で電話を切ってるわ^^;;;)
雅「姉さん…今のって?」
優子「ピンチな時に使えと言う話と…渡されたのが”もう1人の美奈子”の「レイカ」
だったって事。ここから導き出したのは…渡されたアイテム(=ペンダント)が
この壁を打ち抜くカギになる…そんな気がするのよ。」
探索班からの連絡が逐一入って来るものの…延々とこの壁は続いていて
最終的には両側10Km位は続いてる様だとの事。
連絡を待っていた時…あたしの携帯が鳴った。
表示には”レイカ”の文字。急いで電話に出る。
雅「も、もしもし?レイカ?今、どこ?」
レイカ「えっと…取り敢えず渋川・伊香保ICを降りて1つ目の信号の脇に自販機があったので、そこに車を止めてますけども…」
雅「えっと…じゃあそこで待ってて。こっちから迎えの人に行ってもらうから。
レイカ~今日車ってあれ?」
レイカ「あれ?って言われましても…AE86は信号待ちしてたら対向車が曲がり切れなくて突っ込んで来ちゃってそのままぶつけられちゃったんで…
廃車になってしまったので今は白の2代目のプレリュードですよ^^;;;」
高橋 啓介「雅さ~ん!じゃあ…美奈子さんと同じ顔で2代目の白のプレリュードの人に会って連れてくりゃ良いんだね?俺、行きますよ。」
雅「じゃあ、レイカ、よく聞いてね。今から高橋 啓介さんって言う黄色いFDのRX-7の
お兄さんにそっちに行ってもらうから合流したらついて来て。
多分急いでるから見失わないように。じゃあ…5,6分位だと思うけど…待機してて。」
ピッ…ふう~。
電話を切った時、もう既に高橋 啓介はFD3Sに乗り込んで
エンジンを掛けていた。
雅「たぶん…美奈子と一応同一人物だから車の運転は大丈夫だと思うんだけど…
群馬は初めてだと思うんで…道が不慣れだからよろしくお願いしますね。」
と声を掛けた。
高橋 啓介「充分解ってますよ。”漆黒の闇に浮かぶ銀色の幽霊(ゴースト)”って
言われてる走り屋ですからねぇ…速攻で戻ります。」
ホイールスピンさせながら走り去るFD。それを見送る様に3人の大御所キャバ嬢が
固まって立ち尽くしてる。そんなに時間を置かずに高橋 啓介から電話が入った。
高橋 啓介「雅さんっすか?俺っすけど…そろそろ待ち合わせてる所に着くんですけど…あっ!多分あれだ!じゃあ、速攻でそっち行きますね!」
レイカを見つけた高橋啓介。ホーンを鳴らしてからスピンターンして横にピッタリ寄せる。
高橋 啓介「よう。あんたが”レイカ”さんだろ?俺は高橋 啓介だ。えっとじゃあ、
雅さんのとこまで着いて来てくれるか?」
結構ぶっきらぼうな言い方…高橋 啓介らしいけどさ…^^;;;
もうちょっと言い方ってもんがあったんじゃないかな…と思うけど、
彼なりの照れ隠しの部分でもあるんだけどね。
高橋 啓介の問いかけに頷いて車に乗ってエンジンを掛けるレイカ。
それを確認すると結構な勢いで走り始める高橋 啓介。
最初のT字路を流れるような動作で華麗なドリフトを繰り出して左折。
するとレイカは…
ブァアアアンッ!ブアアアンッ!ギュキャキャキャキャッ!!!
シフトダウンして…何とFFの筈のBA1のプレリュードがインベタな状態でFドリを見せて出口では華麗にスライドを抑えて立ち上がる。
ギョッ!ギュキュキュッ!ブアアアアアアンッ!ボァ~~~~~ンッ!
コーナーと言うコーナーを全部Fドリで…しかもインに頭をしっかり向けて
FRのドリフトを見てるかのようにしっかり向きを変えながら
スライドを抑えて立ち上がる。
バックミラーに移る光景に…これは流石にプロドライバーの高橋 啓介も…
高橋 啓介「な、何じゃ…こりゃあああ!!FFで…しかも、あんなナンパ車の
プレリュードでそんな事できるのかよ!おっそろしいな( ̄▽ ̄;)
さすが、”漆黒の闇に浮かぶ銀色の幽霊(ゴースト)”だけの事はある。
下手したら地元のこっちが煽られちまう。初めての群馬でこれほどとは…
現場対応能力…どうなってんだ?」
さつきや池谷君達の働いているスタンドを過ぎて細い路地に入っていく。
そして空き地に車を止めて外に出るとほぼ同時にプレリュードが入ってきた。
高橋 啓介「おっし、着いたぜ。そしたら車をここに置いて歩くからな。」
コクンッと頷き高橋 啓介の後ろを着いて歩くレイカ。
…手には渡されたペンダントを握りしめている。そして角を曲がると
いきなり表れたユラユラと揺れているシャボン玉のように透明な壁が目に入った…。
レイカ「な、何これ…まるでスライムの壁…?」
雅「あっ!レイカ~来てくれた?で、これがそのあたしがピンチになったら使えって
言われたアイテム?」
手を振って迎え入れる師匠3人衆。
レイカ「え?師匠が3人共居る…すごっ」
(※―――ここからは高橋 涼介sideで進行します―――)
横浜から雅さんの呼び寄せた”雅さんがピンチの時に使え”と貰ったと言う
ペンダントの様な物を受け取ったと言う”レイカ”さんと言うキャバ嬢が
ここに向かってると言う…。
渋川・伊香保ICに着いたと言う連絡が来て弟が迎えに行った。
程なく戻ってくるエンジン音…ロータリーのエンジン音に混ざるこのエンジン音って
何の車だ?あんまり聞き慣れないが…音からすれば軽ほど軽くも無いし、
かと言って大排気量の重苦しいエンジン音でもない。
おそらく中排気量の2000㏄位までの車だろうが…意外と上まで回してるな…ホンダ系か?
それにしてはVTECの様にカムの切り替わる音の伸びじゃない…
VTECの付いてないホンダ系のエンジンだとすると…
1600㏄のZC系かB系の2000㏄のDOHCエンジン辺りか…?
そうすると乗ってる車種もかなり限られてくるな。
ZCが載っているならワンダーかグランドシビックの前期か、初代or2代目CR-X…それに
クイント・インテグラ辺りになるはずだし、
B20Aなら…CA型のアコード、ビガーの…セダンかエアロデッキか?
…ん~あとは…2代目、3代目のプレリュードもこのエンジンだったかな…
だとしたら走り屋系の車種ではないだろう。
ただ、あれだけの勢いで来るという事はいわゆる走り屋系の弄り方を
しているだろうと想像できるけれども…。
何だかそっちの方に興味が出てきてしまうな…
あの様子では群馬が初めてとは思えないような走り方をしているようだ。
一応、弟はプロのレーサーだぞ?それに初めての道で遅れるどころか
逆に煽り立ててるように感じるんだが…これは一体。
この疑問はすぐに解消した。弟と一緒に現れたのは…髪色や
カラーコンタクトなどの相違点はあるがまさしく美奈子さんだ。
”漆黒の闇に浮かぶ銀色の幽霊(ゴースト)”なら…あの運転も頷けるな。
ん?待て…同じ空間に同一人物が居て大丈夫なのか?一瞬頭をよぎるが…
壁の向こうの美奈子さんが苦しがっている様子も無い様だ。
さらに驚いたのは、レイカと言うキャバ嬢の持ってきたペンダント…
あれ?あの形はどこかで…頭の奥に閃いたのは俺が美奈子さんにプロポーズした時に”ボーノ”からの帰り道で手渡した…あのペンダントネックレスと同じ形…
中にきらめく宝石が赤いのでルビーなのだろうか…俺が美奈子さんに渡したものは
誕生石のゴールド系のパールが入ったものだった。
もしかしたら…このペンダントと美奈子さんに渡した物が対になってるモノだとしたら…
確証がある訳ではないが、取り敢えず美奈子さんに電話をしてみる…
ピッピッピ…プルルル…プルルルル…
美奈子「はい?もしもし?涼介さん?どうしました?何か新しい動きでもありました?」
高橋 涼介「美奈子さん、2,3時間前に横浜でレイカさんって言うキャバ嬢の人が
近くのショップで”雅さんの周りでピンチになったら使ってくれ”って渡された
と言う”ペンダント”を雅さんが持って来てくれと言って…
たった今ここに到着したんですけど…俺がこの前美奈子さんにプロポーズした時に
渡したペンダントと同じデザインなんです。」
美奈子「え?それってもしかして…偶然じゃないかも!?って事ですか?」
高橋 涼介「ええ、その可能性が出てきたかもしれません。
ちなみにあのペンダントは…今は?」
美奈子「今はさつきに起こされて飛び出しちゃったので…まだ部屋の机の引き出しに…
あ、今取ってきますね。」
何かを察して一旦電話を切って部屋に取りに行く美奈子。しばらくして…
美奈子「持ってきましたけど…どうですか?形は似てますか?」
壁越しに両方のペンダントを近づけて観察する…すると不思議な現象が起きた。
キィイイイン…と金属音のような音がして…その場の全員の見てる前で
両方のペンダントが突如光り、輝き始める。そして高橋 涼介の持っている方の
赤い宝石からビームの様にド~っと大量の光線が一直線に壁の先の美奈子の持つ
ペンダントの真珠に向かって延び、眩しくて思わず目を瞑ってしまう位…
なぎさ、優子「「ヤバいッ!目が!目がぁああああ!」」
社長(=沙雪の父)「うぉおおおおお!!何だこりゃああああ!!」
高橋 涼介、啓介「「な、何が起こってるんだ!この光が壁を突き抜けて行く…」」
こんちゃん「す、すげぇ…SFの世界じゃん…」
雅「何?何?何が起こってるのぉおおお!」
すると…パシャァアアアアンッ!と言うガラス窓でも割れたかのような音と共に
光線が収まって…人々が目を開けた時…目の前にあったはずのシャボン玉の様に
ユラユラ揺らめいていたあの透明な壁は消え去った…どうやらすべて終わったようだ。
皆一様に安堵の色を浮かべて微笑み合っている。
ルート捜索部隊も現場に戻ってきてこの様子に驚いている。
それと同じく不思議な事に両方のペンダントの中の宝石は跡形も無く、
これも姿を消した。
取り敢えず、高橋 涼介の持っていた方を雅さんに付けて貰い、
美奈子の持っていた方は改めてつけて貰った。
雅さんと美奈子さんが仲良く手を取り合って静かに涙している。
感動的な場面を見ながら全員の頭の中で1つの事柄が頭の中に浮かんだ…
あ、そう言えば…大事なこと忘れて無い?美奈子と”レイカ”を同じ所に居させて
大丈夫なのか?と。こんな形でご対面!?…マジで大丈夫なの?
(※―――ここからさつきsideで進行します――――)
俺は雅さんと手を取り合って泣いてる美奈子に下がるように言った。
”レイカ”こと、もう1人の美奈子に遭遇してしまったらどちらか一方が消えてしまう
と言うトリップ系の小説で”お約束”のように言われている現象をかなり気にしていた。
”レイカ”はまだ美奈子の存在に気が付いていない様子。
優子さんが”レイカ”に声を掛けている。
優子「レイカ~急がせちゃって悪かったわね。おいしいモノでも食べに行こう^^
あたくしご馳走するわよぉ~(^^♪」
レイカ「イヤイヤイヤ、そんな大した事をした訳じゃないですし…それに、
この前言ってた”もう1人のあたし”にも関連してるんですよね?
自分に関連してる事なのに無視はできませんし。」
なぎさ「でも、若干暇があったとしてもその後の予定をずらしたり、
調整する必要が出て来るかも知れないのに来てくれたって言うのは大きいよ…
ねえ?雅!」
雅「そうだよ?まあ…美奈子の事を完全にレイカだと思って声を掛けちゃった事から
始まってるんだけど…でも知り合ったのも運命を感じるしね。
しかも”なつき”って源氏名付けちゃって、レイカが居なくて人手が足りなかったから
って言う理由で、その日にいきなりお店でバイトさせちゃったしね^^;;;
どうする?直接会ってみる?
あ、でも…こういうトリップしてきちゃった時って…
本人同士が遭遇してしまうと…どっちかが消えてしまうとか
言われてたりするけども…。」
レイカ「ん~怖さはあるけど…会ってみたいなって言う気はしますよ。
要は未来から来た自分ですもんねえ?」
沙雪と真子ちゃんが手を取り合って再会を喜び、
さつきと池谷君、健二君、樹がお互いに”乗り切れてよかった”と安堵してる状況の中、優子さんが振り返って美奈子に声を掛けた。
優子「美奈子~!ちょっとこっちに良いかしら?」
美奈子「はいはい、どうしました?ん?(もう1人の自分…”レイカ”の存在に気が付いて一瞬固まる。)あのぅ、今ここにあたしがここに居ても大丈夫です?」
雅「どうやら大丈夫みたいよ。あの…時空の壁らしいモノは…
さっきのペンダント同士の共鳴で粉々に砕けて無くなったみたいだし。」
レイカ「うわぁ…初めましてって言うか…当然って言えば当然でしょうけど…
全く同じ。っていうか、鏡見てるみたい…。」
美奈子「まぁね…これで同じ顔じゃ無かったら”お前、誰やねん!”って
事になるよねぇ…(滝汗)
まあ…今はトリップしてきて20代の顔だけど、元は46歳だったし(滝汗)」
結局自分だし…解って当然なんだけどさ…^^;;;
(※―――ここからレイカsideで進行します―――)
しばらくもう1人の自分…美奈子さんとこちらの世界では存在していない従兄
(=さつきさん)の嫁の沙雪さんと雑談しつつ…
美奈子さんの「まぁね…これで同じ顔じゃ無かったら”お前、誰やねん!”
って事になるよねぇ^^;;;まあ…今はトリップしてきて20代の顔だけど、
元は46歳だったし(滝汗)」
25年後からトリップしてきたと言う美奈子さん…まあ、年数は経っても
あたし自身だし大きく性格的にも変わる事は無いと思うのよね…なんて思ってたら、
美奈子さんが「うん、うん、BA1に乗ってた時が1番”頭のネジが全部ぶっ飛んで
抜け落ちてる”って言われたわ(;^ω^)しかし…ホント懐かしいなぁ。
好きだったもん…このスタイリング。羨ましいもん。あ、そうださつき!
皆で秋名でも流しに行こうか!
さつきと沙雪、あたしとレイカ(※自分だけど区別しないと周りがこんがらがるから
^^;;;)と高橋兄弟と拓海君に…真子ちゃん、池谷君に健二君と樹君とか居れれば…
大所帯で楽しめるじゃん?誘えるなら文太さんも誘いたいとこだけどさ…
師匠3人はあたしとさつきとレイカちゃんで1人ずつ助手席に乗ってもらってさ…」
あ、BA1に思い入れがあるんだ…
まあ、あたしもデザインが気に入って買ったんだけどさ。凄い懐かしそうに語ってるし…何ならBA1を運転してもらうのもありかな…ん?話が進んでる…
さつき『あ?俺は構わんけど…高橋兄弟とか拓海が大丈夫か聞いとかないとな…
それに文太さん…担ぎだせるかは疑問だぞ?』
そう言ってさつきさんが声を掛けに行った。
沙雪「まあ…お姉様方はさつきの横に乗りたがるかもしれないけどねえ…^^;;;」
え?師匠達とさつきさんって…そんなに親しいの?全然知らないけど…
美奈子さんと出会って急速に仲良くなったのかな…コミュニケーション能力
恐ろしく高い人達ね( ̄▽ ̄;)そんな事を思ってたら…
急に背後からGOD(=優子さん)の声が聞こえた。
「レイカ~!で、あたくし達は誰に乗せてもらうのかしら?決まったのなら
教えて欲しいのだけど?」と。
その声に一気に緊張が走る。あたしの急変する顔色と美奈子さんと沙雪さんの驚き様が凄い。
…やっぱり年月が経ってもGODは師匠なんだろうなあ…雲の上の人って感じだし。
それにしても沙雪さんまでビビっちゃってるよぉ^^;;;威圧感ハンパ無いもんね…
GODが居ると思って慌てて振り返りざまに
レイカ「あ、優子さんすみませ(ん、もう少し待ってて… (←と、言いかけて言葉を飲み込んでしまった。)ってあれ?今…優子さん来ませんでした?」
って言ったらそこにGODの姿は無く…代わりに立ってたのは、今のあたしの親戚筋に居ないはずのさつきさん…キョト~ンとしてる。
さつき『んあ?優子さん?…いや?見て無いけど…』
え?幻聴?いや、美奈子さんも沙雪さんだって反応してたはず…
え?待って待って待って。…マジで怖いんですけど><;;;
レイカ「気のせいかな…大師匠の声で"レイカ~!で、あたくし達は誰に乗せてもらうのかしら?決まったのなら教えて欲しいのだけど?"と聞こえた気がして…」
あれ?さつきさんが…してやったりって顔してる…もしかしてこれって…
するとさつきさんの口から驚く言葉が…
さつき『(ガッツリ優子さんボイスで)”レイカ~!で、あたくし達は誰に乗せてもらうのかしら?決まったのなら教えて欲しいのだけど?”
(ここでいきなり地声に戻る)…って言われたの?ついでになぎささん辺りに
(これまたガッツリとなぎささんボイスで)”レイカ~走りに行くんだって?
あたしはレイカの横で良いよぉ(^^♪”
(更にとどめの雅さんボイスで)
”はいはい、いっぺんに話すとみんなが収拾付かなくなるから!
レイカ、惑わされちゃダメよ?フフフ…”』
何でそんな事できるのよ?
レイカ「し、師匠3人いっぺんに出てきた…さつきさんの声帯の構造ってどう言う事になってるんです?」
驚きすぎてこんな事しか出ない…お~い!あたしの語彙力家出しないでってば。
それに対して笑い転げてるさつきさん…それを見て”あたしの緊張感を返せ!”って
フツフツと怒りが沸いて来て後ろからキャメルクラッチを掛けようとしたあたしは
悪くないと思う。
さつき『あぶねっ!めっちゃ危険!何でキャメルクラッチかけようとしてんの!
コブラツイストよりは可愛げがあるけど、でもえげつないだろ!!』
かわされたか…チッ!
さつき『あ、今、舌打ちしたな!もしかしてお怒りモードです?レイカさん?』
レイカ「え~ん!美奈子さ~ん、さつきさんがいじめるぅ~!」
美奈子「(いきなりの雅さんボイスで)レイカ…あんたは悪くない。あたしからもよ~く言っとくから、機嫌直して。ね?ねっ?」
本気で姉のように思えてしまう…自分なのになあ…
その時後ろから…本物の雅さんが登場して来るとは…
何?このカオスな状態^^;;;