THE IDOLM@STER The Story of Admiral Lescher   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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レッシャー元帥のウワサ 20

かの剣豪 佐々木小次郎の流れを組む剣士であり、かの有名な刀"物干し竿"を所持しているらしい。

 

 

レッシャー元帥のウワサ 21

ハクニー種の馬で父親の代から世話になっている"レイテ·ガルフ"を飼っているらしい。

 

 

小日向美穂のウワサ①

きたるべき時に母親の仇を討つ為にレッシャー元帥に仕えているらしい。

 

 

 

「ミホ、このワルサーで···早く撃て。ここにいるお前の母の仇が···ヴァルハラに逝く前に。そういう契約だった···筈だ···。」

 

2038年出版 乙倉悠貴·堀裕子·水本ゆかり 共著

「レッシャー提督の物語 6:永遠の物語」 第5章『介錯せよ』より



海軍元帥、過去を語る。そしてユッコはおぼろ気ながら"真実"にたどり着く

William·Lescher·I.jr

 

FADM 

 

US NAVY

 

AUG 10 1971 – DEC 22 2025

 

The most versatile and strongest amateur in the world.

 

An outstanding and respected Ace.

 

(日訳: 万能にして最強のアマチュア。尊敬すべき傑出したエースパイロット。)

 

 

 

ウィリアム·レッシャー元帥の墓碑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は第8艦隊司令部としてYouT○beにて生配信を行う。

メンバーは相棒(バディ)、カナデさん、ミズキさんが質問役、そして私がピアノを弾きながらアルコール混じりに雑談するという形式だ。まぁ相棒はまだ16だから葡萄ジュースだが。

 

 

 

 

 

 

 

推奨BGM ショパン 夜想曲 第9番ロ長調 Op.32-1

 

 

 

 

 

「さて、今日の第8艦隊司令部公式配信は私の生い立ちについて話そうと思う。第8艦隊の公式サイトへの要請がひっきりなしだったそうだからな。」ピアノを弾きながら

 

 

 

「提督さんの出身はどこなのかしら?」

 

 

 

「1971年8月10日、奇しくも相棒(バディ)と同じ誕生日に私はテキサス州の州都オースティンで生を受けました。 母は民主党上院議員タヤ·レッシャー·イチノセ=スチュアート、父はウィリアム·レッシャー·イチノセ シニアです。」

 

 

 

「志希の親戚とのことだけど、厳密にはどんな関係なのかしら?」

 

 

 

「その話は少々ややこしくなりますが、まぁこの際です。話しておきましょう。まず一ノ瀬家の歴史を1910年代頃から見て行かなければなりません。

 

1911年、志希の曾祖母にあたる一之瀬貞子が生まれました。さらに次の年には弟、一ノ瀬金次郎が生まれこの姉弟はとても仲が良かったと聞いております。

 

問題は1945年にあの無意味な戦争が終わった後に起こります。

 

一ノ瀬金次郎は日本からの合衆国に対する賠償資源(男)の一部としてテキサス州に強制的に移住させられてしまいます。

 

そして移住先のオースティンにおいて、レッシャー家先々代当主でありレッシャー銀行頭取兼レッシャー衣服店店主だったロビン·レッシャーと出会った。

 

男でありながら勤勉であった金次郎をロビンは大層気に入り、粘り強く口説き落としレッシャー家に自らの婿として迎え入れます。

 

そして私の父であるウィリアム·レッシャー·イチノセ シニアが生まれたのです。

 

我が父は祖父に似て勤勉ではありましたが、祖父とは違い男でありながら社会の表へ出ようとしていたのです。

 

その一環として、父は当初海兵隊に入ろうとパリスアイランド訓練所に入所するのですが、意思と肉体が乖離していた、つまり精神は強かったのですが肉体が病弱だった。

 

そのせいで3週間で丁重に追い出されてしまったのです。」

 

 

 

「提督さんは社会に出て活躍してるけど、提督さんのお父君もそうだったのね。つまり提督さんはお父君の影響を受けて社会に出たということなのかしら?」

 

 

 

「カナデさん、正直に申し上げて、私は父からあまり影響を受けていなかったと思います。

 

今私が話しているこの内容も関係者から聞いて得た一族の情報ですし、そもそも私は4歳の時に両親と死別してしまっています。

 

話を戻します。父は次に母親であるロビンから託されたレッシャー銀行の専務に就任、銀行員として働き始めました。

就任して1年経ったかどうかという時に、とある実業家がお金を借りにやってきた。名をタヤ·スチュアート。石油精製業者 兼 ハンバーガー屋だったのですが、事業拡大を企図し資金を集めていたのです。その日は他のほとんどの行員は休暇·出張で出払っていたので父が直接彼女の話を聞いたようです。

それが私の両親の出会いでした。お互い一目見た時に運命を感じたそうです。そして僅か半年後レッシャー家に養子としてタヤが入り、夫婦となりました。

それから2年後の1971年8月10日、私ことウィリアム·レッシャー·イチノセ ジュニアが生まれたのです。同時に銀行·衣服店·ハンバーガー屋·石油精製会社が統合されレッシャー·グループが誕生しました。我が母タヤは身体が父同様あまり強くなく私には妹も弟も生まれませんでした。その結果イレギュラーながらレッシャー家の次代を担うのは私ということになり、母から経営学とイギリス英語を2歳の頃から教え込まれました。父からは日本語とドイツ語、イタリア語、ロシア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ベンガル語、ヒンディー語、フィンランド語、ヘブライ語、アラビア語を教えて貰いました。そして祖父は私に剣術を教えてくれました。」

 

 

 

「今更だけど、提督さんピアノを弾きながら会話もできるのね?」

 

 

 

「ショパン先生の曲は目を瞑りながらできますよ。会話しながらなど造作もない。」

 

 

 

「芸術にも明るい男性って素敵ですよ提督。」

 

 

 

「ありがとうございますミズキさん。3歳になった時、ノーフォーク海軍基地の祭に行きました。その際ブルーエンジェルスのファントムの勇姿と展示されていたハリアーを見て海兵隊の航空隊に入ろうと考えました。後に父から海兵隊のパイロットは地位が低いことを教えられ、海軍に入ることを決心しました。ですが1975年6月29日、その日は両親と私で上映が少し前から開始されたサメ映画『ジョーズ』を見終わり帰ろうとした時でした。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さん、サメヤバかったね。」

 

 

 

「そうだな。生憎僕とタヤはあまり身体が強く無いからいざあんなのに襲われたら多分死ぬだけだ。ジュニア、その時はお前だけでも生き延びろよ?」

 

 

 

「何を言い出すかと思えば···その時は僕がサメの頭に.30-06(スプリングフィールド弾)をブチ込んで父さんと母さんを護るよ。」

 

 

 

「頼もしい奴だ。」頭を撫でる

 

 

 

「あなた、来週の取引書類ってどこにしまったの?」

 

 

 

「ええっと···銀行のジュニアの机だ。」

 

 

 

「じゃあ回収してから帰りましょう。」

 

 

 

「そうだね···タヤ、前!」

 

 

 

「うっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「山道な上に霧が出ていて視界が悪い状態で中型トラックと私と両親が乗る車が正面衝突しました。後部座席のチャイルドシートに座っていた私は無事でしたが、両親はもうどうしようもない状態になってしまっていました。その3ヶ月後には祖父も他界し私は一人になってしまった。そんな時地元の小学校に入り、我が友エリザベス·ローレン大統領と、後の初代相棒と出会い、1年程ウィーンで過ごし、アナポリスに入学、海軍に入りました。後はWikip○diaに書いてある通りです。まさか第1艦隊復活計画の策定に関わっていたこと、コンステレーション級の設計に関与していたことまで書かれているとは思いませんでしたが。」

 

 

 

「相棒は戦闘機乗りなのに艦の建艦計画まで手を出してたの?」

 

 

 

「相棒、我が合衆国の将官は大体総合職に対応できる。特殊職は外部が思ってるより少ない。まあもっとも、私はなまじ様々な分野で活躍できたから例外と言えば例外なのだがな。潜水艦以外の我が合衆国海軍の兵器に何かしらの形で関与してしまっている。もし今後20年の間に我が合衆国海軍が戦略的失敗をやらかしたら私にも責任の一端があるということになる。」

 

 

 

「なるほどね。」

 

 

 

「空を飛んでいるその瞬間(とき)以外、私は内外からの悪意や合衆国の敵と戦い続けてきました。無論ここにいる以上その全てをはねのけあるいは耐えきることができたということですが、かといってメンタルが正常な状態であったかといえばそうとも言い切れません。ここにいる皆と出会わなければ私は完全に精神を病み、自分の頭をワルサーで撃ち抜いていたでしょう。私は皆が思ってるより脆く、寂しがりな男なのです。

出会いを与えてくれたイマニシと、支えてくれる皆には深く感謝しています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし。これで今日の仕事は終わりだな。このような当たり障りの無い配信でも400万回稼げるとは···コストパフォーマンスは悪くないな。第8艦隊の任務のみならずシンデレラプロジェクトの宣伝にも良い作用をもたらすだろう。」

 

 

 

「相棒。」

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

「なんか大きいトラックが来てたよ。」

 

 

 

「···来たか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諸君、紹介しよう。我が愛馬、"レイテ·ガルフ"だ。」 ヒヒン

 

 

 

「提督はんは乗馬もできるんどす?」

 

 

 

「当然だ。サエ、今度時間ができたら乗せてやろう。彼女は温厚だからお前が乗っても拒否したりはせんだろう。」

 

 

 

「楽しみにしとります。」

 

 

 

「うむ···サエ、マーリン(ユッコ)。」

 

 

 

「「?」」

 

 

 

「今度ルーマニアのカルパティア山脈で10日間のサバイバル企画をやらされるようなのだが、アシスタントを二人つけるよう言ってきた。お前達に頼みたいのだがやってくれるか?他の者は仕事が入ってしまっている。少々危険だが最低限のものは持たせてもらえる上に···私がいる。特殊部隊での勤務経験がある以上当然だがサバイバルのスキルもそれなりにはあると自負している。それに私としても一人でこんな寂しい仕事はできればしたくない。どうだ来てくれるか?この企画本来のギャラに加えて特別な報酬も用意するが?」

 

 

 

「···ウチは別に構いまへんが···。」

 

 

 

「ユッコはどこまでも提督殿についていきますよ!」

 

 

 

「···ありがとう。ミホ、二人を射撃訓練場に連れていけ。K31の慣熟訓練をさせろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな所で終わるんじゃないぞマーリン!もう私は相棒の墓碑を書きたくないんだ!」

 

 

 

「閣下···ご無事で···?」

 

 

 

「あぁ···あぁ!君のおかげだ!私は傷一つない!」

 

 

 

「良かったです···閣下の副官になれて···ちょっとの間だけ···でした···けど···閣下のお嫁さんになれて···幸せ···でした···」息絶える

 

 

 

「おい···おい!しっかりしろ!マーリン!返事をしろ!何故応えん!」

 

 

 

マーリン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「?···ふわぁ」あくび

 

 

 

嘘ぉ···もう6時ですか?早いですね。

 

今日のお仕事は午後からのものだけなので本来はもうちょっと寝たいんですけど、さっきまで見てた変な夢のせいでそれもできません。それにしてもおかしい夢でしたね。

 

提督殿がユッコにつけてくれたアダ名を叫びながら、ひたすら泣きじゃくっているのです。でも単なる夢にしてはあまりに生々しかったですから、ちょっと提督殿に相談してみましょう。6時ともなれば提督殿が既にみんなのご飯を用意しておられる頃でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督殿おはようございます!」

 

 

 

「おはようマーリン。今日は珍しく自分で起きたようだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーリン(ユッコ)が真実にたどり着いた。積極的に隠していた訳ではないがあまり知っては欲しくなかった。だがこうなれば、いずれバレる。ならばせめて今のうちに真実を話し相棒() グース(悠貴) マーリン(ユッコ) ランスロット(ゆかり)に赦しを請う他ない。イマニシがバラす前に話して精一杯誠意を示すしか他に道はない。

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