THE IDOLM@STER The Story of Admiral Lescher   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

20 / 24
解説

 

第6艦隊(United States Sixth Fleet)

アメリカ海軍の艦隊。約40隻の艦船を有し、主に地中海・大西洋東側を担当範囲としている。アメリカ海軍の実戦部隊たる第2、3、4、5、10の他の5艦隊は陸上の基地に司令部が置かれている中、第7艦隊同様旗艦の中に司令部が置かれているのが特徴。2016年時点の司令官はクリストファー·グレイディ中将。

 

海将

海上自衛隊の階級の一つにして頂点である。外国の海軍中将と同格の扱いを受ける(NATO階級区分におけるOF-8)。肩には金の階級章に桜星3つ、冬服の腕には金太線1本と金中線2本である。
ただし海上幕僚長の職にある海将だけは桜星4つであり外国の海軍大将と同格(NATO階級区分におけるOF-9)になる。海上自衛官4万5000人の内18人しか昇れない狭き門である。



如月秀忠(英名:ハンス=ヴィルヘルム·レッシャー)

如月家の嫡男。2016年11月15日に生まれた。何故か全く泣かず手もかからない上に優と馬場このみ以下成人組がバックアップしてくれるので千早も安心して事務所で育児ができている。レッシャーの後継者候補でもある。一応ワシントンD.C.で生まれたのでアメリカ国籍を与えられた。

 

杜野尊子 海将

海上自衛官。現在、海上自衛隊のほぼ全軍を指揮し海自No.2のポジションにあたる自衛艦隊司令官に在職中。間もなく海自トップにあたる海上幕僚長(略称:海幕長)に昇る予定。若い頃は戦闘機乗りとして腕を鳴らし、若かりし頃のレッシャー元帥としのぎを削った仲である。娘は現在アイドル業の傍ら防衛大学校受験のため勉強中。


海軍元帥、隷下の将兵達と年末年始を満喫する

レッシャー元帥のウワサ 27

 

海軍に入って以降の彼の寝顔を見た者は見てから半年以内に約90%の確率で戦死、事故死、または変死するらしい。現在40人戦死·26人事故死·5人変死·1人行方不明。

 

ちなみに現在彼の寝顔を見てまだ生きているのはエリザベス·ローレン大統領、コリン·キルライン中将、小日向美穂、五十嵐響子、如月千早、如月優、渋谷凛、小早川紗枝、塩見周子、今西部長のみ。

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ 28

 

ウィーン·フィルハーモニー管弦楽団をはじめ複数の有名楽団に莫大な寄付をしているらしい。

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ 29

 

米軍史上最悪の休暇消化率であり、アメリカ国防総省(ペンタゴン)は彼の(事実上)退役後彼に近い消化率の悪い兵が出たら始末書を書かせる方針を出したらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大抵のアイドル達と違い後付けの理由になってしまったが、私は唄う理由を見つけた。

 

亡き戦友達の鎮魂の為、不安な船出を迎える後の世代の背中を押す為に私は唄うべきであると。」

 

 

 

2038年出版 乙倉悠貴·堀裕子·水本ゆかり 共著

 

「レッシャー提督の物語 6:永遠の物語」 『プロローグ』より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「渋谷凛は史上最も長く第8艦隊を指揮し続けた。2025年、中将に昇進し如月千早の後任として第3代司令官に着任。以後40年に島村卯月と交代するまで15年間の長きにわたり司令官として辣腕を振るった。また、2035年に過去の活躍の数々から大将に叙されている。40年に退役し俳優兼アイドル業の傍ら息子の政界進出をサポート。息子がアメリカ大統領になって間もない2057年8月、豪華客船での慰安旅行中に客船の沈没事故に巻き込まれ民間人の避難誘導中に行方不明になった。享年57歳。」

 

 

 

2060年ドキュメンタリー番組「レッシャー元帥の軌跡 外伝」より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「40年前、2017年8月18日。私は偉大なる海軍軍人である父と日本を代表する女優でありアイドルでもある母との間に生まれました。

私の家は、3代前から男でありながら、表にて勤勉に合衆国のため働いて参りました。そのチャレンジ精神は、私の魂にも引き継がれています。

皆さんが愛してくれた、我が父ウィリアム·レッシャー·イチノセ.jrは、私が8歳の誕生日を迎えて間もなくヴァルハラへ旅立ちました。正直、残念でなりません。私は傍で是非とも見ていて欲しかった。自分の息子が、ある意味自分よりも高みへ羽ばたいていく姿を。

アメリカ史上最年少の元帥であり、レーズンパンと自然薯が大嫌いでビールが苦手だった父ですが、その息子がアメリカ史上最年少の大統領として活躍する姿を是非ともその目に焼き付けて欲しかった。

ですが、父は私のことを今も見守ってくれていると確信しています。父と、そこで私を見守ってくれている我が母、渋谷凛は文字通り相思相愛であり一心同体でありました。彼女の目を通して、父は私を見守ってくれているはずです。『新しく正しいアメリカ』『弱きを守るアメリカ』をモットーに掲げた行政を志向していくことを、ここに誓います。

 

合衆国に、神と我が父の加護があらんことを。ありがとう。」

 

 

 

2057年1月20日 アメリカ合衆国第51代大統領 

 

ウィリアム·レッシャー·イチノセ3世(渋谷蓮太郎) 就任演説より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年12月20日 成田空港 アリタリア航空機内

 

 

 

「サエ、どうした?」

 

 

 

「提督はん、ウチ、飛行機初めてなんどす···。」

 

 

 

「気持ちはわかる。私も初めてバックアイ(アメリカ海軍のT-2練習機)で離陸した時は少し怖かったが、すぐに慣れる。旅客機である以上かかるGもバックアイの比ではない。もう少しゆったり余裕をもって座れ。良いな?怯えていても始まらん。」手を繋いでやる

 

 

 

「///」

 

 

 

ウィリアム(バディ)、私のも握ってよ?」少し不機嫌

 

 

 

(バディ)、もう何度も飛行機に乗っておるのだからゴネるな。」呆れつつも握ってあげる

 

 

 

「♪~」機嫌が良くなる

 

 

 

「副参謀長、ラングレー(CIA)とギルデイ(第10艦隊司令官)に連絡せよ。『ローマへ出発せり』と。」

 

 

 

「了解。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ シュトゥットガルト アメリカ欧州軍司令部

 

 

 

「皆さんお久しぶりです。アメリカ海軍第8艦隊公式チャンネルへようこそ。今回は私がかつて率いたインド·太平洋軍と同じ任務をヨーロッパにおいて負う統合軍の一つ、欧州軍について解説し欧州軍司令官、そして暇を見つけて来て下さった欧州諸国の軍幹部達から話を聞こうと思います。」

 

 

 

「元帥閣下。欧州軍司令官、第一海軍卿(イギリス海軍トップ)連邦軍総監(ドイツ軍トップ)、到着されました。」

 

 

 

「ご苦労、副参謀長。こちらへお通ししろ。」

 

 

 

「はっ。」

 

 

 

「今回はアメリカ欧州軍司令官、スカパロッティ陸軍大将。イギリス海軍トップ、ザンベラス大将。ドイツ軍トップ、シュナイダーハン陸軍大将にお越しいただきました。」

 

 

 

「「「よろしく!」」」

 

 

 

「スカパロッティ、元気にしてたか?」手を差し出す

 

 

 

「もちろん!」握手

 

 

 

「それは何より。ザンベラス卿、シュナイダーハン大将、忙しい中よく来て下さいました。どうぞお座り下さい。」席を指す

 

 

 

「「では失礼します。」」座る

 

 

 

「レッシャー元帥、この度はまた後継者候補を得たそうで。おめでとうございます。」

 

 

 

「ありがとうございます。二人目はまだ生まれていないので注視していくつもりですが、一人目の方については母子共に問題無く、二人目も無事に生まれてきてくれることを祈っております。それはそうと、ザンベラス卿、この度は空母『クイーン·エリザベス』の就役おめでとうございます。」

 

 

 

「ありがとうございます···と言いたいところなのですが···。」

 

 

 

「「?」」

 

 

 

「一昨日、ポーツマスに入り検査した折にプロペラシャフトのシール部分に著しい浸水が見つかりました。現在修理中です。」

 

 

 

「お疲れ様です。議会から突き上げが来ないと良いですな。突き上げないか、やるにしても穏便にやるよう工作(お願い)しておきましょう。」

 

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

「では、現在ヨーロッパ圏が置かれている状況について説明していきます···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影機材片付け中···

 

 

 

「ただ喋るだけで広報になるなら世話ないな。」少し不機嫌

 

 

 

「ウィル、楽過ぎてお仕事した気になれないのはわかりますが気持ちを切り替えて下さい。」

 

 

 

「わかっている。それよりチハヤ、私の手伝いはしなくて良い。秀忠を看てやれ。」

 

 

 

「わかりました。」赤ちゃんを抱っこする

 

 

 

「私と違い静かな奴だ。私の悪い所は引き継いでないと見える。あまりに強い才覚は寿命を犠牲にするし周りも自身も滅ぼす。私も父も、祖父も···その点秀忠にはチハヤの血が濃く引き継がれたようだ。これなら相棒の子とよく競い、助け合ってゆくだろう。」

 

 

 

「はい。」

 

 

 

「私が家を継がせるならば、大統領の娘か、秀忠か、相棒の子か、3人のいずれか。まあ大統領の····セラス·ヴィクトリアとは仲が良くないしあれはそもそも大統領の家を継ぐ以上任せられん。必然的に秀忠か相棒の子を見極めた上で相応しい方に継がせるつもりだ。どちらが継ぐにせよ、お前の補佐が頼りだ。テキサス州、ひいては合衆国の政財界に少なからず影響力を持つレッシャー·グループの実質的な経営権は秀忠と(バディ)の子の代理人としてお前と相棒の手に帰するのだ。責任重大だが頼むぞチハヤ。」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

「キョウコ、銃とベーコンの用意は?」

 

 

 

「できてます!」

 

 

 

「ではさっさと取りかかろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さんこんにちは第8艦隊の公式チャンネルへようこそ。今回は銃のサプレッサーにベーコンを巻きつけてカリカリにして美味しく頂きたいと思います。」陸上戦闘服

 

 

 

「アシスタントは私こと五十嵐響子海兵隊一等軍曹と小日向美穂二等軍曹が務めますのでよろしくお願いしますね!」

 

 

 

「では早速やっていきましょう。 本来でしたらサプレッサーと弾はこちら持ちで欧州軍司令部の警備兵から銃を借りて実験する予定でしたが、視聴者の皆さんからの需要にお応えして 私がSEALsで働いていた頃使っていた軽機関銃であるストーナー63Aを特別に持ってきました。これにサプレッサーをつけてベーコンをカリカリにしていきたいと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベトコンは消毒じゃゴラァーーーーーーーッ!!!」ダダダダダダダ

 

 

 

「ちなみに元帥はベトナム戦争に従軍してませんので悪しからず。」

 

 

 

「そもそも私は71年生まれ。ベトナム戦争終わったのが75年。一ノ瀬の者といえど4歳では流石に何もできんよ···とりあえず40発射ってみた。ミホ、銀紙剥がして確認してくれ。」

 

 

 

「美味しそうなこんがりとした香りがします。」銀紙剥がす

 

 

 

「だがどうやらカリカリにはなってないな。もう20発追加だ。」ダダダダダダ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「焦げ臭いな···。」焦げ焦げ

 

 

 

「これじゃベーコンじゃなくて炭ですね。」

 

 

 

「60発では多すぎたか。50発程度が丁度いいラインらしい。これから銃を扱う諸君はサプレッサーを使う時は注意するように。物凄く熱くなるからな。当たり前だが、軍から支給されたサプレッサーでこんなことは絶対にやらないように。めちゃくちゃ怒られる。では今回はここまでだ。今後もたまにはネタ動画を上げるのでリクエストがあればコメント欄に書いておいて欲しい。では諸君、次の動画で会おう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年12月24日

 

オーストリア共和国 首都ウィーン デープリング地区 レッシャーの別荘

 

 

 

「765プロダクションの諸君、我が"家族"達、今年はご苦労だった。来年に備えゆっくり英気を養うように。人数があまりに多すぎたので手料理は出せんが、今回の晩餐はあらんかぎり奮発した私の奢りだ。楽しんでくれたまえ。では···Prosit(プローズィット) !!」

 

 

 

「「「「乾杯(プローズィット)!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お初にお目にかかる赤羽根プロデューサー。いつもチハヤとユウを助けてくれて···この場を借りて御礼申し上げる。」頭を下げる

 

 

 

「いえ!こちらこそお世話になっていますレッシャー元帥!千早が行方不明になった際はご助力いただき、本当にありがとうございました!」

 

 

 

「偶然だ。ラングレーの友人が休暇の暇潰しと部下の訓練がてら私に貸しを作るためにチハヤを標的にマンハントしただけだからな。感謝には及ばん···それはそうと···。」

 

 

 

「?」

 

 

 

「ユウとイマニシ以外の社会に出て働いている男を見るのが初めてでしてな。私は大抵の同性に嫌われているから縁もない。故に何を話せば良いものか判断に迷う···。」

 

 

 

「クリスマスですからお仕事の話をすると皆に叱られますからね···。」

 

 

 

「···試みに問うが、貴公、何故に外で働いておられるのか?」

 

 

 

「···自分は当初実家に押し込められて暮らしていました。ですが窮屈さを感じて家出したんです。宛てもなくさ迷う自分を拾って下さったのが社長でした。社長への恩返しと広い世界に出たいから···といったところでしょうか。」

 

 

 

「なるほど。稀に家を窮屈に感じて外に出る男がいるが、貴公もその口か。私とて少々似た理由で軍人になりましたからな。お気持ちはわかる。」

 

 

 

「最初は自分と律子でプロデューサー業務をまわしていましたので優が来てくれた途端物理的にも精神的にも負担が減って助かりました。元帥におかれても優の外就許可を出して下さり本当にありがとうございました。」

 

 

 

「私はユウの意志を尊重しただけだ。チハヤに安全管理の徹底を厳命した上で。だが、インパラをライオンの縄張りに放り込むような事態は避けねばなりますまい。その点765プロダクションはイマニシが『信用に値する』と報告をくれたからユウの背中を後押ししました。私とて外に出て好き勝手やっている以上、ユウを閉じ込めておける立場にはありませなんだ。」

 

 

 

「···その"好き勝手"の内容が軍人···しかもエリートの代名詞である戦闘機乗り(ファイターパイロット)特殊部隊(SEALs)の二足のわらじなのですから尊敬しますよレッシャー元帥。自分は"仕事人間"と皆からよく言われますが、元帥も中々だと優が言ってましたよ。」

 

 

 

「···自覚はあります。あまりの有給消化率の悪さに国防総省(ペンタゴン)に呼び出されたのも1度や2度では済まない有り様でしたからな。」

 

 

 

「これが俗に言う"苦労性"ってことなんでしょうね。」

 

 

 

「違いない。では苦労性な仕事馬鹿同士の奇跡の出会いに···。」

 

 

 

「「乾杯!」」カン

 

 

 

「お年始のウィーン·フィルでのコンサートでは相棒、チハヤ、マユ、ミナミ、グース(悠貴)マーリン(ユッコ)ランスロット(ゆかり)と同様貴公には最前列を用意しました。ごゆるりとご堪能あれ。」

 

 

 

「ご配慮感謝します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2200レッシャーの寝室

 

 

 

(バディ)、これで事実上の仕事納め。皆しばらく安息を謳歌できる。明日は二人きりでウィーンをまわろう。久しぶりのデートだ。私自身何故か柄に無く高揚している。」

 

 

 

「ふふっ、私も同じだよ。この前愛知に行った時と違って本格的な新婚旅行だなって。」

 

 

 

「だが早起きしないと明日は楽しめん。そろそろ寝よう。(バディ)、良い夢を。」ベッドに入る

 

 

 

「うん。ウィリアム(バディ)も良い夢を。」レッシャーの隣に寝る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(バディ)、一般的日本人からしたウィーンのイメージは京都のような"古都"だろう?だが実態は些か異なる。京都も場所によって違うようにな。モダン且つお洒落な店や建物がこのようにたくさん並んでおる。あそこの店のアップルパイは絶妙だ。尤も、私は小麦と果物を一緒には食べられないからリンゴを剥がしてパイ生地とリンゴを別々に食べるがな。」

 

 

 

ウィリアム(バディ)って本当にそこだけ奇食だよね?みくから貰ったレーズンパンも決して食べようとしなかったし。」

 

 

 

「だが何故かイチゴの生クリームサンドは食べられることがこの前シューコとカナデさんに強制的に食わされて発覚した。なんなんだろうな?」

 

 

 

「まあそれはそれとして···ウィリアム(バディ)、お昼どうするの?」

 

 

 

(バディ)と行きたかったレストランを予約してある。こっちだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レストラン 「グリーヒェンバイスル」

 

 

 

「ウィーンにある最古のレストランだ。モーツァルト先生ワグナー先生シューベルト先生といった偉人たちのサインもたくさんある。」

 

 

 

「お薦めは?」

 

 

 

「そうだな···ズッペ(スープ)とグーラシュ(シチュー)だな。無難にそれにしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつもカラヤン先生にしごかれた後決まってズッペとグーラシュを頼んでいた。気に入って貰えたかな(バディ)。」

 

 

 

「うん。スープはなんか安心感があって美味しいし、シチューのお肉は脂身じゃないのにほろほろと溶けて普通のより食べやすいかな。」良い笑顔

 

 

 

「···そんなに美味しかったなら、今度作ってやろう。些か時間がかかるしここより美味しくはないが、君が喜んでくれるならとてもありがたい···。」

 

 

 

「···うん。」

 

 

 

「···カラヤン先生が亡くなって、もう27年になるのだな。時が経つのは早いものだと実感するな。私が先生の下を去る直前、先生と最後に夕食をお供させていただいた時に食べたのもズッペとグーラシュだった。」

 

 

 

「ヘルベルト·フォン·カラヤンってどんな人だったの?」

 

 

 

「とてもこだわりが強い人だった。今の時代には合わないかなり強烈なトップダウン型指揮者だったことは否めないが、結果的にカリスマ独特のオーラに皆文句一つ言わずに従い、そして栄光を掴んできたのだ。残念ながら私は先生ほど我慢強くも、こだわりもないから先生そっくりな指揮はできても先生ほど強烈な演奏をさせることはできんよ。今度の仕事に期待していてくれている君とチハヤ、マユ、ミナミには恐縮だがな。」

 

 

 

「でも、普通の人は指揮者なんてできないよ。とても大変だって聞くし。そんなに卑屈になっちゃ駄目だよウィリアム(バディ)。」

 

 

 

「···うん、そうだな。あまりネガティブになってたらヴァルハラのカラヤン先生にどやされる。新年は明るくいこうか。」

 

 

 

「うん!それでこそ私のウィリアム(バディ)だよ。」

 

 

 

「ありがとう(バディ)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Frohes neues Jahr! Ich wünsche Ihnen alles Gute für das neue Jahr und freue mich auf die Zusammenarbeit mit Ihnen allen!(日訳:明けましておめでとうございます。我が偉大なる師カラヤンに代わり皆さんの新しい年に幸運が来ますよう、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!)···そしてアイドル諸君、老人が精一杯"本当の"クラシックを魅せてやる!刮目(かつもく)せよ!」

 

 

 

「「「!!」」」パチパチパチ 拍手

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボレロ、運命、新世界より、さまよえるオランダ人、憂いもなく、美しく青きドナウ、ラデツキー行進曲。難易度が高い、或いはシンプルさ故に指揮者の腕が丸わかりしてしまう曲ばかりであったが、なんとか無難にやりきった。正直上院の公聴会よりも重労働だった気がする。カラヤン先生のダイナミックさと小澤さんの緻密さを足して2で割ったような感じでやりきった。それと地味にアンズや年少組のクラシック興味ない勢が寝落ちしてなかったのは嬉しかったが···。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ···ハァ···ハァ···ハァ···」床に座り込む

 

 

 

ウィリアム(バディ)、これを!」スポドリを渡す

 

 

 

「ありがとう···。」飲み始める

 

 

 

「提督さん、お疲れ様です。」タオルを渡す

 

 

 

「ありがとうナナ、助かる。」汗を拭く

 

 

 

「卯月、私はウィリアム(バディ)の右支えるから左を支えて。」レッシャーを抱える

 

 

 

「はい!」レッシャーを抱える

 

 

 

「すまん、(バディ)、ウヅキ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(バディ)、今回の仕事で、少しはカラヤン先生に報いられただろうか···。」膝枕されてる

 

 

 

「多分喜んでくれてると思うよ。今日の仕事、文字通り命削るレベルで本気だったじゃんウィリアム(バディ)。」膝枕してる

 

 

 

「···ヴァルハラに逝ってまでカラヤン先生にしごかれたくないからな。そう思っておこうか···(バディ)?」凛に頭をナデナデされる

 

 

 

「命を削るのを否定はしないけどさ、調子に乗ってやり過ぎないでね。私達の心臓にも悪いから···。」

 

 

 

「···勿論だ。君と少しでも長く共にいる為にも、無茶は控えるとも。」

 

 

 

そろそろ血が恋しくなってきたな···誰でも良いから私に暗殺者(ヒットマン)を寄越して来ないものか···返り討ちにして若い頃のように喉笛をナイフで切って遊びたいものだ···血を見れば(欲求不満を解消すれば)少しは寿命が伸びるだろうからな···。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。