THE IDOLM@STER The Story of Admiral Lescher 作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将
海軍作戦部長
アメリカ合衆国海軍省における最高位の軍人(アメリカ海軍のトップ)で、統合参謀本部議長(アメリカ全軍のトップ)または副議長(アメリカ全軍のセミトップ)が海軍から出ていない場合は、アメリカ海軍における最先任の士官である。軍備を整え、戦時への即応性を維持する責任を負う。他の参謀総長等と同じく、作戦上の指揮権限を有しない。統合参謀本部の一員であり、海軍に関する大統領の主任軍事顧問である。任期は4年。ローレン大統領はレッシャー中将を大将への昇進と同時にアメリカ本土防衛と場合により各艦隊へ部隊を提供する任務を担う艦隊総軍(United States Fleet Forces Command、略称:USFLTFORCOM)司令官に任じ経験を積ませた上でこの職に栄転させようと企んでいたが、指揮官として最後まで現場を離れないことに拘ったレッシャー大将はこれを敢然と拒否、別の者を急遽充てる羽目になり海軍省は一時大騒ぎになった。
如月優(16) イメージcv:広中雅志
如月千早の弟。見た目は短髪の如月千早+レッシャー大将からプレゼントされたサングラス。現在生存しているレッシャー大将のたった4人の"親友"の一人。網膜色素に異常がある為にサングラス無しに生活できない。男でありながら外で働く親友(レッシャー大将)を見習い13歳の時から姉の手伝い 兼 プロデューサーとなり姉や765プロのアイドル達の為に頑張っている。そう見まごうことなき男の娘である。萩原雪歩·最上静香とは特に仲良しである。
2016年1月14日 1844 南池袋公園 某ベンチ
「ふぅ···。」
たまにはこんな風に落ち着いて一人で缶コーヒーを飲んで落ち着くのも悪くない。新しい仕事を始めてからずっと騒がしかったからな。たまには自分を見つめ直す機会が必要だ。それはそうと···
「何をしているのだあの小娘は···?」
世界に絶望していると言わんばかりの表情で空を見上げる13~4歳位の黒い服を着た娘。発展途上国ならいざ知らず、日本の娘がして良い表情ではないぞ!
「···。」泣いている
近付いてみるとこの娘、泣いているではないか。ますます放ってはおけん。
「おい、小娘。」隣に座る
「?」
「何故泣いている。何に絶望している?」
「お仕事先が倒産してお家からも追い出されちゃったんです···。このまま死ぬしかありません。」
「お仕事?その歳で働いているのか?」
「駆け出しでしたが···アイドルをやらせて貰っていたんです。でも···。」
「?」
「プロダクションが倒産しちゃったんです。前も···その前も···。」
「···。」
なるほど···疫病神ってやつか···だがな···
「学校が燃えちゃったり、両親の仲が悪くなっちゃたり、同僚の方が有り得ないアクシデントに見舞われたり···私のせいで沢山の人が不幸になっちゃいました···アイドルになりたかったのに···幸せになりたかったのに···。」
「···。」
いつの間にか娘は泣き止み、そして自嘲するような笑みを浮かべていた。
「私なんかがアイドルになっては···駄目だったんでしょうね···私なんか、生まれてこなければ···。」小袋を取り出す
娘は小袋から白い粉末を取り出した。ニンニク臭···この娘、まさか!
「!」手を掴む
「止めないで下さい!私のせいでこれ以上誰かを不幸にしたくないんです!」粉を飲もうとする
「!?」
なんて馬鹿力!だから狂気に飲まれた者は嫌なんだ!
「···許せ、娘。」鳩尾を殴る
「かはっ」気絶する
やってしまった。まあお節介はいつものことだ。とりあえず相棒に連絡だ。
「
池袋 レッシャーの別荘 リビング
「?」目覚める
「目が覚めたか、娘。」
「はい···。」
「一ついいことを教えてやろう。君が飲もうとしていた粉、ヒ素だろうが···言っておくがヒ素では楽には死ねないぞ。溺死するのと何ら変わりない死に方を迎える。もがき苦しんで無様に死んでいく···。」
「!?」
「そんなに楽に死にたいなら···。」ワルサーP38(シルバーメタリック)を向ける
「!?」
「言っておくが本物だ。それにこのビルは私の別荘、そして防音処理も為されている。だが弾代もタダではない。1発26円。君の頭に撃ち込めば当然血が飛ぶ。部屋のクリーニング代と死体処理代合わせて100万でやってやろう。君にそれを払えるかな?」
「···。」俯く
「···もし払えないのなら、私が依頼する仕事をやって貰う。それで出る給料から代金をくれればいつでも眉間に9ミリパラベラム弾を撃ち込んでやる。」
「···あなたは殺し屋さんなのですか?」
「いいや、私はウィリアム·レッシャー。元軍人だ。諸事情あって日本でも合法的に銃を携行できるようになっている。私が名乗ったのだ。君の名前を教えて貰いたいものだ。」
「すみません、私は白菊ほたると言います。」
「···で、どうなのだ?ほたるさん。100万円払えるのか?」
「···すいませんが私にそんな大金はありません。口座にだって10万円入ってるかどうか···。お財布にも3000円しか入ってません。」
「···アイドルをやっていたと言っていたな。ならそれで稼ぐが良い。私は元々合衆国海軍で働いていたが、今は346プロダクションのプロデューサーだ。後1人位なら私の指揮下に迎えられるだろう。最悪イマニシを締め上げて引き入れる。」
「···どうして疫病神の私にそこまで···?」
「···22年前、まだ若かった頃の私にそっくりだったからだ。私をかばって相棒が死にそして小隊も一つ私のせいで壊滅的被害を被った。
現役の時、歴代4人の相棒全てを失い私は 死神扱いだった。
他人に迷惑をかけている質も量ももはや私は君ごとき小娘など比較にならん。今まで何千人と殺してきたのだ。
そんなろくなことがなかった私の人生だが、それでも希望を持って生きている。まだ20年も生きていない君が人生を終えるのはまだ早いとは思わんか?
しばらく私とともに働いてみると良い。それでなお絶望が拭いきれなかったのなら···苦しませずに殺してやる。
疫病神がなんだと言うのだ?なら私は死神だ。何千人もの死に関係し、そいつらの怨みと遺族からの恨みを一身に背負っているが、私はまだ生きている。
それに合衆国では破産した者にチャンスを与える。そういう者は破産の屈辱を知っている。もう二度と受けたくないと足掻くのだ。日本と違ってな。
私はクォーターの日本人だが、アメリカ人の価値観が強い。チャンスを与える、未来ある若者に。君にチャンスをくれてやろう。後はチャンスを掴んだ者の、能力次第だ。」ワルサーP38を下ろす
「···私に、チャンスをくれるんですか?もう一度アイドルになるチャンスを···?」
「そう言っている。後は私の手を取るだけだ。どうする?」手を出す
「···こんな疫病神ですが、よろしくお願いします。」握手
「疫病神系アイドル、白菊ほたるだ。新しい"家族"として世話してやってくれ。」
「白菊ほたるです。よろしくお願いします!」