最近、ポルカドットスティングレイにはまってます。
ストップ・モーションめっちゃ好きです。
ヒイラギです。
最近、ホウエン地方で新たなお友達が増えました。
そう…
ラルトスちゃんです!!ヤッター!
トウカシティでヤンチャしてたチンピラたちに『ご指導』をして帰る途中、102番道路で天使に会っちゃいました。
チャーミングな前髪の向こうからこちらを見つめるつぶらな瞳…
一瞬で恋に落ちたよね。
ポロックに興味津々なのもかわいい。
食べようかどうか迷ってるのもかわいい。
いちいち物音に反応しちゃうのもかわいい。
何してもかわいい。カロスを滅ぼした戦犯だろうが何だろうが、かわいいの前にはすべてが許されるのだよ。
…サーナイトナイトほしいなあ。
誰かから『うっかりもらえ』ちゃったりしないかなあ…
なんてね。
そうそう、近いうちに、ガラル地方をプライベートで旅行していた組長が帰ってくるらしい。
僕がここに来る少し前に「ガラルのフェアリーちゃんに会ってきます。探さないでください。」と書置きをして旅立ったのだとか。
それを聞いたとき、僕は思った。
社長、うちのトップじゃなかったんだ…
「俺は組長じゃねえよ。若頭だ。ただ社長って呼ばれてるだけだ。」
「あ、そうなんですか。みなさんが社長って呼んでるからてっきりうちの会社のトップなのかと思ってました。」
紛らわしいなオイ。
「ん、まあ実際は俺が経営を任されてるから雇われ社長みたいなもんだけどな。組長は組長で遊び歩いてばっかりだし…」
「なるほど。」
話を聞く限り、うちの組長はしょっちゅう会社をほったらかして他の地方に遊びに行っているらしい。そのたびにフェアリーポケモンの写真を撮ったり、グッズを買ってきたりしているのだとか。
事務所にあふれかえっているグッズは組長のものなのだろうか。
「とういうか、前から聞こうと思ってたんですけど…」
「なんだ?」
「社長って、なんというお名前なんですか?」
おや?
事務所の様子が…?
「バカっ!テメエ、ヒイラギ!」
「〇にたいんですか!!」
冷や汗ダラダラで僕の口をふさぐゴンドーさんとホンジョ―さん。
目の前には…
光の消えた目で僕を見つめる社長。
「お前、次それ聞いたら(放送禁止用語)な。」
やらかした。
地雷を踏みぬいてしまったみたいだ。
この業界は…
闇が深すぎる。
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正午を少し過ぎた頃、玄関のベルが鳴った。
出前かな?ゴンドーさんがパンケーキの出前を頼んでいたはずだ。
「おい、ヒイラギ。出てくれ。」
「あ、ハイ。今行きます!!」
ハンコを片手に玄関に向かい、ドアを開けた。
しかしそこにいたのはデリバリーの配達員ではなく…
「ただいまー!帰ってきたよー!!」
荷物をいっぱいに抱えた振袖少女が立っていた。
え、なにこの子。
今ただいまって言ったよね??
「あの、失礼だけど、おうち間違えてないかな?ここは…」
「組長!!ご苦労様です!!」
「「ご苦労様です!!!」」
後ろを振り向くと、僕以外の全員が深々と頭を下げていた。
え?
目の前の振袖少女と後ろのいかついお兄さんたちを交互に見る。
え?
組長って…
この子!!??
「うむ!ご苦労ご苦労!!クミチョーちゃんのお帰りだよ!」
ほんと、この業界は闇が深すぎる…
「へえ、君がヒイラギくんかあ!シャチョーから聞いてるよ。」
「そうなんですね…ってアブリボンちゃんで遊ばないでください組長!」
組長はアブリボンちゃんをなでなでしまくっている。
そんなに乱暴に撫でたら怖がっちゃうじゃないですか!!
「やーん、かわいい!特にこのまつげ!」
「そうですよね!!まつげ!!いいですよね!!うちの子は特にまつげが長いんですよ!ほら他にも目とか口とかマフラーとか…あっ。」
初対面の上司に、しかも組長につい熱く語ってしまった…
けどこの人、全然組長っぽい見た目じゃないんだよね。
金色の髪をサイドテールにした活発そうな相貌に、振袖のついた服。
そして何より…
人形みたいに小さいきれいな顔。
今も僕のアツい語りを聞いて、「アハハ!そうだよねー」などとニコニコ笑っている。
なんでこんな人がこの業界にいるわけ?
「しかし、組長が女性だとは思いませんでした。暴力団のトップに位置する方ゆえに、もっといかつい方を想像していたんですけれど…それにこんなに若い方なんて。」
「何言ってんだヒイラギ。組長はうちの中では最年ちょ…」
「ハイ―!!」
「ヴっっ!!!!!!!」
「ええ!?ゴンドーさん!!??」
ゴンドーさんが組長の鉄拳制裁を食らい、玄関まで吹っ飛ぶ。
えグーパン!!グーパンだったよ今!!
きあいパンチぐらい威力あるってコレえ!!
「ゴンドー!!それ以上口開いたら殴るぞコラ!!」
もう殴ってますよね?
これではっきりした。
このひと、うちの組長だわ。
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「親子盃…ですか?」
「そ。クミチョーである私と君で、盃を交わすの。それで私と君が親子になって、君はようやくうちの組の一員として認められるわけ。」
事務所の床の間に通された僕は、目の前に置かれた漆塗りの盃とマカロンの山を眺めながら、向かいに座る組長と対峙していた。
床の間とは言っても、普通のファンシーな部屋に『とこのま』と書かれたプレートが下げられているだけだった。
変わったところと言えば、それぞれ『是流禰阿洲(ゼルネアス)』『出居庵椎(ディアンシー)』『坐獅鞍(ザシアン)』と達筆に書かれた掛け軸がぶら下がっていることくらいか。
これから行う親子盃という儀式は、この部屋でしか行えないのだそうだ。
「なるほど。こうしてフェアリーの伝説ポケモンを祀った神聖な部屋で、フェアリーポケモンのために命を懸けることを誓うわけですね?」
「そうそう!君、物分かりがいいね。早速始めようか。」
なんだろう。この儀式を済ませてしまえば、後には戻れない気がする。
組長は言っていた。この儀式は親子の関係を取り結び、僕を組の一員として認めるためのものだと。
親子なんて言葉を使うくらいなのだから、僕らぽかぽかフレンドクラブのメンバーはそれだけ強いきずなで結ばれることになるのだろう。
それは同時に、僕が裏の社会のしがらみからもう逃れられないことを意味していて。
いや、もう決めたんだ。
過去の弱い自分を捨てて、この世界で強くなるって。
覚悟を決めて伏せていた顔を上げる。
「じゃーん!酌み交わしますのはこちら!マホミルちゃんのミルク!!」
「みる!」
「マホミルちゃーん!!!え!?マホミルちゃん?本物?うそ!?図鑑でしか見たことない!!」
「でしょでしょ!?ガラル地方でお友達になったのよねー?」
「みるみる!」
「う ら や ま し す ぎ る !」
あんなにシリアスに覚悟を決めたのは何だったんだろうか。
もうフェアリーヤ〇ザの世界にズブズブのヒイラギなのであった。
「終わりましたか。組長。ヒイラギさん。」
「うん。終わったよー。ホンジョ―。」
「そうですか。ずいぶんお楽しみのようでしたね。…私もマホミルたんのマホミルを飲みたかった…ッ」
「まあまあ、そんなキバニアみたいに唇嚙まないでくださいよ。ホンジョ―さん。まだ残ってますから。」
何ですか。マホミルたんのマホミルって。R-18かかりますよ。
「それで、私が楽しい楽しい旅行の日程を早めてまで帰ってきた理由についてだけど。」
今度はいつもの事務所で、会議が始まる。
デスクの上に飾られ、額装された『仁義』の書を背に、組長は威風堂々たる風貌だ。
「最近、うちのシマでなにやらおいたをする連中が増えてきてるそうじゃない?研究員が盗難にあったり、襲われたり。それについていろいろわかったことがあるの。」
「わかったこと…とは?」
「まず、彼らの団体。マグマ団と称してミナモシティの入り江を不法占拠し、そこをアジトとしている団体らしいのよね。」
「マグマ団…そういやこの前取り立てに行った時もそんなこと言って通りすがりに勝負仕掛けてきたやつがいたな。…ボコボコにしたけど。」
ゴンドーさん、マリルリで通りすがりに無双しないでください。
「それで、そのマグマ団とやらがなんの理由でヤンチャしてんすか?あいつらカタギノ人間でしょ。」
「うん。もちろん。奴らはこっち側の人間じゃないよ。ただね、奴らの目的なんだけど…どうもね、グラードンを狙ってるっぽいんだよね…」
「グラードンって…あのグラードンですか?」
「そう。陸を作ったと言われている、超古代伝説ポケモン。そいつを目覚めさせるために、デボンの裏情報を狙ってる…そんな感じ。なんのためにそんなことしようとしてるのか、詳しくはわからないけどね。」
太古のポケモンを目覚めさせる。言葉は簡単だけれど、その行為がどれだけ冒涜的なものなのかは、想像に難くない。
伝説のポケモンは神にも等しい存在だ。天変地異を引き起こすほどの力を持つポケモン。歴史すら捻じ曲げてしまうポケモン。世界の理すら変えてしまうポケモン。
そんなポケモンをコントロールして利用しようなど、畏れ多い。罰が当たるどころではすまない。
マグマ団とかいう人たちは一体何を考えているのだろうか…
「ま、現段階で言えるのは、この赤い服を着たやつが街にいたら必ず監視すること。そんで妙な真似をしたらしばくこと。いい?」
「「うっす」」
「了解です」
「わかりました」
街に揺れ動くマグマ団の影。
これから起こる一連の騒動をこの時のヒイラギはまだ予期してなどいなかった。
カロスのクノエジムにいた金髪の振袖ちゃん、かわいいよね…
クミチョーはあのイメージです。
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