「ぐぁあ!!」
シンジは巨大なカブトムシのようなモンスター、アルセルタス相手に苦戦していた。一撃離脱戦法を多用してくるこのモンスターと太刀の見切りからのカウンターは相性が悪く、ミラアンセスフォリアを多少使い慣れてきたシンジでは刃が立たなかった。
それを見ていたルーツは、シンジの持っていたミラアンセスフォリアを手に取るとこう言った。
「いいかいシンジ君。こういう一撃離脱の相手に見切りは相性が悪い。なら、見切り以外でカウンターするんだ。」
ルーツはミラアンセスフォリアを腰の位置で構える。その構えはシンジもよく知る、居合いのものと全く同じであった。
アルセルタスはルーツ目掛けて空中から突進してくる。だがルーツは回避のそぶりを見せない。
そして、ルーツにアルセルタスが衝突するその瞬間、ルーツはカッと目を見開くと抜刀した。
「居合い抜刀気刃斬り!」
アルセルタスは真っ二つになり、動かなくなった。
「わかった?これが一撃離脱をする相手に有効なカウンター技だよ。ただ、相手の攻撃を躱しつつ抜刀斬りは当てなきゃいけないから、見切りによるカウンターよりも難易度はさらに上がる。しばらくはアルセルタスを中心とした一撃離脱戦法を使う相手を出すからタイミング掴むことを意識しながらやってみて。」
・・・
宙に浮かびながら突進してくる44Aに対して、シンジは居合いの構えを取ると、目を瞑った。
猛スピードで突進してくる44Aの気配を感じながらシンジはミラアンセスフォリアを握る手に力を込める。
そして44Aと交錯するその瞬間。
「ふっっっ!!!」
シンジは居合い抜刀気刃斬りを発動。44Aは突進した勢いのまま上空へと舞い上がり、十字架のような爆炎の中消滅した。
「っ!次は!」
息をつかせる間もなく突撃してくる44A。シンジは再びミラアンセスフォリアを構えた。後ろにいる少女を守るために。
・・・
「へえー……急ごしらえで鍛えた割には中々良い動きしてるなあ。祖龍様から手を出すなっては言われてたけど、これなら本当に手を出す必要はなさそうだ。」
シンジが44Aと闘っている遙か上空にて、この世界へと送り込まれた天彗龍バルファルクはシンジの戦いぶりを驚嘆しながら見ていた。
「しっかし祖龍様……自分は来れないからってミラアンセスフォリアを貸し出すなんて……アレホントにこの世界に影響ないのか?」
バルファルクの眼下では、シンジが44Aの攻撃を見切り、そこから気刃大回転切りで44Aを切り飛ばしていた。
「ま、あの人の太刀をあそこまで使えるのなら大丈夫か。にしてもアイツどこにいるんだ?」
そう独りごちながらバルファルクは空の彼方ヘと、飛び去っていった。