「はあ!!」
44Aの突進を見切ったシンジはそのまま気刃大回転斬りを叩き込み、44Aの翼を切り飛ばした。
「うおおおおお!!」
片方の翼を失い、墜落した44Aに、シンジは間髪入れずミラアンセスフォリアの切っ先を突き刺し、一気に駆け上ると、そのまま刃を振り下ろした。
気刃兜割り。
生き残っていた最後の44Aは真二つに割れ、そのまま二度と動くことはなかった。
「はぁ……はぁ……」
全ての44Aを倒し終わり、肩で息をするシンジ。だが、すぐに思い出したかのように背後に倒れている少女へと駆け寄った。
(よかった……気を失っているだけみたいだ)
ほっとしたのも束の間、シンジは足下から力が抜けるのを感じた。そのまま地面に倒れるシンジ。
「あ…れ……?」
シンジは目を動かし、自分の体を見てみると、プラグスーツはあちこち破け、至る所から出血していた。足下には血だまりができている。
「はは……限界か……」
薄れ行く意識の中、シンジは自分たちの目の前にピンク色の巨人が降り立つのを見た。
・・・
「これは……」
マリは目の前の光景を唖然としてみていた。
八号機の索敵レーダーでは確かに44Aが6機、この周辺で確認されていたはずだ。しかし、そこにあるのは44Aの残骸と、倒れたまま動かないアスカ、そして白い巨大な生き物の牙のような何かを握りしめたまま自身の血の海に沈んでいるシンジ。そして二人を無表情で眺めているアヤナミ。
短時間の思考の後、マリは優しく三人を八号機の手に収めると、ヴンダーに通信を入れた。
・・・
「ん……」
式波・アスカ・ラングレーは目を覚ました。まず目に飛び込んできたのは吐き気のするほど清潔感を覚える真っ白な天井。軽く左腕に痛みを覚え、見てみると腕には包帯が巻かれていた。
頭を動かして横を見ると、書類に何かを書いている副長、赤木リツコの姿があった。そして、アスカが目覚めたことに気がついたのか、リツコはアスカの方を振り向いた。
「起きたのね。」
「……ええ」
「腕に軽い裂傷、それに軽い脳震盪をおこしていたわ。44Aに生身で襲われたのにその程度で済んで良かったわね。もう部屋に戻っても良いわよ。」
淡々と告げるリツコ。それに対してアスカは顔を顰めながら聞いた。
「あのバカガキはどうなったの」
「……」
「何か言いなさいよ」
無言のリツコにアスカは眉間の皺を深くした。そしてリツコはため息をつきながらこう言った。
「隔離室よ」
そう告げるや否やアスカは部屋から出て行った。